● 義務教育諸学校教科用図書検定基準 平成11年1月25日 文部省告示第15号
文部省告示第十五号
義務教育諸学校教科用図書検定基準
教科用図書検定規則(平成元年文部省令第二十号)第三条の規定に基づき、義務教育諸学校教科用図書検定基準を次のとおり定める。
記
平成十一年一月二十五日
平成一二年一二月一一日 文部省告示第一八一号 改正
平成一四年八月二九日 文部科学省告示第一七二号 改正
目次
第1章 総則
第2章 各教科共通の条件
1 範囲及び程度
2 選択・扱い及び組織・分量
3 正確性及び表記・表現
第3章 各教科固有の条件
〔国語科(「書写」を除く。)〕
〔国語科「書写」〕
〔社会科(「地図」を除く。)〕
〔社会科「地図」〕
〔算数科及び数学科〕
〔理科〕
〔生活科〕
〔音楽科〕
〔図画工作科及び美術科〕
〔体育科及び保健体育科〕
〔家庭科及び技術・家庭科〕
〔外国語科〕
附則
第1章 総則
学校教育法に規定する小学校、中学校、中等教育学校の前期課程並びに盲学校、聾学校及び養護学校の小学部及び中学部の教科用図書の検定においては、その教科用図書が、教科課程の構成に応じて組織排列された教科の主たる教材として、教授の用に供せられる児童又は生徒用図書であることにかんがみ、教育基本法に定める教育の目的、方針など並びに学校教育法に定めるその学校の目的及び教育の目標に基づき、第2章及び第3章に掲げる各項目に照らし適切であるかどうかを審査するものとする。
第2章 各教科共通の条件
1 範囲及び程度
(1) 小学校学習指導要領(平成10年文部省告示第175号)又は中学校学習指導要領(平成10年文部省告示第176号)(以下「学習指導要領」という。)に示す教科及び学年、分野又は言語の「目標」(以下「学習指導要領に示す目標」という。)に従い、学習指導要領に示す学年、分野又は言語の「内容」(以下「学習指導要領に示す内容」という。)及び「内容の取扱い」(「指導計画の作成と各学年にわたる内容の取扱い」及び「指導計画の作成と内容の取扱い」を含む。以下「学習指導要領に示す内容の取扱い」という。)に示す事項を不足なく取り上げていること。
(2) 本文、問題、説明文、注、資料、作品、挿絵、写真、図など教科用図書の内容(以下「図書の内容」という。)には、学習指導要領に示す目標、学習指導要領に示す内容及び学習指導要領に示す内容の取扱いに照らして、不必要なものは取り上げていないこと。ただし、本文以外の図書の内容において、学習指導要領に示す内容や学習指導要領に示す内容の取扱いに示す事項との適切な関連の下、学習指導要領に示す目標や学習指導要領に示す内容の趣旨を逸脱せず、児童又は生徒の負担過重とならない範囲で、学習指導要領に示す内容及び学習指導要領に示す内容の取扱いに示す事項以外の事項(以下「学習指導要領に示していない内容」という。)を取り上げることができること。
(3) 図書の内容は、その学年の児童又は生徒の心身の発達段階に適応しており、その能力からみて程度が高過ぎるところ又は低過ぎるところはないこと。
2 選択・扱い及び組織・分量
(1) 図書の内容(学習指導要領に示していない内容を除く。)の選択及び扱いには、学習指導要領に示す目標、学習指導要領に示す内容及び学習指導要領に示す内容の取扱いに照らして不適切なところ、その他児童又は生徒が学習する上に支障を生ずるおそれのあるところはないこと。また、学習指導要領に示していない内容を取り上げる場合には、その内容の選択及び扱いには、学習指導要領に示す目標や学習指導要領に示す内容の趣旨に照らして不適切なところ、その他児童又は生徒が学習する上に支障を生ずるおそれのあるところはないこと。
(2) 政治や宗教の扱いは公正であり、特定の政党や宗派又はその主義や信条に偏っていたり、それらを非難していたりするところはないこと。
(3) 話題や題材の選択及び扱いは、児童又は生徒が学習内容を理解する上に支障を生ずるおそれがないよう、特定の事項、事象、分野などに偏ることなく、全体として調和がとれていること。
(4) 図書の内容に、児童又は生徒が学習内容を理解する上に支障を生ずるおそれがないよう、特定の事柄を特別に強調し過ぎていたり、一面的な見解を十分な配慮なく取り上げていたりするところはないこと。
(5) 図書の内容は、厳選されており、網羅的、羅列的になっているところはないこと。
(6) 話題や題材が他の教科にわたる場合には、十分な配慮なく専門的な知識を扱っていないこと。
(7) 図書の内容に、他の教科、学習指導要領に示す他の分野又は他の領域、道徳及び特別活動の内容と矛盾するところや不必要に重複しているところはないこと。
(8) 図書の内容に、心身の健康や安全及び健全な情操の育成について必要な配慮を欠いているなど学校教育全般の方針に反しているところはないこと。
(9) 図書の内容(学習指導要領に示していない内容を除く。)は、全体として系統的、発展的に組織されており、学校教育法施行規則別表第1又は別表第2に定める授業時数並びに学習指導要領に示す内容及び学習指導要領に示す内容の取扱いに照らして、全体の分量及びその配分は適切であること。また、学習指導要領に示していない内容を取り上げる場合には、その分量は適切であること。
(10) 図書の内容の組織及び相互の関連は適切であること。
(11) 図書の内容のうち、説明文、注、資料などは、主たる記述と適切に関連付けて扱われていること。
(12) 学習指導要領に示していない内容を取り上げる場合には、それ以外の内容と区別され、学習指導要領に示していない内容であることが明示されていること。
(13) 実験、観察、実習、調べる活動などに関するものについては、児童又は生徒が自ら当該活動を行うことができるよう適切な配慮がされていること。
(14) 引用、掲載された教材、写真、挿絵、統計資料その他の著作物は、信頼性のある適切なものが選ばれ、著作権法上必要な出所や著作者名その他必要に応じて出典、年次など学習上必要な事項が示されていること。
(15) 図書の内容に、特定の営利企業、商品などの宣伝や非難になるおそれのあるところはないこと。
(16) 図書の内容に、特定の個人、団体などの権利や利益を侵害するおそれのあるところはないこと。
3 正確性及び表記・表現
(1) 図書の内容に、誤りや不正確なところ、相互に矛盾しているところはないこと。
(2) 図書の内容に、児童又は生徒がその意味を理解し難い表現や、誤解するおそれのある表現はないこと。
(3) 漢字、仮名遣い、送り仮名、ローマ字つづり、用語、記号、計量単位などの表記は適切であって不統一はなく、別表に掲げる表記の基準によっていること。
(4) 図、表、グラフ、地図などは、各教科に応じて、通常の約束、方法に従って記載されていること。
第3章 各教科固有の条件
〔国語科(「書写」を除く。)〕
1 範囲及び程度
(1) 小学校の第4学年において取り扱うローマ字のつづり方については、「ローマ字のつづり方」(昭和29年内閣告示第1号)の第1表及び第2表(「そえがき」を含む。)によっていること。
2 選択・扱い及び組織・分量
(1) 小学校の各学年において、次の場合には、小学校学習指導要領第2章第1節別表「学年別漢字配当表」において当該学年より後の学年に配当されている漢字又は「学年別漢字配当表」に掲げられている漢字以外の漢字を必要に応じて使用することができること。
ア 固有名詞
イ 専門的な用語
ウ 学習上特に必要と認められる場合
(2) 「学年別漢字配当表」において当該学年より後の学年に配当されている漢字又は「学年別漢字配当表」に掲げられている漢字以外の漢字を使用する場合には、少なくとも単元ごとの初出の際に読み方を示すものとすること。
(3) 小学校の第2学年以降の学年においては、「学年別漢字配当表」において当該学年の1年前の学年に配当されている漢字を学習することができるよう必要な配慮がされていること。
(4) 中学校においては、3学年間を通して、「学年別漢字配当表」において小学校の第6学年に配当されている漢字を学習することができるよう必要な配慮がされていること。
(5) 新出の文字及び語句の提出の方法は適切であり、特定の単元やページに偏っていないこと。
(6) 学習する上の配慮による表現内容の改変は最小限にとどめ、原則として、原作を尊重していること。
(7) 異本や異版のある作品については、適切な配慮がされていること。
〔国語科「書写」〕
1 選択・扱い及び組織・分量
(1) 手本、作例などに、偏った筆使いや字形をもつものなどの不適切なものは取り上げていないこと。
(2) 使用する用具は、硬筆は鉛筆を、毛筆は兼毫を主としていること。
(3) 書写される漢字の字体については、児童又は生徒の習得の程度に応じて、「とめ」、「はね」などに関して活字とは異なった書写の便宜上行われている形のあることを理解させる上に必要な配慮がされていること。
(4) 漢字の筆順は、原則として一般に通用している常識的なものによっており、行書で筆順が異なる字については、適切な説明を加えていること。なお、漢字の楷書、行書及び仮名の書き方の理解を深める際に、法帖や碑文等の文字を取り上げる場合には、原則として歴史的に評価の定まったものを用いていること。
2 正確性及び表記・表現
(1) 手本、作例などの印刷は正確であること。
〔社会科(「地図」を除く。)〕
1 範囲及び程度
(1) 中学校学習指導要領第2章第2節の第3「指導計画の作成と内容の取扱い」の1の(3)に示す「適切な課題を設けて行う学習」は、取り上げなくても差し支えないこと。
2 選択・扱い及び組織・分量
(1) 小学校学習指導要領第2章第2節の第2「各学年の目標及び内容」の〔第6学年〕の2「内容」の(1)のウの「建造物や絵画」並びにオの「歌舞伎や浮世絵」及び「国学や蘭学」については、いずれも取り上げていること。
(2) 小学校学習指導要領第2章第2節の第2「各学年の目標及び内容」の〔第6学年〕の3「内容の取扱い」の(3)のアについては、3か国程度を取り上げ、選択して学習することができるよう配慮がされていること。
(3) 未確定な時事的事象について断定的に記述しているところはないこと。
(4) 近隣のアジア諸国との間の近現代の歴史的事象の扱いに国際理解と国際協調の見地から必要な配慮がされていること。
(5) 著作物、史料などを引用する場合には、評価の定まったものや信頼度の高いものを用いていること。また、法文を引用する場合には、原典の表記を尊重していること。
(6) 日本の歴史の紀年について、重要なものには元号及び西暦を併記していること。
〔社会科「地図」〕
1 範囲及び程度
(1) 小学校においては、基本として次のような地図を取り上げていること。
ア 地図の初歩的な読み方を理解させるための諸図
イ 日本全図、日本地域別図、世界全図及び世界大陸別図
(2) 中学校においては、基本として次のような地図を取り上げていること。
ア 地図の読み方を理解させるための諸図
イ 日本全図、日本地域別詳細図、世界全図、世界大陸別図及び世界主要地域詳細図
(3) (1)及び(2)の諸地図に関連して、学習上必要な各種の主題図を取り上げていることは差し支えないこと。
(4) 小学校においては、世界主要地域詳細図、世界の自然条件図などの諸図を取り上げていないこと。
〔算数科及び数学科〕
1 範囲及び程度
(1) 中学校学習指導要領第2章第3節の第3「指導計画の作成と内容の取扱い」の2に示す「課題学習」は、取り上げなくても差し支えないこと。
(2) 学習指導要領に示していない内容を取り上げる場合を除き、学習指導要領に示す内容について、後の学年において扱うこととされている内容を、その学年の内容に関連付けて取り上げていないこと。
2 選択・扱い及び組織・分量
(1) 定理、公式等の知識や計算技能の習得に偏ることなく、学習内容のねらい、有用性などが明らかになるよう配慮されていること。
〔理科〕
1 範囲及び程度
(1) 小学校学習指導要領第2章第4節の第2「各学年の目標及び内容」の〔第5学年〕の2「内容」の「A 生物とその環境」の(2)のア及びイ、「B 物質とエネルギー」の(3)のア及びイ並びに〔第6学年〕の2「内容」の「C 地球と宇宙」の(1)のウ及びエについては、いずれも取り上げていること。
(2) 中学校の第1分野及び第2分野においては、中学校学習指導要領第2章第4節の第2「各分野の目標及び内容」に示す項目のすべてを取り上げていること。
2 選択・扱い及び組織・分量
(1) 小学校学習指導要領第2章第4節の第2「各学年の目標及び内容」の〔第5学年〕の2「内容」の「A 生物とその環境」の(2)のア及びイ、「B 物質とエネルギー」の(3)のア及びイ、〔第6学年〕の2「内容」の「C 地球と宇宙」の(1)のウ及びエ、並びに中学校学習指導要領第2章第4節の第2「各分野の目標及び内容」の〔第1分野〕の2「内容」の(7)のイの(ア)及び〔第2分野〕の2「内容」の(7)のイの(ア)については、選択して学習することができるよう配慮がされていること。
(2) 中学校学習指導要領第2章第4節の第2「各分野の目標及び内容」の〔第1分野〕の2「内容」の(7)及び〔第2分野〕の2「内容」の(7)については、自然科学的な見地から扱っていること。
〔生活科〕
1 選択・扱い及び組織・分量
(1) 具体的な活動や体験を通した学習がなされるよう適切な配慮がされていること。
〔音楽科〕
1 範囲及び程度
(1) 小学校学習指導要領に示す「共通教材」はすべて取り上げていること。
2 選択・扱い及び組織・分量
(1) 小学校学習指導要領に示す「共通教材」は、楽曲の性格に即して適切に扱われていること。
(2) 国歌「君が代」及び小学校学習指導要領に示す「共通教材」である歌唱教材には、その学年に応じた漢字交じりの歌詞を別記し、その他の歌唱教材には、必要に応じて、その学年に応じた漢字交じりの歌詞を別記していること。
(3) 表現教材における調の選択に当たっては、その学年の児童又は生徒の声域並びに楽器の特性などを十分考慮していること。
(4) 音楽の記号及び用語並びに楽曲の構成などに関するものについては、単なる理論や概念の学習に偏ることなく、楽曲と関連付けて扱われていること。
(5) 楽曲には、作曲者名、作詞者名、編曲者名、採譜者名などが示されていること。
3 正確性及び表記・表現
(1) 楽譜の表記は適切であり、不統一はないこと。また、楽譜の大きさは適切であること。
〔図画工作科及び美術科〕
1 範囲及び程度
(1) 小学校学習指導要領に示す内容のうち「B 鑑賞」については、「A 表現」と関連付けて取り上げていること。
(2) 小学校学習指導要領第2章第7節の第3「指導計画の作成と各学年にわたる内容の取扱い」の1の(4)に示す「共同してつくりだす活動」及び中学校学習指導要領第2章第6節の第3「指導計画の作成と内容の取扱い」の2の(2)に示す「共同で行う創造活動」は、取り上げなくても差し支えないこと。
2 選択・扱い及び組織・分量
(1) 材料及び用具の選択及び扱いには、学習を進める上で不適切なところはないこと。
(2) 色に関する学習は、単なる知識偏重の学習とならないよう配慮されていること。
(3) 参考作品及び鑑賞作品の図版には、作者名のほか、原則として、年代、国名、大きさなどが付記されていること。また、美術館などに所蔵されているものについては、必要に応じて所在を示すよう配慮されていること。
3 正確性及び表記・表現
(1) 作品、参考作品、鑑賞作品及び説明図の印刷は正確であること。
〔体育科及び保健体育科〕
1 範囲及び程度
(1) 小学校においては、小学校学習指導要領第2章第9節の第2「各学年の目標及び内容」のうち、〔第3学年及び第4学年〕の2「内容」の「F 保健」及び〔第5学年及び第6学年〕の2「内容」の「G 保健」のみを取り上げていること。
(2) 中学校の体育分野においては、中学校学習指導要領第2章第7節の第2「各分野の目標及び内容」のうち、〔体育分野〕の2「内容」の「H 体育に関する知識」のみを取り上げていること。
(3) 小学校学習指導要領第2章第9節の第3「指導計画の作成と各学年にわたる内容の取扱い」の2の(7)に示す「課題を解決したりしていくような学習」及び中学校学習指導要領第2章第7節の第2「各分野の目標及び内容」の〔保健分野〕の3「内容の取扱い」の(10)に示す「課題学習」は、取り上げなくても差し支えないこと。
2 選択・扱い及び組織・分量
(1) 小学校学習指導要領第2章第9節の第2「各学年の目標及び内容」の〔第5学年及び第6学年〕の「G 保健」の(2)のウについては、「A 体つくり運動」の(1)のアと、中学校学習指導要領第2章第7節の第2「各分野の目標及び内容」の〔体育分野〕の2「内容」の「H 体育に関する知識」の(2)については、「A 体つくり運動」の(1)、「B 器械運動」の(1)、「C 陸上競技」の(1)、「D 水泳」の(1)、「E 球技」の(1)、「F 武道」の(1)及び「G ダンス」の(1)と、並びに〔保健分野〕の2「内容」の(1)のエについては、〔体育分野〕の内容の「A 体つくり運動」の(1)のアと、それぞれ密接な関連を持たせて取り上げていること。
〔家庭科及び技術・家庭科〕
1 範囲及び程度
(1) 中学校の〔技術分野〕及び〔家庭分野〕においては、中学校学習指導要領第2章第8節の第2「各分野の目標及び内容」に示す項目のすべてを取り上げていること。
2 選択・扱い及び組織・分量
(1) 中学校学習指導要領第2章第8節の第2「各分野の目標及び内容」の〔技術分野〕の2「内容」の「A 技術とものづくり」の(5)及び(6)、「B 情報とコンピュータ」の(5)及び(6)並びに〔家庭分野〕の「A 生活の自立と衣食住」の(5)及び(6)、「B 家族と家庭生活」の(5)及び(6)については、選択して学習することができるよう配慮がされていること。
(2) 中学校学習指導要領第2章第8節の第2「各分野の目標及び内容」の〔技術分野〕の2「内容」の「B 情報とコンピュ一タ」のうち、コンピュ一タに関するハードウェア、機器の操作、プログラムの作成及びソフトウェアの利用については、一般的な例を扱い、その際、必要に応じて異なる例への適切な配慮がされていること。
(3) 実習といわゆる座学との組織及び分量の配分は適切であること。
(4) 実験及び実習における作業の安全について適切な配慮がされていること。
〔外国語科〕
1 選択・扱い及び組織・分量
(1) 各学年の教材の選択及び扱いには、実践的コミュニケーション能力を育成する上に適切な配慮がされており、特に「聞くこと」及び「話すこと」の言語活動に重点をおいて指導できるよう配慮がされていること。
2 正確性及び表記・表現
(1) 言語表現は、原則としてその外国語の現代慣用によっていること。
附 則
1 この告示は平成11年10月1日から施行し、小学校及び中学校の教科用図書については平成14年度以降の使用に係るものの検定から適用する。
2 義務教育諸学校教科用図書検定基準(平成元年文部省告示第43号)は、廃止する。ただし、平成11年9月30日までに検定の申請が受理される中学校の教科用図書の検定については、なお、従前の例による。
附 則
(施行期日)
1 この告示は、内閣法の一部を改正する法律(平成11年法律第88号)の施行の日(平成13年1月6日)から施行する。
附 則
この告示は、公布の日から施行し、平成十七年度以降の使用に係る教科用図書の検定から適用する。
別表
[区分] 表記の基準
[漢字]
(1) 小学校において使用する漢字は、国語科を除き「学年別漢字配当表」に示されたその学年までの漢字の範囲に限るものとし、その使用法については、「常用漢字表」(昭和56年内閣告示第1号)によること。また、国語科を除き、その学年に配当された漢字がその学年において取り上げられる場合には、少なくとも各冊ごとの初出の際に読み方を示すこと。
(2) 中学校において使用する漢字の範囲及びその使用法については「常用漢字表」によること。ただし、原典をそのまま載せる必要のある場合には、これによらないことができること。この場合においては、少なくとも初出の際に読み方を示すこと。
(3) 固有名詞又は専門的な用語について、やむを得ず(1)又は(2)によらない場合には、少なくとも各冊ごとの初出の際に読み方を示すこと。
(4) 常用漢字の字体については、「常用漢字表」によること。ただし、教科書体活字を使用する場合には、「学年別漢字配当表」に示された漢字の字体を標準とし、その他の常用漢字については、これに準ずること。
(5) 常用漢字以外の漢字の字体については、慣用を尊重すること。
[仮名]
平仮名を用いること。ただし、外来語、擬声語、生物名などを表記する場合、原典をそのまま載せる必要のある場合及び地図の地名に振り仮名を付ける場合などは、この限りでないこと。この場合において、片仮名を用いる場合には、原則として、「外来語の表記」(平成3年内閣告示第2号)第1表及び第2表によること。
[文体]
特に学習上必要な場合及び原典をそのまま載せる必要のある場合を除き、現代口語文を用いること。
[仮名遣い]
(1) 現代口語文においては、「現代仮名遣い」(昭和61年内閣告示第1号)を用いること。ただし、近代詩歌などの原典をそのまま載せる必要がある場合には、この限りでないこと。
(2) 文語文においては、原則として歴史的仮名遣いを用いるものとし、必要に応じて、適切な配慮をすること。ただし、音楽科の歌詞については、歌詞が文語文の場合でも、小学校においては現代仮名遣いを用い、中学校においては、「現代仮名遣い」を用いるか又は併記すること。
[送り仮名]
(1) 「送り仮名の付け方」(昭和48年内閣告示第2号)の通則1から通則6までの「本則」及び「例外」、通則7並びに「付表の語」(1のなお書きの部分を除く。)によること。ただし、次の場合には、この限りでないこと。
ア 固有名詞、歴史的名辞などを書き表す場合
イ 専門的な用語を使用する場合
ウ 原典、史料、法令などを引用する場合
エ 漢文の送り仮名を表記する場合
オ 漢字を記号的に用いたり、表に記入したりする場合
[ローマ字つづり]
「ローマ字のつづり方」の第1表(「そえがき」を含む。)によること。ただし、必要のある場合は、同告示第2表によることができること。
[地名・人名]
(1) 我が国の地名の表記は、法令などの官報に記載されたものによるが、不備のものについては、国土地理院発行地形図及び海上保安庁水路部発行海図に記載されたものによること。
(2) 外国の国名の表記は、原則として外務省編集協力「世界の国一覧表」によること。
(3) 外国の地名及び人名の表記については、慣用を尊重すること。
(4) 人名のうち、通常、漢字で表記されるものについては、常用漢字の範囲内に限定しないでそのまま表記すること。ただし、児童又は生徒の発達段階からみて無理があると認められる場合には、仮名書きにすることができること。
[用語・記号等]
(1) 学習指導要領に示す用語(楽曲名及び音楽家名を含む。)及び記号で児童又は生徒用として適当なものは、これによること。
(2) 地図記号は、特殊なものを除き、国土地理院発行地形図記載の地図記号によること。
(3) (1)及び(2)以外の用語及び記号で各教科に対応した学術用語集、日本工業規格(JIS)、日本農林規格(JAS)又は文部科学省著作「教育用音楽用語」に示すものについては、児童又は生徒に理解が困難であると認められる場合及び生活の中に定着している用語によることが適当である場合を除き、これらによること。
[計量単位]
(1) 「計量法」(平成4年法律第51号)に規定する計量単位を用いること。ただし、当該計量単位の中に国際単位系(SI)の単位がある場合には、原則としてこれによること。
(2) 特定の目的に慣用上又は学術上認められる単位で、計量法の規定に抵触していないと認められるものは用いることができること。
Copyright© 執筆者,大阪教育法研究会