● 「性的指向及びジェンダーアイデンティティの多様性に関する国民の理解の増進に関する法律」の公布について(通知) 令和5年6月23日 5文科教第592号



https://www.mext.go.jp/content/230705-mxt_kyousei01-000029040_06.pdf


 この度、性的指向及びジェンダーアイデンティティの多様性に関する国民の理解の
増進に関する法律(令和5年法律第68号)が公布されましたので、その概要等につ
いて通知します。


5文科教第592号 令和5年6月23日
各都道府県教育委員会教育長、各指定都市教育委員会教育長、各都道府県知事、構造改革特別区域法第12条第1項の認定を受けた各地方公共団体の長、各国公立大学法人の長、独立行政法人高等専門学校機構理事長、大学及び高等専門学校を設置する各地方公共団体の長、各文部科学大臣所轄学校法人理事長、大学を設置する各学校設置会社の代表取締役、厚生労働省医政局長、厚生労働省社会・援護局長 宛
文部科学省総合教育政策局長、文部科学省初等中等教育局長、文部科学省高等教育局長


 「性的指向及びジェンダーアイデンティティの多様性に関する国民の理解の増進
 に関する法律」の公布について(通知)


 この度、第211 回国会において、「性的指向及びジェンダーアイデンティティの多様
性に関する国民の理解の増進に関する法律」(令和5年法律第68号。以下「本法」と
いう。)が成立し、令和5年6月23日に公布されました(別添@)。

 本法は、性的指向及びジェンダーアイデンティティの多様性に関する国民の理解が必
ずしも十分でない現状に鑑み、性的指向及びジェンダーアイデンティティの多様性に関
する国民の理解の増進に関する施策の推進に関し、基本理念を定め、並びに国及び地方
公共団体の役割を明らかにするとともに、基本計画の策定その他の必要な事項を定める
ことにより、性的指向及びジェンダーアイデンティティの多様性を受け入れる精神を涵
養し、もって性的指向及びジェンダーアイデンティティの多様性に寛容な社会の実現に
資することを目的としており、公布の日から施行することとされています。

 本法においては、第2条において、「ジェンダーアイデンティティ」を「自己の属する
性別についての認識に関するその同一性の有無又は程度に係る意識をいう」と定義し、
第6条第2項及び第10条において、学校の設置者及びその設置する学校に対し、本法に
定める基本理念に則り、性的指向及びジェンダーアイデンティティの多様性に関する児
童、生徒又は学生(以下「児童生徒等」という。)の理解の増進について、家庭及び地域
住民その他の関係者の協力を得つつ、児童生徒等の心身の発達段階に応じた教育又は啓
発、教育環境の整備、相談の機会の確保等に努めることや、第12 条において、全ての国
民が安心して生活することができることとなるよう留意すること等が規定されていま
す。

 なお、本法第8条において、政府は性的指向及びジェンダーアイデンティティの多様
性に関する国民の理解の増進に関する基本的な計画を策定することとされており、今後、
内閣府を中心として策定作業が行われることとなりますので、策定された際には別途お
知らせします。

 文部科学省では教育基本法(平成18 年法律第120 号)第13 条に基づく学校、家庭及
び地域住民の相互の連携及び協力を前提として、これまでも、学校教育や社会教育にお
ける人権教育を通して、児童生徒等の発達段階に応じて、多様性に対する理解、自他の
人権の尊重等の態度を育む取組を進めるとともに、性同一性障害や性的指向等に係る児
童生徒等へのきめ細かな対応に資するよう、他の児童生徒等への配慮の観点も含め、教
職員向けの啓発資料や研修動画の作成・周知、改訂版生徒指導提要への性的マイノリテ
ィに関する記載の追加等の取組を行ってきたところですが、本法の趣旨や関係規定に基
づき、これらの取組を引き続き推進してまいります。

 各学校設置者等におかれても、これまでも既に性的マイノリティの児童生徒等への対
応に取り組んでいただいているところですが、別添A〜Eにこれまでの文部科学省の取
組についてまとめておりますので、改めてご確認いただき、引き続き適切に対応してい
ただくようお願いします。

 また、これらの資料も含め、文部科学省における性的マイノリティに関する施策につ
いては、下記の文部科学省ウェブサイトにも掲載しておりますので、併せてご利用くだ
さい。

 各都道府県教育委員会教育長におかれては所管の学校(専修学校及び各種学校を含む。
以下同じ。)及び域内の市区町村教育委員会(指定都市教育委員会を除く。)に対して、
各指定都市教育委員会教育長におかれては所管の学校に対して、各都道府県知事におか
れては所轄の学校及び学校法人等(文部科学省所轄の学校法人を除く。)に対して、構造
改革特別区域法第12 条第1 項の認定を受けた各地方公共団体の長におかれては所轄の
学校設置会社に対して、各国公立大学法人の長におかれてはその設置する学校に対して、
独立行政法人国立高等専門学校機構理事長におかれてはその設置する高等専門学校に
対して、大学及び高等専門学校を設置する各地方公共団体の長及び各文部科学大臣所轄
学校法人理事長におかれてはその設置する学校に対して、大学を設置する各学校設置会
社の代表取締役におかれてはその設置する大学に対して、厚生労働省医政局長及び厚生
労働省社会・援護局長におかれては所管の専修学校に対して、周知をお願いします。
なお、本件については、内閣府から各都道府県知事宛に別添Fの通り、通知が発出さ
れておりますので、併せてお知らせします。


(別添)略
@ 性的指向及びジェンダーアイデンティティの多様性に関する国民の理解の増進に
関する法律(令和5年法律第68号)
A 生徒指導提要(改訂版)※性的マイノリティ関係の記載抜粋
B 性同一性障害や性的指向・性自認に係る、児童生徒に対するきめ細やかな対応の実
施等について(教職員向け)パンフレット
C 独立行政法人日本学生支援機構「大学等における性的指向・性自認の多様な在り方
の理解増進に向けて」(教職員向け理解・啓発資料)
D 独立行政法人教職員支援機構校内研修シリーズ「学校で配慮と支援が必要なLGBTs
の子どもたち」
E 性同一性障害に係る児童生徒に対するきめ細やかな対応の実施等について(通知)
F 「性的指向及びジェンダーアイデンティティの多様性に関する国民の理解の増進
に関する法律の施行について(通知)」(内閣府通知)

(文部科学省ウェブサイト「性的マイノリティに関する施策」)
https://www.mext.go.jp/a_menu/shotou/jinken/sankosiryo/1415166_00004.htm





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