● 学校教育法等の一部を改正する法律の施行に伴う関係政令の整備に関する政令及び学校教育法施行規則等の一部を改正する省令等の公布について(中高一貫教育、高校入試関係) 平成10年11月24日 文初高475
各都道府県教育委員会、各都道府県知事、附属学校
を置く各国立大学長、国立久里浜養護学校長あて
文部省初等中等教育局長、文部省教育助成局長通知
学校教育法等の一部を改正する法律の施行に伴う関係政令の整備に関する政令及び学校教育法施行規則等の一部を改正する省令等の公布について
先の第一四二回国会において成立した「学校教育法等の一部を改正する法律」(以下「改正法」という。)の改正の趣旨及び概要については、既に本年六月二六日付け文部省初等中等教育局長及び教育助成局長通知(文初高第四七五号)により通知したところでありますが、この度、同改正を受け、別添一のとおり、学校教育法施行令等の関係政令の改正を行う「学校教育法等の一部を改正する法律の施行に伴う関係政令の整備に関する政令(平成一〇年政令第三五一号)」(以下「改正政令」という。)が平成一〇年一〇月三〇日に公布され、平成一一年四月一日から施行されることとなりました。
また、別添二のとおり、「学校教育法施行規則等の一部を改正する省令(平成一〇年文部省令第三八号)」(以下「改正省令」という。)が平成一〇年一一月一七日に公布され、平成一一年四月一日から施行されることとなりました。
あわせて、別添三のとおり、「中等教育学校並びに併設型中学校及び併設型高等学校の教育課程の基準の特例を定める件(平成一〇年文部省告示第一五四号)」(以下「文部省告示」という。)が平成一〇年一一月一七日に公布され、平成一一年四月一日から施行されることとなりました。
これらの改正においては、第一に、改正法による中高一貫教育制度の実施に伴う関係規定の整備として、改正政令においては、就学事務等に係る関係規定の整備及び教職員給与費、施設整備費等に係る各国庫負担・補助制度、定時制教育又は通信制教育に従事する実習助手等に係る資格制度等において中等教育学校の前期課程又は後期課程をそれぞれ・中学校又は高等学校と同様の取扱いとするための規定の整備を行っています。
また、改正省令においては、中等教育学校に係る教科・学科、入学、退学、転学等の諸規定の整備及び同一の設置者が設置する中高一貫教育を行う中学校及び高等学校(以下「併設型中学校」及び「併設型高等学校」という。)に係る諸規定の整備を行うとともに、中学校及び高等学校において設置者間の協議に基づき中高一貫教育を行う場合の当該中学校及び高等学校(以下「連携型中学校」及び「連携型高等学校」という。)に係る教育課程の編成・実施等に係る規定の整備を行っています。
第二に、高等学校の入学者選抜の改善については、平成八年七月一九日及び平成九年六月二六日の中央教育審議会答申における提言等を踏まえ、平成九年一一月二八日付け文初高第二四三号「高等学校の入学者選抜の改善について」により通知したところでありますが、中高一貫教育制度の実施にあわせ、高等学校の入学者選抜について、生徒の多様な能力、適性等を多面的に評価するとともに、一層各高等学校の特色を生かした選抜を行いうるように、その選抜方法について設置者及び各高等学校の裁量の拡大を図るための学校教育法施行規則の規定の整備を行っています。
これらの概要及び留意点については左記のとおりですので、十分にご了知の上、各都道府県等における中高一貫教育実践研究事業等を通じ、中高一貫教育の推進に向けた積極的な取組みをいただくようお願いします。
また、各都道府県教育委員会及び各都道府県知事におかれては、域内の市町村教育委員会、所轄の学校及び学校法人等に対しても本件につき周知されるようお願いします。
記
第一 中高一貫教育制度の実施に伴う中等教育学校等にかかる関係規定の整備
一 学校教育法等の一部を改正する法律の施行に伴う関係政令の整備に関する政令関係
(一) 中等教育学校及び併設型中学校に係る就学手続き
ア 就学予定者に対する入学期日等の通知、学校の指定等(学校教育法施行令(以下「施行令」という。)第五条、第六条、第七条及び第八条関係)
中等教育学校及び併設型中学校への入学は当該学校への入学希望者についての選抜を経て決定されるものであることから、市町村の教育委員会は、これらの学校への入学者については、当該市町村の就学予定者及び新たに学齢簿に記載された学齢生徒等に対して行う就学すべき学校の指定並びに保護者の申立による就学指定された学校の変更の対象としないこととするとともに、当該学校の校長に対して、就学すべき学校の指定に伴う氏名及び入学期日の通知を行うことを要しないこととしたこと。
イ 中等教育学校及び併設型中学校への就学手続き(施行令第九条関係)
保護者が学齢生徒を中等教育学校又は併設型中学校に就学させようとする場合には、当該学校における就学を承諾する権限を有する者の承諾を証する書面を添え、その住所の存する市町村の教育委員会に届出を行うこととしたこと。
また、市町村が設置する中等教育学校又は併設型中学校に他の市町村の学齢生徒を入学させようとする場合、その入学は選抜を経て決定されるものであることから、当該市町村の教育委員会は当該学齢生徒の住所の存する市町村の教育委員会とあらかじめ協議を行うことを要しないこととしたこと。
なお、市町村が設置する中等教育学校又は併設型中学校に当該市町村に住所の存する学齢生徒を入学させようとする場合の保護者の届出は就学先についての当該生徒の意志を確認するために行われるものであり、当該事務手続きは、簡略なものとするよう配慮すること。
ウ 中等教育学校又は併設型中学校に在学する学齢生徒が退学した場合の取扱い(施行令第一〇条関係)
中等教育学校又は併設型中学校に在学する学齢生徒が義務教育の課程を修了する前に退学した場合には、当該学校の校長は学齢生徒の住所の存する市町村の教育委員会にこれを通知することとしたこと。
エ 中等教育学校に在学する学齢生徒に関する教育委員会への通知等(施行令第一二条、第一九条及び第二〇条関係)
中等教育学校に在学する学齢生徒で在学中に盲者等となったものがある場合には、当該生徒の在籍する中等教育学校の校長は速やかに当該生徒の住所の存する市町村の教育委員会に対してその旨を通知しなければならないこととしたこと。
また、中等教育学校の校長は、当該学校に在学する学齢生徒についてその出席状況を明らかにしておくとともに、出席状況が正当な理由なく良好でない場合には、速やかに当該生徒の住所の存する市町村の教育委員会に対してその旨を通知しなければならないこととしたこと。
オ 中等教育学校の前期課程の全課程修了者の通知(施行令第二二条関係)
中等教育学校の校長は、当該学校に在学する学齢生徒が前期課程の全課程を修了した場合には、その旨を当該生徒の住所の存する市町村の教育委員会に通知しなければならないこととしたこと。
(二) 中等教育学校に係る認可及び届出事項
中等教育学校の後期課程の学科の設置及び廃止等について、監督庁の認可事項とするとともに、市町村立・中等教育学校に係る名称変更等について、都道府県の教育委員会に対する届出事項としたこと。(施行令第二三条及び第二六条関係)
(三) 中等教育学校の技能教育施設の指定
中等教育学校の後期課程に係る技能教育施設について、高等学校に係る技能教育施設の指定についての規定を準用するものとしたこと。(施行令第三九条関係)
(四) 中等教育学校及び併設型中学校・併設型高等学校の教職員定数等に係る取扱い
ア 公立義務教育諸学校の学級編成及び教職員定数の標準に関する法律施行令の一部改正(改正政令第二条関係)
公立の中等教育学校の前期課程に係る学級編制及び教職員定数の標準は、現行の中学校と同等の標準としたこと。
なお、公立の併設型中学校は、公立義務教育諸学校の学級編制及び教職員定数の標準に関する法律施行令の各規定中の「中学校」に含まれるものであること。
イ 公立高等学校の設置、適正配置及び教職員定数の標準等に関する法律施行令の一部改正(改正政令第三条関係)
公立の併設型高等学校の適正規模は、各設置者において適切に判断するものとしたこと。
公立の中等教育学校の後期課程に係る学級編制及び教職員定数の標準は、現行の高等学校と同等の標準としたこと。
なお、公立の併設型高等学校は、公立の高等学校の設置、適正配置及び教職員定数の標準等に関する法律施行令の各規定中の「高等学校」に含まれるものであること。
ウ 義務教育費国庫負担法第二条但書の規定に基き教職員給与費等の国庫負担額の最高限度を定める政令の一部改正(改正政令第四条関係)
都道府県立の併設型中学校並びに都道府県立及び市町村立の中等教育学校の前期課程に係る教職員給与費等を国庫負担の対象としたこと。
なお、公立の併設型中学校は、義務教育費国庫負担法第二条但書の規定に基き教職員給与費等の国庫負担額の最高限度を定める政令の各規定中の「中学校」に含まれるものであること。
エ 教育公務員特例法施行令の一部改正(改正政令第一九条関係)
市町村立の中等教育学校(定時制の課程のみを置くものを除く。)の県費負担教職員について、教諭等として一定の教職経験のあるもので、当該市町村教育委員会が教諭の職務の遂行に必要な事項についての知識または経験の程度を勘案し、初任者研修を実施する必要がないと認めるものを初任者研修の対象から除くものとしたこと。
(五) 中等教育学校及び併設型中学校・併設型高等学校の施設等に係る取扱い
ア 義務教育諸学校施設費国庫負担法施行令の一部改正(改正政令第五条関係)
公立の併設型中学校及び中等教育学校の前期課程の建物について、必要面積及び基準面積については中学校と同様の取扱いとしたほか、工事費の算定方法についての特例を設けることとしたこと。
イ 公立高等学校危険建物改築促進臨時措置法施行令の一部改正(改正政令第六条関係)
公立の中等教育学校の後期課程(全日制の課程を除く。)の建物について、基準面積については高等学校と同様の取扱いとしたこと。
なお、公立の併設型高等学校の定時制の課程及び通信制の課程は、公立高等学校危険建物改築促進臨時措置法施行令の各規定中の「高等学校」に含まれるものであること。
ウ 公立学校施設災害復旧費国庫負担法施行令の一部改正(改正政令第二一条関係)
公立の中等教育学校の前期課程の建物又は後期課程の建物について、新築費の算定方法等についてはそれぞれ中学校又は高等学校と同様の取扱いとしたこと。
なお、公立の併設型中学校又は併設型高等学校は、公立学校施設災害復旧費国庫負担法施行令の各規定中の「中学校」又は「高等学校」に含まれるものであること。
(六) その他の規定の整備
その他関係政令について、定時制教育又は通信制教育に従事する実習助手等に係る各種資格制度等において中等教育学校の卒業者を高等学校の卒業者と同等に取り扱うこととする等の所要の規定の整備を行ったこと。
(改正政令第七条から第一八条、第二〇条、第二二条から第三一条、第三三条から第五六条及び附則第二項関係)
二 学校教育法施行規則等の一部を改正する省令関係
(一) 中等教育学校に係る認可及び届出事項
ア 私立の中等教育学校の設置、廃止等に係る届出(学校教育法施行規則(以下「施行規則」という。)第二条関係)
私立の中等教育学校の前期課程における二部授業の実施、後期課程の学科、専攻科又は別科の設置、廃止等について都道府県知事への届出事項としたこと等。
イ 学則の記載事項(施行規則第四条関係)
通信制の課程を置く中等教育学校の後期課程の設置の認可の申請又は届出の際の提出書類中の学則における記載事項を定めたこと。
ウ 認可の申請又は届出に係る添付書類等(施行規則第七条の三及び第七条の七関係)
中等教育学校の後期課程の全日制・定時制・通信制の課程、学科、専攻科若しくは別料の設置及び廃止に係る認可の申請又は届出に係る添付書類等について定めたこと。
(二) 中等教育学校の校長及び教頭の資格要件
中等教育学校の校長の資格要件について、専修免許状を有し、五年以上の教育に関する職の経験を有することとするとともに、中等教育学校の教頭の資格要件について、中学校教諭の専修免許状又は一種免許状及び高等学校教諭の専修免許状を有し、五年以上の教育の職の経験を有することとしたこと。
また、このうち免許状に係る要件については、当分の間の特例を設けていること。(施行規則第八条、第一〇粂及び附則(平成元年三月二二日文部省令第三号)第四項から第七項関係)
(三) 中等教育学校の設置基準及び教育課程等の取扱い
ア 中等教育学校の設置基準等(施行規則第六五条の二及び第六五条の三関係)
中等教育学校の後期課程の設備、編制及び学科の種類については、高等学校設置基準の規定を準用することとしたこと。
なお、中等教育学校の前期課程については中学校と同様の取扱いとなるものであること。
イ 中等教育学校の前期課程の授業時数(施行規則第六五条の四関係)
中等教育学校の前期課程の各学年における必修教科等の授業時数、選択教科等に充てる授業時数及び各学年におけるこれらの総授業時数については、施行規則別表第三の二に定めるところによるものとしたこと。
ウ 中等教育学校の教育課程の基準(施行規則第六五条の五及び第六五条の六関係)
中等教育学校の教育課程については、前期課程に関しては中学校学習指導要領の規定を、後期課程に関しては高等学校学習指導要領の規定をそれぞれ準用するとともに、教育課程の基準の特例として文部大臣が別に定めるところ(文部省告示)によるものとしたこと。
エ 中等教育学校への入学(施行規則第六五条の七関係)
中等教育学校への入学については、設置者の定めるところにより、校長がこれを許可することとしたこと。この場合、公立の中等教育学校においては、学力検査を行わないこととしたこと。
なお、具体的な選抜方法としては、当該中等教育学校の特色に応じて、生徒の適性等を判断する適切な方法で行われるよう努め、受験競争の低年齢化を招くことがないよう十分に配慮すること。
オ 中等教育学校の後期課程の通信制の課程及び単位制の課程の基準(施行規則第六五条の八及び第六五条の九関係)
中等教育学校の後期課程に通信制の課程を置く場合の設備、編制等については、高等学校通信教育規定の規定を準用するとともに、中等教育学校の後期課程に単位制の課程を置く場合の入学等に関する必要な事項については、単位制高等学校教育規程の規定を準用することとしたこと。
カ 関連規定の中等教育学校への準用(施行規則第六五条の一〇関係)
教務主任、学年主任等の設置、各学年の課程の修了又は卒業を認めるに当たっての成績の評価、編入学の許可等に関する中学校及び高等学校に係る学校教育法施行規則上の規定を中等教育学校に準用することとしたこと。
また、学級の編成等に関する施行規則上の中学校に係る規定を中等教育学校の前期課程に、学科主任、農場長等の設置、留学、他の高等学校等における学修の単位認定等に関する施行規則上の高等学校に係る諸規定を中等教育学校の後期課程にそれぞれ準用することとしたこと。
キ 中等教育学校の前期課程の特殊学級(施行規則第七三条の一七、第七三条の一九及び第七三条の二一関係)
中等教育学校の前期課程における特殊学級の一学級の標準について、法令の定めのある場合を除き、一五人以下とするとともに、特殊学級に係る教育課程について、特に必要がある場合には、特別の教育課程によることができることとしたこと等。
(四) 併設型中学校及び併設型高等学校の教育課程等の取扱い
ア 併設型中学校及び併設型高等学校の教育課程の基準(施行規則第六五条の一一関係)
併設型中学校及び併設型高等学校の教育課程については、教科の種類等について、それぞれ中学校又は高等学校の基準を適用するほか、教育課程の基準の特例として文部大臣が別に定めるところ(文部省告示)によるものとしたこと。
イ 併設型中学校及び併設型高等学校の教育課程の編制(施行規則第六五条の一二関係)
併設型中学校及び併設型高等学校においては、中学校における教育と高等学校における教育を一貫して施すため、設置者の定めるところにより教育課程を編制するものとしたこと。
なお、設置者は、教育委員会規則等において、当該中学校及び高等学校が学校教育法第五一条の一〇の規定により中高一貫教育を施すものである旨を明らかにするとともに、各学校において学校間の協議を経て教育課程を編成する旨を定めるものとすること。
ウ 併設型高等学校への入学(施行規則第六五条の一三関係)
併設型高等学校においては、当該高等学校に係る併設型中学校の生徒については入学者の選抜を行わないものとしたこと。
エ 関連規定の併設型中学校への準用(施行規則第六五条の一四関係)
併設型中学校の教科の授業時数について施行規則別表第三の二によることとするとともに、併設型中学校への入学については、中等教育学校の場合と同様の取扱いとするものとしたこと。
(五) 連携型中学校及び連携型高等学校の教育課程等の取扱い
ア 連携型中学校及び連携型高等学校の教育課程の編成及び実施(施行規則第五四条の三及び第五七条の四関係)
中学校及び高等学校においては、高等学校又は中学校における教育との一貫性に配慮した教育を施すため、当教学校の設置者が設置者間の協議に基づき定めるところにより、教育課程を編成することができることとするとともに、当該中学校及び高等学校は、両者が連携してそれぞれの教育課程を実施するものとしたこと。
なお、この連携型・中学校の設置者及び連携型高等学校の設置者は、それぞれの教育委員会規則等により、これらの学校が学校教育法施行規則第五四条の三又は第五七条の四の規定により中高一貫教育を施すものである旨を明らかにするとともに、各学校においては学校間の協議を経て教育課程を編成する旨を定めるものとすること。また、連携型中学校及び連携型高等学校において教育課程を実施するに当たっては、例えば、連絡協議会を設けるなどの連携を確保するための方策等についても定めることが望ましいこと。
イ 連携型高等学校の入学者選抜(施行規則第五四条の四及び第五九条関係)
連携型高等学校における入学者の選抜は、第五四条の三第一項の規定により編成する教育課程に係る連携型中学校の生徒については、連携型の中高一貫教育の趣旨が生かせるよう、調査書及び学力検査の成績以外の資料により行うことができることとしたこと。
(六) その他の規定の整備
ア 中等教育学校及び併設型中学校における懲戒処分(施行規則第一三条関係)
公立の中等教育学校及び併設型中学校においては、学齢生徒に対して懲戒処分としての退学処分を行うことができるものとしたこと。
イ 学齢簿の記載事項、高等学校における学校間連携について定めるとともに、その他関係省令について、公立の中等教育学校の後期課程における学級編制の基準に係る報告について定める等所要の規定の整備を行ったこと。(施行規則第三〇条及び第六三条の三並びに改正省令第二条から第二五条関係)
三 中等教育学校並びに併設型中学校及び併設型高等学校の教育課程の基準の特例関係
(一) 中等教育学校の前期課程及び併設型中学校に係る特例
各学年において、必修教科の授業時数から七〇単位時間を超えない範囲で授業時間を減じ、その減じた授業時数を当該必修教科の内容を代替することのできる内容の選択教科の授業時数の増加に充てることができることとしたこと。ただし、各学年において、必修教科の授業時数から減ずる授業時数は、各必修教科当たり三五単位時間を限度としたこと。(施行規則別表第三の二備考第五及び文部省告示第一項第一号ニ関係)
選択教科の授業時数については、外国語は各学年において一〇五から一四〇単位時間を標準とし、特に必要がある場合には、標準授業時数の標準の限度を超えて必要な授業時数を定めることができることとしたこと。また、外国語以外の選択教科は、三五単位時間の範囲内で必要な授業時数を定めることとし、特に必要がある場合には、三五単位時間を超えて必要な授業時数を定めることができることとしたこと。(文部省告示第一項第一号イ及びロ関係)
また、選択教科の種類については、各学年とも中学校学習指導要領第二章に示す全ての教科を開設できることとしたこと。(文部省告示第一項第一号ハ関係)
(二) 中等教育学校の後期課程及び併設型高等学校に係る特例
普通科においては、「その他の科目」及び「その他特に必要な教科」に関する科目に係る修得単位数を、合わせて三〇単位まで卒業に必要な単位数に加えることができることとしたこと。(文部省告示第一項第二号関係)
第二 高等学校入学者選抜の改善
(一) 現在、高等学校の入学者選抜については、調査書その他必要な書類、選抜のための学力検査の成績等を資料として行うこととなっており、特別の事情のあるときは、調査書又は学力検査の成績のいずれかを用いないことができることとなっているが、調査書及び学力検査の成績のいずれをも用いずに行うことはできないこととなっている。今回の改正は、施行規則第五九条第三項のただし書を削り、調査書及び学力検査のいずれをも用いず、他の方法によることを可能とすることとしたものであること。(施行規則第五九条第二項及び第三項関係)
(二) 高等学校の入学者選抜の改善については、平成五年二月二二日付け文初高第二四三号「高等学校の入学者選抜について」及び平成九年一一月二八日付け文初高第二四三号「高等学校の入学者選抜の改善について」を踏まえて、選抜方法の多様化と評価尺度の多元化の観点から様々な取組が行われているところであるが、平成九年六月の中央教育審議会答申及び同年二月の上記通知において示しているように、生徒の多様な能力・適性等を多面的に評価するとともに、各高等学校の特色を生かした選抜を行うためには、その選抜方法について、都道府県レベルにとどまらず、各高等学校レベルで一層工夫を生かした方途を講ずることができるようにする必要がある。
今回の改正は、このような考えの下に中等教育の多様化を推進する中高一貫教育制度の実施にあわせて、高等学校の入学者選抜の方法について、設置者及び学校の裁量の拡大を図ることとしたものであること。
Copyright© 執筆者,大阪教育法研究会