● 国立大学法人法等の施行に伴う関係政令の整備等に関する政令及び公立の義務教育諸学校等の教育職員を正規の勤務時間を超えて勤務させる場合等の基準を定める政令の施行について 平成15年12月25日 15文科初第940号



15文科初第940号 平成15年12月25日
各都道府県知事,各都道府県教育委員会,各都道府県人事委員会あて
文部料学省初等中等教育局長 近藤信司


    国立大学法人法等の施行に伴う関係政令の整備等に関する政令及び
    公立の義務教育諸学校等の教育職員を正規の勤務時間を超えて勤務
    させる場合等の基準を定める政令の施行について(通知)


 このたび,別添のとおり,「国立大学法人法等の施行に伴う関係政令の整備等に関する政令」(以下「整備政令」という。)及び「公立の義務教育諸学校等の教育職員を正規の勤務時間を超えて勤務させる場合等の基準を定める政令」がそれぞれ平成15年12月3日政令第483号及び政令第484号をもって公布され,平成16年4月1日から施行されることとなりました。
 整備政令は,「国立大学法人法等の施行に伴う関係法律の整備等に関する法律」(平成15年7月16日法律第117号,以下「法」という。)の施行に伴い,関係する政令について,公立の高等学校,中等教育学校及び盲・聾・養護学校の実習助手及び寄宿舎指導員についての準用規定並びに定時制通信教育手当及び産業教育手当の支給対象となる公立の高等学校の実習助手の範囲についての規定等所要の規定の整備を行うものです。
 また,公立の義務教育諸学校等の教育職員を正規の勤務時間を超えて勤務させる場合等の基準を定める政令は,法による改正後の「公立の義務教育諸学校等の教育職員の給与等に関する特別措置法」(昭和46年5月28日法律第77号)第6条の規定に基づくものです。すなわち,公立学校の教育職員に時間外勤務を命ずる場合については,これまで国立学校の教育職員の例を基準として条例で定める場合と規定されていましたが,法による改正により当該規定が削除され,新たに政令で定める基準に従い条例で定める場合とする規定(第6条)が設けられたため,この規定に基づき公立学校の教育職員に時間外勤務を命ずる場合等の基準を定める政令を定めるものです。
 これらの政令のうち,公立の義務教育諸学校等に係る事項の概要及び留意事項は下記のとおりですので,各都道府県においては,今後,これらの政令の趣旨に沿って,条例の見直し等につき適切に措置されるようお願いします。また,都道府県教育委員会におかれては,域内の市町村長及び市町村教育委員会に対して,本改正の周知を図るとともに,適切な事務処理が図られるよう御配慮願います。

     記

第1 国立大学法人法等の施行に伴う関係政令の整備等に関する政令関係

1 教育公務員特例法施行令の改正(整備政令第6条)
(1)公立学校の実習助手及び寄宿舎指導員の給与について
 法による改正後の「教育公務員特例法」(昭和24年法律第1号,以下「教特法」という。)第30条に基づき,教育公務員特例法施行令(昭和24年政令第6号。以下「教特法施行令」という。)において,公立の高等学校,中等教育学校及び盲・聾・養護学校の実習助手及び寄宿舎指導員について,これまで準用されていた法による改正前の教特法の規定に相当する規定(改正後の教特法第11条,第12条第2項,第13条,第14条,第17条,第18条,第21条,第22条,第25条及び第29条の規定中教員に関する部分の規定)を準用することとしたこと(改正後の教特法施行令第9条第2項)。
 これにより,公立の高等学校,中等教育学校及び盲・聾・養護学校の実習助手及び寄宿舎指導員の給与については,法による改正後の教特法第13条を準用することとなるので,校長及び教員と同様に,その職務と責任の特殊性に基づき条例で定めることとなること及び義務教育等教員特別手当の支給対象となること。
(2)この他,法の施行に伴い,所要の規定の整備を行ったこと。

2 高等学校の定時制教育及び通信教育振興法施行令の改正(整備政令第13条)
(1)法による改正後の「高等学校の定時制教育及び通信教育振興法」(昭和28年法律第238号)第5条第2号の規定に基づき,「高等学校の定時制教育及び通信教育振興法施行令」(昭和29年政令第312号)において,定時制の課程又は通信制の課程を置く公立の高等学校の実習助手であって,その技術が優秀と認められるものとして,定時制通信教育手当の支給対象となる者について,これまでと同様に,
 @ 高等学校若しくは中等教育学校を卒業した者若しくは高等専門学校の第三学年の課程を修了した者又はこれらと同等以上の学力かあると認められる者で,その者の従事する実験又は実習に関し技術優秀と認められるもの
 A 三年以上担当実習に関連のある実地の経験を有する者で,当該担当実習に関し技術優秀と認められるもの
 と規定するとともに,所要の規定の整備を行ったこと。
(2)ただし,各地方公共団体が地域や学校の実態を考慮してより弾力的に定時制通信教育手当の支給対象となる実習助手を決定できるよう。これまで国立の高等学校の実習助手について定めていた(高等学校卒業者等と)「同等以上の学力があると文部科学大臣が認める者」という要件については,各地方公共団体において(高等学校卒業者等と)「同等以上の学力があると認められる者」としたこと。

3 産業教育手当の支給を受ける実習助手の範囲を定める政令の改正(整備政令第22条)

(1)法による改正後の「農業,水産,工業又は商船に係る産業教育に従事する公立の高等学校の教員及び実習助手に対する産業教育手当の支給に関する法律」(昭和32年法律第145号)第3条第2号の規定に基づき,「産業教育手当の支給を受ける実習助手の範囲を定める政令」(昭和33年政令第315号)において,農業,水産,工業,電波又は商船に関する課程を置く公立の高等学校の実習助手であって,その技術が優秀であるものとして,産業教育手当の対象となる者について,これまでと同様に,
 @ 高等学校若しくは中等教育学校を卒業した者若しくは高等専門学校の第三学年の課程を修了した者又はこれらと同等以上の学力があると認められる者で,その者の従事する実験又は実習に関し技術優秀と認められるもの
 A 三年以上担当実習に関連のある実地の経験を有する者で,当該担当実習に関し技術優秀と認められるもの
 と規定したこと。
(2)ただし,各地方公共団体が,地域や学校の実態を考慮してより弾力的に産業教育手当の支給対象となる実習助手を決定できるように,これまで国立の高等学校の実習助手について定めていた(高等学校卒業者等と)「同等以上の学力があると文部科学大臣が認める者」という要件については,各地方公共団体において(高等学校卒業者等と)「同等以上の学力があると認められる者」とするとともに,これまで「文部科学大臣の定めるところにより教諭の職務を助ける者」として産業教育手当支給規則(昭和32年文部省令第17号)で定められていた要件については削除したこと。

第2 公立の義務教育諸学校等の教育職員を正規の勤務時間を超えて勤務させる場合等の基準を定める政令

(1)現行の「教育職員に対し時間外勤務を命ずる場合に関する規程」(昭和46年文部省訓令第28号。以下「旧規程」という。)のうち,公立学校の教育職員について基準とされていた規程と同じ内容を規定するものであること。
(2)概要は以下のとおりであること。
 @ 教育職員については,正規の勤務時間の割振りを適正に行い,原則として時間外勤務を命じないものとすること。(第1号関係)
 A 教育職員に対し時間外勤務を命ずる場合は,次に掲げる業務に従事する場合であって臨時又は緊急のやむを得ない必要があるときに限るものとすること。(第2号関係)
 ア)校外実習その他生徒の実習に関する業務
 イ)修学旅行その他学校の行事に関する業務
 ウ)職員会議に関する業務
 エ)非常災害の場合,児童又は生徒の指導に関し緊急の措置を必要とする場合その他やむを得ない場合に必要な業務
(3)留意事項は以下のとおりであること。
 @ 公立の義務教育諸学校等の教育職員の正規の勤務時間を超える勤務に関しては,昭和46年7月9日付け通達文初財第377号「国立及び公立の義務教育諸学校等の教育職員の給与等に関する特別措置法の施行について」における関係部分は,引き続き効力を有するものであること。
 A 旧規程第5条(宿日直勤務)に相当する規定は,設けなかったが,宿日直勤務については,従前のとおりとするものであること。

別添 略



--------------------------------------------------------------------------------
● 公立の義務教育諸学校等の教育職員を正規の勤務時間を超えて勤務させる場合等の基準を定める政令 平成15年12月3日 政令第484号

    公立の義務教育諸学校等の教育職員を正規の勤務時間を超えて勤務させる場合
    等の基準を定める政令

(平成15年12月3日政令第484号)

 内閣は,国立大学法人法等の施行に伴う関係法律の整備等に関する法律(平成十五年法律第百十七号)の施行に伴い,及び公立の義務教育諸学校等の教育職員の給与等に関する特別措置法(昭和四十六年法律第七十七号)第六条第一項(同条第三項において準用する場合を含む。)の規定に基づき,この政令を制定する。
 公立の義務教育諸学校等の教育職員の給与等に関する特別措置法(以下「法」という。)第六条第一項(同条第三項において準用する場合を含む。)の政令で定める基準は,次のとおりとする。

一 教育職員(法第六条第一項に規定する教育職員をいう。次号において同じ。)については,正規の勤務時間(同項に規定する正規の勤務時間をいう。以下同じ。)の割振りを適正に行い,原則として時間外勤務(正規の勤務時間を超えて勤務することをいい,同条第三項各号に掲げる日において正規の勤務時間中に勤務することを含む。次号において同じ。)を命じないものとすること。

二 教育職員に対し時間外勤務を命ずる場合は,次に掲げる業務に従事する場合であって臨時又は緊急のやむを得ない必要があるときに限るものとすること。
 イ 校外実習その他生徒の実習に関する業務
 ロ 修学旅行その他学校の行事に関する業務
 ハ 職員会議(設置者の定めるところにより学校に置かれるものをいう。)に関する業務
 ニ 非常災害の場合,児童又は生徒の指導に関し緊急の措置を必要とする場合その他やむを得ない場合に必要な業務

   附 則
 この政令は,平成十六年四月一日から施行する。




Copyright© 執筆者,大阪教育法研究会