● 学校教育法施行規則の一部改正について(高校生の留学許可) 昭和63年2月3日 文初高72



昭六三、二、三 文初高七二 
各都道府県教育委員会、各都道府県知事、附属学校を置く各国立大学長あて 
文部事務次官通達

    学校教育法施行規則の一部改正について(高校生の留学許可)

 このたび、別添のとおり、「学校教育法施行規則の一部を改正する省令」(昭和六三年文部省令第四号)が二月三日に公布され、昭和六三年四月一日から施行されることとなりました。
 この省令改正の概要及び留意すべき事項は下記のとおりですので、事務処理上遺憾のないようお願いします。
 なお、都道府県教育委員会にあっては、その所管の学校及び管下の市町村教育委員会に対して、都道府県知事及び国立大学長にあっては、その管下の学校に対して、この趣旨を徹底されるようお願いします。

          記
一 改正の趣旨
 今回の改正は、高等学校の生徒が在学する高等学校を休学又は退学することなく外国の高等学校において教育を受け、国内の高等学校の単位として修得できるようにすることにより、外国の高等学校と我が国の高等学校との円滑な交流を促進し、高等学校教育の充実に資するよう所要の措置を講じたものであること。

二 高等学校における取扱い
(一) 高等学校の校長は、教育上有益と認めるときは、生徒が外国の高等学校に留学することを許可することができること。(第六一条の二第一項)
 今回の措置は、生徒が外国の高等学校において教育を受けることが教育上有益であると校長が判断した場合に実施するものであり、留学を許可するに当たっては、当該留学が生徒の教育上適切かどうか等を考慮する必要があること。
 また、外国の高等学校とは、外国における正規の後期中等教育機関をいうこと。
(二) 校長は、生徒の外国の高等学校における履修を国内の高等学校における履修とみなし、三〇単位内の範囲で単位の修得を認定することができること。(第六一条の二第二項)
 この場合、外国の高等学校においては、履修及び評価の形態が我が国の高等学校の場合と異なることが少なくないので、その実態に応じて適切な方法により、我が国の単位として換算して認定すること。
(三) 校長は、(二)により単位の修得を認定された生徒については、留学が終了した時点において、学年の途中においても、各学年の課程の修了又は卒業を認めることができること。(第六一条の二第三項)
 これは、学年をまたがって留学した生徒についての取扱いを規定したものであり、学年をまたがらないで留学した生徒については、従来どおり学年の終期において各学年の課程の修了又は卒業の認定を行うものであること。
(四) 校長は、留学を許可するに当たっては、あらかじめ外国の高等学校との間で協議を行い、当該留学の概要を把握するものとすること。
 ただし、やむを得ない事情により事前の協議を行うことが困難な場合には、学校間での事前の協議を欠くことも差し支えないこと。
(五) 今回の措置による留学は、生徒の身分取扱いに関する事項であり、かつ、生徒の卒業要件にかかわる事項でもあるので、実施に当たっては、あらかじめ、各高等学校において具体的な実施方法等について定めることが必要であること。
(六) (一)によらないで、生徒が在学中に休学を認められ、外国の高等学校で学習することは従来どおり差し支えないこと。
 ただし、この場合における外国の高等学校での学習については、高等学校における単位とみなし、また、当該休学期間を在学期間に算入するものではないこと。

三 施行期日等
(一) 今回の規則の改正は、昭和六三年四月一日から施行されること。
(二) 昭和六三年三月三一日以前に休学の許可を得て外国の高等学校で学習している生徒についても、昭和六三年四月一日以降相当と認められる場合は留学として取扱うことができること。

四 特殊教育諸学校高等部における取扱い
 特殊教育諸学校高等部についても、前記の措置に準ずることとしたこと。(第七三条の一六第五項による第六一条の二の準用)

別添 略





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