● 小学校、中学校及び高等学校における生徒指導の充実強化について 昭和49年10月7日 文初中第435号



文初中第四三五号 昭和四九年一〇月七日
各都道府県知事・各都道府県教育委員会教育長あて
文部省初等中等教育局長通知


    小学校、中学校及び高等学校における生徒指導の充実強化について


 このことについては、かねてから御配慮を願つておりますが、最近の児童生徒を巡る問題行動の現状を見ると、依然として少年非行の低年齢化が進行し、少年による犯罪が増加しております。また、最近の連続爆破事件において少年が容疑者となるなど兇悪な犯罪の発生も見られ、社会に大きな不安を与えていることは誠に憂慮に堪えないところであります。
 少年の非行については、先に昭和三七年九月五日付け文初中第三四〇号「青少年非行対策について」、昭和三八年一〇月八日付け国社第六六号「少年非行集団対策について」及び昭和三八年一〇月一〇日付け文初中第三八五号「青少年非行防止に関する学校と警察との連絡の強化について」をもつてその対策をお願いしておりますが、更に健全な少年の育成のため左記事項に御留意の上、貴管下各学校における生徒指導(児童に対する指導も含む)の充実強化について一層の御指導をお願いします。
 なお、別記記載資料を、その対策等を立てるに当たつての参考としてください。
 また、「凶器使用犯罪の未然防止に関する協力方について」警察当局から要望がありましたので当該文書の写〔略〕を参考までに添付いたしますから、よろしくお願いいたします。

          記

1 生徒指導のより一層の充実強化を図るために、教師と児童生徒及び児童生徒相互の好ましい人間関係を育成し、児童生徒理解を深めること。

2 生徒指導の効果的な推進のために、校内における教師間の協力体制の充実を図るとともに、児童生徒の家庭、地域社会、関係諸機関、諸団体等との連携をより密接にすること。

3 児童生徒の非行防止のために、問題行動の早期発見、早期指導に努めるとともに、非行発生後の指導に当たつては、学校と青少年保護育成機関との間の協力、連携を密にすること。
 なお、長期欠席の児童生徒についても適切な指導が行われるように配慮すること(昭和三〇年九月三〇日付け文初中第三七一号「義務教育諸学校における不就学および長期欠席児童生徒対策について」参照)。

資料

文部省関係
○「生徒指導の手びき」(生徒指導資料第一集 昭和四〇年発行)
○「生徒指導の実践上の諸問題とその解明」(生徒指導資料第二集 昭和四一年発行)
○「生徒理解に関する諸問題」(生徒指導資料第五集 昭和四四年発行)
○「高等学校における生徒指導上の諸問題」(生徒指導研究資料第一集 昭和四四年発行)

総理府青少年対策本部関係
○青少年白書

警察庁関係
○警察白書
○「昭和四八年における少年の補導及び保護の概況」(昭和四九年六月)



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