私たちは、こんにち到るところで法律問題とかかわりを持っています。
たとえば、私たちと学校管理職、教育委員会、文部省との間には、教育課程の編成や校務分掌の決定、主任制、研修権、学校管理規則、学習指導要領と教科書検定、君が代・日の丸などをめぐる問題が山積しています。
また、生徒指導の場面においても、懲戒処分や進級卒業問題、学校事故、髪型・制服と校則、さらには校内暴力などの問題がおこり、裁判事件になることもまれではありません。生徒の権利問題は、親と教師の権利の衝突に発展する可能性をも含んでいます。教育をとりまく状況はますます複雑で厳しくなっているにもかかわらず、これに対する私たちの力量や態勢は十分とは言えません。
日本教育法学会を中心として、教育法学会はここ10年あまりの間に目ざましい進歩をとげました。私たちは、教育法学が民主諸団体を始めとする教育裁判運動の中から生まれ、国民の教育運動と共に成長してきた事実に注目したいと思います。教育法学の成長はより広く深く職場に浸透し、職場の中で検証され、再び教育法学の発展へと還流されなければなりません。私たちは、日本教育法学会と全国高等学校教育法研究会との緊密な連携の下に研究を進め、特に具体的事例に即し実定法、判例、教育条理、外国法政などを研究していきたいと考えています。
1982年6月