● 児童生徒の運動競技について 昭和44年7月3日 文体体208



昭四四、七、三 文体体二〇八 
各都道府県教育委員会、各都道府県知事、附属学校を置く各国立大学長、各国立高等学校長あて 
文部事務次官通達

    児童生徒の運動競技について

 児童生徒の運動競技については、「学徒の対外運動競技の基準」(昭和三六年六月一〇日付け文部事務次官通達)によって実施されてきましたが、このたび文部省においては、学校体育のみならず広く一般社会における体育スポーツをいっそう活発にし、その健全な普及発達をはかるという見地から、保健体育審議会の答申に基づき、その基準を別紙のとおり改正しました。
 ついては、その適正な実施が行なわれるようご協力をお願いするとともに、このことについて、貴管下関係機関および団体に対し、周知徹底されるよう、よろしくお取り計らい願います。

別紙
   児童生徒の運動競技の基準

 児童生徒の運動競技は、それが適正に行なわれる場合には、心身の発達を促し、公正にして健全な社会的態度を育成するなどその教育効果はきわめて大きい。そこで児童生徒の運動競技については、その適正を期するため、次の要領によるものとする。

          記

1 学校教育活動としての対外運動競技について
(1) 対外運動競技の行なわれる地域の範囲および参加回数
 ア 小学校においては、校内における運動競技を原則とし、対外運動競技は行なわないものとする。
 イ 中学校の対外運動競技の行なわれる地域の範囲は、都道府県内を原則とする。
 ただし、隣接都府県程度の地域における対外運動競技については、関係都府県の教育委員会が適当と認めた場合においてはこの限りでない。なお、この場合における参加の回数は、各競技についてそれぞれ年一回程度にとどめるものとする。
 ウ 高等学校の対外運動競技の行なわれる地域の範囲は、都道府県内を原則とする。なお、地方的および全国的大会への参加の回数は、各競技についてそれぞれ年一回程度にとどめるものとする。
(2) 主催者
 中学校または高等学校の対外運動競技は、教育機関もしくは学校体育団体の主催またはこれらと関係競技団体との共同主催を基本とする。
(3) その他
 ア 対外運動競技は、生徒の心身の発達および男女の特性に応じたものでなければならない。
 イ 対外運動競技に参加する者については、本人の意志、健康、学業などをじゆうぶん考慮しなければならない。
 ウ 対外運動競技に参加する者については、あらかじめ、健康診断を受けさせなければならない。
 エ 応援については、児童生徒としてふさわしい態度をとるよう適正な措置をしなければならない。

2 学校教育活動以外の運動競技について
(1) 児童生徒の参加する学校教育活動以外の運動競技については、その適正な実施を期するため次の留意事項に基づいて、学校体育団体、競技団体、社会教育関係団体、教育機関などが協議し、主催者、競技会の規模、参加に要する経費、参加回数などについて具体的基準を設け、その適正な実施をはかるものとする。
 ア 運動競技会の主催者には、教育機関または教育関係団体を含むこと。
 イ 運動競技会の規模、日程などが児童生徒の心身の発達からみて無理がなく、学業にも支障がないこと。
 ウ 保護者は、児童生徒の活動競技会への参加にじゅうぶん責任をもつこと。また、主催者は、運動競技会へ参加する児童生徒の保護について適切な配慮を行なうこと。
 エ 運動競技会への参加に要する経費の負担が過重にならないこと。
 オ 運動競技会が営利などの目的に利用されないこと。
 カ 運動競技会における表彰は、児童生徒にふさわしい方法で行ない、金銭や高価な賞品を授与しないこと。
(2) 国際的競技会への参加手続について
 中学校生徒または高等学校生徒を国外で行なわれる国際的競技会に参加させようとする者は、都道府県教育委員会に協議するものとし、都道府県教育委員会は文部省に報告するものとする。





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