● 公立高等学校の入学者選抜について 昭和41年7月18日 文初中411
昭四一、七、一八 文初中四一一
各都道府県教育委員会あて
文部省初等中等教育局長通達
公立高等学校の入学者選抜について
このことについては、昭和三八年八月二三日付け文初中第三四一号「公立高等学校の入学者選抜について」をもって選抜方法の大綱を示しましたが、その後における各都道府県の実施状況等にかんがみ、高等学校入学者選抜方法の改善について関係者の協力を求めて検討を加えてきました。その結果、今後、公立高等学校の入学者選抜に関しては、下記の趣旨によることといたしたいので、貴教育委員会におかれては、この趣旨にのっとり高等学校入学者選抜の適正な実施に努められるようお願いします。
記
1 高等学校の入学者の選抜は、中学校長から送付された調査書その他必要な書類、選抜のための学力検査の成績等を資料として、高等学校教育を受けるに足る資質と能力を判定して行なうものとする。心身に異常があり修学に堪えないと認められる者その他高等学校の教育課程を履修できる見込みのない者をも入学させることは適当でない。
2 選抜にあたっては、調査書をじゅうぶん尊重することとし、調査書の信頼性と客観性を高めるため、記載内容および取り扱い等については、各都道府県において、じゆうぶん研究して適切に定めるものとする。
3 学力検査の実施教科は、各都道府県において、従来の入学者選抜の実施状況とその中学校教育への影響を考慮し、高等学校の種類と実情に応じて適切に定めるものとする。
なお、学力検査の実施教科を限定する場合には、学力検査の対象としない教科を固定しないで、状況により、適宜、これを実施教科とすることを考慮すること。
4 学力検査の実施教科の決定および問題の作成にあたっては、中学校ならびに高等学校関係者の相互の理解と協力に基づき、中学校教育をゆがめることなく、その充実に資するよう配慮するものとする。
5 学力検査の問題は、中学校学習指導要領に示されている各教科の目標に則し、内容の基本的な事項について出題するものとし、解答が偶然性に支配されたり、単なる記憶の検査に偏したりしないようにし、できるだけ理解力、応用力、考え方などを検査することができるような問題を作成すること。
実技を伴う教科について学力検査を実施する場合には、その方法についてはじゅうぶん検討すること。
6 入学者の選抜にあたっては、受験者の進路に対する意思の確認等、調査書の記載事項とも関連して、受験者に対する理解をいっそう深める必要がある場合には、面接を実施して、その結果を選抜のための資料に加えることができる。
7 入学者の選抜にあたり、特に必要がある場合には、健康診断を実施して、その結果を選抜のための資料に加えることができる。
8 都道府県教育委員会は、高等学校に進学しうる資質と能力がある者に対して、適正な機会が与えられるよう適切な入学調整の措置をとることが望ましい。
なお、公立高等学校の通学区域特に普通科の通学区域の定め方については、前記昭和三八年八月二三日付け通達において示したところによる。
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