● 教育の中立性の維持について 昭和28年7月8日 文初地405



昭二八、七、八 文初地四〇五 
各都道府県知事、各教育委員会あて 
文部事務次官通達

    教育の中立性の維持について

 教育制度の基本として、教育の中立性は、最も厳重に保持せられなければならない。しかるに、最近山口県における「小学生日記」「中学生日記」の例に見るごとく、ややもすれば特定政党の政治的主張を移して児童生徒の脳裏に印しようとするごとき事例なしとしないのは、甚だ遺憾とするところであって、貴管下教育行政の全般にわたり、下記事項に関し特段の御配慮を願いたく、命により通達する。なおそれぞれ、関係教育委員会及び学校長に御伝達願いたい。

          記

1 いやしくも、一部の利害関係や、特定の政治的立場等によって、教育が利用され、歪曲されることのないように留意すること。
2 多種多様の教材資料中には上記山口県教職員組合編集にかかる「小学生日記」「中学生日記」に見るごとく、往々特定の立場に偏した内容を有し、教材資料として不適当なものもあるようであるから、その取捨選択にあたっては、関係者において特に細心留意すること。
3 各所属長は職員の服務につき、常に指導を怠ることなく真面目に勤務が行われるよう適切な監督を行うとともに、いやしくも違反行為のある場合には、その是正について厳正な処置をとり、もって勤務不良の教職員の絶無を期せられたきこと。




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