● 学校教育法の一部改正について(社会奉仕体験活動、出席停止関係) 平成13年7月11日 13文科初466 -------------------------------------------------------------------------------                              13文科初第466号                              平成13年7月11日 各国公私立大学長 各国公私立高等専門学校長 国立久里浜養護学校長   殿 放送大学長 各都道府県教育委員会 各都道府県知事                           文部科学事務次官                                小 野 元 之             学校教育法の一部改正について(通知)  先の第151回国会において「学校教育法の一部を改正する法律」(以下「改正法」という。)が成立し,別添のとおり,平成13年7月11日付けをもって,法律第105号として公布されました。  今回の改正は,児童生徒の社会性や豊かな人間性を育む観点から,小学校等におけるボランティア活動など社会奉仕体験活動,自然体験活動等の体験活動を促進するとともに,一人一人の能力・通性に応じた教育を進め,その能力の伸長を図るため,大学における飛び入学の促進等を図るものであります。また,児童生徒の問題行動への適切な対応を図るため,小学校及び中学校の出席停止制度の改善を行うとともに,男女共同参画社会の形成の促進の観点から,盲学校,聾学校及び養護学校の寄宿舎に置かれる寮母の名称を変更するものであります。  その概要等は,下記のとおりですので,十分に御了知の上,適切に対処下さるようお願いします。  各都道府県教育委員会及び都道府県知事におかれては,域内の市町村教育委員会,所管又は所轄の学校及び学校法人等に対しても,改正の趣旨について周知を図るとともに,必要な指導,助言又は援助をお願いします。                    記 1 ボランティア活動など社会奉仕体験活動,自然体験活動等の体験活動の充実(第18条の2,第40条,第51条,第51条の9,第76条関係)  小学校,中学校,高等学校,中等教育学校,盲学校,聾学校及び養護学校について,各学校種の教育目標の達成に資するよう,教育指導を行うに当たり,児童生徒の体験的な学習活動,特にボランティア活動など社会奉仕体験活動,自然体験活動その他の体験活動の充実に努めるものとするとともに,社会教育関係団体その他の関係団体及び関係機関との連携に十分配慮しなければならないとしたこと。  また,学校教育法の改正とあわせて社会教育法を改正し,教育委員会の事務として,青少年に対する体験活動の機会を提供する事業の実施及びその奨励に関することを規定しており,これは,学校教育と社会教育とが相まって体験活動を促進していく趣旨であること。  なお,体験活動の実施に当たっての留意点に関しては,別途通知する予定であり,これに留意して適切に対処すること。 2 出席停止(第26条関係)  小学校及び中学校における出席停止について,他の児童生徒に傷害,心身の苦痛又は財産上の損失を与える行為,職員に傷害又は心身の苦痛を与える行為・施設又は設備を損壊する行為・授業その他の教育活動の実施を妨げる行為を繰り返し行う等性行不良であって他の児童生徒の教育に妨げがあるときに命ずることができることとし,要件の明確化を図ったこと。  また,市町村教育委員会が出席停止を命ずる場合には,あらかじめ保護者の意見を聴取するとともに,理由及び期間を記載した文書を交付しなければならないこととするとともに,その他出席停止の命令の手続に関し必要な事項は,教育委員会規則で定めるものとすることとし,手続に関する規定の整備を図ったこと。  さらに,市町村教育委員会は,出席停止の期間中の児童生徒の学習の支援その他の教育上必要な措置を講ずるものとすることとしたこと。  なお,法改正を踏まえ,各市町村教育委員会においては,その施行日(平成14年1月11日)までに,第3項に基づいて所要の教育委員会規則を整備する必要があること。また,法改正を踏まえた出席停止制度の具体的な運用の在り方については.別途通知する予定であり,これに留意して適切に対処すること。 3 大学への飛び入学(第56条関係)  大学への入学について,高等学校に文部科学大臣の定める年数以上在学した者であって,数学又は物理学の分野に限らず大学の定める分野において特に優れた資質を有すると認めるものを,当該大学に入学させることができることとしたこと。ただし,この飛び入学を実施し得る大学は,当該分野に関する教育研究が行われている大学院が置かれていること及び当該分野における特に優れた資質を有する者の育成を図るのにふさわしい教育研究上の実績及び指導体制を有することという要件を満たす大学に限られること。  なお,関係省令の改正については追ってこれを行うとともに,大学への飛び入学の実施に当たっての配慮事項等に関しては,別途通知する予定であり,これに留意して適切に対処すること。 4 夜間において授業を行う研究科又は通信による教育を行う研究科(第66条の2関係)  大学院を置く大学には,夜間において授業を行う研究科又は通信による教育を行う研究科を置くことができることを法律上明確化したこと。 5 大学院への飛び入学(第67条関係)  大学院を置く大学は,大学に文部科学大臣の定める年数以上在学した者であって,当該大学院を置く大学の定める単位を優秀な成績で修得したと認めるものを,当該大学院に入学させることができることとし,大学院への飛び入学について法律上明確化したこと。  なお,関係省令の改正については追ってこれを行うとともに,大学院への飛び入学の実施に当たっての配慮事項等に関しては,別途通知する予定であり,これに留意して適切に対処すること。 6 名誉教授(第68条め3関係)  大学は,勤務年数を問わずに,名誉教授の称号を授与できるようにしたこと。 7 寄宿舎指導員(第73条の3関係)  盲学校,聾学校及び養護学校の寄宿舎の「寮母」の名称を,男女共同参画社会の形成の促進の観点から,「寄宿舎指導員」に変更するとともに,その職務内容を「養育に従事する」から「日常生活上の世話及び生活指導に従事する」としたこと。  なお,法改正を踏まえ,その施行日(平成14年4月1日)までに,寮母の設置又は職務内容等について規定をしている教育委員会規則等の規定の見直しを図ること。 8 その他の事項(第52条の2,第54条,第55条,第57条,第69条の2,第76条,第82条の10関係)  大学の通信教育及び大学への飛び入学に係る法改正に伴い,必要な規定の整備を行ったこと。 9 改正法附則関係 (1)施行期日(改正法附則第1条関係)  改正法は,平成13年7月11日から施行するものであること。ただし,出席停止に係る規定については,平成14年1月11日から,大学及び大学院への飛び入学並びに寄宿舎指導月に係る規定については,平成14年4月1日から,それぞれ施行するものであること。 (2)市町村立学校職員給与負担法等の一部改正(改正法附則第2条関係)  市町村立学校職員給与負担法等について,規定中の「寮母」を「寄宿舎指導員」に改めたこと。 (3)社会教育法等の一部改正(改正法附則第3条,第4条関係)  社会教育法等について,大学の通信教育に係る必要な規定の整備を行ったこと。 (4)博物館法等の一部改正(改正法附則第5条から第16条関係)  博物館法等について.大学への飛び入学に係る法改正に伴い,必要な規定の整備を行ったこと。