● 平成16年度大学入学者選抜実施要項について 平成15年6月5日 15文科高第185号



15文科高第一八五号 平成一五年六月五日
各国公私立大学長・各国立短期大学部学長・独立行政法人大学入試センター理事長あて
文部科学省高等教育局長通知


    平成一六年度大学入学者選抜実施要項について


 このたび、標記の要項について、別紙のとおり定めました。
 大学入学者選抜方法の改善については、かねてから御努力を願ってきたところでありますが、下記の事項を踏まえ、より一層の工夫・改善を進めるよう、引き続き格別の御配慮をお願いいたします。

          記

一 各大学・学部は、当該大学・学部の教育理念、教育内容等に応じた入学者受入方針(アドミッション・ポリシー)を確立するとともに、これに基づき、入学後の教育との関連を十分に踏まえた上で入学者選抜の一層の工夫・改善に努めること。

二 受験生の能力、適性等の多面的な評価を行う観点から、推薦入学や帰国子女(中国引揚者等子女を含む。)、社会人等に対する特別選抜の積極的導入を図るとともに、各大学が行う選抜試験においては面接、小論文、実技検査、外国語におけるリスニングテスト等を適切に組み合わせて行うなど、選抜方法の多様化、評価尺度の多元化を推進すること。

三 各大学・学部は、公正かつ妥当な方法で入学者選抜を実施するとともに、入学者選抜のために高等学校(中等教育学校の後期課程を含む。以下同じ。)の教育を乱すことのないよう十分配慮して実施すること。


〔別紙〕

平成一六年度大学入学者選抜実施要項
(平成一五年六月五日)
(15文科高第一八五号)
(文部科学省高等教育局長通知)

 大学入学者の選抜は、大学教育を受けるにふさわしい能力・適性等を多面的に判定し、公正かつ妥当な方法で実施するとともに、入学者の選抜のために高等学校の教育を乱すことのないよう配慮するものとする。

第一 選抜方法

一 入学者の選抜は、調査書の内容、学力検査、面接・小論文その他の能力・適性等に関する検査の成績、大学が必要に応じて実施する健康診断、その他大学が適当と認める資料により、入学志願者の能力・適性等を合理的に総合して判定する方法によるものとする。
 この場合、スポーツ・文化活動やボランティア活動などの諸活動を適切に評価することが望ましい。

二 上記一の選抜方法によるほか、大学の意向によっては、以下のように選抜方法を工夫するなど、その受入に配慮することが望ましい。

(一) 商学、工学、農学、水産学、家政学、看護学等に関する大学・学部で、その目的、特色、専門分野等からみて適当と思われる場合には、入学定員の一部について、次の@及びAに示す者又はいずれかを対象として、職業に関する教科・科目の学力検査の成績などにより判定する方法(専門高校・総合学科卒業生選抜)

@ 高等学校の職業教育を主とする学科卒業の入学志願者
A 高等学校の総合学科卒業の入学志願者のうち、その職業教育が当該学部・学科の教育と関連すると認められる者

(二) 詳細な書類審査と時間を掛けた丁寧な面接等を組み合わせることによって、受験生の能力・適性や学習に対する意欲、目的意識等を総合的に判定する方法(アドミッション・オフィス入試)

 なお、この方法による場合には、以下の点に留意するものとする。

ア 大学は、学力検査を行う場合には、原則として二月以降とし、学力検査を課す場合は、これに過度に重点を置いた選抜基準としないこと。また、複数回の面接の実施等に当たっては、その時期、内容等に関し、高校生に過度な負担とならないようにするなど、高等学校教育への影響を十分に配慮すること。

イ 受験生自らの意志で出願できる公募制の選抜とし、高等学校長や教員等の評価書等を出願書類として求める場合には、推薦入学における高等学校長の推薦書とは位置付けを異にするものと考え、選抜に用いる一つの資料として扱うこととし、公募制の趣旨を損なわぬように配慮すること。

ウ 大学において求める学生像や受験生に求める能力・適性等を明確にし、それに応じた選抜方法の工夫・改善に努めること。

エ 大学は、受験生の能力、適性、意欲、関心等を多面的、総合的に評価するよう努めること。

(三) 入学定員の一部について、出身学校長の推薦に基づき、学力検査を免除し調査書を主な資料として判定する方法(推薦入学)

 なお、この方法による場合には、以下の点に留意するものとする。

ア 学力検査の免除を徹底し、調査書や面接、小論文を活用するなど、工夫・改善に努めること。

イ 学年の途中において又は学期の区分に従い高等学校の卒業を認められる者については、学校教育法施行規則(昭和二二年文部省令第一一号)第六一条の二第三項及び第六四条の三第一項並びに単位制高等学校教育規程(昭和六三年文部省令第六号)第三条等の規定の趣旨にかんがみ、推薦の要件について配慮することが望ましい。

(四) 入学定員の一部について、帰国子女(中国引揚者等子女を含む。)又は社会人を対象として、一般の志願者と異なる選抜方法により判定する方法(帰国子女特別選抜、社会人特別選抜)

 なお、大学は、外国における教育事情の違いや高等学校等卒業後の日時の経過などにかんがみ、広く本人の能力・適性等に応じ選抜がなされるよう学力検査の免除又は負担の軽減を図り、面接、小論文、その他大学が適当と認める資料を適切に組み合わせて課することが望ましい。

(五) 学力検査を課さないで、調査書、面接・小論文その他の入学志願者の能力・適性等に関する検査結果を主な資料として判定する方法(ただし能力・適性等に関する検査は省略することも妨げない。以下(六)、第二の五及び六並びに第六の二の(五)及び(六)において同じ。)

(六) 学力検査に先立ち、調査書、面接・小論文その他の入学志願者の能力・適性等に関する検査結果を主な資料として判定し、この合格者に対し学力検査等を課して最終判定する方法

第二 選抜期日

一 入学者選抜の期日は、次により適宜これを定めるものとする。

(一) 入学者選抜試験期日 平成一六年二月一日から四月一五日までの間

(二) 入学願書受付期間 入学者選抜試験期日に応じて定める。

(三) 合格者の決定発表 平成一六年四月二〇日まで

二 専門高校・総合学科卒業生選抜による場合の入学者選抜の期日は、上記一により定めるものとする。

三 アドミッション・オフィス入試を実施する場合には、次の諸点に留意しつつ、高等学校教育への影響を十分配慮するものとする。

(一) 学力検査を課さないで、調査書、面接・小論文その他の入学志願者の能力・適性等に関する検査結果を主な資料として判定する方法については、その具体的な方法が多様であることにかんがみ、必ずしも上記一の試験期日によることを要しないものとするが、出願期間等も含め高等学校教育に対する影響に十分配慮し、時期、方法等に関し受験生に対し過度に負担となることのないよう適切に定めること。この際、できる限り高等学校の理解と協力を得る努力を行うことが望ましい。なお、入学手続をとった者に対しては、これらの者の出身学校と協力しつつ、入学までに取り組むべき課題を課すなど、入学後の学習のための準備をあらかじめ用意しておくことが望ましい。

(二) 学力検査に先立ち、調査書、面接・小論文その他の入学志願者の能力・適性等に関する検査結果を主な資料として判定し、この合格者に対し学力検査等を課して最終判定する方法による場合は、調査書等を主な資料として判定した結果を、原則として学力検査の開始日の一〇日前までに発表すること。また学力検査の期日は、上記一により定めること。

四 推薦入学による場合は、原則として入学願書受付を平成一五年一一月一日以降とするものとし、その判定結果を第一の一による選抜方法の試験期日の一〇日前までに発表するものとする。

五 学力検査を課さないで調査書等を主な資料として判定する方法による場合の入学者選抜の期日は、必ずしも上記一の試験期日によることを要しないものとする。

六 学力検査に先立ち、調査書等を主な資料として判定し、この合格者に対し学力検査等を課して最終判定する方法による場合の入学者選抜の期日は、上記一により定めるものとし、調査書等を主な資料として判定した結果を原則として学力検査の開始日の一〇日前までに発表するものとする。

七 いわゆる秋季入学については、上記一によることを要しないものとする。

第三 調査書

一 大学は、入学者選抜の資料として、出身学校長が生徒指導要録等に基づき、かつ調査書作成に関する委員会の審議を経て作成した調査書を提出させるものとする。
 調査書の様式、記入上の注意事項等は、別紙様式一によるものとする。

二 調査書は、入学志願者の学習成績、健康状況、特別活動の記録等が記載された重要な資料であるので、入学者の選抜に当たっては、調査書を十分活用することが望ましい。
 なお、学力検査を実施する場合、入学志願者が受験する教科・科目以外の教科・科目については、特に調査書の学習成績に留意することが望ましい。
 また、専門教育を主とする学科及び総合学科卒業の入学志願者について、その専門教育が当該学部・学科の教育と密接に関連すると認められる場合には、調査書の専門教育に関する科目の学習成績や取得資格などに留意することが望ましい。

三 高等学校卒業に必要な修得単位数については、平成一四年度高等学校卒業見込み者より、七四単位以上に改められたことに留意するものとする。

四 調査書に記入される学習成績概評は、高等学校における同一学年生徒全員(ただし、教育課程の異なる類型のある場合は類型別、専門教育を主とする学科の場合は科別)の三か年間(ただし、定時制及び通信制の課程で修業年限が三年を超えるものにあっては当該期間)における全体の評定平均値を表一の区分に従ってA、B、C、D、Eの五段階に分け、その生徒の属する成績段階を示しているものである。

 (表一) 学習成績概評

 全体の評定平均値  学習成績概評

 五・〇〜四・三    A
 四・二〜三・五    B
 三・四〜二・七    C
 二・六〜一・九    D
 一・八以下      E


五 大学は、高等学校長に対し学習成績概評Aに属する生徒のうち、人物、学力ともに特に優秀で、高等学校長が責任をもって推薦できる者については、「学習成績概評」の欄に(A)と標示するよう希望することも考えられる。
 なお、この場合には「備考」の欄にその理由を明示させるものとする。

六 「健康の状況」の欄は、高等学校等用生徒健康診断票に基づいて記載されるものであり、入学後の保健指導等の参考資料としても併せて活用することが望ましい。

七 大学は、高等学校長に対し当該大学の学部・学科に対する能力・適性等について、特に高等学校長が推薦できる生徒については、その旨を調査書の「備考」の欄に記入を希望することも考えられる。

八 指導要録における入学、卒業等の学籍に関する記録や修得単位数に関する記録に係る保存期間(卒業後二〇年)が経過したものについては、原則として調査書にその記載を要しないものとする。また、学籍に関する記録や修得単位数に関する記録以外の記録について、卒業後五年が経過したものも原則として調査書にその記載を要しないものとする。
 この取扱いは、全ての卒業生(又は退学者)に適用するものとする。

九 上記八の場合及び、廃校・被災その他の事情により調査書が得られない場合には、次により措置する方法もあり、その場合面接によって不足を補う等の配慮が望ましい。

(一) 廃校、被災その他の事情により出身学校長の調査書が得られない場合は、卒業証明書、成績通信簿その他入学志願者が提出できる書類をもってこれに代える方法

(二) 本人が被災等により上記書類をも整えられない場合は、出身学校を所管する教育委員会、知事又は出身学校長が作成したこれに関する証明書を提出させる方法
 ただし、このような証明書を受理した大学は面接を行い、あるいは小論文を提出させる等により本人について更に調査をすることが必要である。

一〇 大学は、学校教育法施行規則(昭和二二年文部省令第一一号)第五七条の三の規定に基づき、教育課程編成上の特例の適用を受けている高等学校(研究開発学校)があるので留意するものとする。

一一 高等専門学校第三学年修了者等の調査書については、次によるものとする。

(一) 高等専門学校第三学年修了者及び文部科学大臣が高等学校の課程と同等の課程又は相当する課程を有するものとして認定又は指定した在外教育施設の当該課程を修了した者の調査書については、別紙様式一の調査書に準じて作成し提出させること。

(二) 外国において学校教育における一二年の課程を修了した者又はこれに準ずる者で文部科学大臣の指定したもの、国際バカロレア資格取得者、アビトゥア資格取得者、バカロレア資格(フランス共和国)取得者、文部科学大臣の指定を受けた専修学校高等課程の学科を修了した者及び大学入学資格検定合格者については、当該試験等の成績証明書をもって調査書に代える方法も考えられる。

一二 外国の高等学校に留学し、当該学校における履修を国内の高等学校における履修とみなして単位の修得を認定され、高等学校の卒業を認められる者については、調査書の記入上、留学に係る修得単位について「評定」の欄に五段階での表示を記入する必要がないこととしているので、推薦入学等の場合においては、外国の高等学校の発行する証明書等の添付書類を活用することが望ましい。

第四 学力検査等

 各大学が実施する学力検査(以下個別学力検査という。)や小論文、面接、実技検査等の実施に当たっては、各大学が各々の大学・学部の教育理念や教育内容等を十分に踏まえ適切に設定するとともに、次の諸点に留意しつつ、できる限り入学志願者の負担を軽減する観点から瑣末な知識の暗記や受験技術の習得を強いることなく、入学志願者の自ら学ぶ意欲や思考力、判断力、表現力等を適切に判断できるよう努めるなど特色ある選抜を実施するようにし、併せて入学志願者個々の個性、適性を活かした進学を助長するよう配慮することが望ましい。
 なお、入学者選抜に当たっては、個別学力検査のほか、口頭試問、面接、小論文、実技等の多様な選抜方法や調査書、自己推薦書等の資料を適宜活用し、当該大学・学部の特色、専門分野等の特性に応じて総合的に合否を判定する方法の導入に努めることが望ましい。

一 個別学力検査

(一) 個別学力検査は、高等学校学習指導要領(平成元年文部省告示第二六号。以下「学習指導要領」という。)に準拠し、高等学校教育の正常な発展の障害とならないよう十分留意して実施することとし、その実施については、大学の意向によって以下のような方法によることも考えられる。

ア 個別学力検査の一部又は全部を他の大学と共同し、共通の学力検査として実施する方法

イ 個別学力検査を第一次と第二次に分け、第一次の学力検査の合格者に対して第二次の学力検査を課す方法

(二) 個別学力検査を実施する教科は、国語、地理歴史、公民、数学、理科、外国語の六教科の中から、大学・学部の目的、特色、専門分野等の特性に応じ、高等学校教育に及ぼす影響にも配慮して、各大学が定める。ただし、大学・学部の目的、特色、専門分野等の特性から必要がある場合、複数の教科を総合して学力を判断する総合的な問題や、他の教科を加えて実施する方法も考えられる。

(三) 各教科における個別学力検査の実施科目は、学習指導要領に定められている科目の中から、それぞれ一科目を解答させることを基本としつつ、各大学が定める。ただし、大学・学部の目的、特色、専門分野等の特性によって、特定の教科について二以上の科目を解答させる方法も考えられる。

(四) 各大学が個別学力検査の実施科目を定めるに当たっては、大学・学部の目的、特色、専門分野等の特性に応じ、特定の科目を出題する必要がある場合を除き、学習指導要領の趣旨を踏まえ、例えば、地理歴史、理科においては、Aを付した科目及びBを付した科目の両科目を出題するなど、できるだけ多くの科目を出題し、選択解答させるよう配慮することが望ましい。

(五) 大学は、入学志願者の外国語におけるコミュニケーション能力を適切に評価するよう、リスニングテストを導入し、選抜方法を工夫・改善することが望ましい。

(六) 商学、工学、農学、水産学、家政学、看護学等に関する大学・学部で、その目的、特色、専門分野等の特性からみて適当と認められる場合には、上記(二)に掲げる教科の一部に代えて、職業に関する教科を出題し、又は地理歴史、公民、数学若しくは理科の科目に職業に関する基礎的・基本的科目を加え、選択解答させることが望ましい。

(七) 出題する教科・科目の変更が入学志願者の準備に大きな影響を及ぼすと考えられる場合には、二年程度前には予告・公表するものとする。

(八) 個別学力検査は、次の諸点に留意して、入学志願者の学習能力をできる限り合理的に検査することができるよう出題方針を立てるものとする。

ア 個別学力検査は、各種の客観式及び記述式の検査方式を適宜組み合わせて実施することが望ましい。

イ 原理的、根本的なものを基礎として、これを運用して解答できるもので、それぞれの科目に関して学理的な適応性を検査できるような問題が望ましく、単なる記憶や知識のみを検査するような問題であってはならない。

ウ 高等学校の職業教育を主とする学科及び総合学科の卒業者のための上記(六)に示す職業に関する科目の出題に当たっては、職業教育を主とする学科及び総合学科の卒業者が普通教育を主とする学科の卒業者に比べて不利にならないよう、特に考慮すること。

二 小論文、面接、実技検査、外部資格試験等の活用

(一) 小論文及び面接

 大学は、入学志願者の能力・適性等をできる限り多角的に検査するため、小論文を課し、また、学部・学科の特性等に応じ面接を活用することについて配慮することが望ましい。

(二) 実技検査

 大学・学部の目的・性格等から主として実技による授業を行う美術、工芸、音楽、体育等に関する学部・学科(教員養成学部にあっては主専攻)においては、上記一の学力検査のほか、実技に関する検査を課すことが望ましい。

(三) 外部資格試験等の活用

 大学は、入学志願者の外国語におけるコミュニケーション能力を適切に評価するよう、必要に応じ、実用英語技能検定(英検)やTOEFL等の結果を活用するなど選抜方法の工夫・改善を図ることも考えられる。

第五 健康診断

一 入学志願者の健康状況の把握は、次により行うものとする。

(一) 平成一四年度高等学校卒業者及び平成一六年三月卒業見込みの者については、調査書の「健康の状況」の欄の記載によるものとし、これ以外の年度の高等学校卒業者及び大学入学資格検定合格者等、調査書を提出することができない者については、調査書の「健康の状況」の欄の記載事項とされている視力、聴力、疾病及び異常について医師の作成した健康診断書(様式は特に定めない。)を提出させ、その記載によること。

(二) 特定の学部・学科等が必要とする特別の事項がある場合は、その旨を募集要項に具体的に記載するとともに、当該事項に関する検査、異常所見者に対する精密検査等については、必要に応じて大学が実施すること。

二 入学者選抜に際して健康診断により不合格の判定を行うについては、疾病など心身の異常のため志望学部・学科等の教育の目的に即した履修に耐えないことが、入学後の保健指導等を考慮してもなお明白な場合に限定し、真に教育上やむを得ない場合のほかは、これらの制限を廃止あるいは大幅に緩和する方向で引き続きその見直しを行うことが望ましい。

第六 学力検査実施教科・科目及び選抜方法等の決定・発表

一 大学は、学力検査の実施教科・科目並びに実技検査の実施科目、面接の実施及び小論文の出題等について決定し、平成一五年六月一日から七月三一日までの期間内に発表するものとする。

二 大学は、次の事項に該当する場合には、それぞれ具体的な取扱いを決定し、上記一で定める期間内に発表するものとする。

(一) 専門高校・総合学科卒業生選抜を実施する場合

(二) アドミッション・オフィス入試を実施する場合

(三) 推薦入学を実施する場合

(四) 帰国子女特別選抜、社会人特別選抜を実施する場合

(五) 学力検査を課さないで、調査書等を主な資料として判定する方法による場合

(六) 学力検査に先立ち、調査書等を主な資料として判定し、この合格者に対し学力検査等を課して最終判定する方法による場合

(七) 調査書に((A))標示を希望する場合

(八) 調査書に能力・適性等についての推薦の記入を希望する場合

(九) 学力検査の一部又は全部を他の大学と共同し、共通の学力検査として実施する場合

(十) 学力検査を第一次と第二次に分け、第一次の学力検査の合格者に対して第二次の学力検査を課する方法をとる場合

三 発表は、国立大学(国立短期大学を除く。)及び公立大学(公立短期大学を除く。)にあっては別紙様式二、別紙様式四及び別紙様式七により、大学入試センター試験を利用する私立大学及び国公私立短期大学(大学の一部の学部等について利用する大学を含む。)にあっては別紙様式三、別紙様式五、別紙様式六及び別紙様式七により、大学入試センター試験を利用しない私立大学及び国公私立短期大学にあっては別紙様式三、別紙様式六及び別紙様式七により、文部科学省高等教育局学生課大学入試室、各都道府県の知事及び教育委員会教育長並びに国立大学の大学附属又は学部附属の高等学校(高等部を置く盲学校、聾学校及び養護学校を含む。)の校長に通知する方法によるものとする。
 なお、大学入試センター試験を利用する大学にあっては、別紙様式四又は別紙様式五により、独立行政法人大学入試センター(以下「大学入試センター」という。)事業部事業第一課にも通知するものとする。

第七 募集人員

一 各大学で募集する人員は、所定の入学定員によるものとする。

二 大学の推薦入学の募集人員については、私立大学の附属高等学校からの推薦入学に係るものも含め、学部・学科等募集単位ごとの入学定員に占める割合について、五割をめやすにしながらその範囲において各大学が適切に定めるものとする。
 短期大学の推薦入学の募集人員については、推薦入学の趣旨を踏まえ、高等学校教育に及ぼす影響にも配慮して、各短期大学が適切に定めるものとする。

三 大学は、受験生が大学入学後に幅広い分野の大学教育に触れながら自らの適性や関心等に基づき、専攻分野を決めることができるようにする等の観点から、例えば学科ではなく学部単位で募集するなど、募集単位を大くくり化することが望ましい。

四 各大学・学部においては、入学定員の適切な充足を確保することとし、欠員の補充の方法等については事前に周到な準備をしておくものとする。

第八 出願資格

大学に入学を志願することのできる者は、次のとおりである。

一 高等学校を卒業した者及び平成一六年三月卒業見込みの者

二 通常の課程による一二年の学校教育を修了した者及び平成一六年三月修了見込みの者

三 学校教育法施行規則第六九条の規定により高等学校を卒業した者と同等以上の学力があると認められる者及び平成一六年三月三一日までにこれに該当する見込みの者

第九 募集要項、出願手続等

一 募集要項等

(一) 大学は、募集人員、出願要件、選抜期日、選抜方法、検査場、出願手続、入学検定料その他入学に要する経費等出願に必要な事項を決定し、それらを記載した募集要項を発表するものとする。なお、推薦入学等を実施する場合には、それぞれの選抜方法の区分ごとに募集人員等を明記するものとする。
 また、大学は、募集要項の作成に当たっては、受験生への配慮から可能な限りわかりやすく、かつ、十分注意を喚起できるよう一層の改善を図ること。入学に要する経費の種類・額やその納入手続・期限等については、募集要項に記載するものとし、これに記載されない寄付金等の納入を条件として入学許可を行うことのないようにするものとする。

(二) 大学は、当該大学の学部・学科等の教育を受けるにふさわしい者の能力・適性等について、募集要項に具体的に記載するものとする。

(三) 大学は、平成一五年一二月一五日までに募集要項を発表するものとする。

(四) 大学は、入学志願者に対し、大学案内、大学説明会等により、求める学生像、学部・学科等の組織、教育研究の内容及び特色、学生生活の概要及び諸経費、過去の年度の入学志願者及び合格者の数、卒業後の進路状況等大学・学部等の選択の参考となる情報を提供することが望ましい。

(五) 私立大学の入学手続時における学生納付金の取扱いについては、「私立大学の入学手続時における学生納付金の取扱いについて(昭和五〇年九月一日文管振第二五一号文部省管理局長・文部省大学局長から文部大臣所轄各学校法人理事長あて通知)」を参照し、推薦入学等も含め、少なくとも入学料以外の学生納付金を納入する期限について、合格発表後、短期間内に納入させるような取扱いは避ける等の配慮をするものとする。

二 出願の手続

(一) 入学志願者は、出願に必要な書類を取りそろえ、志願大学の定める手続により、志願大学へ提出するものとする。
 この場合において、出願に必要な書類を出身学校長が取りまとめて志願大学へ提出し、又は、出願に必要な書類のうち出身学校長が作成すべき調査書等のみについて、出身学校長が直接志願大学へ提出する方法も考えられる。

(二) 出願に際して提出する写真は、出願以前三か月以内に撮影したものとする。

第一〇 大学入試センター試験を利用する大学の入学者選抜方法等

 大学入試センター試験の利用に伴う大学(短期大学を含む。以下この項において同じ。)の入学者の選抜(大学の学部等の定員の一部について利用する場合は、その定員に係る入学者の選抜)に関しては、「平成一六年度大学入学者選抜に係る大学入試センター試験実施大綱(平成一四年五月一七日14文科高第一七一号文部科学省高等教育局長通知)」に定めるもののほか、第一の一に掲げる選抜方法の基本にのっとり、原則としてこの要項の各項に掲げるところに従って実施するものとするが、学力検査の実施方法、大学入試センター試験の実施期日等については、次に掲げるところによるものとする。

一 学力検査等

(一) 学力検査は、大学入試センター試験及び各大学が実施する学力検査(以下「個別学力検査」という。)に分け、大学入試センター試験は、各大学が大学入試センターと協力して共同で実施し、個別学力検査は、各大学が必要に応じて実施するものとする。

(二) 大学入試センター試験は、主として、入学志願者の高等学校の段階における基礎的な学習の達成の程度を判定することを目的とするものとし、各大学は、大学入試センター試験の出題教科・科目について、次の諸点に留意して、当該大学・学部に入学を志願する者に対し解答させる教科・科目を決定し、発表するものとする。

ア 各大学が、入学志願者に解答させる科目を定めるに当たっては、大学・学部の目的、特色、専門分野等の特性に応じ、特定の科目を指定する必要がある場合、又は特定の科目の中から選択解答させる必要がある場合を除き、例えば、地理歴史、理科においては、Aを付した科目及びBを付した科目の両科目の中から選択解答させるなど、できるだけ多くの科目の中から選択解答させることが望ましい。

イ 大学入試センター試験の出題科目の「現代社会」及び「総合理科」については、学習指導要領の趣旨を踏まえ、選択解答できる者を高等学校の特定の学科等の卒業者に限るとの制限を設けることのないよう配慮することが望ましい。

(三) 個別学力検査等は、主として、入学志願者が当該大学・学部の目的、特色、専門分野等の特性にふさわしい能力・適性等を有するか否かを判定することを目的とするものとし、その出題形式については、利用する大学入試センター試験の教科・科目との関連を配慮し、記述式、論述式又は口述式により、入学志願者の自ら学ぶ意欲や思考力、判断力、表現力等を適切に評価できるようにすることが望ましい。特に、個別学力検査において大学入試センター試験と同じ教科・科目を課す場合においては、論理的思考力や言語的表現力など大学入試センター試験とは異なる能力の判定に力点を置くような工夫を行うことが望ましい。
 なお、複数の教科を総合して学力を判断する総合的な問題の出題など、より一層の工夫に努めることが望ましい。

(四) 個別学力検査を実施する大学における学力検査の成績の判定においては、大学入試センター試験の成績が、この試験の目的に即して、適切に評価されるよう配慮するものとする。

(五) 各大学が推薦入学に大学入試センター試験を利用する場合の学力検査の免除については、第一の二の(三)にかかわらず、個別学力検査についてのみ免除することが考えられる。

二 募集、大学入試センター試験の出願受付、実施期日等

(一) 大学入試センター試験に関する要項の発表

 大学入試センターは、大学入試センター試験の実施期日、実施方法、出題教科・科目等、試験場、出願手続、検定料、経費等に関する要項を定め、平成一五年七月三一日までに発表するものとする。

(二) 各大学の募集要項等については、第九の一によるものとするが、第九の一の(一)及び(三)による募集要項の発表については、次によるものとする。

ア 各大学の入学者選抜に関する要項の発表

 各大学は、当該大学の学部・学科等の内容、入学定員、大学入試センター試験で受験を要する教科、成績の複数年度利用を行う場合はその利用方法等、個別学力検査その他の能力・適性等に関する検査の実施教科・科目及びその実施期日・選抜方法等の基本的な事項についての入学者選抜に関する要項を決定し、平成一五年七月三一日までに発表すること。
 この場合、求める学生像、各大学・学部の組織、教育研究の内容及び特色、大学説明会等の入学志願者の進路選択上の参考資料についても別途発表することが望ましい。

イ 各大学の入学者選抜に関する細目の発表

 各大学は、上記アの事項を含め、募集人員、出願手続・期日、個別学力検査等の実施日程の詳細、試験場、検定料その他入学者選抜上の具体的必要事項及び留意点等を記載した細目を平成一五年一二月一五日までに発表すること。

(三) 大学入試センター試験の出願受付、実施期日

ア 出願受付は、平成一五年一〇月六日から一〇月一七日までとする。

イ 実施期日は、平成一六年一月一七日及び一八日とする。

三 大学入試センター試験実施上の配慮

(一) 試験場の割当てについては、原則として、入学志願者が居住する都道府県内の大学が設定する試験場で受験できるように配慮するものとする。

(二) 身体に障害のある入学志願者については、障害の種類・程度に応じ、試験時間、出題、解答の方法、試験場の整備等、特別な配慮を行うものとする。

(三) 天災その他の事情により試験が実施できなかった場合の再試験及び病気その他のやむを得ない事情により所定の試験を受験できなかった者に対する追試験は、必要に応じ、大学入試センターが定めるところにより実施するものとする。

四 大学入試センター試験の成績の利用方法

(一) 大学入試センター試験の成績については、その利用に際し、一定の学力水準に達しているか否かの判定に主として用いる資格試験的な利用方法や成績の複数年度利用等、多様な利用方法を工夫することが望ましい。

(二) 平成一五年度の大学入試センター試験の成績を大学入学者選抜に利用するか否か及び利用方法については、平成一六年度大学入試センター試験を利用する大学・学部が、自主的判断に基づき決定するものであり、平成一五年度大学入試センター試験を受験した者の希望で決定するものではないことに留意すること。

第一一 国立大学の入学者選抜方法等

 国立大学(国立短期大学を除く。以下この項において同じ。)の入学者の選抜に関して、個別学力検査の日程、特別の選抜方法等については、次に掲げるところによるものとする。

一 出願受付、個別学力検査の日程

(一) 出願受付は、平成一六年一月二六日から二月四日までとする。

(二) 個別学力検査等の日程については、前期日程を平成一六年二月二五日から、後期日程を同年三月一二日以降に実施するものとする。

(三) 合格者の発表は、前期日程は平成一六年三月六日から三月一〇日まで、後期日程は同年三月二〇日から三月二四日まで(できるだけ二三日まで)とする。

二 各大学に対する出願、入学手続

(一) 入学志願者は、各大学が定める手続・方法等により、上記一の(一)による出願に当たっては、前期日程の大学・学部等から一つ、後期日程の大学・学部等から一つの合計二つの大学・学部等に出願することができるものとする。

(二) 入学手続は、四の(一)に掲げる推薦入学の場合を除き、合格者の発表後各大学の定める日から開始し、前期日程は平成一六年三月一五日に、前期日程以外の日程は同年三月二七日に締め切るものとする。

ただし、四の(二)及び(三)に掲げる帰国子女特別選抜、社会人特別選抜、第二次募集及び追加合格者の入学手続期間は各大学の定めるところによる。

三 専門高校・総合学科卒業生選抜

(一) 各大学が専門高校・総合学科卒業生選抜を実施する場合は、大学入試センター試験の成績と個別学力検査として実施する職業に関する教科・科目の成績等を総合して判定する方法によるものとする。

(二) 専門高校・総合学科卒業生選抜を実施する場合の出願受付、個別学力検査の日程、合格者の発表、入学手続等は上記一及び二に掲げるところによるものとする。

四 特別の選抜方法

(一) 推薦入学

 推薦入学を実施する場合の出願の方法、受付期間等は、入学願書受付を原則として平成一六年一一月一日以降とするものとして、各大学が適宜定めるものとする。
 また、判定結果の発表は、個別学力検査及び大学入試センター試験を免除するもの(推薦入学I)については平成一六年一月二三日までに、個別学力検査についてのみ免除するもの(推薦入学II)については同年二月一二日までに行うものとし、入学手続の締切期限は、推薦入学I、推薦入学IIとも同年二月一八日までとする。

(二) 帰国子女特別選抜、社会人特別選抜

ア 各大学が帰国子女特別選抜、社会人特別選抜を実施する場合は、大学入試センター試験を免除することが望ましい。

イ 帰国子女特別選抜、社会人特別選抜を実施する場合の出願の方法、受付期間、判定結果の発表日等は、各大学が適宜定めること。

(三) 第二次募集等

 各大学は、合格者又は入学手続終了者が入学定員に満たない場合には、いずれの国立大学にも入学手続をとっていない者を対象として、平成一六年三月二八日以降第二次募集又は追加合格による欠員補充を行う方法がある。
 この場合において、出願手続、選抜方法、実施期日等については、各大学が適宜定めるものとする。

(四) 二段階選抜

ア 二段階選抜とは、主として調査書の内容及び大学入試センター試験の成績により第一段階の選抜を行い、その合格者について更に必要な検査等を行って最終的な合格者を決定する方法であり、以下の場合に実施することが考えられる。

@ 入学志願者の数が入学定員を大幅に上回り、個別学力検査等を適切に実施することが極めて困難であるため特に必要がある場合
A 大学入試センター試験を資格試験的に利用する場合

イ この方式により選抜を行う大学は、第一段階の選抜の判定結果の発表を、前期日程については平成一六年二月一二日までに、後期日程については同年二月二八日までにそれぞれ行うものとする。

ウ ア@の理由により二段階選抜を実施する大学は、二段階選抜に係る実施倍率の大幅な緩和ないしその取り止めを図るため、試験実施から採点、合格者決定等の入試日程や業務内容等の適切な見直し、再検討を図るとともに、全学的な連携協力を図りつつ円滑適正な処理についてより一層努めるものとする。

(五) 募集要項の発表

 上記(一)から(四)により特別の選抜を行う大学は、あらかじめその実施方法・内容を第一〇の二の(二)の各大学の募集要項に明示するものとする。

五 その他留意事項

 国立大学の入学者選抜においては、特に次の諸点について留意するものとする。

(一) 各大学・学部の前期日程・後期日程の定員比率については、その適正化について積極的に努めること。

(二) 情報提供の積極的促進については一層の改善を行うとともに、特に出願期間中においては志願者数、二段階選抜の状況及び過去の入試データ等の情報を、入学手続締切後には追加合格の状況及び第二次募集の状況等の情報を適宜提供するよう配慮すること。

第一二 公立大学の入学者選抜方法等

 公立大学(公立短期大学を除く。)の入学者の選抜に関しては、第一一に掲げるところに準じて実施するものとする。
 ただし、個別学力検査等の日程、特別の選抜方法等については、各大学の定めるところによる。

第一三 注意事項

一 入学者の選抜は、大学教育を受けるにふさわしい能力・適性等を備えた者をできる限り多角的に選抜するため、学力検査のみに偏ることなく調査書の内容、学力検査以外のその他の能力・適性等に関する検査の成績、その他学部・学科の特性等に応じ適当と認める資料を活用するよう一層配慮すること。

二 身体に障害のある入学志願者の試験に当たっては、従来から特別の措置をとることについて配慮を求めているところであるが、この特別措置については、以下のことなどが考えられるので『定員を著しく超えて入学させている向きもあるが、学生定員は、学科目又は講座の数、教員組織、施設、設備等を総合的に考慮して定められていることに十分考慮すること。
 また、このことは、編入学試験を実施する際も同様であるので留意すること。

六 各大学・学部の組織、教育研究の内容及び特色等の情報は多様な方法により、受験生にわかりやすい形で提供するように配慮するとともに、必要に応じて各地区、大学単位で地元の高校生等を対象に大学説明会を開催したり、体験授業を企画するなど大学側の情報の積極的提供に配慮することが望ましい。

七 いわゆる秋季入学について、留学生や帰国子女等を対象とした選抜のみならず、一般選抜においてもその導入・実施に努めることが望ましい。

八 いわゆる飛び入学の実施に当たっては、「学校教育法施行規則の一部改正等について(平成一三年一二月二七日13文科高第一三九六号文部科学省高等教育局長・生涯学習政策局長通知)」によること。

九 入試ミス防止に関し、入試業務のプロセス全体を把握した上で、ミスを防止するためのガイドラインを作成すること等により、入試業務全体のチェック体制を確立するとともに、入学者選抜に関わる者の責務を明確にすること。また、教員、事務職員等関係者が一体となり、全学的な連携協力体制の確立に努めること。

(一) 試験問題の作成においては、出題上の疑義が生じたり、設問内容の記載の誤り等が生じることのないよう、試験実施前の段階におけるチェック体制を不断に点検し、複数者による相互チェック等作題者に対する注意喚起に努めるとともに、試験開始後においても速やかに作題者以外の者も含めて、二重、三重に点検を行うこと等により、ミスの防止及び早期発見に努めること。さらに、試験問題の作成につき、外部の機関又は専門家の協力を得ることについては、機密性、中立性、公平性の観点から十分慎重に対応すべきこと。

(二) 合格者決定業務においては、電算処理や解答のチェック体制の確立等を含め、試験実施前及び試験実施後において、点検・確認し、万全を期すとともに、学内における格別の注意喚起に努めること。

一〇 各大学は、自主的判断により入試情報の積極的開示に努めることが望ましいこと。

一一 合格者の発表においては、個人情報の保護の観点に留意して、受験生の立場等に配慮した方法によることが望ましいこと。

一二 入学手続きに際しては、受験生の負担等に配慮し、必要に応じ郵送による手続きも認めるなど弾力的な実施に配慮すること。また、合格者の氏名、住所等各大学の選抜を通じて取得した個人情報については、選抜以外の目的に利用することのないよう、その保護に十分留意すること。

一三 私立大学においては、本通知によるほか、「私立大学における入学者選抜の公正確保について」(文部科学省事務次官通知平成一四年一〇月一日付け14文科高第四五四号)を参照の上、適切な実施に努めること。

一四 私費外国人留学生の入学者選抜に当たっては、真に修学を目的とした者が選抜されるよう、適切に実施するとともに、国際交流等の推進の観点から、諸外国における教育の実情等を適切に勘案して、特に当該選抜に係る学力検査等の実施に代えて(財)日本国際教育協会が年度二回国内外の諸都市で実施する「日本留学試験」の積極的な活用について配慮すること。
 なお、「日本語能力試験(一級及び二級)」は平成一四年度以降、日本留学試験が実施されない国及び都市における同受験者を除き、(財)日本国際教育協会から大学等への成績提供は行われないこととなったことに留意すること。
 また、当該選抜に係る学力検査教科・科目及び選抜方法等の決定・発表に当たっては、入学者選抜期日の少なくとも六ケ月以上前の適切な時期に行うとともに、募集要項の発表も出願に必要な期間を考慮して適切に行うこと。
 特に、TOEFL等、外部の試験実施機関の実施する試験の結果を利用する場合には、学力検査実施教科・科目及び選抜方法等の発表の際に明らかにすること。また、当該試験の結果の確認方法等について事前に試験実施機関に確認しておくこと。

一五 外国人を対象とする特別選抜を実施する大学にあっては、国際バカロレア資格取得者、アビトゥア資格取得者、バカロレア(フランス共和国)取得者について、これらの資格を国内で取得した場合であっても、外国において取得した場合と同様の取扱いをするよう配慮することが望ましいこと。

一六 本要項により実施し難い事情のある大学は、募集要項の発表前に文部科学省高等教育局学生課大学入試室に連絡すること。

一七 募集要項の発表後に、募集要項のとおり実施し難い事態が生じた場合には、速やかに文部科学省高等教育局学生課大学入試室に連絡すること。

第一四 備考

この要項は、平成一六年度の大学入学者選抜に適用する。


別紙様式1 〔略〕
別紙様式2(その1)(A4判) 〔略〕
別紙様式2(その2)(A4判) 〔略〕
別紙様式3(A4判) 〔略〕
別紙様式4(A4判) 〔略〕
別紙様式5(A4判) 〔略〕
別紙様式6(A4判) 〔略〕
別紙様式7(A4判) 〔略〕


(参考)

平成一六年度大学入学者選抜に係る大学入試センター試験実施大綱
(平成一四年五月一七日)
(14文科高第一七一号)
(文部科学省高等教育局長通知)

 平成一六年度大学入学者選抜に係る大学入試センター試験の実施に関し必要な基本的事項について、次のとおり定める。

第一 実施の趣旨

 大学入試センター試験は、入学志願者の高等学校の段階における基礎的な学習の達成の程度を判定することを主たる目的とするものであり、国公私立の各大学(短期大学を含む。以下同じ。)が、それぞれの判断と創意工夫に基づき適切に利用することにより、大学教育を受けるにふさわしい能力・適性等を多面的に判定することに資するために実施するものとする。

第二 出題教科・科目等

 大学入試センター試験の出題教科・科目等は、別表のとおりとする。

第三 各大学における利用

一 各大学は、それぞれの判断と創意工夫に基づき、又は各大学の団体において協議されたところに沿って、大学入試センター試験の利用方法を定めるものとする。

二 なお、各大学においては、複数の出題科目が用意されている教科の中から入学志願者に解答させる特定の出題科目を指定する場合は、入学志願者が複数の大学を志願し得るようにすること並びに高等学校の職業教育を主とする学科及び総合学科の卒業者が普通教育を主とする学科の卒業者に比べて不利にならないようにすることに配慮し、特定の一出題科目のみを指定することのないようにすることが望ましい。

三 過去の大学入試センター試験の成績について、一年前のものに限り、当該年度の入学者選抜に利用することを認める取扱いとする。

第四 利用に係る予告

一 平成一六年度大学入学者選抜から大学入試センター試験を新たに利用する大学(大学の一部の学部等について新たに利用する大学を含む。以下同じ。)は、平成一四年一〇月三一日までに、大学入試センター試験の出題教科・科目のうち入学志願者に解答させる教科・科目及び各大学ごとに実施する学力検査等(以下「個別学力検査等」という。)の概要を予告するものとする。なお、当該予告がやむを得ない事情により平成一四年一一月一日以降となる大学においても、同年度中に予告を行うものとする。

二 上記の入学志願者に解答させる教科・科目及び個別学力検査等の概要に係る予告については、別紙様式により、文部科学省高等教育局長、独立行政法人大学入試センター理事長、各都道府県の知事及び教育委員会教育長並びに国立大学の大学附属又は学部附属の高等学校(中等教育学校並びに高等部を置く盲学校、聾学校及び養護学校を含む。)の校長に通知することによって行うこととする。

第五 実施期日等

一 平成一六年度大学入学者選抜に係る大学入試センター試験の実施期日は、平成一六年一月一七日(土)及び一八日(日)とする。

二 各大学は、独立行政法人大学入試センター(以下「大学入試センター」という。)と協力して、地域ごとに当該大学の入学者選抜の実施責任者による連絡会議を設置し、当該大学間の連絡調整等を行う世話大学を置くこと等により、当該大学が共同して大学入試センター試験の円滑な実施を図るものとする。

第六 実施上の配慮事項等

一 大学入試センター試験の試験場の割当てについては、原則として、入学志願者が居住する都道府県内に所在する大学が設定する試験場で受験できるように配慮するものとする。

二 身体に障害のある入学志願者に対しては、障害の種類・程度に応じ、試験時間、出題、解答の方法、試験場の整備等について特別な配慮を行うものとする。

三 天災その他の事情により試験が実施できなかった場合の再試験及び病気その他のやむを得ない事情により所定の試験を受験できなかった者に対する追試験は、必要に応じ、大学入試センターが定めるところにより実施するものとする。

第七 実施方法等に関する要項

 大学入試センターは、この実施大綱に定めるもののほか、大学入試センター試験の実施方法、出題教科・科目の詳細、時間割、試験場、出願手続、検定料、成績提供、経費等に関する必要な要項を定め、平成一五年七月三一日までに発表するものとする。

(別表)

出題教科・科目


1 出題教科・科目

教科    出題科目

国語    「国語I」、『国語I・国語II』
地理歴史  「世界史A」、「世界史B」、「日本史A」、「日本史B」、「地理A」、「地理B」
公民    「現代社会」、「倫理」、「政治・経済」
数学    「数学I」、『数学I・数学A』、「数学II」、『数学II・数学B』、「工業数理」、「簿記」、『情報関係基礎』
理科    「総合理科」、「物理IA」、「物理IB」、「化学IA」、「化学IB」、「生物IA」、「生物IB」、「地学IA」、「地学IB」
外国語   『英語』、「ドイツ語」、「フランス語」、「中国語」、「韓国語」

(注1) 「 」『 』内記載のものを1出題科目とすること。
(注2) 『 』内記載のものは、二つの科目を総合したもの又は二つ以上の科目に共通する内容を盛り込んだ出題科目とすること。


2 出題教科・科目の選択範囲及び試験時間

教科   グループ 試験時間 出題科目

国語        80分   「国語I」、『国語I・国語II』
地理歴史      60分   「世界史A」、「世界史B」、「日本史A」、「日本史B」、「地理A」、「地理B」
公民        60分   「現代社会」、「倫理」、「政治・経済」
数学    @   60分   「数学I」、『数学I・数学A』
      A   60分   「数学II」、『数学II・数学B』、「工業数理」、「簿記」、『情報関係基礎』
理科    @   60分   「総合理科」、「物理IA」、「物理IB」
      A   60分   「化学IA」、「化学IB」、「地学IA」、「地学IB」
      B   60分   「生物IA」、「生物IB」
外国語       80分   『英語』、「ドイツ語」、「フランス語」、「中国語」、「韓国語」


(注1) 国語、地理歴史、公民及び外国語は、1教科について1試験時間とし、数学は、@及びAの出題科目のグループごとに、理科は、@、A及びBの出題科目のグループごとに試験時間を分けるものとすること。
(注2) 出題科目が複数用意されている教科(教科内にグループが設定されている場合は、グループ)については、入学志願者は各大学の指定に従い、1出題科目を選択して解答すること。


別紙様式 〔略〕


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