● 幼児児童生徒の安全確保及び学校の安全管理に関し緊急に対応すべき事項について(池田小学校事件関連) 平成13年6月11日 13文科初373



13文科初三七三 平成一三年六月一一日
各都道府県教育委員会教育長、各指定都市教育委員会教育長あて
文部科学省初等中等教育局長、文部科学省スポーツ・青少年局長通知


  幼児児童生徒の安全確保及び学校の安全管理に関し緊急に対応すべき事項について


 去る六月八日、大阪教育大学教育学部附属池田小学校において、児童及び教職員が殺傷されるという事件が発生いたしました。
 幼児児童生徒の安全確保及び学校の安全管理については、これまでも「幼児児童生徒の安全確保及び学校の安全管理について」(平成一二年文初小第五〇〇号)等により、各学校等において適切な方策を講じられるようお願いしてきたところであり、このたびの事件に関わる文部科学大臣談話(別紙一)においても、緊急の再点検をお願いしております。
 各学校等においては、現在、再点検等を進めていただいているところと思いますが、今回の事件は国民に大きな衝撃を与えるとともに、類似事件の発生等についての不安も国民の間に生じてきております。
 ついては、各教育委員会におかれては、至急、教育委員会の会議を開催し、学校長や関係団体、関係機関の意見等を聞きつつ、事件の再発防止等の観点から、所管の学校について、当面緊急に講じるべき事項をただちに決定し、適切な対策を講じていただくようお願いします。
 その際、特に、不審者に対する対応策については、出入り口での確認等不審者を識別するための方策、校内の巡回等不審者を発見するための方策、万一、学校内に不審者が立ち入った場合における幼児児童生徒への迅速な注意喚起や緊急避難のための誘導の方策等を中心に早急に具体的な対応策を定め、所管の学校において措置していただくようお願いします。
 さらに、都道府県教育委員会にあっては、域内の市町村教育委員会においても、各学校の設置者として、至急、教育委員会の会議を開催し、所管の学校で同様に必要な取組が行われるよう周知方お願いします。
 なお、対策を講ずるに当たっては、PTA等との連携が重要であると考えられるため、社団法人日本PTA全国協議会をはじめとする関係団体の長宛の協力依頼を別途発出しておりますので、参考のため添付いたします。(別紙二)


別紙一

文部科学大臣談話
平成一三年六月八日

 この度の事件は、あまりにも痛ましく、決して許されない出来事であります。
 まずもって、今回被害にあわれた児童のみなさん、けがをされた方々に対し、心からのご冥福とお見舞いを申し上げます。
 子どもたちが楽しく安心して学べる場であるはずの学校で、このような多数の児童や教員が犠牲となる事件が起きたことは、誠に残念であり、二度と繰り返されてはならず、関係者が全力で再発を防ぐ必要があります。
 我が省としては、平成一二年一月に「幼児児童生徒の安全確保についての点検項目」を取りまとめ、各学校及び教育委員会に対し、学校の安全管理のための方策を講じていただいているところですが、この際、改めて、緊急の再点検をお願いいたします。
 また、保護者やPTAをはじめ地域の関係団体の方々におかれても、幼児児童生徒の安全確保について、地域ぐるみで取り組んでいただくようお願いいたします。
 最近大人社会において、残虐な事件が頻発している風潮がみられ、学校だけでは対応できない事態に鑑み、社会全体でこうした卑劣な行為を断じて許さないとの思いを共有していただきたいと、この機会に強く訴えたいと思います。

(注) 文部科学省では、平成一二年一月に「幼児児童生徒の安全確保についての点検項目」を取りまとめ、各学校及び教育委員会においては、日頃から、学校の安全管理のための方策を講じるよう通知しているところ。

(注) 本日、直ちに、岸田副大臣を本部長とする「大阪教育大学教育学部附属池田小学校事件対策本部」を設置したところであり、また、池坊大臣政務官を現地に派遣し、今回の事件についての実態を把握して対応策を講じる。

別紙二

13文科初第三七三号
平成一三年六月一一日

/社団法人日本PTA全国協議会会長/社団法人全国高等学校PTA連合会会長/全国国公立幼稚園PTA連絡協議会会長/全日本私立幼稚園PTA連合会会長代行/全国国立大学附属学校PTA連合会会長/全国盲学校PTA連合会会長/全国聾学校PTA連合会会長/全国知的障害養護学校PTA連合会会長/全国肢体不自由養護学校PTA連合会会長/全国病弱虚弱教育学校PTA連合会会長/)あて

文部科学省生涯学習政策局長
文部科学省初等中等教育局長
文部科学省高等教育局長
文部科学省スポーツ・青少年局長

幼児児童生徒の安全確保及び学校の安全管理に関する協力のお願いについて(協力依頼)

 去る六月八日、大阪教育大学教育学部附属池田小学校において、児童及び教職員が殺傷されるという事件が発生いたしました。
 文部科学省といたしましては、幼児児童生徒の安全確保及び学校の安全管理について、これまでも「幼児児童生徒の安全確保及び学校の安全管理について」(平成一二年文初小第五〇〇号)等により、各学校等において適切な方策を講じられるようお願いしてきたところであり、このたびの事件に関わる文部科学大臣談話(別紙一)においても、学校の安全管理のための方策についての緊急の再点検をお願いしております。
 このような状況の中、各学校等においても再点検等を進めているところですが、事件の重大性や類似事件の再発防止等の観点から、不審者への対策など、特に緊急に各学校等において対応策を講じることが必要であると考えられる事項について、早急に対応策を講じていただくよう改めて通知を発出したところです。(別紙二〜四)
 しかしながら、各学校等において対策を講ずるに当たっては、PTAをはじめとする保護者の皆様の御理解と御協力が不可欠であると考えられます。
 ついては、各学校との密接な連携の下、必要な取組が進められますよう御協力をお願い申し上げます。





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