● 青少年非行防止に関する学校と警察との連絡の強化について 昭和38年10月10日 文初中385
昭三八、一〇、一〇 文初中三八五
各都道府県教育委員会、各都道府県知事あて
文部省初等中等教育局長通知
青少年非行防止に関する学校と警察との連絡の強化について
青少年の非行防止については、すでに、昭和三七年九月五日付け文初中第三四〇号および昭和三八年一〇月八日付け国社第六六号をもって通知いたしたところでありますが、最近における青少年非行の増加、低年齢化、集団化などの傾向、なかんずく、児童生徒の犯罪件数の増加の傾向にかんがみ、学校と警察との連携をいっそう強化する必要があると考えられます。
このたび、このことについて、警察庁と当省との協議を行ない、学校と警察とが青少年非行の防止に関して、常に連絡を保ち、早期連絡と早期補導の体制を一層強化することに意見の一致をみました。
つきましては、警察庁保安局長から管下の各機関に対し、別添のとおり、通知されましたが、貴管下内においても下記の事項に留意し、児童生徒の非行防止のために学校と警察との連絡をいっそう強化するよう格別のご配慮を願います。
記
1 学校と警察との連絡強化に関しては、各都道府県においても教育委員会(私立学校においては知事部局)と警察本部とが密接な連携を保ち、学校と警察双方の自発的発意に基づいて適切な措置が促進されるよう配意すること。
2 学校と警察との連絡の強化については、地域の実情に即して、学校と警察署との協議により、具体的な方途を講ずる必要があるが、この場合、個々の非行事例について警察との連絡を密にする方法を講ずるほか、たとえば、学校警察連絡協議会、補導連絡会等の青少年の非行防止に関する組織を設け、これらの組織を通じて非行防止に関する情報の交換、非行防止計画の策定等につき警察と協同して行なうことが望ましいと考えられること。
3 上記2により、警察との連携を促進するにあたっては、学校管理者として教育委員会が積極的に配意することが望ましいこと。
4 警察との連絡にあたっては、常に児童生徒の健全育成と非行防止の見地に重点を置くことを旨とし、また警察側の少年警察についてもじゆうぶんな理解をもつようにすること。
5 非行を犯した児童生徒については、あくまでも教育者としての配意のもとに、学校教育の立場からの指導を行なうよう留意すること。
警察庁丙防第三四号
昭和三八年一〇月一〇日
各管区警察局長
警 視 総 監
各道府県警察本部長 殿
各方面本部長
警察庁保安局長
少年非行防止における警察と学校との連絡について
少年非行防止における警察と学校との連絡については、かねてから各都道府県警察の配意を煩わしてきたところであるが、最近における少年非行の増加、低年齢化、集団化などの傾向にかんがみ、さらにこれが強化の必要性が痛感される。
当庁は、かかる趣旨から、このことについて文部省との協議を行ない、警察と学校とが少年非行の防止に関して常時連絡を保ち、早期連絡、早期補導の体制をさらに強化することに両者の意見の一致をみたところである。
この際各都道府県警察においては、下記事項に留意の上、少年非行防止のために学校との連絡を一段と強化するよう格別の配意をされたい。
おって、このことについては、文部省初等中等教育局長からも各都道府県教育委員会および各都道府県知事あてに別添のとおり通達されたので申し添える。
なお、「少年非行防止についての警察と学校との協力活動例」を添付するから参考とされたい。
記
1 警察と学校との連絡強化に関しては、各都道府県においても、警察本部と教育委員会(私立学校については知事部局)とが密接な連携を保ち、警察学校双方の自発的発意に基づいて適切な措置が促進されるように配意すること。
2 警察と学校との連絡を強化するには、警察著に学校ごとの連絡担当者を定める等個々の非行事案について学校との連絡を密にする方途を講ずるほか、警察著ごとに、または市町村その他の区域ごとに、警察と学校とが参加する学校警察連絡協議会などの組織を設立し、あるいは少年補導に関する第一線機関の参加する補導センター、補導連絡会などの組織を設け、これらの組織を通じて、警察と学校とが非行防止に関する情報を交換し、さらに協同して非行防止計画の策定と実施にあたることが望ましいと考えられるので、各都道府県の実情に即して計画的にこれらの組織を確立するように配意すること。
3 学校との連携を促進するにあたっては、幹部が率先してこれにあたるように配意すること。
4 学校との連絡にあたっては、学校教育の理念、教師の使命、学校の指導措置等に関する正しい認識をもつとともに、学校に少年警察の理念と実情を十分に理解させるように配意すること。
5 非行のある生徒の補導にあたっては、その生徒の処遇に学校の意見が十分に反映されるように配意すること。
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