■ 教育関係者の資格についての指令 昭和20年10月30日 連合国軍最高司令官総司令部
昭和二十年十月三十日
教育関係者の資格についての指令
1 日本の教育制度の中から、日本国民に敗戦と戦争のつみと苦しみと貧しさとひどい現状をもたらした軍国主義の勢力と極端な国家主義の勢力を取り除くため、そして軍隊の経験や軍と特別の関係がある教員と教育官吏をおさえるために、次のように指令する。
a 日本の現在の教育関係者のうちで、軍国主義の考えや極端な国家主義の考えを持っていると一般から認められている者、日本占領の目的と政策に強く反対していると一般から認められている者は、すべて今すぐやめさせる。そして今後決して教育関係のどんな職にもつかせない。
b 右以外の教育関係者は、今後何分の達しがあるまで、文部省が認めれば、その職に留まっていてよろしい。
c 現在日本軍の軍籍にある者、終戦後復員して現在教育関係の職についていない者は、今後何分の達しがあるまで、教育関係のどんな職にもついてはならない。
2 日本の現在の教育関係者と将来教育に関係したい者のうちで、望ましくないので、やめさせなければならない者、職につかせられない者をきめるために、次のように指令する。
a 文部省は、現在の教員と教育官吏、将来それになりたい者のすべてを、取り調べ、取り除き、資格を認めるために、適当な管理機関を設けその手続を定めなければならない。
b 文部省は、この指令の規定にもとづいてとったすべての処置をまとめた報告書を、できるだけ早くマッカーサー司令部に出さなければならない。その上、この報告書には次の特別の報告も入れなければならない。
(1)一人一人が教育関係者として望ましいかどうかを、どうしてきめるかをくわしく書いたもの。それと一人一人の留任・解職・任用・再任をきめる特定の基準。
(2)教育関係者を取り調べ、取り除き、資格を認めるために、どんな管理機関を設け、どんな手続を定めたかをくわしく書いたもの。それと判定に対して不服な者を再び取り調べ、前に資格を認められなかった者について再び取り調べるのに、どんな規程を設けたかをくわしく書いたもの。
3 この指令のそれぞれの条項に関係のある日本政府の官吏と雇傭員、公私立学校の職員はすべて、この指令の字句も精神も、一人一人責任をもって守らなければならない。
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