● 平成19年度全国学力・学習状況調査における個人情報の取扱について 平成19年3月29日 事務連絡



事務連絡 平成19年3月29日
各都道府県・指定都市教育委員会
各都道府県私立学校担当部局
各国立大学法人附属学校担当部局
全国学力・学習状況調査担当者 宛
文部科学省初等中等教育局学力調査室


    平成19年度全国学力・学習状況調査における個人情報の取扱について


1.文部科学省では,平成19年度全国学力・学習状況調査を実施するにあたり,個人情報保護に関する法令の要請を受け,委託業者における個人情報の取扱にかかる安全確保の措置等について,万全の対策を講じているところです。
 このたび,個人情報保護にかかる安全確保措置等の具体的内容について,別紙1のとおり整理しましたのでお知らせします。
 都道府県教育委員会,都道府県私立学校担当部局,国立大学法人附属学校担当部局におかれては,その内容を了知の上,本調査の円滑な実施に向けて適切な対応をよろしくお願いします。

2.本調査においては,小学校調査について,解答(回答)用紙に児童の氏名を記入することとしておりますが,これは,児童一人一人に対して結果を正確に返却すること,各教科の調査結果と質問紙調査の結果を符合させて集計や分析を行うことを理由とするものです。また,1.にあるように個人情報保護にかかる安全確保措置等には万全の対策を講じているところです。
 さらに,予備調査において,実施校等から,児童が回答しにくい内容である,あるいはプライバシー等への配慮が必要であるという意見があったことを踏まえ,児童生徒質問紙の内容の変更を検討しています。(例えば,本調査の質問紙調査においては,「家の人から大切にされていると思うか」,「先生から認められていると思うか」,「家の人と一緒に美術館や劇場などで芸術鑑賞をするか」,「家の人と一緒に旅行に行く」,「家に何冊本があるか」等の質問項目は削除)
 これらを踏まえ,都道府県教育委員会,都道府県私立学校担当部局,国立大学法人附属学校担当部局におかれては,1月に示された「平成19年度全国学力・学習状況調査【小学校】実施マニュアル」に従って円滑に調査を実施していただくようよろしくお願いします。

3.なお,既に実施している学力調査等において,氏名の代わりに個人番号を使用した取扱をしているなど特別の事情がある一部の教育委員会から,「氏名・個人番号対照方式で対応したい」との要請があります。
 このことに関しては,特別な事情を有する市町村教育委員会等にかかる例外措置として,市町村教育委員会等の判断と責任において,一定の条件の下,「氏名・個人番号対照方式」を行うことを可能とします。(別紙2参照)
 都道府県教育委員会等におかれては,域内の市町村教育委員会等のうち,別紙2に示す条件に合致し,「氏名・個人番号対照方式」を行うことを決定した教育委員会等がある場合は,平成19年4月6日(金)までに,文部科学省学力調査室へ連絡願います。
(なお,連絡がない場合は,例外措置の取扱ができません。)



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(別紙1)

 委託業者における個人情報保護に係る安全確保措置等の具体的な取扱いについて


◆ 今回の調査では、調査問題の発送・回収、調査結果の採点・集計、教育委員会及び学校等への提供作業等について、民間企業に委託。
 その際、個人情報保護法等の定める安全確保措置や従業者の監督、個人情報の利用・提供の制限を確実に履行させることが必要。

◆ 委託先に対しては、平成18年度契約書で、機密の保持や個人情報の取扱において遵守すべき事項を明示し、作業担当者の限定や情報の厳重な保管管理、不要情報の完全消去措置などを求めている。
 また、事業によって得られた情報等の成果物について、その著作権等を国に帰属させることにより、目的外の使用を防止する。

〔個人情報保護のための具体的な措置〕

 各業務において、以下のような具体的措置をとるとともに、極力、解答(回答)用紙の氏名等個人情報部分と解答(回答)部分を切り離した取扱を行う。
▼作業者を最小限に限定するとともに作業者の監督を徹底
▼作業場所への関係者以外の立入を制限、時間外の施錠・警備を徹底
▼認証を受けていない者の作業用コンピュータへのアクセスを制限
▼結果の提供後、解答(回答)用紙やその他のデータは完全消去など

○解答(回答)用紙の画像データ化
 解答(回答)用紙を読み取り、画像データ化した後、個人情報部分と解答(回答)部分の画像データは切り離して管理。
 →これにより、採点者が個人情報に触れることはできない。

○結果の提供
 学校へ提供する結果については、暗号を付与したCD−ROMと氏名が印字されていない児童生徒ごとの個票が送付される。
 →これにより、配送過程における情報流出を防止。
(小学校)
・個票には、児童の氏名を印字せず、管理のために付与したコード番号を印字する。
・氏名とコード番号の対照表は、別に送付する。
(中学校)
・もともと解答(回答)用紙に生徒の氏名は記入されていないため、個票には、解答(回答)用紙に付与されていた答案番号を印字する。

〔個人情報の漏洩や不正利用等への対応措置〕

▼契約上の規定に違反した場合には契約解除/損害賠償請求できる。
▼受託先が、個人の秘密が記録されているデータベースを記録媒体に複写し、不正に第三者に譲渡したような場合や、業務に関して知り得た情報を他に売却したような場合には、「行政機関の保有する個人情報の保護に関する法律」や「著作権法」の規定に基づき、懲役刑または罰金刑に処せられる。
▼これらの違法行為を文部科学省として了知した場合には、ただちにこれを刑事告発する。
▼平成19年度事業の委託業者との契約では、個人情報等の取扱いについて、安全確保措置を更に高めることとしており、その該当部分の内容については、契約締結後、別途お知らせする。


【関係条文】(略)

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(別紙2)

 全国学力・学習状況調査【小学校】における解答(回答)用紙への氏名の記入について


例外措置としての「氏名・個人番号対照方式」

「平成19年度全国学力・学習状況調査【小学校】実施マニュアル」のP19〜27に示される解答(回答)用紙への氏名の記入の代わりに「氏、名・個人番号対照票」に氏名を記入させた上で、解答(回答)用紙には氏名の代わりに個人番号を使用する方式。

《上記方式を採用する場合の条件》
 以下の@Aの条件をいずれも満たすこと
 @当該市町村の個人情報保護審議会等から、氏名を書かせることに支障がある旨の指摘がある、あるいは、既に実施する学力調査等において氏名の代わりに個人番号を使用した取扱いをしているなど、特別の事情がある場合
 A本人との照合など正確・確実な調査の実施のため、すべての解答(回答)用紙に正しく個人番号が記入されているかの確認を学校において行う必要があり、学校及び教職員の負担が増大することとなるが、このことを十分考慮した上で、教育委員会等の判断と責任において決定した場合

※具体的な実施手順については、関係の教育委員会等に、別途、詳細をお知らせします。






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