● 学校における適正な進路指導について 昭和58年12月8日 文初職325



昭五八、一二、八 文初職三二五 
各都道府県教育委員会、各都道府県知事、附属学校を置く各国立大学長あて 
文部事務次官通知

    学校における適正な進路指導について

 このことについては、かねてから「学校における業者テストの取扱い等について」(昭和五一年九月七日付け文初職第三九六号)などをもって御配慮願っているところですが、中学校における進学指導の現状については、なお、業者テストによる偏差値が主要な資料として利用され、生徒の能力・適性全般にわたる評価や進路希望等が十分配慮されていないという事態が見受けられます。
 ついては、貴職におかれては、左記事項に御留意の上、中学校において適正な進路指導が行われるよう一層の御指導をお願いします。
 なお、このこととも関連して、文部省においては、高等学校入学者選抜方法の在り方について近く検討を開始することとしておりますので、その旨申し添えます。

          記

一 生徒の進路の選択に関する指導は、学校の教育活動全体を通じて的確に把握した個々の生徒の能力・適性や進路希望等に基づいて行うべきものであり、偏差値のみを重視してこれを行うことがないようにすること。
二 志望校選択のための偏差値等の資料を得ることを目的とする業者テストは、受験競争の過熱化を招くなどして、生徒の人間形成や学校の教育活動に好ましくない影響を及ぼす面があるので、学校においては、このような業者テストに依存することなく、主体的な進路指導の体制を確立するようにすること。
三 生徒の志望校や学科の選択に関する指導に当たっては、学校や学科の特色に十分配慮しながら、生徒の家庭との密接な連絡の下に、生徒の能力・適性や進路希望等に応じて、適切な選択が行われるよう指導し、生徒が目的意識や意欲をもって進学ができるように努めること。
四 学校においては、生徒の入学時から教育活動の様々な機会をとらえて進路指導を適切に行い、生徒が自らの進路を主体的に選択する能力や態度が十分育成されるよう努めること。





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