● 高等学校設置基準について 昭和23年1月15日 発学第12号
発学第一二号 昭和二三年一月一五日
都道府県知事あて
文部省学校教育局長通達
高等学校設置基準について
高等学校設置基準は、別紙の通り決定し、文部省令として別に官報をもつて公布されるが、その取り扱いについては、次の注意事項を参照して遺憾のないように取り計われたい。
高等学校設置基準に関する注意事項
一 第二条及び第三条によつて都道府県がなす必要な定めは、個々の学校についてではなく、同種の学校に共通して適用すべきものである。その必要な定めは、この省令の他の規定と均衡がとれず、又はそれに違反するものであつてはならない。
二 第六条の専門教育を主とする学科に付個々の学科名を掲げたのは、昭和二二年四月七日発学一五六号通牒「新制高等学校の教科課程」において教科課程の基準を示した学科の名を例として掲げたものである。(但し、食物料は未発表)教科課程の基準が発表されていない学科をおく学校を設置する場合は、既に発表された教科課程の基準に準じて、必要な教科課程を作製し、都道府県監督庁の認可を受けることになる。
三 従来の学校の編制は、固定された学級を基礎にしていた。新制高等学校は選択科目制によるから、学級の観念は従来と異り同時に、同じ授業を受ける生徒の集団がその時間のその教科目の学科となる。この省令に示す学級はこの新しい意味に基く。従つて、第七条及び第二十九条は、同時に同じ授業を受ける生徒の数は教科目の如何にかかわらず四〇人あるいは五〇人以下とするの意味である。
四 夜間の課程及び定時制課程の編制は、これらが通常の課程と併置される場合もその職員の数は通常の課程とは別に計上すべきである。
五 第八条では、選択科目制における当然の要請として学年又は学科の異る生徒を一集団として同時に同じ授業を受けさせることができることを規定した。
六 教員数について、第一号表の式による数が小数位をもつときは、切上げた数が基準になる。最少を一二人としたのは、教科の分野と選択科目制とを考慮して、最低必要数を定めたものである。実業に関する実習教師は、第九条では別に規定せず、第一号表甲の数に含まれるものとした。第九条第一項(但し書を除く)に規定する数は、専任教員としての数である。兼任教員を置く場合は、これより増すのが当然である。第九条第二項及び第一〇条は第一号表甲もしくは乙によつて定まる数の半数以上であり三分の一である
七 第一一条及び第一三条の夜間課程の実習助手及び事務職員の数は、通常の課程通りに計算した数の三四分の二四とするのが適当である。
八 専門教育を主とする学科において、第一九条の規定する施設を要する教科を教科課程中に含まない場合は、その施設を欠くことができる。
九 附則に規定された暫定基準は、定時制課程のみを置く高等学校を除き純然たる新設の場合には適用されない。
一〇 暫定基準において恒久基準と異る規定は、同時に授業を受ける一学級の生徒数、教員数及び校舎施設に関するものである。但し、教員に関する規定の中、その半数以上を専任とする規定は、暫定基準にも適用される。
一一 一〇に掲げた規定及び、助教諭三分の一の規定、事務職員及び実習助手数に関する規定、養護をつかさどる職員の資格に関する規定、面積に関する規定、並びに夜間課程の給食施設に関する規定を除く恒久基準中の規定は、すべて暫定基準においても適用される。
一二 暫定基準の適用期間は、昭和二六年三月三一日までであるが、その後は国及び地方の経済状況に応じ、適当な年次計画をたてて、年々暫定基準を改正し数年の後に恒久基準に到達させる予定である。
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