● 日本体育・学校健康センター法等の施行について 昭和61年3月1日 文体体第85号



文体体第八五号 昭和六一年三月一日
各都道府県教育委員会・各都道府県知事附属学校を置く各国立大学長・各国公私立高等専門学校長・国立久里浜養護学校長あて
文部事務次官通知


    日本体育・学校健康センター法等の施行について


 このたび、別添のとおり、日本体育・学校健康センター法(昭和六〇年法律第九二号。以下「法」という。)が、昭和六〇年一二月六日に公布・施行されるとともに、日本体育・学校健康センター法の一部の施行期日を定める政令(昭和六〇年政令第三三〇号。以下「施行期日政令」という。)、日本体育・学校健康センター法施行令(昭和六〇年政令第三三一号。以下「施行令」という。)及び日本体育・学校健康センター法の施行に伴う関係政令の整備に関する政令(昭和六〇年政令第三三二号。以下「整備政令」という。)が、それぞれ昭和六〇年一二月二七日に公布され、施行令については同日から、整備政令については昭和六一年三月一日から施行されました。
 また、日本体育・学校健康センター法施行規則(昭和六一年文部省令第二号。以下「施行規則」という。)、日本体育・学校健康センターの財務及び会計に関する省令(昭和六一年文部省令第三号)及び日本体育・学校健康センターの業務方法書に記載すべき事項を定める省令(昭和六一年文部省令第四号)が、それぞれ昭和六一年二月二五日に公布、施行されました。
 これらの法令に基づき、昭和六一年三月一日に日本体育・学校健康センターの設立登記が行われ、同センターは成立し、これに伴い、国立競技場及び日本学校健康会は解散することとなりました。
 法の概要及び留意事項は、左記のとおりですので、事務処理に遺漏のないよう願います。
 また、都道府県の教育委員会においては管下の各市町村関係機関及び団体に対し、都道府県知事においては所管の私立学校及び保育所に対し、このことを通知されるよう願います。
 なお、政令及び省令については、それぞれ従前のものを引き継いだ内容となつていますので、念のため申し添えます。

          記

一 法制定の趣旨

 特殊法人の整備合理化を図るため、国立競技場(以下「競技場」という。)及び日本学校健康会(以下「健康会」という。)を解散し、日本体育・学校健康センター(以下「センター」という。)を設立し、体育の振興と児童、生徒等の健康の保持増進を図ることとしたものであること。
 これにより、センターは、従来競技場が行つてきたその設置する体育施設及び附属施設の運営、体育に関する資料の収集及び提供、その他体育の普及振興に関する業務並びに健康会が行つてきた学校安全及び学校給食の普及充実、災害共済給付事業並びに学校給食用物資の供給等に関する業務を承継して、総合的に推進することとされたこと。

二 センターの目的

 センターは、体育の振興と児童、生徒等の健康の保持増進を図るため、その設置する体育施設の適切かつ効率的な運営、業務教育諸学校等の管理下における児童、生徒等の災害に関する必要な給付、学校給食用物資の適正円滑な供給その他体育、学校安全及び学校給食の普及充実等を行い、もつて国民の心身の健全な発達に寄与することを目的とすること(法第一条)。

三 センターの業務

 センターは、その目的を達成するため、次の業務を行うこと。
 なお、これは、従前の国立競技場及び日本学校健康会の業務を承継したものであること。

(一) 体育施設及び附属施設の運営等

 その設置する体育施設(陸上競技場、ラグビー場、体育館、水泳場、サッカー場等)及び附属施設(体育博物館等)を運営し、並びにこれらの施設を利用して体育の振興のため必要な業務を行うこと(法第二〇条第一項第一号)。

(二) 災害共済給付業務

 義務教育諸学校、高等学校、高等専門学校、幼稚園又は保育所の管理下における児童、生徒等の災害(負傷、疾病、障害又は死亡)につき、当該児童、生徒等の保護者等に対し、災害共済給付(医療費、障害見舞金又は死亡見舞金の支給)を行うこと(法第二〇条第一項第二号、第二項、附則第一二条)。
 災害共済給付の給付基準、給付金の支払の請求及びその支払、学校又は保育所の管理下における児童、生徒等の災害の範囲、免責の特約、共済掛金等については、健康会が行つてきた災害共済給付に係るものと同様の内容としていること(法第二一条第二項―第四項、第二二条、第二六条、施行令第五条―第一九条、附則第三条、施行規則第二条―第一四条、附則第二項)。したがつて、災害共済給付の給付金の支払の請求等については、支払請求書等の様式の一部が改訂されたことを除き、従来と同様の手続により行うこと。

(三) 学校給食用の物資の供給業務

 学校給食用の物資の買入れ、売渡しその他供給に関する業務を行うこと。取り扱う物資は、法第二〇条第一項第三号に規定する学校給食用物資(昭和六一年文部省告示第二四号で定める物資)及び同条第三項の規定により文部大臣の認可を受けて行う業務に係る学校給食用の物資とし、これらの業務は、健康会が行つてきた学校給食用の物資の供給業務に係るものと同様の内容としていること(法第二〇条第一項第三号、第三項)。したがつて、これらの物資の供給は従来と同様に各都道府県学校給食会に対して行うものであること。

(四) 体育、学校安全及び学校給食の普及充実に関する業務

 体育、学校安全及び学校給食に関する調査研究並びに資料の収集及び提供その他の体育、学校安全及び学校給食の普及充実に関する業務を行うこと(法第二〇条第一項第四号)。その内容は、従来競技場及び健康会が行つてきたものを引き継ぐこと。

(五) 附帯業務その他の業務

 センターは、前記の業務に附帯する業務を行うほか、文部大臣の認可を受けて、その目的を達成するため必要な業務を行うことができること、並びにその設置する体育施設及び附属施設を一般の利用に供することができること(法第二〇条第一項第五号、第三項、第四項)。その内容は、供花料・救急医薬品の支給、学校給食用の物資の検査等、従来競技場及び健康会が行つてきたものと同様であること。

四 センターの組織、機構

(一) 事務所

 センターは、主たる事務所(「本部」と称する。)を東京都新宿区霞ケ丘一〇番地に置き、従たる事務所(「支部」と称する。)を文部大臣の認可を受けて各都道府県に置くこと(法第三条)。競技場及び健康会の事務所は全てセンターが引き継ぐこととなるので、健康会が各都道府県に置いていた支部はそのままセンターの支部となること。

(二) 役員

 センターに、役員として、理事長一人、理事八人以内及び監事二人以内を置き、理事長はセンターを代表し、その業務を総理すること(法第八条―第一五条)。

(三) 運営審議会

 センターに、運営審議会を置き、三五人以内の委員で組織すること。運営審議会は、理事長の諮問に応じ、センターの業務の運営に関する重要事項について審議し、また、センターの業務の運営につき、理事長に対して意見を述べることができること(法第一八条、第一九条)。

五 センターに対する監督及び国の補助

(一) 監督等

 センターは、文部大臣の監督を受けること(法第三九条、第四〇条等)。

(二) 国の補助

 国は、予算の範囲内において、センターの事務に要する経費、災害共済給付に要する経費及び学校給食用物資の供給に要する経費の一部を補助することができること。また、国は、予算の範囲内において、要保護準要保護児童生徒に係る共済掛金の保護者支出分に充当するための補助を行うことができること(法第四二条)。

六 センターの設立等

 センターは、昭和六一年三月一日に設立されるとともに、その時において競技場及び健康会は解散し、それらの一切の権利及び義務はセンターが承継すること(法附則第五条、第六条第一項、施行期日政令)。

七 国立競技場法等の廃止等

 国立競技場法(昭和三三年法律第二〇号)及び日本学校健康会法(昭和五七年法律第六三号)は、昭和六一年三月一日に廃止すること(法附則第一三条)。
 廃止前の日本学校健康会法の規定により締結された災害共済給付契約及びこれに付された免責の特約は、法中の相当する規定により締結され、及び付されたものとみなすとともに、廃止前の国立競技場法又は日本学校健康会法の規定によりした処分、手続その他の行為は、法中の相当する規定によりしたものとみなされるので(法附則第一四条)、既に災害共済給付契約の締結、災害共済給付の支払請求書の提出等を行つている学校の設置者は、改めてセンターに対しこれらの行為を行う必要がないこと。


別添 略




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