◆200103KHK194A4L1107AN
TITLE:  ノルウェー「基礎学校及び後期中等教育に関する法律」
AUTHOR: 北川邦一訳
SOURCE: (2001年3月)
WORDS:  全40字×1107行

 

基礎学校及び後期中等教育に関する法律
(教育法)
1998年7月17日・法律第61号
(1999年8月1日施行)
北川邦一 翻訳

LOV av 17.juli 1998 nr.61
OM GRUNNSKOLEN OG DEN VIDAREGÅANDE OPPLÆRINGA(OPPLÆRINGSLOVA)
(I KRAFT 1. AUGUST 1999)
出典 CAPPELEN AKADEMISK FOLAG as, 1999, Oslo. ISBN*82-456-0997-8

 

 

 

第1章 目的と適用範囲

 

  §1-1 法律の適用範囲

  この法律は、他に特別の定めのない場合、公立学校(offentlege skolar)及び実習企業(lærebedrifter)における、基礎学校教育(grunnskoleopplæring)及び後期中等教育(vidaregåande opplæring)に適用される。

  この法律は、私立学校法(privatskulelova)による国庫補助を受けない私立基礎学校及び基礎学校段階の私的家庭教育(privat heimeopplæring)に適用される。

  コミューネ(kommunen)又は県(fylkeskommunen)が責任を負って成人のために特別に組織する基礎学校教育及び後期中等教育に対しては、§1-2、§1-3、§2-3第2項、§3-4第1項、§7-5、§10-1、§10-8、§13-5、§14-1、§15-1第1項及び§15-2が適用される。§5-2による成人のための特殊教育に対しては第5章が適用される。

 

  §1-2 教育の目的

  基礎学校は、家庭の協同と理解を得て、生徒をキリスト教的倫理的に成育させ精神的身体的に発達させ良好な一般的知識を与え、彼らが家庭と社会において有益で独立した人間になることを援助しなければならない。

  後期中等教育は、生徒が仕事と社会での生活が行なえるよう技能と理解と責任を発達させ、生徒と職業実習生の個人的な発達を援助しなければならない。後期中等教育は、基本的なキリスト教的人間的価値についての自覚と理解、この国の文化遺産、民主主義の理念、並びに科学的思考方法及び労働方法を増大させることに貢献しなければならない。

  基礎学校教育及び後期中等教育は、人間の平等、精神の自由と寛容、生態学的理解及び国際的協同責任を促進しなければならない。

  教育は、より広い教育及び学習の基礎を提供し、共通の知識、文化及び基本的価値の基礎、並びに人々の高い水準の能力を支持しなければならない。

  教育は、個別の生徒及び職業実習生の能力と適性に応じたものでなければならない。

  教員と生徒、職業実習生と企業、学校と家庭、学校と労働生活の間に良好な協同の形態を創ることを重視しなければならない。学校及び実習企業に関与する者は、生徒及び職業実習生が損なわれ攻撃的な言語及び行為に晒されないよう努力しなければならない。

 

  §1-3 施行規則

  閣議における国王(kongen i statsråd)は、学校教育のあらゆる目標と原則を充足するために施行規則を定めることができる。

 

  §1-4 試行

  文部省は、コミューネ又は県からの申請に応じて、時限的な教育的組織的実験に関して、この法律及びこの法律による規定からの逸脱(avvik)を許可することができる。

 

 

第2章 基礎学校

 

  §2-1 基礎学校教育の権利と義務

  児童(barn)と少年(unge)は基礎学校教育を受ける義務を負い、この法律及びこの法律の施行規則による公立の基礎学校教育を受ける権利を有する。この義務は、公立の基礎学校教育又は他のこれと同等の教育によって守られる。

  基礎学校教育の権利は、児童が3ヶ月を超えてノルウェーに住む見込みの時に適用される。この学校教育の義務は、滞在が3ヶ月を超えた時に始まる。文部省は、特別の場合、生徒のこの義務を免除することができる。

  基礎学校教育の義務は、通常、児童が暦年齢満6歳になったときに生ずる。もし、専門的な評価によって児童が学校教育を始めるほどに成熟していないと疑いがもたれるならば、児童は両親が申請するとき学校教育の始期を1年遅らせる権利を有する。専門的評価に従い、かつ書面による両親の同意によって、コミューネは特別の場合に学校教育の始期を1年遅らせることができる。両親がそれを求め又は両親がそれに同意するならば、児童が4月1日に満5歳になる場合、コミューネは専門的評価にしたがって児童を1年早く学校に入れることができる。

  教育の権利と義務は、生徒が10年間の学校年を満たすまで存続する。専門的評価に従い、かつ両親の書面による同意によって、コミューネは、そうすることが生徒の利益になると認めるとき生徒の教育の義務の全部又は一部を免除することができる。生徒が義務教育を欠席するならば、生徒の両親又はその他の保護者は、それが彼らの故意又は怠慢によるのであるならば、罰金を課せられる。公的訴追は、コミューネが決定しない限り始められない。

  公立基礎学校は、無償である。コミューネは、基礎学校の生徒に教科書、読本、筆記道具及びその他の教材を提供しなければならない。

 

  §2-2 基礎学校教育の時間構成

  文部省は、基礎学校の授業時間の統合に関する規則を定める。

  コミューネは、第1項による規則に定められた時間を超えて授業時間に関して規則を定めることができる。ノルウェー官報における告示に関する行政法第38節第1項c号の要請は、適用されない。

  教育は、学年の連続する45週枠内で最小限38週にわたらなければならない。

  コミューネは、生徒に対して学年の授業日及び休業日に関する規則を定める。

  この規則は、国家試験の終了に適していなければならない。ノルウェー官報における告示に関する行政法第38節第1項c号の要請は、適用されない。

  文部省は、生徒の毎日の授業時間と休憩時間に関する規則を定める。

 

  §2-3 基礎学校教育における内容と評価

  基礎学校教育は、キリスト教知識・宗教・道徳科目(faget kristendomskunnskap med religions-og livssynsorentering)〔直訳:宗教指導及び人生観指導を伴うキリスト教知識科目〕、ノルウェー語、数学、外国語、体育、家庭、社会、自然に関する知識、及び美的、実用的、社会的教育を含まなければならない。§2-2による授業時間の一部は、学校及び生徒が選ぶ科目及び活動、学校キャンプ活動、並びに、その他の学校の教育または学校外の労働の場での教育に使われることができる。コミューネは、§2-2による規則に定められた最小時間を超えた授業時間をどのように使用するかを決定する。

  文部省は、基礎学校のカリキュラムの主たる段階に応じた、科目及び時間配分、中心的授業方法、並びに、各科目の教育の知識・方法の扱い及び主たる要素に関する規則を定める(学習指導要領。læreplanar)。文部省は、生徒の評価及び評価に対する不服申立て(klage)に関する規則を定める。

  生徒は、教育に能動的に引き入れられなければならない。教育職員は、この法律によって定められた学習指導要領に適合して授業を準備し遂行しなければならない。校長は、第1項及び、第2項による規則に適合し、かつ、§1-2及び、§1-3による規則に適合して学校を組織しなければならない。

  コミューネの申請に基づいて、文部省は、それが総体として授業要請を引き下げるないならば、学校が第1項及び学習指導要領に関する規則から逸脱することを認めることができる。このような許可がされる以前に、学校の協同委員会の意見表明が提出されていなければならない。

 

  §2-4 キリスト教知識・宗教・道徳科目の授業、宗教活動の免除、等々。

 キリスト教知識・宗教・道徳科目の授業は、
  文化遺産及び福音ルーテル派の聖書及びキリスト教の基礎知識を与え、
  他のキリスト教宗派の知識を与え、
  他の世界宗教、人生観、道徳的哲学的問題の知識を与え、
  キリスト教的、人道主義的価値観への理解と尊重を助長し、かつ、
  信仰及び人生観問題について異なる解釈の人々との理解と尊重と対話の能力を助長しなければならない。

  キリスト教知識・宗教・道徳は、普通はすべての生徒が参加するべき通常の授業科目である。この授業は説教であってはならない。

  キリスト教知識・宗教・道徳の教員は、始めに§1-2に定められた基礎学校の目的条項を取り扱い、また、キリスト教並びにその他の宗教及び人生観の特徴を取り扱わなければならない。同じ教育原理が様々な問題の授業の基礎に据えられていなければならない。

  生徒は、彼ら自身の宗教、哲学によって、他の宗教の実践あるいは他の哲学への参加するために、両親の文書通知によって各個の学校の授業のこの科目の部分への出席を免除されなければならない。このことは、学級の内又は外での宗教的活動においても可能である。学校は、免除が通知された場合、可能な限り、特に低学年段階においては、教育課程内の異なる授業の権利を提供するという解決を探さなければならない。

  15歳に達した生徒は、自分で第4項の文書通知をすることができる。

 

  §2-5 基礎学校における言語形態(målformer)

  コミューネは、(ブックモールとニューノルスクのうちの訳者補足。)どの言語形態が個別の学校における主言語であるかに関する規則を定める。主言語形態は、文書教育と文書学習で用いられなければならない。第8学年以上では、生徒は自分の望む文書言語形態を使う。

  口頭授業の場合、生徒と教育職員は、どの会話言語を用いるかを自分たち自身で定める。しかし、教育職員と学校管理者は、言語選択と表現方法における生徒の会話言語を最大限度可能な限り考慮しなければならない。

  親は7学年までの生徒が使う教科書の言語形態を決める。8学年以上からは、生徒がどの言語形態を用いるかを決める。ノルウェー語の授業では、生徒は主言語形態の教科書を持たなければならない。

  第1学年から第7学年の一つの学年の学級に通っている生徒の10人以上がコミューネが採用したのとは異なる主言語形態の文書教育を要求する場合、もしその結果、生徒が去ったあとの学級又は学級の各々に残される生徒が10人より少なくなるのでなければ彼らは分離学級を作る権利を有する。この権利は、分割によって作られた学級に残る生徒が6人以上いる限り存続する。コミューネで生徒が複数の学校に分散している場合、親は単純多数でどの学校が当該の主言語の授業を行なうべきかを決定する。

  それまで使っていたのとは違う主言語形態の学校に転校した第1-4学年の生徒は、引き続き元の言語形態による主言語形態による文書教育を受ける権利を有する。彼らはその人数に拘わらず一つの分離集団でノルウェー語教育の授業を受ける権利を有する。

  基礎学校の最後の2年間、生徒はノルウェー語の両方の形態の授業を受ける。文部省は、特別の言語授業を受ける生徒に対する第二ノルウェー語形態の授業の免除に関する規則を定める。

  ノルウェー語の主形態の変更には、又はコミューネ議会の過半数若しくは有権者の四分の一以上が変更を求めたときには、§8-1に定める学校の教区としての地域において意見表明の全員投票が行なわれなければならない。

  有権者は、当該学校に通学している生徒の親である。文部省は、施行規則を定めることができる。

 

  §2-6 手話教育(teiknspråkopplæring)

  その第一言語が手話である生徒は、手話によるかつ手話のための基礎学校教育を受ける権利を有する。その授業の時間配分と教育内容範囲は、この法律の§2-2及び§2-3による規則で定められなければならない。

  コミューネは手話による教育及び手話のための教育が、生徒の学校とは異なる場所で行なわれると定めることができる。

  義務教育年齢より下で手話教育を受ける特別の必要のある児童(barn)は、そのような教育を受ける権利を有する。文部省は、施行規則を定める。

 

  §2-7 クベン−フィンランド系の生徒のためのフィンランド語教育

  トゥトン及びフィンマルク地方においてクベン−フィンランド系(kvensk-  finsk backgrunn)の基礎学校の3人以上の生徒が要求するときは、その生徒たちはフィンランド語による授業を受ける権利を有する。その授業の時間配分と教育内容範囲は、この法律の§2-2及び§2-3による規則において定められる。第8学年以上では、生徒自身がフィンランドごで授業を受けるか否かを決める。文部省は、学校の教員が第1項に定める授業をすることができないときの代替授業に関する規則を定める。

 

  §2-8 少数言語出身の生徒のための教育

  文部省は、コミューネが少数言語出身の生徒に特別の教育をする義務に関する規則を定める。

 

  §2-9 校則等

  コミューネは、個別の基礎学校の学校の校則(ordensreglement)〔直訳では秩序規程〕に関する規則を定めなければならない。校則は、法律又は他の方法で定められていない範囲で、生徒の権利と義務に関するきまりを定めなければならない。校則は、行為、規律を破った生徒にどのような措置が用いられるか及びそのような事項が扱われる手続きを含まなければならない。

  校則は、生徒及び親に知らされなければならない。ノルウェー官報における告示に関する行政法第38節第1項c号に述べられた要請は、適用されない。

  体罰又はその他の侮辱的処遇は行なわれてはならない。

  生徒には、出席停止(bortbising)を含めて懲戒に関する何らかの処分が行なわれる前に、処分決定の責任者にその事件について述べる機会が与えられなければならない。

 

  §2-10 出席停止

  コミューネは、校則において、重大に又は反復的にきまりを犯す第8-10学年の生徒は3日以内の授業への出席停止に処せられることがあるということ、及び第1-7学年の生徒は個別の授業時間への出席停止又はその日の残り時間への出席停止に処されることがあるということを定めることができる。

  校長は、生徒の教員の意見を聴いた後、出席停止を決定する。このような決定が行なわれる前に、他の援助あるいは処分の採用の検討が行なわれていなければならない。第1-7学年の生徒の親は、学校の残りの授業時間への出席停止が行なわれる前に知らされなければならない。

 

  §2-11 義務教育の免除

  適切な場合には、コミューネは申請に応じて、個別の生徒が2週間まで学校を休むことを認めることができる。

  ノルウェー教会外の信仰共同体に属する生徒は、申請によって、その共同体が聖なる日とする日に学校を欠席する権利を有する。この権利は、親が免除期間に必要な教育を行い、免除期間が終わったとき生徒が一般生徒の授業についていくことができるかどうかに依存する。

 

  §2-12 私立基礎学校

  私立基礎学校は文部省によって承認されなければならない。承認は、学校が第2項及び第3項に定められた要件を満たすときに行なわれる。この承認なしに私立の基礎学校を運営する者は罰金に処されうる。

  この法律の§§1-2、1-3、2-3及び2-4並びにそれらによる規則は、これらの規定が国際法の下でのノルウェーの義務を侵さない限り、私立基礎学校の内容と評価に適用される。

  私立基礎学校には、§2-2、§2-5の第1、2、3及び6項、§§2-9、2-10、2-11、8-2、8-3、8-4、9-1、9-2、9-3、9-4、9-5、10-1、10-2、10-6、10-9、11-1、11-2、11-3、11-4、11-7、11-10、14-1、15-3及び15-4 も適用される。

文部省は、ノルウェーにおける外国の学校及び国際的学校に対して、第2項及び第3項の要件の免除を認めることができる。

 

  §2-13 家庭における私教育に対する法律の適用

  この法律の§§1-2、1-3、2-3及び2-4並びにこれらによる規則は、それらの規定が国際法の下でのノルウェーの義務を侵さない限り、家庭における私的な基礎教育の内容に適用される。

 

 

第3章 後期中等教育

 

  §3-1 後期中等教育を受ける権利

  基礎学校又はこれと同等の教育を修了した者は、申請に基づいて3年間の全日制の後期中等教育を受ける権利を有する。15歳に達した少年は、後期中等教育の受け入れ先を自分で探す。生徒と職業実習生はこの法律とこの法律による規則に応ずる教育を受ける権利を有する。

  この権利全体は、通常基礎学校を修了して4年間に、また、実習が全面的あるいは部分的に実習企業で行なわれる場合には5年間に行使されなければならない。県は、申請に応じて、生徒又は職業実習生が権利の損失なしにその実習を延期又は中断することを認めることができる。文部省は、権利の延期及び中断に関する規則を定める。

  第5章による特殊教育の権利を有する生徒は、専門的評価によって必要と認められるならば、可能な限りさらに2年間の後期中等教育が認められなければならない。

  志願者は、志願した1年間の基礎コース3つのうちの1つとその基礎コースの上に設置されている2年間の上級コースに入る権利を有する。この法律の第5章に照らして特殊教育を受ける権利を有しかつ特殊基礎コースを特別に必要とする志願者は、文部省が定める規則の定める割当の範囲内でそのようなコースへの入学を認められる権利を有する。

  生徒又は職業実習生が選択した教育の履修に特別の困難を有する場合には、県は別の教育を提供しなければならない。

  文部省は、入学に関する規則を定める。

  公費で維持される高等学校及び実習企業で提供されるコースは無償である。

  県は、生徒及び職業実習生が学習に通常必要な自分の使用する教材及び学習器具を備えさせることができる。

  県は、生徒及び職業実習生にそのような教材を複写するに必要な費用の負担を要求することができる。

  文部省は、施行規則を定める。

 

  §3-2 後期中等教育の時間数

  文部省は、後期中等教育における総授業時数及び実習期間の総計に関する規則を定める。学校において授業に充てられる時間は、学年における連続した45週の枠内で少なくとも38学校週以上でなければならない。県は、学年における授業日及び生徒の休業日に関する規則を定める。規則は、全国試験の実施に適応していなければならない。ノルウェー官報における告示に関する行政法第38節第1項cの要請は、適用されない。

  文部省は、日々の授業時間及び生徒の休憩時間の枠組みに関する規則を定めることができる。

 

  §3-3 後期中等教育の授業設定

  後期中等教育は、学業資格、職業資格及びその他の部分的資格へと導くものでなければならない。

  学校のコースは、基礎コースと数段階の上級コースを含む。各コースの期間は、通常1学年間とする。

  職業実習(fagopplæringa)は、通常、2年間の学校における教育(opplæring)及び1年間の企業における教育を含む。企業における教育が企業における生産労働と結びついている場合には、企業における教育は2年以上に延長することができる。

  県が企業における生産的労働の教育を希望する生徒に対して設定することができないときは、その教育も学校で行なわれなければならない。

  高等学校は、理論的教育及び短かい実習を含む。

  文部省は、特別の小教科、§3-1に該当しない職業実習生及び特別の必要を有する職業実習生、並びに以上の授業設定からの逸脱(avvik deviations 偏差)に関する規則を定めることができる。文部省は、どの教科の実習が企業で行なわれるかに関する規則を定める。

 

  §3-4 後期中等教育の内容と評価

  文部省は、コースの提供、教科とその時間配分、及び授業内容とその指導の仕方を記述する学習指導要領(læreplan)に関する規則を定める。文部省は生徒及び職業実習生の評価、評価に対する不服申立て、試験、職業資格試験並びに記録に関して規則を定める。

  生徒及び職業実習生は教育に能動的に引き入れられなければならない。教員は、この法律によって作られた学習指導要領に従って授業を準備し実施しなければならない。校長は、第1項による規則に従い、かつ、§1-2及び§3-3、並びに§1-3による規則に従って学校を組織しなければならない。

  文部省は、県の申請に基づいて、学校が学習指導要領から逸脱することを認めることができる。この承認がなされる前に、学校協同委員会の意見が表明されなければならない。

 

  §3-5 実習と学校以外での職業資格試験

  定められた実習期間の25%以上の労働経験を有する者は、それに基づいて職業資格試験(fag- og sveinepøve)を受けることができる。県の職業実習委員会(yrkesopplæringsnemnda)は、志願者が申し述べる労働経験が承認し得るものか否かを決定し、かつ、特別の場合には経験期間を上の定めよりも短縮することができる。

 

  §3-6 フォローアップ・サービス

  県は、§3-1に定める実習の権利を有し、かつ実習も労働もしていない少年に対するフォローアップ・サービスをしなければならない。このサービスは、§3-8又は§4-6に定める後期中等教育の権利を失った少年をも含む。

  文部省は、フォローアップ・サービスに関する規則を定める。

 

  §3-7 校則等

  県は、各高等学校の校則(ordensregelment)に関する規則を定める。校則は、法律その他の方法によって定められていない限りで、生徒の権利と義務に関するきまり(regel)を定める。校則は、行動に関するきまり、校則に問題を起こした生徒に対して適用され得る措置についてのきまり及びそのような事項を扱う手続きに関するきまりを含まなければならない。

  校則は、生徒及びその父母(foreldra 親(複数・既知形))に知らされなければならない。ノルウェー官報における告示に関する行政法第38節第1項cの要請は、適用されない。

  体罰又は恥辱的な処遇は行なわれてはならない。

  例えば退学(bortvisining)又は権利の喪失(tap av rettar)を含め、懲戒に関する決定が行なわれる前に、生徒には、決定の責任者に対して口頭でその事情を示す機会が与えられなければならない。

 

  §3-8 退学及び権利の喪失

  県は、校則の中で重大又は反復的に校則を侵犯する生徒は5日までの停学にされることがあると定めることができる。校長は、その生徒を教えている教員の意見を聞いた後、生徒に対して上述による決定をしなければならない。

  生徒が学校の秩序及び平穏な学業に重大に違反する行為を続けるとき又はその義務を著しく怠るとき、生徒は入学を認められた基礎コース又は上級コースから退学させられることがあり得る。コースからの退学に関する決定と関連して、県は生徒が§3-1に定める権利を喪失することを決定することができる。県は、生徒の後期中等教育からの退学又はその権利の喪失を定める本項の責任を学校の学校の機関(organ)に委任することはできない。

  退学又は権利喪失の決定が行なわれる前に、生徒を救済し又は罰する他の措置を用いることが可能であるかについての決定がなされなければならない。

 

 

第4章 企業における後期中等教育

 

  §4-1 職業実習生

  職業実習生とは、この法律によれば、§3-4にいう規則の定める一つの職業における職業資格試験を受けるために実習契約を結んだ者である。

 

  §4-2 職業実習生の特別の権利と義務

  職業実習生は、法律と労働協定に定める権利と義務を有する実習企業における被雇用者である(§4-6の最終項、参照)。

  実習期間が終了したとき、労働協定も適用を終わる。職業実習生が当該企業に居続けるためには、新しい労働協定が結ばれる必要がある。

  職業実習生は、教育学心理学センター(pedagogisk-psykologisk teneste)を高等学校の生徒と同様に利用することができる。

 

  §4-3 実習企業の承認

  1人又はそれ以上の職業実習生を採用する企業は、職業実習委員会から承認されなければならない(§12-3、参照)。実習企業として承認されることができるのは、個別の企業、公的部局又は施設、及び、実習の協同責任を負う施設間協同体(実習事務所又は実習団体)の機関である。

  実習企業は、実習内容に関する§3-4による規則に定める要件を満たし、かつ、その実習とその監督に責任を負う資格(実習監督)を有する者を雇用していなければならない。文部省は、実習企業の承認の条件に関して施行規則を定めることができる。

 

  §4-4 実習企業の権限と義務等

  実習は、定められた研修計画に従って行なわれる。職業実習生は、実習企業の外での理論的授業に参加する自由時間を得ることが出来なければならない。基礎コース及び上級コースTに加えて理論的教育を必要とする職業においては、実習企業はこの付加的教育の費用を負担する。

  実習企業は、良好な労働環境及び実習環境の創造に重点を置かなければならない。職業実習生の労働時間及び学校時間の合計は、その職業の他の労働者に適用されている労働時間よりも長くてはいけない。

  実習企業は、職業実習生を実習期間の終わる日に最も近い日に行なわれる職業資格試験に登録する。実習企業は、試験を受けるために必要な労働場所、材料、道具、設備及び助手を提供する。それらの試験が学校で行なわれ学校が材料費を負担するときは、生産物は学校の財産となる。

  実習企業が停止し又は発展して職業実習生に充分な実習を提供することが不可能と分かったときは、企業は県の職業実習委員会に報告しなければならない。

  実習企業は、文部省が定める規則に従って、県から補助金を受け取る。

 

  §4-5 実習契約

  実習が始まるときには、実習企業と職業実習生間の実習契約が実施されていなければならない。

  この契約が有効であるためには、§12-3にいう県職業実習委員会の承認が必要であり、労働関係が結ばれた日から契約は有効となる。文部省は、この契約の内容とその形式に関する施行規則を定めることができる。

21歳に達し§3-3第6項にいう全日制の実習を含む実習契約を結んだ職業実習生は、6ヶ月の試行期間に属さなければならない。文書による契約が、遅くとも試行期間の実習開始の1ヶ月以内に設けられなければならない。試行期間中、実習企業及び職業実習生の双方は、実習を取りやめることができる。労働者の保護と労働環境に関する1977年2月4日の法律第58節及び第63節の規定は、職業実習生が特定の試行期間に対して文書でされなかった場合にも適用される。

文書による実習契約がなされるとき、保護者の同意は必要でない。

 

  §4-6 実習契約の修正及び解除

  実習契約は、当事者が同意し、職業実習委員会がそのことを文書で実習企業に知らせた後、§12-3に定めるところにより、解除することができる。

  次の場合、職業実習委員会の同意を得て、契約は実習企業又は職業実習生が解除することができる。

 a.契約の相手方が労働関係における義務の重大な中断に責任がある場合、
 b.職業実習生もしくは実習企業が実習を継続することができないことを証明する場合、又は
 c.職業実習生が契約期間の終わりまで実習を続けることが不合理に不都合であることを書面で言明する場合。

職業実習委員会は、実習が止められなければならない場合を決定する。実習企業は、実習期間のうち遂行されたことが言明される部分についての証明書を発行しなければならない。

  職業実習生が実習契約を自由意思で解除する場合、§3-1に定める後期中等教育の権利は、職業実習委員会が何らかの別の決定をしない限り、消滅する。実習契約解除の決定が実習企業の要請によってなされる場合、職業実習委員会が消滅すると決定しない限り、職業実習生の後期中等教育を受ける権利は存続する。

  実習解除決定が実習企業の要請によってなされる前、又は権利喪失に関する決定がなされる前に、職業実習生には決定責任者にその事情を説明する機会が与えられなければならない。

  職業実習委員会の同意によって、実習期間は休暇のために中断されることができる。

  実習企業が存続しなくなる場合、§4-3による承認の条件を満たさなくなる場合、または職業実習委員会が実習が満足でないと認める場合、委員会は職業実習生が職業実習委員会は実習期間の残りのための実習ができるよう援助しなければならない。新しい実習企業は、前の施設に代わって実習契約に当たる。職業実習生が不適切な実習を受けてきた場合、新しい施設における実習は県の同意によって1年にまで延長されることができる。

  実習契約は、本節に従う以外のどのようなやり方でも修正されまたは無効にされてはならない。例外は、§4-5の第3項による試用期間中の職業実習生に適用される。

 

  §4-7 個別の実習企業における監督

  実習企業においては、次のことを確保するため、一人またはそれ以上の労働者の代表が実習監督を補助しなければならない。

  一、実習企業における実習条件が満足すべきものであること。

  一、実習契約が作成されること。

  一、科目の学習指導要領が遂行されること。

  一、職業実習生が要求する理論的教育を受けること。

 

  §4-8 罰

  教育の責任遂行を大きく怠る者、文書による契約に基づくことなく職業実習生を任命する者または承認を受けるために職業実習委員会に実習契約書を提出することを怠る者は、罰金を科せられる。

 

 

第5章 児童、少年及び成人のための特殊教育

 

  §5-1 特殊教育を受ける権利

  通常の教育から充分に利益を受けない生徒又は受けることができない生徒は、特殊教育を受ける権利を有する。

 どのような種類の教育が提供されるべきかの評価においては、生徒の発達の見通しが重視されなければならない。提供されるコースの内容は、当該生徒が、他の生徒との関係及び当該生徒の実際上の教育目標との関係において、全体としての授業から適切な利益を受けるようなものでなければならない。特殊教育を受ける生徒は、他の生徒と同じ総授業時数の教育を受ける。(§2-2及び§3-2を参照)

 

  §5-2 成人のための特殊教育

  病気又は傷害の結果、あらためて基礎学校教育を受ける必要のある成人は、そのような教育を受ける権利を有する。同じことは、基礎学校教育を受けなかった、又は不適切な基礎学校教育を受けた成人にも適用される。

  基礎的な熟練を発達させ又は維持するために教育を受ける必要のある成人は、そのような教育を受ける権利を有する。この教育は、専門的教育的な指導と監督の下に行なわれる。このような教育は、この法律の§10-1に定められた資格要件から除外される。

 

  §5-3 専門的評価

  コミューネ又は県が§5-1若しくは§5-2による特殊教育に関する決定を行い、又は§5-7による特殊教育の通学に関する決定を行なう前に、生徒の特別の必要について専門的な評価が行なわれなければならない。この評価は、生徒は特殊教育を必要とするか否か、どのような種類の教育が提供されるべきかを決定しなければならない。

  この専門的評価は、次の事項について考慮し決定しなければならない。

 一、通常の教育から受ける生徒の利益

 一、生徒が有する学習上の困難及び教育に重要性を有する他の特別の条件

 一、当該生徒の現実的な目標

 一、通常の教育で生徒の困難にたいする援助を提供することが可能か否か

 一、どのような種類の教育が提供するのに適切か

文部省は、専門的な評価に関する施行規則を定めることができる。

  コミューネ又は県による決定が専門的評価と異なる場合、生徒が受ける教育が§5-1、§5-2及び§5-7による生徒の権利を充足するとコミューネ又は県が考える理由がとりわけて示されなければならない。

 

  §5-4 特殊教育に関する行政的手続き

  生徒又は生徒の親は、その生徒が特殊教育を必要とするか否かを見定めるのに必要な検査を行なうこと、そして必要ならば、どのような形態の教育が必要かを学校に要求することができる。教員は、生徒が特殊教育を必要とするか否かを考慮し、いかなるそのような必要についても校長に知らせなければならない。

  専門的評価を実施する前及び特殊教育の決定をする前に、生徒又は生徒の親との合意が得られていなければならない。守秘義務の規則と行政法§19とによる限りで、生徒又は生徒の親は、専門的評価の内容を詳しく知る権利及び決定が行なわれる前に自分の意見を述べる権利を有する。

  可能な限り、提供される特殊教育は、生徒及び生徒の両親との協同で計画されなければならず、かつ、彼らの意見が強く考慮されなければならない。

 

  §5-5 教育内容に関する規定の例外

  この法律及びこの法律に基づく規則における教育内容に関する規定は、適用可能な限りにおいて特殊教育に適用されなければならない。個別の教育計画が、特殊教育を受ける生徒のために準備されなければならない。その計画は、教育目標と内容を特別にし、授業がどのように行なわれるべきかを指示しなければならない。職業実習生の契約条件からの逸脱(avvikande)もまた個別の教育計画において定めることができる。

  半年毎に生徒の学級担任教員は、生徒が受けた授業についての総括文書及び生徒の発達の評価を用意しなければならない。校長は、この総括と評価を生徒又は生徒の親及びコミューネ又は県に送る。

 

  §5-6 教授学心理学センター

  それぞれのコミューネ及び県は、教授学心理学センターを有しなければならない。コミューネの教授学心理学センターは、他のコミューネと又はその県と協同で組織することができる。教授学心理学センターは、特別の必要を有する生徒のための教育の適応性を改善するために組織の開発及び専門的知識の開発についての学校の仕事を援助する。教授学心理学センターは、この法律が要求している専門的評価を確保しなければならない。文部省は、この事務所に関する規則を定めることができる。

 

  §5-7 義務教育年齢より下の児童に対する特別な教育援助

  義務教育年齢より下の、特別な教育援助を要する児童は、そのような援助を受ける権利を有する。その援助は両親に対する指導を含まなければならない。この援助は、保育所、学校、社会福祉及び医療施設などと協同して、又は独自の措置として行なわれることができる。

  特別な教育援助のために、この法律の§5-4第2項及び第3項が適用されなければならない。この法律の§5-5第2項は、適用可能な限りで適用されなければならない。

 

  §5-8 保健措置

  文部省は、特殊教育を受ける生徒のための保健措置及び医学的援助に関する規則を定めることができる。

 

  §5-9 国の教材確保義務

  文部省は、特殊教育のための教科書その他の教材が作成されているよう務めなければならない。

 

 

第6章 サミ語教育

 

  §6-1 定義

  この法律においては、次の意味で用いる。

 [サーメ] サーメ選挙登録に登録できる人(サーメ議会及びサーメの法的事項に関する1987年6月12日の法律第56号[サーメ法]§2-6、参照)及び登録できる人の子ども
 [サミ語] 北部サミ語、南部サミ語、又はリュレ・サミ語
 [サミ地方]1)サーメ法§3-1によるサミ行政地方、2)サーメ議会並びに当該のコミューネ及び県が提出したところに基づいて閣議における国王が発する政令が定めるその他のコミューネ又はコミューネの部分

 

  §6-2 基礎学校におけるサミ語教育

  サミ地方においては、基礎学校年齢のすべての児童は、サミ語でサミ語の教育を受ける権利を有する。

  サミ地方以外では、一つのコミューネにおいて10人以上の生徒がサミ語でサミ語の教育を受けることを希望するときは、6人以上の生徒がいる限り、そのような教育を受ける権利を有する。

コミューネは、コミューネにおける一つ又は複数の学校においてサミ語教育を行なうことを決めることができる。

  コミューネは、サミ地方における基礎学校のすべての生徒がサミ語の教育を受けるなければならないと規定する規則を定めることができる。

  サミ地方の外で、基礎学校のサーメの児童はサミ語教育を受ける権利を有する。文部省は、生徒が通っている学校の教員からこのような教育を受けることができない場合の代替教育の形態に関する規則を定めることができる。

  第8学年以上の生徒は、第1項、第2項及び第5項によるサミ語教育を受けるか否かを自分自身で決める。

 

  §6-3 サミ語の後期中等教育

  後期中等教育におけるサーメの生徒は、サミ語教育を受ける権利を有する。文部省は、生徒が通っている学校の教員からこのような教育を受けることができない場合の代替教育の形態に関する規則を定めることができる。

  文部省は、一定の学校、コース、学級がサミ語の教育又は後期中等教育の特別サミ語科目の教育を行なうべきことに関する規則を定めることができる。

 

  §6-4 教育の内容

  §2-3及び§3-4による学習指導要領に関する規則は、他の科目領域と結び付けて、サーメの民族、言語、文化及びサーメ民族の社会生活に関する教育のあり方を定めなければならない。

  サーメ議会は、基礎学校及び後期中等教育におけるサミ語教育の学習指導要領に関する規則、並びに後期中等教育における特別サミ語科目の学習指導要領に関する規則を定める。この規則は、文部省が定める範囲と教材の枠内で定められなければならない。

  文部省は、サミ地方における他の特別学習指導要領及びサミ地方の外でサミ語教育を受ける生徒のための学習指導要領に関する規則を定める。サーメ議会は、文部省と協同でこれらの規則の草案を作らなければならない。

 

 

第7章 運送と宿泊

 

  §7-1 基礎学校における運送と宿泊

  学校から4kmよりも遠方に住む第2-10学年の学級の生徒は、無償運送の権利を有する。1学年及び就学前学校の生徒に対してはその範囲は2kmとする。特別に危険または困難な道の生徒は距離に関わりなく無償運送の権利を有する。

  必要な時は、生徒は行程距離に拘わらず無償の船舶運送の権利を有する。

  毎日の運送が適当でないときは、コミューンは、生徒を宿泊(innlosjering)させなければならない。この評価においては、年齢、障害、運送時間及び安全など個別の生徒に影響を及ぼす要因、並びに毎日の運送がコミューネに非常な経費または困難をもたらすか否かが特別に重視されなければならない。疑わしいときには、生徒が通学すべきか宿泊すべきかを両親が決める。

コミューネは、宿泊している基礎学校生徒の監督を指導する。

 

  §7-2 高等学校における運送と宿泊

  学校から6kmを超えて住んでいる高等学校の生徒は、無償運送の権利または運送費用の完全な償還を受ける権利を有する。必要なときには、生徒は行程距離に拘わらず無償の船舶運送の権利を有する。文部省は、特別な場合に生徒の運送を外の方法で充足できるということに関する規則を定めることができる。

  県は、家が離れておりあるいは行程が長くて毎日通学できない高等学校生が宿泊を確保することを援助しなければならない。必要ならば県は生徒の家を建てなければならない。

 

  §7-3 障害のある生徒及び一時的病気又は怪我の生徒の運送

  障害または一時的病気もしくは怪我のために運送を必要とする生徒は、家学校間の距離に拘わらずその権利を有する。

 

  §7-4 付き添い及び監督

  生徒は通学中必要な付き添いを受ける権利を有する。生徒は、毎日学級が始まるのを待つ間及び放課後必要な監督を受ける権利を有する。

 

  §7-5 スクーリングの権利を有する成人の運送

  §7-1、7-3及び7-4は、§5-2に定めるスクーリングの権利を有する成人にも適用される。

 

  §7-6 義務教育年齢より下の児童の運送

  §5-7に定める特殊教育援助の権利を有する児童は、特別の考慮によってその援助を受けるために必要なときには運送の権利を有する。§7-1の第3項及び第4項並びに§7-4は、それに応じて適用される。

 

 

第8章 授業組織

 

  §8-1 学校

  基礎学校の生徒は、住居に最も近い学校又はその教区の近隣の通学区の学校に通学する権利を有する。コミューネは、そのコミューネの特別な通学区についての規則を定めることができる。ノルウェー官報における公示に関する行政法§38の第1項cの要請は、適用されない。

  申請によって生徒はその通学区と異なる学校に受け入れられることがあり得る。

 

  §8-2 学級

  すべての生徒は、学級に属する権利を有する。授業の特定の部分については、生徒は他の方法で組織されることができる。組織は、通常、能力の水準、性又は民族的所属によってはならない。

  各学級には、学級の実践的、行政的及び社会的教育上の仕事に関して例えば教区のクラスのように家庭とのその他の接触などにおいて責任を負う学級担任を置く。

 

  §8-3 学級生徒数(Klaasedelingstal)

  学年の始めにおいて、基礎学校の1学級は次に定める生徒数を超えてはならない。

  ・4又はそれ以上の学年にわたるとき、12人
  ・3学年にわたるとき、18人
  ・2学年にわたるとき、24人
  ・第1学年から第7学年において1学年のとき、28人
  ・第8学年から第10学年において1学年のとき、30人

  基礎学校の同一学級の複数学年集団は、その学校に連続している学年集団があるとき、連続していなければならない。

  学校は、同じ学級段階又は並行する複数年齢学級において、複式学級と単式学級とを同時に有してはならない。しかし、学校は、学校の生徒の利益に照らして正当なときには、1-4学年、5-7学年、8-10学年の各主要段階の中で混合学級を有することができる。

  学年の始めにおいて、高等学校の1学級の生徒は、30人を超えてはならない。

  職業学科における専門科目においては、学年始めにおいて、1学級生徒は15人を超えてはならない。

学級生徒のために理由がある場合、コミューネ又は県は第1項及び第4項の規定の例外を定めることができる。省は、独自の発意により、又は学級の1人又は複数の生徒の不服申し立てに基づいて、そのような定めを除外し、又は追加的な教育資源がそのような学級に割り当てられるよう要求することができる。

不服申立ては、行政法の規定にしたがって扱われなければならない。

 

  §8-4 基礎学校第1学年における教材

  18人を超える第1学年又は就学前学年の学級には、各授業時間2名の教員をおかなければならない。しかし、授業の部分は、もしそれが授業の他の部分において補償されるならば1人の教員によって行なわれることができる。

 

 

第9章 学校の運営、機能、設備、教材

 

  §9-1 運営

  すべての学校で公正で専門的、教育的及び管理的運営がなされなければならない。

各学校の専門、教育及び管理の長(leiar)として校長(rektor)が任命されなければならない。この校長に関する要請は、第1-7学年の30人以下の生徒の基礎学校には適用されない。

  文部省は、申請によって第2項の規定に対する例外を定めることができ、かつ、学校運営の他の方法を認めることができる。

 

  §9-2 助言及び学校図書館

  生徒は、教育、職業紹介及び職業選択について並びに社会的問題について必要な助言(rådgiving)を受ける権利を有する。文部省は、施行規則を定める。

生徒は、学校図書館(skolebibliotek)を利用する権利を有する。文部省は、施行規則を定めることができる。

   

  §9-3 設備と学習条件

  すべての生徒は、その必要に適した学習場所の権利(rett til ein arbeids- plass)を有する。学校は、必要な設備、備品及び教材を利用することができなければならない。

  文部省は、生徒の安全に関する規則を定めることができる。

   

  §9-4 教科書及びその他の教材

  学校で用いられる教科書は、文部省によって承認されなければならない。文部省は、施行規則を定めることができる。文部省は、それぞれの科目における教科書(未知型・複数)を承認の要求の外におくことができる。

  ノルウェー語以外の科目においては教科書及び他の教材は、ブックモールとニューノルスクで同時にかつ同一の価格の時にのみ使われることができる。特別な場合、文部省はこの規則の例外を定めることができる。

  文部省は、どのような教材が第2項に述べられた要請に当たるかについて施行規則を定める。

  基礎学校におけるノルウェー語科目の読本は、生徒がブックモールとニューノルスクの両方を読むことを学ぶのに充分なノルウェー語の両方の形式の教材を含んでいなければならない。

 

  §9-5 校舎

  コミューネは、適切な基礎学校を整備しなければならない。

  通常、基礎学校は生徒450人を超えて設立されてはならない。

  学校並びに学校その他目的に関連する施設において、アルコールは提供されてはならないのみならず、公的又は私的催しに結びついた消費のためにこれらの施設に持ち込まれてはならない。特別の場合、学校その他の目的に関連する施設において、これらの施設が学校時間外の文化的社会的目的のために用いられるとき、例外がありうる。

 

 

第10章 学校の職員

 

  §10-1 教育職員の資格

  基礎学校及び高等学校において授業をする職に任命される者は、そのための専門的、教授学的能力を有しなければならない。文部省は、学年別及び学校の種類別の教育職に任命される者に必要な教育的な資格と経験に関する施行規則を定める。

 

  §10-2 校長の資格

  校長に任命される者は、学校又は学年に対する§10-1に定められた資格の一つを有し、かつ、学校又は他の教育的管理部門で3年間以上、教員又は管理者として働いたことがなければならない。

 

  §10-3 常勤の学校職員の資格

  文部省は、常勤の学校職員の資格に関する規則を定める。

 

  §10-4 職の公示

  教員及び校長の職は、公示されなければならない。この要請は、6ヶ月より短い職について、又は雇用主が解雇の防止に関して労働の継続及び環境に関する1977年2月4日法律4号第60節の定め及び新しい職への転任の権利に関する同法第67節の定めによって在任職員あるいは前任職員にその職を提供する場合には適用されない。

 

  §10-5 複数の求職者の間での選考

  複数の求職者の間で一人を選ぶときは、教育と経験、任命が目標とする授業の必要及び候補者のその職への適性が重視されなければならない。

 

  §10-6 臨時的任命

  この法律に定められた資格要件を満たす候補者がない場合は、他の者が臨時的に任命されることができる。より短い任命の取り決めがない場合は、任命は7月31日までとする。

 

  §10-7 学校における教育実習の地位

  文部省は個別の場合に又は規則によって、総合大学学生及び大学カレッジ学生(studentar frå universitet og høgskolar)を学校の教育実習及びガイダンスに行かせるようコミューネ又は県に命じ、また、そのような実習に責任を負う人物を選ばせることができる。

 

  §10-8 在職教育

  国、県及びコミューネは、教員、校長及び学校において特別の責任を有する職員が在職教育を受けて専門的教育的な知識を更新、拡大し、能力を高めて情報を有し学校及び社会の発展の水準にあることを確保する努力をしなければならない。

 

  §10-9 警察の証明

  基礎学校に任命される者は、児童に対する性的虐待の罪を負い、起訴され、又は過去に侵したことがあったか否かを示す警察の証明を提出しなければならない。児童に対する性的虐待の罪を認められた者は、基礎学校に任命されることはできない。

  コミューネは、日常的に基礎学校に出入りする他の者に対しても第1項の警察の証明を求めることができる。

  文部省は、施行規則を定める。

 

  §10-10 給与と労働条件に関する団体協約

  この法律の下で行なわれる職に対して、給与と労働条件は団体協約で定められる。閣議における国王は、誰が給与と労働条件に関する交渉権を有する公務員組合と交渉するかを定める。

 

 

第11章 学校の利用者参加組織

 

  §11-1 基礎学校の協同委員会

  それぞれの基礎学校には、教員代表2名、その他の職員代表1名、父母評議会代表2名、生徒代表2名、コミューネ代表2名による協同委員会を置く。コミューネ代表の内の1名はその学校の校長とする。生徒代表は、事項が法律又は規則による秘密に属するときには出席してはならない。

  協同委員会はその学校に関するあらゆる事項についてその意見を表明する権限を有する。

  コミューネが協同委員会に行政上の職務を委任するときには、コミューネは協同委員会にさらに代表を加えることができる。コミューネは、協同委員会をコミューネ法第11節に定める学校の理事会(styre for skolen)に指定することができる。コミューネが協同委員会以外のものを学校理事会に指定するときは、2名以上の父母評議会代表が理事会の議席を有する。生徒、職員、父母のいずれの集団も単独で理事会の多数を占めてはならない。校長は、会議に出席し、話し、提案する権限を有する。

  コミューネは、基礎学校とコミューネ立幼稚園の連絡協同委員会を設置することができる。同意によって私立幼稚園とコミューネ学校との連絡協定を作ることができる。委員会には、学校の生徒代表2名、教員代表1名、他の職員代表1名、幼稚園代表2名、学校の父母評議会代表2名、幼稚園の父母評議会代表2名が含まれなければならない。第1項及び第3項によるコミューネの代表に加えて、幼稚園の所有者は2名の委員を任命することができる。

 

  §11-2 基礎学校の生徒評議会

  各々の基礎学校に各学級1名の代表による第5−7学年の生徒評議会(elevråd)を一つ、第8−10学年の生徒評議会を一つ置く。代表は秋期始業の第3週に選ばれる。

  その学校の教員1名が職務として生徒評議会活動を援助する。生徒評議会担当教員は生徒評議会の会議に出席し発言する権限を有する。

  生徒評議会会長(leiaren for elevrådet)は、生徒評議会担当教員と相談して生徒評議会の会議を招集することができる。生徒評議会は、その構成員の三分の一又は校長が要求するときはいつでも招集される。

  生徒評議会は、学校の生徒の共通の利益を増進し良好な学習環境・学校環境をつくるために働く。生徒評議会は又、生徒の地域的環境に関する事項について意見を表明し提案をすることができる。

 

  §11-3 基礎学校の学級評議会

  基礎学校の各学級にその全生徒で構成する学級評議会を置く。学級担任(学級教員)は、学級評議会の活動について学級を支援する。学級担任は学級評議会の会議に出席し発言する権限を有する。

  学級評議会は学級の生徒の利益を増進し教員及び父母と協同して学級の良好な環境をつくるために活動する。学級評議会は生徒評議会から得る事項に関して発言する。

 

  §11-4 基礎学校の父母評議会

  各基礎学校に、その学校の生徒の親全員を構成員とする父母評議会(foreldre- rad)を置く。

  父母評議会は、父母の共通の利益を増進し、生徒及び父母が良好な学校の環境をつくることに積極的に参加することを確保するよう援助する。父母評議会は、学校と家庭の連帯の雰囲気を増進し、生徒の福祉と積極的発達の基礎をつくり、学校地域共同体間の交流を形成するために働く。

  父母評議会は常務委員会(arbeitsutval)を選ぶ。常務委員会は、協同委員会のための2人の代表とその補欠〔複数〕を選ぶ。常務委員会の長(leiaren)は、この代表の中の1人でなければならない。

 

  §11-5 高等学校の学校委員会

  各高等学校に職員及び県の代表並びに生徒評議会によって選出された2名の代表で構成される学校委員会を置く。校長は、県の代表でなければならない。

  委員会は当該学校に関するあらゆる事項について意見を表明する権限を有する。

  県は、学校委員会を地方自治法第11節の定める学校の理事会(styre for skole-n)と定めることができる。県が委員会以外の学校理事会を定める場合は、2名以上の生徒評議会代表が理事会に席を有しなければならない。生徒評議会代表の集団、職員代表の集団のいずれも単独で理事会議席の多数を有することがあってはならない。

  校長は、出席し話し提言する権限を有する。

 

  §11-6 高等学校における生徒評議会及び生徒総会

  各高等学校に生徒20人に1人づつ以上の構成員で構成される生徒評議会をおく。生徒評議会は無記名投票用紙で選出される。

  とりわけ生徒評議会は、生徒の学習環境、勉学条件及び福祉的利益を改善するために働く。

  生徒評議会又は生徒の五分の一が要求するときは、学校の生徒全員を対象とする生徒総会が行なわれる。学校の生徒の過半数が出席し投票するとき、生徒評議会は、招集に掛けられた事項に関する生徒総会の決定に拘束される。

 

  §11-7 共通規定

  §11-1から§11-6による評議会及び委員会は、その長、次長(nestleiar)を選ぶ。それらは書記(sekretær)をも選ぶ。

 

  §11-8 県の委員会における生徒の代表

 後期中等教育の生徒の代表は、従業員に適用されるのと同等の規定に従って、県の委員会(nemnder)に出席し発言する権利を有する。(コミューネ法§26、参照)

 

  §11-9 基礎学校の父母委員会

  閣議における国王は、基礎学校の父母委員会(foreldreutvalet)をする。委員会は長、次長及び5人の他の構成員を有する。その任期は4年である。文部省は、父母委員会の任務に関する施行規則を定める。

 

  §11-10 免除

  文部省は、特別の場合、第11-1節から第11-7節までの定めを免除することができる。

 

 

第12章 企業における職業訓練と連携した機関

 

  §12-1 労働生活職業実習中央評議会

  国王は、労働生活職業実習中央評議会(råd for fagopplæling i arveidslivet)を任命する。評議会は文部省に助言し、職業実習の助長を主導する。評議会は、労働生活の構成員の代表及び文部省の代表を含まなければならない。委員の過半数は、労働提供者及び労働者からの同数の委員で労働生活を代表しなければならない。文部省は、評議会の構成に関して及びその任務を定める。

  評議会は、文部省が決定する前に次の事項について意見を表明しなければならない。

   一 企業における実習時間を含む、職業又は労働領域における職業実習内容に対する一般的指針

   一 職業資格試験に関する規則

評議会はまた、一つの職業または労働領域が職業実習の下に含まれるべきかあるいはもはや含まれるべきではないかに関する、関連領域の団体賃金協約の当事者又は文部省による提案について意見を表明しなければならない。

 

  §12-2 職業実習評議会(opplæringsråd)

  企業において職業実習を行なうことができるそれぞれの職業(fag)及び職業評議会(fagomrade)は、一つの職業実習評議会(eit fagleg opplæringsråd)に結合される。文部省は、労働生活職業実習中央評議会の提案にしたがって、労働生活における職業実習について、何の職業実習評議会が設けられるべきか、その職業実習評議会の規模、それぞれの職業実習評議会はどのような職業分野を蔽うべきか、及び職業実習評議会の仕事の規則を決定する。その規則は、事務局または事務局の機能について定める。

  文部省は、諸職業実習評議会の委員を任命する。それらの委員会の任期は4年である。各職業実習評議会は、労働生活における賃金交渉両当事者の提案によって指名された同数の使用者代表及び労働者代表を有しなければならない。委員会の長及び次長は、任期2年で両当事者から選ばれる。職業実習評議会は、この外、職業実習の内容及び評議会の任務に広い知識を有する別の構成員を有するが、使用者及び労働者の代表の合計は構成員の過半数でなければならない。

  職業実習評議会は、企業における実習時間を有する職業または労働領域の資格要件(sluttkompetanse 実習終結時の能力)の提案を起草する。評議会は、その職業または労働領域における実習内容に関して及びその職業または労働分野の全実習期間に関してもまた見解を宣言しなければならない。

  評議会は、文部省が次のことを行なう前に、その見解を発表する。

 一、早期の学校、コースまたはその他の科目教育を実習期間または実践期間と認定することに関する規則の決定

 一、外国の職業教育をノルウェーの職業教育と認定すること

 一、実習内容に関する規則が実習生に対して企業における実習を受ける前に基礎コースあるいは上級コースを修了していることを必要としていない場合に、ある職業に対する理論的要求が適応されるべきかどうかに関する規則の決定

 一、学習分野の外で試験を受ける受験生に対する職業資格試験の理論部分と同等であると認定されうる試験を有する他の実習に関する規則の決定

 

  §12-3 職業実習委員会及び職業委員会

  県は、§4-3、§4-5、§4-6及び§12-4の定めによる責任を負う職業実習委員会(yrkesopplæringsnemnd)を任命する。

  この委員会は、7名の委員とその各人の補欠委員(personlege varamedlemmner)で構成される。2名の委員は被雇用者組織の勧告に基づいて、2名は雇用主の組織の勧告に基づいて指名される。この外にまた1名の実習生の代表が指名される。県はまた、産業及び雇用問題に特別の識見を有する委員1名及び学校問題に特別の識見を有する委員1名を指名する。任期は、県議会と同じである。実習生の代表は、一任期2年で指名される。県は委員会の長及び次長を任期2年で指名する。

  県の労働担当部局の代表1名と県の代表1名は出席し発言する権利及び議事録の見解を入手する権利を有する。

  委員会は、職業的問題を扱う際には県の指示権限に従わない。その他の任務の遂行においては委員会は県の指示権限に従う。

  県は、委員会に事務局と長を置く。

  文部省は、どのような任務をこの事務局に与えられることができるかに関する施行規則を定めることができる。

  委員会は、各職業若しくは職業分野の助言的職業委員会を任命し、または試験委員会を職業委員会として用いる。文部省は、職業委員会の構成と活動に関する規則を定めることができる。

 

 §12-4 職業実習委員会の職務

  職業実習委員会は、この法律に従って企業における実習を監督する。委員会は、労働生活における職業実習を促進する活動責任を負い指導性を発揮しなければならない。

  職業実習委員会は、実習場所(席)に関して同意を交わした実習企業の生徒を確保する。文部省は、その手続きに関する規則を定めることができる。

  職業実習委員会は、受験志願者がいる職業について、可能な場合には他の県と共同で、一つまたは必要ならそれ以上の試験委員会を任命する。

職業実習委員会は、合格した試験に基づいて職業資格免許状を書く。

  職業実習委員会は、実習の外での試験の報告を志願者の実践として認める(§3-5、参照)。

  委員会は、県、労働生活職業実習中央評議会及び文部省にその活動に関して及び職業実習にとって重要な措置に関して報告する。

  県は、職業実習に関連するその他の職務を委員会に課すことができる。

文部省は、規則でこの項及びこの法律第4章に伴う職務を超えて職業実習に関連するその他の職務を課すことができる。

 

  §12-5 学習指導要領グループ

  県は、職業または企業における実習期間を有する労働領域における実習の内容を決定することを援助する学習指導要領グループを任命する。

  これらの学習指導要領グループは、同数の労働生活からの代表と学校側からの代表で構成されなければならない。職業実習評議会は、労働生活の背景を有しなければならない学習指導要領グループの構成員に関する提案を行なう。

 

  §12-6 職業資格試験に関する不服審査委員会

  文部省は、職業資格試験に関する決定に対する不服審査機関である不服審査委員会を任命する。各委員会は3名の構成員を有する。そのうちの2名は職業教育による資格を有しなければならない。文部省は、誰が長であり誰が次長であるかを定める。

  不服審査委員会が職業資格試験に対して任命されなければならないときは、その職業の職業実習評議会が勧告を行なう。

  委員会の構成員とその個人的な代理は、長と次長を除いた中で、任期4年で任命される。

 

  §12-7 評議会の構成員と委員会

  選挙によって労働生活職業実習中央評議会、職業実習評議会、試験委員会または不服審査委員会の構成員に選ばれた者は、その課題を果たす責任を負う。けれども委員は、その仕事を続けてきたのと同じ長さの期間、更新して任命されないことを要求できる。満60際になった者は任命されないことを要求できる。

 

 

第13章 コミューネ、県及び国の責務

 

  §13-1 コミューネが基礎学校教育及び特殊教育援助を施す義務

  コミューネは、この法律に従い、コミューネにおけるすべての住民の基礎学校教育及び特殊教育援助の権利を充足しなければならない。この責任は§13-2によって県が責任を負う生徒その他の人に対しては適用されない。

  文部省は、個別の場合に誰がコミューネの住民と見なされるかに関する、かつ他のコミューネで生じた基礎学校教育の費用の償還に関する規則を定め又は訓令を発する。

  公的な基礎学校は、コミューネのものでなければならない(Offentlege grunnskolar skal vere kommunale.)。特別な場合、国又は県が基礎学校を運営することができる。県はその場合、国の承認を得なければならない。

 コミューネの管理職員は、学校水準以上の学校専門性を備えていなければならない。(Kommunen skal ha skolefagleg kompetanse i kommuneadministrasjonen over skolenivålet.)

 

  §13-2 基礎学校教育及び特殊教育援助を施す県の義務

  県は、県が運営責任を負う福祉・医療施設のクライアントの基礎学校教育及び特殊教育援助の権利を充足しなければならない。

  国は県の責任に関して、施行規則を定め又は個別の場合における訓令を発する。

 

  §13-3 後期中等教育を施す県の義務

  県は、すべての住民に対してこの法律による後期中等教育の権利を充足しなけばならない。

  県は、§3-1による権利を有しない志願者に対して機会を与えなければならない(skal gi tilbod)。文部省は、機会の範囲に関する規定を含む規則を定める。

  文部省は、個別の場合に誰がコミューネの住民と見なされるかに関して、及び他の県で生じた後期中等教育の費用の償還に関して規則を定め又は訓令を発する。文部省は、県に他の県からの志願者に対して後期中等教育の機会を与えるよう訓令を発することができる。

  県は、刑務所における後期中等教育の責任を負う。文部省は、特別の場合、県が刑務所においてその他の教育と結び付けて後期中等教育を施すことを指示することができる。

  県は、国の目的、志願者の要求、並びに、あらゆる学習分野における後期中等教育に対する及び多様な年齢集団に対する社会の必要を考慮し、かつ、刑務所及び福祉・医療施設における教育に対する責任及び特殊教育の必要を考慮して、後期中等教育の提供を計画し施設を立てなければならない。

  公的な高等学校は、県のものでなければならない(Offentlege vidaregåande-skolar skal vere fylkekommunale.)。特別の場合、国又はコミューネが高等学校を運営することができる。その場合、コミューネは文部省の承認を得なければならない。

 

  §13-4 運送提供の責任等

  コミューネは、基礎学校の生徒及び特別に危険又は困難な通学路のために運送の権利を有する成人の運送に責任を負う。コミューネは、幼稚園児童、基礎学校生徒及び成人に対する付き添いと監護を受ける権利を充足しなければならない。その他の場合、県が第7章に定められた規定による運送、付き添い及び監護の責任を負う。コミューネは、県が運送した幼稚園児童、基礎学校生徒及び成人の運賃を償還する。

  県は、コミューネと協力して学校運送を組織しなければならない。コミューネと県が学校運送の組織と財政について合意しないとき、文部省は訓令を発することができる。

  文部省は、この法律による援助又は教育を受けるために宿泊を必要とする者のための旅の家、付き添い及び休憩設備に関する規則並びに学校運送及び運送費用の償還に関する規則を定めることができる。

 

  §13-5 成人教育

  国は、成人教育を全般に発展させる責任を負う。コミューネは、コミューネにおける成人の基礎学校教育を計画し発展させる責任を負う。県は、県における成人の後期中等教育を計画し発展させる責任を負う。

  コミューネ又は県が現在の提供を通じてこのような教育の必要を充足することができないときは、教育の実施は、成人教育に関する1976年5月28日の法律第35号§10によって承認された学習協会に委託することができる。

 

  §13-6 音楽及び文化学校の提供

  すべてのコミューネは、単独で又は他のコミューネと協同で、学校活動及び文化生活と結び付けて組織された、児童及び少年(unge)のための音楽及び文化学校を提供しなければならない。

 

  §13-7 学校自由時間協定

  コミューネは第1ー4学年の授業時間の前及び後の学校自由時間協定(Skolefri-tidsordninga)についての提供(学童保育。訳者注)を有しなければならない。

  学校自由時間協定は、児童の年齢、機能水準及び興味を出発点とする遊び、文化及び余暇活動に対する権利を定めなければならない。学校自由時間協定は、児童に保護(omsorg。care、soin)と監護(tilsyn。surpervision、inspection)を提供しなければならない。機能障害のある児童は、良好な発達条件を与えられなければならない。場所の広さは、室内室外とも目的に適していなければならない。

  学校自由時間協定は、次の事項に関する規定を有しなければならない。

  а.所有権
  b.児童の受け入れ決定権者
  c.入所基準
  d.入所期間、及び、学校自由時間在籍取り止めの予告期間
  e.親の支出
  f.遊びと在留の場所
  g.毎日の開所時間と年間の開所期間
  h.職員配置と運営

学校自由時間協定が学校と結びついているとき、通常、校長が管理と教育の長でなければならない。文部省は、この要請の例外を認める。

  学校自由時間の提供は、国及びコミューネの補助金と親の支出で賄われなければならない。

  §10-9第1項及び第3項の規定は、学校自由時間協定における任命に適用される。

  コミューネは、国の補助金を受ける私立の学校自由時間協定を承認し、監督する。

  文部省は、学校自由時間協定に関する施行規則を定める。

 

  §13-8 オスロ・コミューネ

  オスロ・コミューネは、この法律において県に定められている権限を有し義務を負う。

 

  §13-9 国からの補助金

  国は、コミューネ及び県の出費の一部を充足するため補助金を出す。この補助金は、文部省が定める規定による一括補助金の形で与えられる。

 

 

第14章 監督と統制

 

  §14-1 国の監督と統制

  文部省は、この法律による活動に関する事項の助言と指導を行い、かつ、その他の場合には、コミューネ、県及び私立学校の設置者(eigarar。所有者)と協同して、法律と規則に応じた満足で同等の教育施設の提供を確保するためになければならない。

  文部省は、この法律による活動を監督し、それ結び付けて、学校施設と学校の文書を把握できるようにしなければならない(skal ha tilgjenge til …)。

  この法律又は規則と矛盾する状態が見つけられたときは、文部省はそのような状態を是正する訓令を発することができる。

  文部省は、この法律に含まれる教育活動の報告と評価に関する規則を定めることができる。

 

  §14-2 家庭教育に対するコミューネの監督

  コミューネは、通学しない児童及び少年の義務教育を監督し、また彼らを特別の試験に呼び出すこともできる。コミューネは、この法律及び規則によって定められた家庭教育が充足されていないときは、児童又は少年が通学するよう要請しなければならない。

 

 

第15章 行政法の適用。通報義務

 

  §15-1 行政法の適用

  行政法は、この法律に基づいて行政機関が運営する施設に対して、この法律に定められた特別の規定に従って適用される。

  行政法§13から§13eに定められた守秘義務に関する規定は、この法律の§2-12によって承認された私立学校にも適用されなければならない。

 

  §15-2 不服申立て審査機関に関する特別規定

  文部省は、基礎学校による個別の決定に対する不服申立て審査機関(klagein-stans)である。個人的事項に関する個別の決定に対しては、それにも拘わらず、行政法§28に定められた不服申し立て機関に関する規定が適用されなければならない。

  文部省は、後期中等教育における入学許可と特殊教育に関する個別の決定並びに§3-6及び§4-6による後期中等教育の権利の喪失に関する個別の決定に関する不服申立て審査機関である。

  後期中等教育への入学許可に関する不服申立てに関して、文部省は、志願者がどの基礎コース、上級コース又はどの学校に入学許可されるかに関する県の決定を修正することはできない。このような決定については、行政法§28における不服申立て審査機関に関する規定が適用されなければならない。文部省は、専門的評価による特別の基礎コースへの入学許可の個別の決定に関する不服申立て審査機関である。

 職業実習評議会は、職業実習委員会が県に従わない場合に関して、職業実習委員会による個別の決定に対する不服申立て審査機関である。(§12-3、参照のこと)

  文部省は、§5-2による個別の決定の不服申立て審査機関である。

 

  §15-3 児童保護事務所への通報義務

 この法律による学校の職員は、その仕事において、児童保護事務所に諸措置をとらせる当面の状況に対して留意しなければならない。( vere på vakt)

  守秘義務に拘わらず、職員は、児童が家庭において虐待されている、若しくは保護において、1992年7月17日の児童保護に関する法律第100号§§4-10、4-11、4-12が定める重大な過誤が生じていると信ずる理由があるとき、又は児童が重大かつ継続的な行動上の問題を示したときには、自分自身の発意によって児童保護事務所に通報しなければならない(skal gi opplysningar)。職員は又、児童保護に関する法律の解釈に責任を有する機関から指示されたときにも、このような通報をしなければなければならない。

 

  §15-4 社会福祉事務所への通報義務

  この法律による学校の職員は、個別のクライアントに関する場合に、社会福祉事務所に助言と指導を与えなければならない。職員は、その仕事において、社会福祉事務所に諸措置をとらせる状況に留意し、かつ、自身の発意によって、そのような状況について社会福祉事務所に通報しなければならない。このような通報は、生徒の承諾又は大抵は親の承諾とともに、そうでない場合には守秘義務への服従を超えて行なうことができる。

 

 

第16章 実施及び移行規定。他の法律の改正

 

  §16-1 実施

  この法律は、国王が定める日から実施される。この法律の個別の規定は、その他の日から実施されることができる。

 

  §16-2 移行規定

  この法律が実施されるとき、期限の定まっていない職に雇用されている基礎学校の職員は、解雇されない。この職員に対しては、基礎学校に関する1969年7月13日の法律第24号の§24の(1)の第2項及び(2)が適用される。

  この法律が実施されてから5年の間、基礎学校に関する1969年7月13日の法律第24号の§17の(4)の第3項によって運営協定を設けた学校は、§9-1の第2項による校長に関する要請の外に置かれなければならない。

  §2-1による10年間の基礎教育の権利と義務は、1991年以後に生まれた児童に適用される。その他の児童と少年は、9年間の基礎学校の権利と義務を有するが、基礎学校の第10学年を終了するよう1学年上の水準の学年に進む。

 

  §16-3 他の法律の廃止

  次の法律は、廃止される。

1.基礎学校に関する1969年6月13日の法律第24号

2.後期中等教育に関する1974年6月21日の法律第55号

3.労働生活における職業実習に関する1980年5月23日の法律第13号

4.生徒及び学生の福祉組織に関する1986年5月9日の法律第19号

 

  §16-4 他の法律の改正(省略)

(以上)

英訳 DET KONGEKEGE KIRKJE-, UTDANNINGS- OG
FORSKINGSDEPARTMENT "Educatin Act",1998


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