● 水泳等の事故防止について 昭和53年6月1日 文体ス第126号


文体ス第一二六号 昭和五三年六月一日
各都道府県教育委員会教育長あて
文部省体育局長通知


             水泳等の事故防止について


 このことについては、例年関係方面の御協力をいただいているところでありますが、毎年多くの犠牲者が出ていることは誠に遺憾であります。
 ついては、左記事項並びに別紙資料及び「学校における水泳事故防止必携」(改訂版)を参考として関係機関・団体と密接な協力の基に地域の実情に即した適切な措置をとり、事故防止の徹底を図るとともに衛生管理についても十分御配慮願います。
 なお、比較的管理の行いやすいと思われるプールにおいても排水口に引き込まれて死亡するなど不慮の事故が発生しているので、安全管理に万全を期するよう御留意願います。
 おつて、貴管内の教育委員会及び学校に対し、この通知の主旨の徹底を図るようお取り計らい願います。

                   記

1 水難事故発生の恐れのある場所には、市町村、警察署、消防署、保健所等との協力により、危険表示の掲示板や標識の整備、監視員の配備、巡回指導の徹底などについて適切な措置を講ずること。

2 水泳場の選定に当たつては、保健所その他の関係諸機関の協力を得て、農薬、油、工場廃液、その他浮遊物等による水の汚染状況、水底の状態、潮流などを必ず事前に調査して適切な場所を選定すること。また、水泳場には、水泳区域標識、監視所、救命用具などの事故防止のための施設・設備等を整えるとともに、救急体制を確立するよう配慮すること。

水泳プールについても施設や浄化装置等の附属設備について点検整備を十分に行うこと。

3 児童・生徒の水難事故が特に学校の夏季休業に入つた直後に多発する傾向にあるので、学校においては、泳ぎの指導とともに水泳心得を十分指導し、PTAなどを通じて家庭にも指導の主旨が徹底するよう配慮すること。

4 児童・生徒が個人やグループで水泳や水遊びに出かけるときには、必ず保護者や水泳の熟練者と同行するように指導するとともに、事前に、行き先、帰宅の予定日時、同行者等を家庭に知らせるよう習慣づけること。

5 集団で水泳を行う場合には、引率者や指導者の責任分担を明確にして、指導・監督が徹底するようにすること。また、班の編成に当たつては、引率者や指導者の指導・監督が全員に行き届く程度の人数に編成すること。

6 幼児の水難事故防止については、保護者が監督を怠ることのないように、広報等によつてこの主旨の徹底を図るとともに、関係機関・団体等の協力を得て、河川、用水堀、古井戸、防火用水、プールなどの事故発生の恐れのある場所について点検を行い、防護さく、ふた、危険表示の掲示板等を整備するなど、事故防止に万全の措置を講ずること。




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