● 公立義務教育諸学校の学級編制及び教職員定数の標準に関する法律施行令の一部改正における教育上特別の配慮を必要とする児童又は生徒に対する特別の指導等に対する教職員定数の特例加算について(児童生徒支援加配) 平成14年4月1日 14初財務第4の1号
14初財務第三の一号 平成一四年四月一日
各都道府県教育委員会義務教職員定数担当課長・指導事務担当課長あて
文部科学省初等中等教育局財務課長通知
公立義務教育諸学校の学級編制及び教職員定数の標準に関する法律施行令
の一部改正における教育上特別の配慮を必要とする児童又は生徒に対する
特別の指導等に対する教職員定数の特例加算について
公立義務教育諸学校の学級編制及び教職員定数の標準に関する法律施行令の一部改正については、「公立義務教育諸学校の学級編制及び教職員定数の標準に関する法律施行令の一部改正等について」(文部科学省初等中等教育局長通知・平成一四文科初第二七号・平成一四年四月一日)により通知しているところですが、今回の一部改正により、教育上特別の配慮を必要とする児童又は生徒に対する特別の指導に係る加配措置に関して、新たに「学習指導上、生徒指導上又は進路指導上特別の配慮が必要と認められる事情を有する児童又は生徒に対して当該事情に応じた特別の指導」が行われる場合に教頭及び教諭等定数の加算(以下「児童生徒支援加配」という。)を行えるようにするとともに、地域の社会的条件についての教育上特別の配慮を必要とする事情に係る加配措置に関して、新たに「市町村の合併の特例に関する法律(昭和四〇年法律第六号)第二条第一項に規定する市町村の合併が平成一七年三月三一日までに行われ、かつ同法第五条第一項の規定に基づき作成された市町村建設計画に基づく統合のため教育上特別の配慮を必要とすると認められる」場合に教頭及び教諭等定数の加算(以下「市町村合併加配」という。)を行えるようにしたところです。
ついては、児童生徒支援加配及び市町村合併加配については、左記の点に十分に留意され、適切な運用を図るようお願いします。
記
I 児童生徒支援加配
一 児童生徒支援加配の趣旨
児童生徒支援加配は、学習進度が著しく遅い児童又は生徒が在籍する学校及びいじめ、不登校、暴力行為、授業妨害など児童又は生徒の問題行動等が顕著に見られる学校等、特にきめ細かな指導が必要とされる学校において、児童生徒の状況に応じ、特別な学習指導、生徒指導、進路指導が行われる場合に教員定数を加配するものである。
二 定数加配の対象となる特別の指導の範囲
学習指導、生徒指導、進路指導に関する特別な指導については次のような指導とする。
(例)
(一) 学習指導に関すること
@ 児童生徒の学力の調査・分析
A 習熟度別指導への参加
B 学習進度の遅い児童生徒に対する補充指導(ティームティーチング、放課後・長期休業期間中の個別指導)
C 出席停止期間中の家庭への訪問指導
(二) 生徒指導に関すること
@ 円滑な学級経営が困難な場合の援助活動(ティームティーチング等)
A 深刻な問題行動を起こす児童生徒や不登校児童生徒等に対する個別指導・支援(校内の別室指導、保健室登校への対応、適応指導教室等との連携協力など)
B 児童相談所、警察などの関係機関との連絡・調整
C サポートチームへの参加
(三) 進路指導に関すること
@ 就職活動の支援(進路情報の収集・提供、職場開拓など)
A 進学の支援(進路情報の収集・提供、校種間連携など)
B 奨学金制度等に関する情報収集・提供、相談
三 定数加配を行う上での留意事項
(一) 児童生徒支援加配は、従来の同和加配とは異なり地域を限定して加配するものではなく、児童生徒の状況に着目し、学習指導上、生徒指導上又は進路指導上特別の配慮を行う必要性に照らして措置するものであること。
(二) 児童生徒支援加配は、毎年度、各都道府県内の学校及び児童又は生徒の実情を的確に把握した上で、客観的な判断基準の下、指導上の困難度が高い学校から優先的、重点的に定数加配を行うこと。従って、前年度に加配した学校であるという理由のみでの定数加配は行わないこと。
(三) 定数加配が行われた学校に対しては、都道府県教育委員会、市町村教育委員会は、特別の指導が適切に実施されているか計画的に学校訪問を行うほか、学校長等からの報告を求めるなどにより、正確な把握に努め、この定数加配がその趣旨に反して活用されることがないようにすること。
II 市町村合併加配
一 市町村合併加配の趣旨
市町村合併加配は、市町村合併に伴い学校が統合された場合に、当該学校の児童又は生徒については、もともと異なる市町村等の学校に通学していたことなどから、より一層教育上の配慮が必要であると考えられるため、統合された学校について教員定数の激変緩和措置を講ずるものである。
二 定数加配の対象となる特別の配慮を必要とすると認められる場合の範囲
特別の配慮を必要とすると認められる場合については、異なる市町村等に存在していた学校を統合した場合又は同一市町村等内に存在する学校を統合した場合であって、異なる市町村等にまたがる通学区域を設定した場合等、異なる市町村等の学校に通学していた児童又は生徒が、統合された学校に相当程度通学することとなる場合とする。
三 加配の方法
市町村合併加配については、例えば小学校の場合、第一学年の児童が第二学年になる際に統合が行われた場合、当該第二学年の児童が卒業するまでの五年間措置することが必要であることから、小学校については五年間、中学校については二年間を加配措置の継続期間とする。
なお、加配措置数については、初年度については、統合前の各学校について算定した教頭及び教諭等の数の合計数と統合後の学校について算定した教頭及び教諭等の数の合計数との差とするが、第二年次以降については、特別の配慮が必要な児童又は生徒が減少していくことから、当該期間において、小学校については五分の一ずつ、中学校については二分の一ずつ逓減させるものとする。
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