● 学校における通学用服等の学用品等の適正な取扱いについて(通知) 平成30年3月19日 29初財務第26号



29初財務第26号 平成30年3月19日
各都道府県教育委員会、各指定都市教育委員会、各都道府県知事、附属学校を置く各国立大学法人学長、附属学校を置く各公立大学法人理事長、構造改革特別区域法第12条第1項の認定を受けた地方公共団体の長 宛
文部科学省初等中等教育局財務課長(合田哲雄)、文部科学省初等中等教育局児童生徒課長(坪田知広)


    学校における通学用服等の学用品等の適正な取扱いについて(通知)


 学校における通学用服等の学用品等の購入については,平成29年10月2日文科初第472号「平成29年度要保護児童生徒援助費補助金の事務処理について(通知)」等を踏まえ,保護者等の経済的負担が過重なものとならないよう留意いただいていると存じますが,この度,改めて,学校における通学用服等の学用品等の取扱いについての留意事項等を下記のとおり通知しますので,十分に御了知の上,適切に取り扱われるようお願いします。
また,各都道府県教育委員会におかれては,所管の学校及び域内の市町村教育委員会に対して,各指定都市教育委員会におかれては,所管の学校に対して,各都道府県知事及び構造改革特別区域法第12条第1項の認定を受けた地方公共団体の長におかれては,所轄の学校及び学校法人等に対して,附属学校を置く各国立大学法人学長及び各公立大学法人理事長におかれては,その管下の学校に対して,本通知の内容についての周知と必要な指導等について適切にお取り計らいくださいますようお願いします。


                    記


1 保護者の経済的負担軽減に係る留意事項
(1)学校及び教育委員会は,通学用服等の学用品等の購入について,保護者等の経済的負担が過重なものとならないよう留意すること。
(2)教育委員会は,保護者等ができる限り安価で良質な学用品等を購入できるよう,所管の学校における取組を促すとともに,各学校における取 組内容の把握に努めること。
(3)学校及び教育委員会は,保護者等の経済的負担の軽減に向けた取組を行うに当たっては,公正取引委員会の「公立中学校における制服の取引実態に関する調査報告書」 (平成29年11月公表)等も参考とすること。

2 通学用服の選定等に当たっての留意事項
 学校における通学用服の選定や見直しについては,最終的には校長の権限において適切に判断すべき事柄であるが,その選定や見直しを行う場合は,保護者等学校関係者からの意見を聴取した上で決定することが望ましいこと。教育委員会は,所管の学校において通学用服の選定や見直しが適切に行われるよう,必要に応じて指導を行うこと。

3 その他
 国立,私立の学校の設置者においても,それぞれの実情に応じ,上記1,2の留意事項を参考にすること。


(参考)公立中学校における制服の取引実態に関する調査について
(公正取引委員会:公立中学校における制服の取引実態に関する調査報告書を含む)
http://www.jftc.go.jp/houdou/pressrelease/h29/nov/171129.html


お問合せ先
初等中等教育局財務課
初等中等教育局児童生徒課
(初等中等教育局財務課)




------------------------------------------------------------
(参考資料)
公立小の制服にアルマーニ 銀座・泰明小 一式8万円、保護者「なぜ」
2018年2月9日 東京新聞 朝刊

 イタリアの高級ブランド「アルマーニ」がデザインした制服の導入を、東京・銀座にある中央区立泰明(たいめい)小が決めていたことが分かった。制服着用は強制ではないが、一式の価格は、これまでの二・五倍の八万円ほどになる。公立学校にふさわしい対応なのか、保護者から困惑の声が出ている。 (神野光伸、山田雄之)

 区教育委員会によると、新しい制服は四月入学の新一年生約六十人から採用する。標準サイズ(身長一三〇センチ)なら上着、シャツ・ブラウス、ズボン・スカート、帽子をそろえると男子で四万四千円、女子で四万六千円。従来は男子が一万八千円、女子が一万九千円だった。新制服は、ほかにセーターなどを加えると一式で八万円以上になる。

 和田利次校長の名前で、保護者に配布された資料によると、変更理由について「服育」という教育の一環であることを挙げ、「銀座の街のブランドと泰明ブランドが合わさったときに学校、子どもらと街が一体化する」と主張。その上でアルマーニを選んだ経緯は「他のブランド社にもアプローチをしたが、アルマーニ社だけが思いを聞いてくれた」と説明している。

 新入学を予定している保護者向けに開いた昨年九月の説明会で、制服のデザイン変更を報告したが、そのときは価格帯については触れず、同十一月にようやく明かされたという。

 八日、記者会見した区教委事務局の伊藤孝志庶務課長によると、区教委には「経済的に負担が増える」「変更の理由が納得できない」といった苦情が、五件寄せられた。伊藤課長は「保護者らの了解を得るよう校長に指導してきたが、確認が十分ではなかった。プロセスに区教委は関わっていないが、指導が十分に行き届かなかったのは反省すべき点だ」と話した。

 区では制服を正式には「標準服」と呼び十四校が導入している。着用は強制ではないが、ほとんどの児童が標準服を着用している。

◆「丈夫なら」戸惑う声

 学区外から低学年の子どもを泰明小に通わせる、中央区の女性は「転んでもすりきれない丈夫な服、というのなら少しぐらい高くても納得できるが『アルマーニだから』と言われても、なぜなのかと思う」と釈然としない様子で話した。

 一年生の子どもを通わせている女性は「高額な服のことも含めて、ここに子どもを通わせるかどうか選択すれば良いだけ」と、校長の判断を擁護した。新一年生からの変更だが「全学年の変更だったとしても受け入れて買っていました」。

 八日の衆院予算委員会でも取り上げられ、麻生太郎財務相は「結構高いものだと思う。一人だけ買えない人が出ると難しいかなという感じはする」と答弁した。

<中央区立泰明小学校> 1878(明治11)年創立の銀座地区では唯一の小学校。島崎藤村や北村透谷、近衛文麿らが学んだ。関東大震災後の復興事業で建てられた鉄筋コンクリートの校舎は、都歴史的建造物に選定。学区外の児童も通える「特認校」に指定されている。






Copyright© 執筆者,大阪教育法研究会