戦死せる教え児よ
竹本源治
逝(ゆ)いて還(かえ)らぬ教え児よ
私の手は血まみれだ
君を縊(くび)ったその綱の
端を私も持っていた
しかも人の子の師の名において
嗚(あ)呼(あ)!
「お互いにだまされていた」の言訳が
なんでできよう
慚(ざん)愧(き) 悔(かい)恨(こん) 懺(ざん)悔(げ)を重ねても
それがなんの償いになろう
逝った君はもう還らない
今ぞ私は汚濁の手をすすぎ
涙をはらって君の墓標に誓う
「繰り返さぬぞ絶対に!」
(1952年1月30日 高知教組「るねさんす」44号に掲載)