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◆199806KHK178A1L0139J TITLE: 学校間の生徒個人情報の引継について AUTHOR: 編集部 SOURCE: 大阪高法研ニュース 第178号(1998年6月) WORDS: 全40字×139行
座談会では、各会員の職場の近況が報告された後、生徒個人情報の収集の問題が中心的なテーマとなった。これは特に、学校が他の学校から、生徒の同意を得ないまま、生徒の個人情報を集めることを問題としている。それとともに、近年、中学校側がこの問題に敏感になり、こうした情報を一切提供しなくなったことの適否、そして反対に、やはり実態として、非公式にあるいは形式的な手続きを経ることによって、依然として生徒個人情報の提供と収集がなされていることの問題点、などが話し合われた。この問題は昨年から大きな話題となり、その影響が徐々に出てきているといえよう。昨年、生徒個人情報の引継に関する報道には次のようなものがあった。
・3月高槻市で、「クラス編成の資料にする」という理由で、市立中学校が、入学予定の小学6年生について在日韓国・朝鮮人、母子・父子家庭、生活援護世帯などの家庭状況や成績を記録した個人データを小学校に作成させていたことがわかった。
・3月大阪府教委は、これまで新入生の家庭環境などの個人情報を出身中学から収集していた府立高校に対し、生徒本人や保護者の同意がなければ自粛するように、指導した。
・7月、兵庫県の県立高校と私立高校で、新入生の家庭状況について、同和地区出身や生活保護家庭、母子家庭などを記入させる「中・高連絡カード」を出身中学に提出させていたことがわかった。
こうした状況に応して、中学校側が過敏に反応している例がみられる。
・私立高校受験に先立ち行われていたいわゆる「事前指導」で文書を残さなくなった。
・障害者の公立高校受験に際し、それまでは中学校から当該生徒の障害の状況について詳しい説明があったものが、今年度そうした報告がなくなった。
これらの事実について、入学する生徒の受け入れ体勢を整備するために必要な情報もあり、中学が極端に提供を自粛すると教育に支障をきたすこともあるという意見もあった。そのうえで、真に必要な情報であれば、本人から収集するとか、指導要録その他の正式の引継簿の形で記録の存在を明らかにして収集するべきであるとする意見が出された。(文責:羽山)
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