● 学校における転落事故等の防止について 平成22年4月15日 22ス学健第1号
22ス学健第1号 平成22年4月15日
附属学校を置く各国立大学法人総務担当理事、各国公私立高等専門学校担当課長、
各都道府県私立学校主管課長、各都道府県教育委員会施設主管課長、各指定都市教育委員会施設主管課長各都道府県教育委員会学校安全主管課長、各指定都市教育委員会学校安全主管課長、小中高等学校を設置する各学校設置会社の学校担当事務局長 宛
文部科学省スポーツ・青少年局学校健康教育課長(松川憲行)、大臣官房文教施設企画部施設企画課長(長坂潤一)
学校における転落事故等の防止について(依頼)
学校における転落事故の防止については、「学校における転落事故等の防止について」(平成20年6月20日20ス学健第16号)、「学校保健法等の一部を改正する法律の公布について」(平成20年7月9日20文科ス第522号)、「学校における転落事故防止の留意点について」(平成20年8月29日20ス学健第25号)、リーフレット「学校における転落事故防止のために」(平成20年8月)等を踏まえ、かねてから特段の配慮をお願いしているところですが、遺憾ながら去る4月8日に、鹿児島県霧島市の小学校において、児童が天窓から落下する事故が発生しました。
事故の原因については、現在究明中ですが、学校現場においての安全管理を徹底し、同様の事故の再発を防止するため、下記の点に留意し、取り急ぎ学校における安全点検の実施をお願いするとともに、転落事故防止にかかる教職員の意識向上等を改めてお願いします。その際、本件の重要性を学校現場と十分に共有し、適切に対応するよう徹底してください。
記
1.学校の施設・設備については、「「生きる力」をはぐくむ学校での安全教育」(平成14年2月)や「学校施設における事故防止の留意点について」(平成21年3月)、学校施設整備指針等を参考としつつ、各学校で定められている「学校安全計画」等に基づいて安全点検を実施し、危険箇所が発見された場合には早急に改善の措置を講じる等、安全管理の徹底を図ること。
その際、天窓については、児童生徒等の多様な行動に対し十分な安全性の確保が重要であり、「学校施設における事故防止の留意点について」(平成21年3月)において、以下の通り示していることに留意すること。
○児童生徒等の近づく可能性のある場所に設置された天窓は、天窓の構造や設置状況等を把握した上で、周囲に防護柵を設置することや内側に落下防護ネットを設置すること等、安全な構造とすることが重要である。また、天窓の周辺に植栽を設置する等、天窓に近づきにくい状況を作ることも有効である。
○通常、児童生徒等が近づく可能性の低い場所に設置された天窓についても、児童生徒等の多様な行動を踏まえ、適切な安全対策を講じることが重要である。
2.天窓については、人の体重を支える強度がないとするメーカーが多く、児童生徒等が乗ることのないよう適切な安全管理を行う必要がある。児童生徒等が天窓に近づく可能性がある学校においては、天窓の危険性等について、児童生徒等に理解させ、天窓の上に絶対に乗らないよう周知徹底するとともに、天窓の設置された屋上を使用しない場合には屋上出入口の施錠を行う、児童生徒が天窓の近くで活動する場合には、事前に危険性について点検を行い、危険が認められれば使用せず、また、危険が認められない場合にも、活動の際には教職員が適切に見守る等、十分な安全管理を行うこと。
3.各教科、特別活動等を通じて、児童生徒等に対して、危険を予測し、回避する能力を身につけさせる安全教育を充実させること。
4.独立行政法人日本スポーツ振興センターの提供する事故情報(「学校の管理下の死亡・障害事例と事故防止の留意点」)等を適宜活用しつつ、学校において発生している事故の実態を踏まえ、適切な対応をとること。
5.学校の教職員が学校安全について共通理解を図るとともに、学校安全に関する取組がすべての教職員の連携協力により学校全体として行われることが必要であることを踏まえ、リーフレット「学校における転落事故防止のために」(平成20年8月)、小学校教職員向け学校安全資料DVD「子どもを事件・事故災害から守るためにできることは」(平成21年3月)等を学校内の研修会で活用するなど、学校安全に関する教職員の資質向上に努める等の組織的な学校安全対策を講じること。
(リーフレットについては学校における転落事故防止のために(平成20年8月文部科学省)また、学校安全<刊行物>からダウンロード可能)
なお、各都道府県教育委員会施設主管課及び学校安全主管課においては、域内の市区町村教育委員会に対し、各都道府県私立学校主管課においては、所管の私立学校等に対してもその趣旨を徹底させるようお取り計らい願います。
Copyright© 執筆者,大阪教育法研究会