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◆200006KHK190A4L0029CM TITLE: 三郷市立南中学校・卒業式欠席事件(浦和地裁1999年4月26日判決) AUTHOR: 編集部 SOURCE: 大阪高法研ニュース 第190号(2000年6月) WORDS: 全40字×29行
このページの内容は「日の丸」「君が代」処分事例集のページにまとめました。(2001/02)
浦和地裁1999年4月26日判決
平八(ワ)一一七五号 損害賠償請求事件 一部認容一部棄却[確定]
本件は、中学校の卒業式での日の丸掲揚、君が代斉唱に反対して卒業式を欠席した教員が、卒業生の担任でありながら呼名をしなかったことは、地方公務員法の職務専念義務および信用失墜行為に該当する非違行為があったとして減給処分を受けたが、右教員の懲戒処分の内申が市教育委員会の議決を経ずに県教育委員会に進達されたことから、県人事委員会が右処分を取り消したところ、右教員が、県、市、市教育長を相手取って三〇〇万円の損害賠償を請求した事案である。判決は、本件処分を適法として、県に対する損害賠償を請求を退けたが、市教育長の内申書の進達は違法であるとして、市に対して五万円の慰謝料の支払いを命じた。本件は日の丸掲揚、君が代斉唱を直接問題とする事案ではないので、この問題について掘り下げた検討を行っていない。
(1) 本件処分は、原告が本件卒業式に出席せず、生徒の呼名を行わなかったこと等の所為に対して課せられたものであり、県教育委員会が、原告の日の丸の掲揚、君が代の斉唱に対して反対するという思想、信条を侵害する目的あるいは正当な組合活動に対し圧力をかけるという目的で本件処分をしたという事実を認めることはできない。
(2) 学習指導要領では、国旗を掲揚し、国歌を斉唱することが望ましいとされており、また、校長は、本件卒業式においては、日の丸を掲揚し、君が代を斉唱することとし、南中学校の職員全員に本件卒業式への出席を指示したのであるから、・・・原告の右行為が、教職員としての職の信用を傷つけたと同時に、職務に専念す義務に違背していることは明かであるといわざるを得ない。
(3) 県教育委員会が、本件処分をするに際して、本件内申書が市教育委員会の議決を経ることなく県教育委員会に進達されたことを知っていたと認めることはできない。・・・右のとおりであるから、県教育委員会が市教育委員会の内申の一連の手続きの瑕疵があることを看過して本件処分をしたことを理由に、被告県に対し損害賠償を求める請求は、理由がない。
(労判771ー45、判地自197-48)
最近の判例(教育情報関係)
●公立学校教員採用候補者選考審査に係る択一式問題の一部及びその解答が、県情報公開条例の非開示事由として規定する事務事業情報に当たらないとされた事例, 高松高判平10.12.24, 判時1704-50(原審高知地判平10.3.31,判時1677-41)
●養護学校校長が受検先学校長にあてて作成した公立高校受検の事前協議に関する文書の一部の抹消を認めた事例, 浦和地判平11.3.1, 判タ1021-136
●中学生の自殺事件に関する作文の開示を求めたのに対し、市の非開示決定が相当とされた事例,東京高判平11.8.23, 判タ1021-175
●PTAの会員はPTAに対して会計帳簿の閲覧請求権を有するか(消極), 名古屋高判平11.9.30, 判時1704-85
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