● 公立義務教育諸学校の学級編制及び教職員定数の標準に関する法律等の一部改正等について(学級編制基準の弾力化) 平成13年6月29日 13文科初444号 13文科初第四四四号 平成一三年六月二九日 各都道府県教育委員会あて 文部科学省初等中等教育局長通知     公立義務教育諸学校の学級編制及び教職員定数の標準     に関する法律等の一部改正等について  このたび、別添のとおり、「公立義務教育諸学校の学級編制及び教職員定数の標準に関する法律等の一部を改正する法律」(以下「改正法」という。)をはじめとする法令等が公布・施行等されました。各法令等の公布期日及び施行期日等は次のとおりです。 (一) 「公立義務教育諸学校の学級編制及び教職員定数の標準に関する法律等の一部を改正する法律」(法律第二二号・平成一三年三月三一日公布・四月一日施行)(以下「改正法」という。) (二) 「公立義務教育諸学校の学級編制及び教職員定数の標準に関する法律施行令の一部を改正する政令」(政令第一五四号・平成一三年三月三一日公布・四月一日施行)(以下「義務改正令」という。) (三) 「公立高等学校の設置、適正配置及び教職員定数の標準等に関する法律施行令の一部を改正する政令」(政令第一五五号・平成一三年三月三一日公布・四月一日施行)(以下「高校改正令」という。) (四) 「義務教育費国庫負担法第二条但書の規定に基き教職員給与費等の国庫負担額の最高限度を定める政令及び公立養護学校整備特別措置法施行令の一部を改正する政令」(政令第一九九号・平成一三年六月一三日公布・施行)(以下「改正限度政令」という。) (五) 「義務教育費国庫負担法第二条但書の規定に基き教職員給与費等の国庫負担額の最高限度を定める政令施行規則及び公立養護学校整備特別措置法施行規則の一部を改正する省令」(文部科学省令第七四号・平成一三年六月二九日公布・施行) (六) 「公立義務教育諸学校の学級編制及び教職員定数の標準に関する法律等に基づく文部科学大臣の定めについての一部改正」(平成一三年五月八日)(以下「義務文部科学大臣の定め」という。) (七) 「公立高等学校の設置、適正配置及び教職員定数の標準等に関する法律等に基づく文部科学大臣の定めについての一部改正」(平成一三年五月八日((以下「高校文部科学大臣の定め」という。)  これらの法令等の改正は、公立の小学校、中学校、中等教育学校、高等学校及び特殊教育諸学校の教職員配置の適正化を図るため、@これらの学校の教職員定数の標準を改めること、A地方分権を推進し児童又は生徒の実態に応じた学校教育の充実を図るため、都道府県教育委員会等が特に必要があると認める場合について公立の義務教育諸学校に係る学級編制の基準の設定及び公立の高等学校等に係る学級編制を弾力的に行うことができるようにすること、B常勤の教職員の数の標準として算定される教職員定数を再任用短時間勤務職員及び非常勤講師の数に換算することができるようにすること、C市町村立の義務教育諸学校等の非常勤講師の報酬等を都道府県が負担し、その二分の一を国庫負担することとするとともに、当該非常勤講師の身分取扱いに関する規定を整備することなどにより、学校教育の水準の維持向上に資することを目的としたものです。  改正法令等の内容の概要は下記のとおりですので、各都道府県においては、今後、これらの改正法令等の趣旨に沿って教職員定数の確保及び適正配置等に努めるよう願います。 なお、教職員定数については、従来から公立義務教育諸学校の学級編制及び教職員定数の標準に関する法律(以下「義務標準法」という。)及び公立高等学校の設置、適正配置及び教職員定数の標準等に関する法律(以下「高校標準法」という。)における算定基準は、各学校への具体的な配置基準を示すものではなく、各都道府県又は高等学校等の設置者が置くべき教職員の総数を算定するための基準でありますが、当該算定基準が各学校への配置基準であるかのように取り扱われている場合が見受けられるところであり、当該算定基準はあくまでも都道府県又は高等学校等の設置者に係る教職員の総数を算定するための基準であって、もとより各都道府県及び高等学校等の設置者においては、各学校の状況等に応じて弾力的な教職員の配置を行うことが可能であることを申し添えます。  おって、域内の各市町村教育委員会に対してこれらのことを通知し、改正法令等の趣旨を徹底されるよう御配慮願います。           記 第一 公立義務教育諸学校の学級編制及び教職員定数の標準に係る改正関係(改正法第一条、附則第二項) 一 改正の趣旨  公立義務教育諸学校の学級編制及び教職員定数の標準については、昭和三四年度以降六回にわたり計画的に改善を図ってきたところであるが、基礎学力の向上ときめ細かな指導の充実を図るため、少人数による指導を行うための教職員配置を行うこと、教頭、養護教諭等、学校栄養職員、特殊教育諸学校の教職員の配置基準等の改善及び事務職員等の特例加算、研修等定数の改善を行うこととして、平成一三年度から平成一七年度までの五年間で、さらに計画的に改善を図ることとしたものであること。  また、教育の地方分権を推進し、児童生徒の実態に応じた学校教育の充実を図るため、都道府県教育委員会が定める学級編制基準は、国が定める一学級の児童又は生徒の数を標準として定めるという制度の基本は現行どおりとしつつ、児童又は生徒の実態を考慮して都道府県教育委員会が特に必要があると認める場合には、一般的な場合の基準として定めた数を下回る数を特例的にこの場合の基準として定めることができることとしたものであること。  さらに、平成一四年度からの新しい学習指導要領の実施など、今後、児童又は生徒の個に応じた指導を行う上で、多様な指導方法の工夫改善がより一層必要となることから、教職員の数を換算して再任用短時間勤務職員及び非常勤講師を任用できることとしたものであること。 二 改正の内容の概要 (一) 小学校及び中学校並びに中等教育学校の前期課程の学級編制の標準に関する事項  小学校及び中学校並びに中等教育学校の前期課程の学級編制について、都道府県の教育委員会は、当該都道府県における児童又は生徒の実態を考慮して特に必要があると認める場合については、一般的な場合の基準として定めた数を下回る数を、当該場合に係る一学級の児童又は生徒の数の基準として定めることができるものとしたこと(改正法による改正後の公立義務教育諸学校の学級編制及び教職員定数の標準に関する法律(昭和三三年法律第一一六号。以下「新義務標準法」という。)第三条第二項ただし書)。 (二) 小学校及び中学校並びに中等教育学校の前期課程の教職員定数の標準に関する事項 ア 教頭及び教諭等の定数 (ア) 二七学級以上の小学校及び二四学級以上の中学校(中等教育学校の前期課程を含む。)に二人の教頭を配置できるよう複数配置基準を引き下げたこと(新義務標準法第七条第一項第二号及び同条第三項)。これに伴い、従来、教頭複数配置及び生徒指導担当教員の配置について同一号中で規定していた第七条第一項第二号については、規定の簡素化を図るため、新義務標準法において第二号及び第三号に分割して規定することとしたこと。 (イ) 小学校若しくは中学校又は中等教育学校の前期課程において児童又は生徒の心身の発達に配慮し個性に応じた教育を行うため、従前の複数の教頭及び教諭等の協力による指導が行われる場合(いわゆるティーム・ティーチング対応)又は教育課程の編成において多様な選択教科が開設される場合(多様な選択科目開設校対応)に加え、少数の児童又は生徒により構成される集団を単位として指導が行われる場合(少人数指導対応)には、第七条第一項により算定した数に政令で定める数を加えた数を教頭及び教諭等の数とすることとしたこと(新義務標準法第七条第二項)。  政令で定める数は、都道府県の教育委員会が小学校若しくは中学校又は中等教育学校の前期課程において行われる少数の児童又は生徒により構成される集団を単位とした指導に係る授業時数及び児童又は生徒の数その他の事情を勘案して教頭及び教諭等を置くことについての配慮を必要とすると認める学校の数等を考慮し、文部科学大臣が定める数とすることとしたこと(義務改正令による改正後の公立義務教育諸学校の学級編制及び教職員定数の標準に関する法律施行令(昭和三三年政令第二〇二号。以下「新義務政令」という。)第二条の二)。 イ 養護教諭等の定数  児童数が八五一人以上の小学校及び生徒数が八〇一人以上の中学校(中等教育学校の前期課程を含む。)に二人の養護教諭等を配置できるよう複数配置基準を引き下げたこと(新義務標準法第八条第二号)。 ウ 学校栄養職員の定数 (ア) 学校給食(給食内容がミルクのみである給食を除く。以下同じ)を実施する小学校若しくは中学校又は中等教育学校の前期課程で専ら当該学校の学校給食を実施するために必要な施設を置くもの(以下「単独実施校」という。)について、児童又は生徒の数が五五〇人以上の単独実施校に一人を配置できるよう配置基準を引き下げるとともに、これに伴い所要の改正を行ったこと(新義務標準法第八条の二第一号及び第二号)。 (イ) 共同調理場について、当該共同調理場に係る小学校及び中学校並びに中等教育学校の前期課程の児童及び生徒の数が一、五〇一人から六、〇〇〇人までのものに二人、六、〇〇一人以上のものに三人を配置できるよう配置基準を引き下げたこと(新義務標準法第八条の二第三号)。 エ 教職員の数の加算  教育上特別の配慮を必要とする児童又は生徒に対する特別の指導であって政令で定めるものが行われている場合における特例加算の対象範囲を拡大するとともに、小学校若しくは中学校又は中等教育学校の前期課程において多様な教育を行うための諸条件の整備に関する事情であって事務処理上特別の配慮を必要とするものとして政令で定めるものがあるときに事務職員について特例加算を行うことができることとしたこと(新義務標準法第一五条第三号)。  新義務標準法第一五条第二号又は第三号に基づき政令で定める指導又は政令で定める事情として次のものを加え、これらの指導が行われる場合又はこれらの事情がある場合には、当該学校の数等を考慮して文部科学大臣が定める数の養護教諭等、学校栄養職員及び事務職員について特例加算を行うことができることとしたこと(新義務政令第五条第二項及び第三項)。 @ 養護教諭等 小学校若しくは中学校又は中等教育学校の前期課程における心身の健康を害している児童又は生徒に対するその回復のための特別の指導が行われていること(新義務政令第五条第二項第四号)。 A 学校栄養職員 小学校若しくは中学校又は中等教育学校の前期課程における著しく肥満している児童又は生徒その他の飲食に関して特別の注意が必要である児童又は生徒に対する食生活の改善のための特別の指導が行われていること(新義務政令第五条第二項第五号)。 B 事務職員 小学校若しくは中学校又は中等教育学校の前期課程について、当該学校を含む複数の義務教育諸学校において多様な人材の活用、情報化の促進等により多様な教育が行われる場合に当該学校がそのための事務処理の拠点となっていること(いわゆる「事務の共同処理」実施校)(新義務政令第五条第三項)。 (三) 特殊教育諸学校の小学部及び中学部の学級編制の標準に関する事項  特殊教育諸学校の学級編制について、都道府県の教育委員会は、当該都道府県における児童又は生徒の実態を考慮して特に必要があると認める場合については、標準により定めた数を下回る数を、当該場合に係る一学級の児童又は生徒の数の基準として定めることができるものとしたこと(新義務標準法第三条第三項ただし書)。 (四) 特殊教育諸学校の小学部及び中学部の教職員定数の標準に関する事項 ア 教頭及び教諭等の定数 (ア) 小学部及び中学部の学級数が二七学級以上の特殊教育諸学校について二人の教頭を配置できるよう複数配置基準を引き下げるとともに、二七学級以上の小学部及び中学部に一人の生徒指導担当教員を配置できるよう配置基準を引き下げたこと(新義務標準法第一一条第一項第二号及び同条第二項)。 (イ) 障害が重度・重複化している児童及び生徒の数の割合が増加していること等を考慮して、小学部及び中学部の児童及び生徒の数が一〇一人から一五〇人までの特殊教育諸学校に一人、一五一人から二〇〇人までの特殊教育諸学校に二人、二〇一人以上の特殊教育諸学校に三人の教育相談担当教員を新たに配置できるよう措置したこと(新義務標準法第一一条第一項第三号)。 (ウ) 特殊教育諸学校における「養護・訓練」(新学習指導要領においては「自立活動」に改称)の重要性とその実施状況、障害が重度・重複化している児童及び生徒の数の割合が増加していること等を考慮して、肢体不自由者である児童又は生徒を教育する養護学校について、自立活動担当教員を七人を基礎数として配置できるよう配置基準を引き下げたこと(新義務標準法第一一条第一項第四号)。 イ 養護教諭等の定数  小学部及び中学部の児童及び生徒の数が六一人以上の特殊教育諸学校に二人の養護教諭等を配置できるよう複数配置基準を引き下げたこと(新義務標準法第一二条)。 ウ 教職員の数の加算  教育上特別の配慮を必要とする児童又は生徒に対する特別の指導であって政令で定めるものが行われている場合において聾学校の小学部又は中学部の教頭及び教諭等を特例加算の対象としたこと(新義務標準法第一五条第二号)。  新義務標準法第一五条第二号に基づき政令で定める指導として、聾学校の小学部又は中学部における小学校若しくは中学校又は中等教育学校の前期課程の児童又は生徒(学校教育法第七五条に規定する特殊学級の児童又は生徒を除く。)で文部科学大臣が定める心身の故障を有するものに対する当該心身の故障に応じた特別の指導を加え、これらの指導が行われる場合には、当該学校の数等を考慮して文部科学大臣が定める数の聾学校の教頭及び教諭等について特例加算を行うことができることとしたこと(新義務政令第五条第二項第六号)。  なお、この場合の文部科学大臣が定める心身の故障は、学校教育法施行規則第七三条の二一第一号及び第四号に掲げる心身の故障としたこと(義務文部科学大臣の定め記八)。 (五) 教職員定数の再任用短時間勤務職員及び非常勤の講師の数への換算等に関する事項 ア 教職員定数の再任用短時間勤務職員の数への換算  地方公務員法等の一部を改正する法律(平成一一年法律第一〇七号)の施行により平成一三年度から実施されるいわゆる新再任用制度において、新たに短時間勤務の職(以下「再任用短時間勤務職員」という。)が創設されることに伴い、学校に置くべき常勤の教職員の総数である教職員定数を、政令で定めるところにより非常勤の職員である再任用短時間勤務職員の数に換算することができることとし、教職員定数を活用して再任用短時間勤務職員を任用することができることとしたこと(新義務標準法第一七条第一項)。  なお、政令の定めにおいては、教職員の職の種類の区分ごとに換算することとし、再任用短時間勤務職員の一週間当たりの通常の勤務時間の区分ごとに、当該勤務時間数に当該区分に係る再任用短時間勤務職員の数を乗じて得た数の合計数を常勤の教職員の一週間当たりの勤務時間数である四〇で除すことにより得られた数に相当する再任用短時間勤務職員の数に換算することとしたこと(新義務政令第七条第一項)。 イ 教職員定数の非常勤の講師の数への換算  義務教育諸学校において、指導方法や指導体制の工夫改善により一層推進しきめ細かな指導を行う観点から、学校に置くべき常勤の教職員の総数である教職員定数を、政令で定めるところにより非常勤の講師(再任用短時間勤務職員及び政令で定める者を除く。)の数に換算することができることとし、教職員定数を活用して非常勤の講師を任用することができることとしたこと(新義務標準法第一七条第二項)。  なお、政令の定めにおいては、アの再任用短時間勤務職員におけると同様、非常勤の講師の一週間当たりの勤務時間数の合計数を常勤の教職員の一週間当たりの勤務時間数である四〇で除することにより換算することとしたこと(新義務政令第七条第二項)。  また、このような取扱いの対象としない非常勤の講師として政令で定めるものとして、次の非常勤の講師について定めることとしたこと(新義務政令第八条)。 @ 教育公務員特例法(昭和二四年法律第一号)第二〇条の二第一項の初任者研修を実施するために配置される非常勤の講師  地方教育行政の組織及び運営に関する法律(昭和三一年法律第一六二号)第四七条の三第一項に規定する非常勤の講師のほか、県費負担教職員の任命を行う政令指定都市等の教育委員会が自ら採用し配置する初任者研修の実施のための非常勤の講師をいう。 A 学校教育の振興を目的として配置される非常勤の講師のうち当該都道府県における教職員の配置の適正化を図ることを目的としないもの  市町村の教育委員会が自ら採用し報酬等の費用負担を行う非常勤の講師をいう。 B その配置の目的等を考慮して文部科学大臣が定める非常勤の講師  緊急地域雇用対策の一環として採用し配置される非常勤の講師(義務文部科学大臣の定め記一三)。 (六) 経過措置に関する事項  義務教育諸学校の教職員定数の標準については、平成一七年三月三一日までの間は、児童又は生徒の数及び教職員の総数の推移等を考慮し、新義務標準法に規定する標準となる数に漸次近づけることを旨として、毎年度、政令で定めることとしたこと(改正法附則第二項)。  平成一三年度については、改正法による改正前の義務標準法に基づく定数に対する新義務標準法に基づく定数の改善割合を五年間で充足する方針の下に、その改善割合の五分の一に相当する教職員の数を充足することとし、小学校及び中学校並びに中等教育学校の前期課程の校長及び事務職員については、今回改善を行っていないことから、新義務標準法により算定される教職員の数としたこと。 ア 平成一三年度の小学校及び中学校並びに中等教育学校の前期課程の教職員定数の標準となる数は、次の(ア)から(オ)までに定める数の合計数としたこと(義務改正令附則第二項)。 (ア) 校長の定数  新義務標準法第六条の二に規定するところにより算定した数(義務改正令附則第三項) (イ) 教頭及び教諭等の定数  義務改正令附則別表の一の項に掲げる算式により算定した数、新義務政令第二条の二に規定するところにより文部科学大臣が定める数並びに教頭及び教諭等に係る新義務政令第五条第二項及び第四項に規定するところにより文部科学大臣が定める数の合計数(以下「義務研修等定数」という。)を合計した数(義務改正令附則第四項及び附則別表の一の項) (ウ) 養護教諭等の定数  義務改正令附則別表の二の項に掲げる算式により算定した数と養護教諭等に係る義務研修等定数との合計数(義務改正令附則第五項及び附則別表の二の項) (エ) 学校栄養職員の定数  義務改正令附則別表の三の項に掲げる算式により算定した数と学校栄養職員に係る義務研修等定数との合計数(義務改正令附則第六項及び附則別表の三の項) (オ) 事務職員の定数  新義務標準法第九条に規定するところにより算定した数(義務改正令第七項) イ 平成一三年度の特殊教育諸学校の小学部及び中学部の教職員定数の標準となる数は、義務改正令附則別表の四の項に掲げる算式により算定した数と特殊教育諸学校の教職員に係る義務研修等定数との合計数としたこと(義務改正令附則第八項及び附則別表の四の項) 第二 公立高等学校の設置、学級編制及び教職員定数の標準に係る改正関係(改正法第二条、附則第三項) 一 改正の趣旨  公立高等学校(中等教育学校の後期課程を含む。)及び公立特殊教育諸学校の高等部の学級編制及び教職員定数の標準については、昭和三七年度以降五回にわたり計画的に改善を図ってきたところであるが、基礎学力の向上ときめ細かな指導の充実を図るため、習熟度別指導及び平成一五年度から学年進行により実施される学習指導要領において新たに設けられる教科「情報」において少人数による指導を行うための教職員配置を行うこと、教頭、養護教諭等、特殊教育諸学校教職員の配置基準等の改善及び事務職員等の特例加算、研修等定数の改善を行うこととして、平成一三年度から平成一七年度までの五年間で、さらに計画的に改善を図ることとしたものであること。  また、教育の地方分権を推進し生徒の実態に応じた学校教育の充実を図るため、設置者は、国が定める一学級の生徒の数を標準として学級編制を行うという制度の基本は現行どおりとしつつ、生徒の実態を考慮して設置者が特に必要があると認める場合には、国の標準によることなく、これを下回る数により学級編制を行うことができることとしたものであること。  さらに、平成一三年度から新再任用制度が導入されることに伴い、教職員の数を換算して再任用短時間勤務職員を任用できることとしたものであること。 二 改正の内容の概要 (一) 高等学校の設置に関する事項  地方分権の推進の観点から、公立の高等学校の設置主体を都道府県及び政令で定める基準(人口が概ね一〇万人以上であり、かつ、高等学校を設置するのに十分な財政上の能力を有すること。)に該当する市町村に限定している高校標準法第三条の規定を削除することとしたこと。これに伴い、高校標準法の名称を「公立高等学校の設置、適正配置及び教職員定数の標準等に関する法律」から「公立高等学校の適正配置及び教職員定数の標準等に関する法律」に改めるとともに、第一条の目的規定から「、学校の設置」の文言を削除することとしたこと(改正法による改正後の公立高等学校の適正配置及び教職員定数の標準等に関する法律(昭和三六年法律第一八八号。以下「新高校標準法」という。)第三条) (二) 高等学校(中等教育学校の後期課程を含む。以下同じ。)の学級編制の標準に関する事項  高等学校の学級編制について、設置者は、当該都道府県又は市町村における生徒の実態を考慮して特に必要があると認める場合については、国の標準によることなく、これを下回る数を、当該場合に係る一学級の生徒の数として学級編制を行うことができるものとしたこと(新高校標準法第六条ただし書)。 (三) 高等学校の教職員定数の標準に関する事項 ア 教職員定数の算定の基礎  高等学校等については、高等学校における教育活動の相当部分が学級を離れて行われていることなどを踏まえ、その教職員定数の算定の基礎を学級数から生徒の収容定員に改めることとしたこと(新高校標準法第九条第一項第一号、第二号、第四号、第六号〜第八号、第一〇条〜第一二条)。 イ 教諭等の定数 (ア) 生徒の収容定員が九二一人以上の全日制の課程及び定時制の課程に二人の教頭を配置できるよう複数配置基準を引き下げるとともに、大規模複数学科設置課程(例:農業科と水産科等(その学科のいずれもが同一の専門教育の分野に係る専門教育を主とする学科である場合(例:機械科と電気科等)を除く。)を設置する課程)については、特に教育課程の編成における調整等教頭に掛かる負担が大きいことから、教頭の複数配置基準を六二一人以上としたこと(新高校標準法第九条第一項第一号)。 (イ) 設置者ごとの教職員定数の総数についての標準を示すという高校標準法の趣旨を踏まえ、設置者による弾力的な教職員配置を一層推進する観点から、教諭等の定数の算定方式を、高等学校の課程の収容定員の規模に応じ、同程度の収容定員が設定されている高等学校の課程の当該収容定員の総数を、それぞれの収容定員の規模に応じた係数で除し、これらを合計することにより、高等学校の設置者ごとの定数の標準を算定することとしたこと(新高校標準法第九条第一項第二号)。 (ウ) 全日制の課程の教諭等の定数について、習熟度別指導の充実を図るとともに、平成一五年度から実施される新しい学習指導要領において新たに設けられる教科「情報」において少人数による指導を行うことができるよう、生徒の収容定員が五六一人から六八〇人までの課程に二人、六八一人から一、〇四〇人までの課程に三人、一、〇四一人から一、一六〇人までの課程に四人、一、一六一人以上の課程に五人を配置できるよう措置したこと(新高校標準法第九条第一項第四号)。 (エ) 二学級規模以下の全日制の課程又は三学級規模以下の定時制の課程に係る教職員定数の最低保障に係る第九条第二項の規定について、(イ)において高等学校の教職員定数の標準については学校ごとにではなく設置者ごとに算定することとし、同項の規定の内容を盛り込むこととしたことに伴い、同項を削除したこと。 ウ 養護教諭等の定数  生徒数が八〇一人以上の全日制の課程及び定時制の課程に二人の養護教諭等を配置できるよう複数配置基準を引き下げたこと(新高校標準法第一〇条)。 エ 教職員の数の加算 (ア) 農業自営者養成科について、一年以上の宿泊を伴う教育を行うものについて加算を行っていたものを、目的を農業経営者の育成に改めるとともに、半年以上の宿泊に改めたこと(高校改正令による改正後の公立高等学校の適正配置及び教職員定数の標準等に関する法律施行令(昭和三七年政令第二一五号。以下「新高校政令」という)第三条第一項表三の項)。 (イ) 養護教諭等  新高校標準法第二二条第三号に基づき政令で定める指導として、公立の高等学校において心身の健康を害している生徒に対して行われるその回復のための指導を加え、この指導が行われている場合には、当該学校の数等を考慮して文部科学大臣が定める数の養護教諭等について特例加算を行うことができることとしたこと(新高校政令第三条第三項表三の項)。 (ウ) 事務職員  総合学科設置校、単位制高等学校等について、事務職員について特例加算を行うことができることとしたこと(新高校政令第三条第二項表一の項並びに第四項表五の項及び表六の項)。 (エ) 単位制高等学校職業系科目設置校  単位制高等学校のうち一〇以上の職業系科目を設置する高等学校については、教諭等について特例加算を行うことができることとしたこと(新高校政令第三条第四項表四の項)。 (四) 特殊教育諸学校の高等部の学級編制の標準に関する事項  特殊教育諸学校の高等部の学級編制について、設置者は、当該都道府県又は市町村における生徒の実態を考慮して特に必要があると認める場合については、国の標準によることなく、これを下回る数を、当該場合に係る一学級の生徒の数として学級編制を行うことができるものとしたこと(新高校標準法第一四条ただし書)。 (五) 特殊教育諸学校の高等部の教職員定数の標準に関する事項 ア 教諭等の定数 (ア) 高等部を置く特殊教育諸学校でその学級数が二七学級以上のもの(小学部及び中学部の学級数が二七学級以上のものを除く。)に二人の教頭を配置できるよう複数配置基準を引き下げたこと(新高校標準第一七条第一項第一号)。 (イ) 高等部で学級数が一八学級以上のものに教育相談・進路指導担当教員を二人配置できるよう措置したこと(新高校標準法第一七条第一項第三号)。 (ウ) 特殊教育諸学校における「養護・訓練」(新学習指導要領においては「自立活動」に改称)の重要性とその実態、障害が重度・重複化している生徒の数の割合が増加していること等を考慮して、肢体不自由者である生徒を教育する養護学校について、自立活動担当教員を三人を基礎数として配置できるよう配置基準を引き下げたこと(新高校標準法第一七条第一項第五号)。 イ 養護教諭等の定数  高等部を置く特殊教育諸学校でその児童及び生徒の数が六一人以上のもの(小学部及び中学部の児童及び生徒の数が六一人以上のものを除く。)に二人の養護教諭等を配置できるよう複数配置基準を引き下げたこと(新高校標準法第一八条)。 (六) 教職員定数の再任用短時間勤務職員及び非常勤の講師の数への換算等に関する事項 ア 教職員定数の再任用短時間勤務職員の数への換算  地方公務員法等の一部を改正する法律の施行により平成一三年度から新たに再任用短時間勤務職員が導入されることに伴い、学校に置くべき常勤の教職員の総数である教職員定数を、政令で定めるところにより非常勤の職員である再任用短時間勤務職員の数に換算することができることとし、教職員定数を活用して再任用短時間勤務職員を任用することができることとしたこと(新高校標準法第二三条第一項)。  なお、政令の定めにおいては、教職員の職の種類の区分ごとに換算することとし、再任用短時間勤務職員の一週間当たりの通常の勤務時間の区分ごとに、当該勤務時間数に当該区分に係る再任用短時間勤務職員の数を乗じて得た数の合計数を常勤の教職員の一週間当たりの勤務時間数である四〇で除すことにより得られた数に相当する再任用短時間勤務職員の数に換算することとしたこと(新高校政令第四条第一項)。 イ 教職員定数の非常勤の講師の数への換算  高等学校等においてすでに導入されている教職員定数を活用した非常勤講師の任用に係る規定について、義務教育諸学校における非常勤講師に係る規定の創設と併せその整備を行い、学校に置くべき常勤の教職員の総数である教職員定数を、政令で定めるところにより非常勤の講師(再任用短時間勤務職員及び政令で定める者を除く。)の数に換算することができることとし、教職員定数を活用して非常勤の講師を任用することができることとしたこと(新高校標準法第二三条第二項)。  なお、政令の定めにおいては、アの再任用短時間勤務職員におけると同様、非常勤の講師の一週間当たりの勤務時間数の合計数を常勤の教職員の一週間当たりの勤務時間数である四〇で除することにより換算することとしたこと(新高校政令第四条第二項)。  また、このような取扱いの対象としない非常勤の講師として政令で定めるものとして、次の非常勤の講師について定めることとしたこと(新高校政令第五条)。 @ 教育公務員特例法(昭和二四年法律第一号)第二〇条の二第一項の初任者研修を実施するために配置される非常勤の講師  地方教育行政の組織及び運営に関する法律(昭和三一年法律第一六二号)第四七条の三第一項に規定する非常勤の講師のほか、高等学校を設置する市町村又は都道府県の教育委員会が自ら採用し配置する初任者研修の実施のための非常勤の講師をいう。 A その配置の目的等を考慮して文部科学大臣が定める非常勤の講師  緊急地域雇用対策の一環として採用し配置される非常勤の講師(高校文部科学大臣の定め記一二) (七) 経過措置に関する事項  高等学校又は特殊教育諸学校の高等部の教職員定数の標準については、平成一七年三月三一日までの間は、生徒の数及び教職員数の総数の推移等を考慮し、新高校標準法に規定する標準となる数に漸次近づけることを旨として、毎年度、政令で定めることとしたこと(改正法附則第三項)。  平成一三年度については、旧高校標準法に基づく定数の改善割合を五年間で充足する方針の下に、高等学校の全日制の課程及び定時制の課程の教職員定数並びに特殊教育諸学校の高等部の教職員定数についてはその改善割合の五分の一に相当する教職員の数を充足することとし、通信制の課程の教職員定数については、今回改善を行っていないことから、新高校標準法により算定される教職員の数としたこと。 ア 平成一三年度の高等学校の教職員定数の標準となる数は、次の(ア)及び(イ)に定める数の合計数としたこと(高校改正令附則第二項)。 (ア) 全日制の課程及び定時制の課程の教職員の定数  高校改正令附則別表の一の項に掲げる算式により算定した数、新高校政令第二条に規定するところにより文部科学大臣が定める数並びに全日制の課程及び定時制の課程の教職員に係る新高校政令第三条第三項から第五項までに規定するところにより文部科学大臣が定める数の合計数(以下「高校研修等定数」という。)を合計した数(高校改正令附則第三項及び附則別表の一の項) (イ) 通信制の課程の教職員定数  新高校標準法第八条に規定するところにより算定した数のうち通信制の課程のみを置く高等学校に係る数、同法第九条第一項第一号に規定するところにより算定した数のうち通信制の課程に係る数、同項第三号及び第五号に規定するところにより算定した数、同項第六号に規定するところにより算定した数のうち通信制の課程に係る数並びに同法第一二条第四号に規定するところにより算定した数の合計数(高校改正令附則第四項) イ 平成一三年度の特殊教育諸学校の高等部の教職員定数の標準となる数は、高校改正令附則別表の二の項に掲げる算式により算定した数と特殊教育諸学校の教職員に係る高校研修等定数との合計数としたこと(高校改正令附則第五項及び附則別表の二の項)。 第三 教職員定数を活用して任用される非常勤講師を県費負担教職員とすること等に係る改正関係(改正法第三条〜第六条等) 一 改正の趣旨  第一の二の(五)のイに示すように、義務教育諸学校において、指導方法や指導体制の工夫改善をより一層推進しきめ細かな指導を行う観点から、教職員定数を活用して非常勤の講師を任用することができることとしたことと併せて、常勤の教職員の給与費の取扱いと同様、学校教育の水準の維持向上の観点から、市町村立の義務教育諸学校及び市町村立の高等学校等の定時制の課程の非常勤の講師の報酬及び職務を行うための要する費用の弁償(以下「報酬等」という。)については都道府県が負担することとし、その場合の報酬等及び非常勤講師の労働者災害補償保険の保険料の二分の一を国庫負担することとしたこと。  また、これらを含め、教職員の給与及び報酬等に要する経費等の国庫負担額の最高限度の算定方法等に関する規定を整備することとしたこと。  さらに、都道府県が報酬等を負担する非常勤の講師の身分取扱いに関する規定を整備することとしたこと。 二 改正の内容の概要 (一) 市町村立の義務教育諸学校及び市町村立高等学校等の定時制の課程の非常勤の講師の報酬等の都道府県負担に関する事項 ア 市町村立の義務教育諸学校の非常勤の講師の報酬等の都道府県負担  市町村立の義務教育諸学校の非常勤の講師(新義務標準法第一七条第二項に規定する非常勤の講師に限る。)の報酬等については都道府県の負担としたこと(改正法による改正後の市町村立学校職員給与費負担法(昭和二三年法律第一三五号。以下「新市町村負担法」という。)第一条及び改正法による改正後の公立養護学校整備特別措置法(昭和三一年法律第一五二号。以下「新特別措置法」という。)第四条)。 イ 市町村立の高等学校等の定時制の課程の非常勤の講師の報酬等の都道府県負担に関する事項  市町村立の高等学校(中等教育学校の後期課程を含む。)で定時制の課程を置くものの非常勤の講師(新高校標準法第二三条第二項に規定する非常勤の講師に限る。)の報酬等については都道府県の負担としたこと(新市町村負担法第二条)。 (二) 都道府県が負担する義務教育諸学校の非常勤の講師の報酬等に対する国庫負担に関する事項 ア 非常勤の講師の報酬等の国庫負担 (ア) 都道府県が負担する市町村立の義務教育諸学校の非常勤の講師の報酬等について、その二分の一を国庫負担の対象としたこと(改正法による改正後の義務教育費国庫負担法(昭和二七年法律第三〇三号。以下「新国庫負担法」という。)第二条第一号及び新特別措置法第五条第一号)。 (イ) 都道府県立の中学校(併設型中高一貫教育校に限る。)、中等教育学校の前期課程並びに盲学校及び聾学校の小学部及び中学部の非常勤の講師の報酬等について、その二分の一を国庫負担の対象としたこと(新国庫負担法第二条第二号及び新特別措置法第五条第一号)。 イ 非常勤の講師の労働者災害補償保険に係る労働保険料に要する経費の国庫負担  非常勤の講師の公務災害については、地方公務員災害補償法(昭和四二年法律第一二一号)が適用されず、労働者災害補償保険法(昭和二二年法律第五〇号)が適用されることとなっており、労働保険の保険料の徴収等に関する法律(昭和四四年法律第八四号)に規定する保険料率を当該非常勤の講師に対して都道府県が支払う報酬等の額に乗ずることにより算定される労働保険料について、その二分の一を国庫負担の対象としたこと(新国庫負担法第二条第四号及び新特別措置法第五条第三号)。 (三) 教職員給与費に係る国庫負担額の最高限度の算定方法等に関する事項 ア 義務教育費国庫負担法第二条但書の規定に基き教職員給与費等の国庫負担額の最高限度を定める政令の題名の変更等  「義務教育費国庫負担法第二条但書の規定に基き教職員給与費等の国庫負担額の最高限度を定める政令」の題名を「義務教育費国庫負担法第二条ただし書の規定に基づき教職員の給与及び報酬等に要する経費等の国庫負担額の最高限度を定める政令」に改めるとともに、「教職員給与費等」の文言を「教職員の給与及び報酬等に要する経費等」に改めたこと(改正限度政令による改正後の義務教育費国庫負担法第二条但書の規定に基き教職員給与費等の国庫負担額の最高限度を定める政令(以下「新限度政令」という。)第一条等)。 イ 非常勤の講師等の報酬等に要する経費等の国庫負担対象化 (ア) 都道府県が負担する再任用常勤教職員、再任用短時間勤務教職員及び非常勤の講師の給与及び報酬等に要する経費等の二分の一を国庫負担の対象とすることとなったことに伴い、これらの教職員に係る給与及び報酬等に要する経費等の国庫負担額の最高限度の算定方法として、一般教職員、再任用常勤教職員、再任用短時間勤務教職員及び非常勤の講師の順に、国が負担すべき教職員定数に達するまで国庫負担の対象とする旨を定めたこと。なお、再任用短時間勤務教職員及び非常勤の講師の給与及び報酬等に要する経費等の国庫負担は、これらの教職員の勤務形態に鑑み、文部科学省令の定めるところにより算定した月当たりの常勤の教職員の正規の勤務時間の時間数を基礎として換算した数による旨を定めたこと(新限度政令第二条〜第六条、改正限度政令による改正後の公立養護学校整備特別措置法施行令第九条)。 (イ) 都道府県が負担する再任用短時間勤務教職員及び非常勤の講師について換算を行う際の基礎となる月当たりの常勤の教職員の正規の勤務時間の時間数の算定方法を定めるとともに、常勤換算を行う場合の端数計算処理に係る規定を定めたこと(義務教育費国庫負担法第二条但書の規定に基づき教職員給与費等の国庫負担額の最高限度を定める政令施行規則及び公立養護学校整備特別措置法施行規則の一部を改正する省令による改正後の義務教育費国庫負担法第二条但書の規定に基づき教職員給与費等の国庫負担額の最高限度を定める政令施行規則第一条、第六条及び第一〇条第二項並びに公立養護学校整備特別措置法施行規則第三条、第六条及び第八条第二項)。 ウ 教員の給料に係る国庫負担限度水準の変更  国庫負担額の最高限度を算定する際、国の財政負担の責任の限度として定められている国庫負担限度水準について、現行の「一〇〇分の一〇一・八」を、国及び各都道府県の教員の給与の支給実態等を考慮して「一〇〇分の一〇一・五」に改めたこと(新限度政令第三条第一項第二号イ及びロ)。 エ 大学院研修休業制度の創設に伴う規定の整備  教育公務員特例法等の一部を改正する法律(平成一二年法律第五二号)の施行に伴い創設された大学院修学休業制度に基づく大学院修学休業者に係る共済費長期給付に要する経費についての国庫負担額の最高限度に関する規定を整備したこと(新限度政令第二条第一項第一号)。 (四) 都道府県が報酬等を負担する市町村立の義務教育諸学校及び市町村立高等学校等の定時制の課程の非常勤の講師の身分取扱いに関する事項 ア 地教行法の規定の適用除外  新市町村負担法第一条及び第二条の規定によりその報酬等を都道府県が負担することとなる非常勤の講師(以下「県費負担非常勤講師」という。)は、地方教育行政の組織及び運営に関する法律(昭和三一年法律第一六二号。以下「地教行法」という。)第三七条第一項に規定する県費負担教職員に該当するものであるが、県費負担非常勤講師は地方公務員法第三条第三項第三号に該当する特別職の地方公務員であり、地方公務員法(昭和二五年法律第二六一号)第四条第二項の規定により原則として同法の規定の適用がないことから、県費負担教職員の任用等について地方自治法の規定の適用を前提として設けられている地教行法第四〇条第一項に規定する県費負担教職員には県費負担非常勤講師を含まないものとしたこと。  また、同様に地方公務員法の規定の適用を前提として設けられている同法第四二条(の給与、勤務時間その他の勤務条件)、第四三条第三項(任免、分限又は懲戒)、第四四条(職階制)、第四五条第一項(研修)、第四六条(勤務成績の評定)、第四七条(地方公務員法の適用の特例)、第五八条第二項(研修についての指定都市に関する特例)、第五九条(中核市に関する特例)及び第六一条第二項(研修についての中等教育学校を設置する市町村に関する特例)に規定する県費負担教職員には県費負担非常勤講師を含まないものとしたこと(改正法による改正後の地教行法(以下「新地教行法」という。)第四〇条)。 イ 県費負担非常勤講師の身分取扱いに関する定めの実施についての技術的な基準  都道府県教育委員会は、新地教行法第四七条の二の規定に基づく県費負担非常勤講師の身分取扱いに係る都道府県の定めの実施について、県費負担非常勤講師以外の県費負担教職員におけると同様、技術的な基準を設けることができることとしたこと(新地教行法第四三条第四項)。 ウ 県費負担非常勤講師の報酬等及び身分取扱いについての都道府県の定め (ア) 地方公共団体の非常勤の職員の報酬等の額及びその支給方法については、地方自治法(昭和二二年法律第六七号)第二〇三条第五項の規定により条例で定めなければならないこととなっており、県費負担非常勤講師の報酬等の額及びその支給方法については都道府県の条例で定めるものとしたこと(新地教行法第四七条の二第一項)。 (イ) 新地教行法第四章に定めるもののほか、県費負担非常勤講師の任用方法、服務、勤務条件、処分等の身分取扱いについては、都道府県の定めの適用があるものとしたこと(新地教行法第四七条の二第二項)。  なお、県費負担非常勤講師については原則として同法の規定の適用がなく、労働基準法等労働関係法令の適用があるものであり、その遵守に努められたいこと。 エ 指定都市の県費負担非常勤講師に関する特例  指定都市の県費負担非常勤講師については、県費負担非常勤講師以外の県費負担教職員におけると同様、任免等についての特例の対象とし、県費負担非常勤講師には報酬等が支給されることとなることを踏まえ、所要の規定の整備を行ったこと(新地教行法第五八条第一項)。 オ 中等教育学校の県費負担非常勤講師に関する特例  中等教育学校を設置する市町村の当該中等教育学校の県費負担非常勤講師については、県費負担非常勤講師以外の県費負担教職員におけると同様、任免等についての特例の対象とし、県費負担非常勤講師には報酬等が支給されることとなることを踏まえ、所要の規定の整備を行ったこと(新地教行法第六一条第一項)。 別添 略