● 未履修科目に関する授業の実施等について 平成18年11月8日 18初教課第29号
18初教課第29号 平成18年11月8日
各都道府県教育委員会高等学校教育主管課長
各指定都市教育委員会高等学校教育主管課長
各都道府県私立学校担当課長
各国立大学法人附属学校担当課長 宛
文部科学省初等中等教育局教育課程課長(常盤豊)
文部科学省初等中等教育局児童生徒課長(木岡保雅)
未履修科目に関する授業の実施等について(通知)
このたび18文科初第757号により「平成18年度に高等学校の最終年次に在学する必履修科目未履修の生徒の卒業認定等について(依命通知)」(以下「依命通知」という。)を通知しましたが、未履修科目に関する授業の実施等について、別添のとおり「未履修科目に関する授業の実施等に関する運用指針」を作成しましたので通知します。
都道府県・指定都市教育委員会は、所管の学校及び域内の市町村教育委員会等に対し、都道府県にあっては所轄の私立学校に対し、国立大学法人にあってはその管下の附属学校に対し、これらの趣旨についての周知を図るようお願いいたします。
別添
未履修科目に関する授業の実施等に関する運用指針
1 平成18年度に高等学校の最終年次に在学する生徒を対象とした未履修科目に関する授業の実施について
標記の件については、各学校長が未履修の状況や生徒の実態等を踏まえ、次の点に留意し、責任をもって適切に未履修科目について授業を実施することとする。
(1) 未履修科目の履修にかかる総授業時間数が70単位時間以下の場合の実施を要する授業時間数
授業は、未履修科目の履修にかかる総授業時間数が70単位時間以下の場合は、当該総授業時間数分の授業を行うことを基本とするが、一般的に教務規程等において総授業時間数の3分の2以上の授業への出席で履修を認定するとされていることを考慮し、その範囲内で授業時間数を減じ、減じた部分については(3)で示すようなレポートの提出等を行うことが望ましいこと。
(2) 未履修科目の履修にかかる総授業時間数が70単位時間を超える場合の各科目への時間の割り振り
未履修科目の履修にかかる総授業時間数が70単位時間を超える場合には、70単位時間の授業を行う必要があり、未履修の各科目を単位数に応じて基本的に均等に割り振って授業を実施すること。
なお、70単位時間を超える未履修科目の履修にかかる授業時間数についてはこれを免除するが、当該免除した単位時間数については、(3)で示すようなレポートの提出等による履修を要すること。
(3) 授業を免除された単位時間数にかかるレポートの提出等による履修について
授業を行わないこととした授業時間数については、それぞれの科目の特性等に応じて、例えば次のようなものが考えられること。
・ 教科書や当該科目に関連する書籍を読んだり、ビデオ教材やDVD教材を視聴した上でのレポートの提出
・ 課題プリントやワークシートの提出
・ 作品の提出
(4) 未履修科目にかかる授業の実施の報告、チェック体制について
未履修科目にかかる授業の実施を計画するに当たっては、各学校は設置者と協議の上、実施の計画を策定次第、公立高等学校にあっては設置者である都道府県又は市町村の教育委員会、私立高等学校にあっては所轄する都道府県知事に届け出ること。
各教育委員会及び各都道府県知事に対しては、後日、授業の実施状況の確認を依頼するので、確認の上文部科学省にご報告願いたいこと。
2 就職活動における調査書の取扱いについて
各高等学校は、平成18年度に高等学校の最終年次に在学する必履修科目が未履修の生徒及び必履修科目を未履修で既に高等学校を卒業した者が、就職希望先に調査書を提出した後にあっては、未履修科目名等を提出した就職希望先に早急に連絡すること。その際は、本通知及び依命通知の写しも送付すること。また、提出前にあっては、調査書にその事実を明記すること。その際は、別紙の「未履修教科・科目がある場合の調査書作成要領」を踏まえて対応願いたいこと。
なお、このことについては、別途、主要経済団体代表者等に対して、採用選考に当たり、就職を希望する生徒について未履修科目があることをもって不利益に取り扱うことのないよう配慮するとともに、既に採用内定がなされている場合であっても同様の配慮をされたい旨の依頼通知を発出することとしていること。
3 既卒者に対する未履修科目に係る授業の実施について
必履修科目を未履修で既に高等学校を卒業した者が、当該科目の学習を希望する場合には、当該者が卒業した高等学校及び当該高等学校を所管する教育委員会等は、関係の高等学校や教育委員会等との連携を密にして、当該者からの相談を受け、当該高等学校はもとより当該者が現に居住する地域の高等学校における科目等の履修や公開講座の実施について周知を図るなど、学習機会の提供に努めること。
(別紙)
未履修教科・科目がある場合の調査書作成要領
未履修教科・科目の調査書作成については、下記のとおりとする。
1 「学習の記録」欄については,「教科・科目」欄に未履修教科・科目名を記入し,「評定」欄は空白とする。
なお,今後未履修教科・科目の授業を受け,評定可能と判断できる状態になった時以降は,直近の成績を総合し,高等学校として判定した評定を「評定」欄に記入することができる。
○記入例(略)
2 「学習の記録」欄外(下の空きスペース)には,
@未履修教科・科目名
A未履修は,生徒の責めに帰すべき事由によるものではないこと
を記入する。
○記入例(略)
------------------------------------------------------------
18文科初第767号 職発第1110055号 平成18年11月10日
各都道府県知事、主要経済団体代表者、
採用を担当する国の機関、独立行政法人及び特殊法人の長 宛
文部科学省初等中等教育局長(銭谷眞美)
厚生労働省職業安定局長(橋満)
新規高等学校卒業者の採用選考における
調査書の取扱い等について(通知)
このたび高等学校において、高等学校学習指導要領の規定により、すべての生徒に履修させる各科目(以下「必履修科目」という。)を生徒に履修させないなど、学習指導要領に反する事例が判明しました。
この件について、平成18年11月2日別添1のとおり各都道府県教育委員会教育長、各指定都市教育委員会教育長、各都道府県知事、附属学校を置く各国立大学法人学長あて、文部科学省初等中等教育局長依命通知が発出されていますが、これに関連して新規高等学校卒業者の採用選考における調査書について下記1、既に高等学校を卒業した者の取扱いについては下記2、のようにお取り扱いいただきますようお願い申し上げます。
各都道府県知事にあっては、域内の市町村に対して、主要経済団体代表者にあっては、関係事業所に対しての周知徹底を図られるよう格別の御配慮をお願い申し上げます。また、採用を担当する国の機関、独立行政法人及び特殊法人の長にあっては、関係ある事項について十分御了知の上、遺漏のないようお取り計らい願います。
記
1 新規高等学校卒業者の採用選考における調査書の取扱いについて
各都道府県知事、主要経済団体代表者、採用を担当する国の機関、独立行政法人及び特殊法人の長は、新規高等学校卒業者における採用選考の調査書について、別添1通知の記1及び2を踏まえ、就職採用選考に当たり、平成18年度に高等学校の最終年次に在学する必履修科目が未履修の生徒を、未履修科目があることをもって不利益に取り扱うことのないよう御配慮願います。また、既に採用内定がなされている場合にあっても同様に御配慮願います。
なお、高等学校から発行される調査書については、別添2「未履修科目に関する授業の実施等に関する運用指針」2のとおりとします。
2 既に高等学校を卒業した者の取扱いについて
(1) 必履修科目を未履修で既に高等学校を卒業した者で、就職採用選考に当たり調査書を必要とする者及び既に調査書を提出した者の取扱いについては、前記1と同様の御配慮をお願いします。
(2) 必履修科目を未履修で既に高等学校を卒業した者で、すでに雇用されている者については、別添1通知の記2により、各学校長において当該者の卒業認定を取り消す必要はないこととして取り扱われるため、当該者の雇用については影響を生じないよう御配慮願います。
別添1 「平成18年度に高等学校の最終年次に在学する必履修科目未履修の生徒の卒業認定等について(依命通知)」 (略)
別添2「未履修科目に関する授業の実施等に関する運用指針」(略)
Copyright© 執筆者,大阪教育法研究会