● 高等学校卒業者の就職応募書類の様式の改定について 平成8年3月21日 8初職第19号



8初職第一九号 平成八年三月二一日
各都道府県教育委員会指導事務主管課長・各都道府県私立学校主管課長・附属高等学校を置く各国立大学長あて
文部省初等中等教育局職業教育課長通知


    高等学校卒業者の就職応募書類の様式の改定について


 このことについて、昭和六〇年四月一九日付け六〇初職第一四号通知により、就職のための応募書類の統一様式(以下「統一応募用紙」という。)を使用することについて御配慮願うよう通知したところでありますが、高等学校生徒指導要録の改訂、学校保健法施行規則の改正等に伴い、文部省、労働省及び全国高等学校長協会との協議により、別紙一のとおりその様式の一部を改定しましたので、お知らせします。
 統一応募用紙は、高等学校における就職事務の適正化と簡素化を図るとともに、採用のための選考に際しての不合理な差別の排除を意図しているものであります。
 貴職におかれましては、下記及び別紙一を十分御了知の上、管下の高等学校に対して、この趣旨を徹底させ、学校における就職事務が一層円滑に進められるようにするとともに、関係部局と連携を図りながら、就職において差別のない公正な採用・選考が行われるよう、特段の配慮をお願いします。
 また、特別の事情により、都道府県又は二以上の都道府県において、別に就職のための応募書類を統一的に定める必要がある場合においては、上述の趣旨に沿って定められるよう御配慮ください。
 なお、この通知に基づく新しい統一応募用紙は、平成九年三月の新規高等学校卒業者の就職から適用するようお願いします。

          記

I 改定の概要

一 履歴書について

(一) 履歴書・身上書を履歴書としたこと。
(二) 「男・女」欄を「性別」欄とし、男女の別を記入する方式としたこと。
(三) 「本籍」欄を削除したこと。
(四) 保護者に係る「本人との続柄」欄及び「年齢」欄を削除したこと。
(五) 「履歴」欄を「学歴・職歴」欄とし、高等学校入学から記入する方式としたこと。
(六) 「家族」欄を削除したこと。
(七) 規格をA4版としたこと。

二 調査書について

(一) 「男・女」欄を「性別」欄とし、男女の別を記入する方式としたこと。
(二) 「学習の記録」欄については、各高等学校において教科・科目名を記入する方式とするとともに、「留学による修得単位数」欄を設けたこと。
(三) 「行動及び性格の記録」欄及び「備考」欄を合わせて「本人の長所・推薦事由等」欄としたこと。
(四) 「身体状況」欄のうち、「胸囲」欄及び「色覚」欄を削除したこと。
(五) 規格をA4版としたこと。

II 高等学校においては、新規高等学校卒業者を事業所に推薦する際には、別紙二を統一応募用紙に貼付すること。



(別紙1)

(別紙2)

事業主の皆様へ
(「全国高等学校統一用紙」の改定について)
文部省 労働省 全国高等学校長協会

 新規高等学校卒業者の採用に当たりましては、平素から格別の御理解と御協力を賜り厚く御礼申し上げます。
 新規高等学校卒業者の採用・選考時における応募書類は、応募者の適性と能力に基づいて行われるよう、文部省、労働省及び全国高等学校長協会の協議のもとに「全国高等学校統一用紙」を定めてきたところでありますが、このたび、その一部を改定し、平成9年3月新規高等学校卒業者から適用することとしました。
 今回の改定は、高等学校卒業者の採用・選考に際して、応募者の適性と能力に基づく公正な採用・選考を確保するという「全国高等学校統一用紙」の制定の趣旨を踏まえ、高等学校生徒指導要録の改訂、学校保健法施行規則の改正に対応するとともに、応募者の人権に配慮するなどの観点に立って行ったものであり、主な改定事項は下記のとおりです。
 今後とも、採用・選考に際しましては、本籍地、家族の職業等本人の適性と能力に関係のない事項について聞かないなど、差別のない公正な採用・選考が行われますよう、下記の改定事項及び改定の趣旨を十分御理解の上、一層の御協力をお願いいたします。

          記

1 履歴書(応募書類その1)について

(1) 「男・女」欄を「性別」欄とし、男女の別を記入する方式としたこと。
(2) 「本籍」欄を削除したこと。
(3) 保護者に係る「本人との続柄」欄及び「年齢」欄を削除したこと。
(4) 「履歴」欄を「学歴・職歴」欄とし、高等学校入学から記入する方式としたこと。
(5) 「家族」欄を削除したこと。
(6) 規格をA4版としたこと。

・「本籍」欄、保護者に係る「本人との続柄」欄及び「年齢」欄並びに「家族」欄については、応募者の適性と能力に直接関係がなく、採用・選考時に必要な事項とは考えられないため削除した。

2 調査書(応募書類その2)について

(1) 「男・女」欄を「性別」欄とし、男女の別を記入する方式としたこと。
(2) 「学習の記録」欄については、各高等学校において教科・科目名を記入する方式とするとともに、「留学による修得単位数」欄を設けたこと。
(3) 「行動及び性格の記録」欄及び「備考」欄を合わせて「本人の長所・推薦事由等」欄としたこと。
(4) 「身体状況」欄に係る「胸囲」欄及び「色覚」欄を削除したこと。
(5) 規格をA4判としたこと。

・高等学校生徒指導要録において「行動及び性格の記録」欄が削除されたため、「行動及び性格の記録」欄及び「備考」欄を合わせて「本人の長所・推薦事由等」欄とした。

・「胸囲」欄及び「色覚」欄については、学校保健法施行規則の改正により、高等学校では、胸囲の検査を実施しなくてもよいこととなった、また、色覚の検査を実施しないこととなったため削除した。


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記入上の注意事項
T 履歴書
1 「連絡先」欄は現住所以外に連絡を希望する場合のみ記入すること。
2 「保護者氏名」欄には、生徒に対して親権を行う者を、親権を行う者のいないときは
後見人を記入すること。
3 「学歴・職歴」欄には、いわゆるアルバイトは記入しないこと。
4 「備考」欄には、「資格等」、「趣味・特技」、「所属クラブ等」、「志望の動機」
以外で、記入したい事項がある場合に記入すること。

U 調査書
1 基本方針
高等学校生徒指導要録等に基づいて作成するものとする。
2 「課程名」欄については全日制・定時制・通信制の課程別、「在学期間」欄について
は入学・編入学・転入学(編入学及び転入学の場合はその学年を記入)の別及び卒業・卒
業見込みの別の該当事項をそれぞれ○で囲むこと。
3 「学習の記録」欄は、高等学校在学中の全学年について、次のように記入すること。
(1) 「教科・科目」欄は、高等学校生徒指導要録に基づいて教科・科目名を記入する
こと。
(2) 「評定」欄は、5、4、3、2、1の5段階で記入すること。
また、卒業見込みの者で、最終学年の成績が未決定である場合は、直近における
成績を総合して、最終学年の成績とすること。
なお、大学入学資格検定合格科目などを、高等学校の各教科・科目の単位を修得
したものとみなした場合は、「評定」欄に「大検等」と記入すること。
(3) 「留学」欄は、留学した生徒の外国の学校における学習の成果をもとに、校長が
修得を認定した単位数を記入すること。
4 「特別活動の記録」欄は、特別活動における生徒の活動状況について主な事実及び特
別活動全体を通して見られる生徒の長所など所見を記入すること。
5 「出席状況」欄は、高等学校生徒指導要録該当欄の記載事項を転記するものとするが、
卒業見込みの者の最終学年の欄は、直近の学期末現在における欠席の状況を記入するこ
と。
6 「身体状況」欄は、次のように記入すること。
(1) 「身長」、「体重」、「聴力」及び「視力」欄には、それぞれについて高等学校
等用生徒健康診断票の該当欄の最も新しい記載事項を転記すること。
(2) 「視力」欄は、眼鏡等を使用していない者については、裸眼視力を( )の左側に
記入し、また、眼鏡等を使用している者については、矯正視力を( )内に記入し、
裸眼視力は横線を引くこと。
なお、視力1.0以上を「A」、1.0未満0.7以上を「B」、0.7未満0.3以上を「C」、0.
3未満を「D」として記入して差し支えないこと。
(3) 「備考」欄は、高等学校等用生徒健康診断票の記載事項で、特に、必要と認めら
れる事項があれば記入すること。
7 「本人の長所・推薦事由等」欄は、生徒の個性を多面的にとらえ、生徒の長所を取り
上げることを基本として記入すること。





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