● 公立高等学校の入学者選抜について 昭和38年8月23日 文初中341



昭三八、八、二三 文初中三四一 
各都道府県教育委員会あて 
文部省初等中等教育局長通知

     公立高等学校の入学者選抜について

 このことについては、昭和二九年八月二日付け文初中第四三九号「公立高等学校の入学者選抜について」および昭和三六年六月二三日付け文初中第三二七号「公立高等学校入学者選抜のための学力検査における数学および外国語の範囲と程度について」をもって選抜方法の大網を示したのでありますが、その後における各都道府県の実施状況等にかんがみ、高等学校の入学者選抜制度について、再検討を行なってまいりました。
 その結果、別紙のとおり「公立高等学校入学者選抜要項」を決定いたしました。貴委員会におかれては、別紙要項の趣旨にのっとり、高等学校の入学者選抜の適正な実施に協力されるようお願いします。


別紙
   公立高等学校入学者選抜要項

1 高等学校は、高等学校教育の普及およびその機会均等の精神にのっとり志願者のなるべく多数を入学させることが望ましいが、高等学校の目的に照らして、心身に異常があり修学に堪えないと認められる者その他高等学校の教育課程を履修できる見込みのない者をも入学させることは適当でない。
 高等学校の入学者の選抜は、中学校長から送付された調査書その他必要な書類、選抜のための学力検査の成績等を資料として、高等学校教育を受けるに足る資質と能力を判定して行なうものとする。
2 学力検査は、都道府県立の高等学校にあっては、当該高等学校を設置する都道府県の教育委員会が、管内一せいにこれを行なうものとする。
 市町村立の高等学校については、都道府県および市町村の教育委員会が、相互に協力して、同一の時期および問題により学力検査を行なうように努めなければならない。
3 学力検査は、中学校の必修教科の全体にわたって出題することが望ましい。
 数学および外国語の出題の範囲と程度は、数学では選択教科としての数学を、英語では第三学年で一七五単位時間以上指導する場合の内容をそれぞれ含むことを原則として、各都道府県においてその実情に即して適切な学力検査を実施させるものとする。
 その他の選択教科を検査に加える場合は、その教科を履修しなかった生徒に一律に受験させることのないように留意するものとする。
4 学力検査実施教科の決定および問題の作成にあたっては、中学校ならびに高等学校関係者の相互の理解と協力に基づき、中学校教育の正常な発展を阻害しないよう特に注意するものとする。
5 問題は、中学校学習指導要領に示されている各教科の目標および内容の基本的な事項について出題するものとし、解答が偶然性に支配されたり単なる記憶の検査に偏したりしないようにし、できるだけ理解の深さや応用力、考え方、技能などを検査することができるような問題を作成することに努めるものとする。
6 中学校の校長は、生徒の志願先高等学校の校長あてに調査書その他必要な書類を提出する。調査書の記載事項は、中学校生徒指導要録ならびに学校保健法施行規則第2号様式の1に準じ、都道府県教育委員会が定める。
 中学校生徒指導要録の記載事項に含まれない事項(たとえば家庭環境や生活程度等の細部にわたる事項)等は調査書に記載しない。
 健康診断の記録のうち、疾病および異常については、その年の一月以後に健康診断を実施してその結果を記入するものとする。
7 入学者の選抜は、中学校長より送付された調査書その他必要な書類および選抜のための学力検査の成績を資料とするほか、特に必要と認める場合には、健康診断もしくは面接またはこの両者を実施して、その結果を選抜のための資料に加えることができる。この場合特に必要と認める場合の判断については、当該高等学校を設置する都道府県または市町村の教育委員会の承認を受け、またはその決定によるものとする。
8 高等学校の入学者の選抜にあたっては、調査書中の各教科の学習の評定の記録と学力検査の成績とは、これを同等に取り扱う。
9 進学しようとする学校、課程、学科の選択が生徒の能力、進路、適性にふさわしいものであることは、きわめて重要なことであるので、中学校における進路指導の徹底を推進する。
 このため、中学校において、各学校の実情に応じ進学指導担当教員、学級担任の教員、職業指導主事等を中心とする指導組織を整備し、学年別年間指導計画の作成、指導上の有効な方法その他指導に必要な資料の整備等について研究を推進して、進路指導の改善と充実を図るよう、教育委員会においてじゅうぶんな指導を行なうものとする。
10 入学者の選抜と関連して、公立高等学校の通学区域特に普通科の通学区域の定め方については、一つの通学区域内に数校の高等学校が含まれるようにすることが適当であるが、この場合においても生徒の通学の便や地域の要望等を考慮して、通学区域の広さやその中に含まれる学校数を適切に定めるようにするものとする。
11 都道府県の教育委員会は、高等学校に進学しうる資質と能力がある者に対して、適正な機会が与えられるよう適切な入学調整の措置を強化することが望ましい。





Copyright© 執筆者,大阪教育法研究会