● 熱中症事故等の防止について 平成27年5月18日 27ス学健第12号



27ス学健第12号 平成27年5月18日
各都道府県・指定都市教育委員会学校体育主管課長、各都道府県・指定都市教育委員会学校安全主管課長、各都道府県・指定都市民生主管課長、各都道府県私立学校主管課長、各国公私立大学担当課長、各国公私立高等専門学校担当課長、構造改革特別区域法第12条第1項の認定を受けた各地方公共団体の学校設置会社担当課長、大学を設置する各学校設置会社担当課長 宛
文部科学省スポーツ・青少年局学校健康教育課長(和田 勝行)、文部科学省スポーツ・青少年局参事官(体育・青少年スポーツ担当)(日向 信和)


        熱中症事故等の防止について(依頼)


1 熱中症事故の防止について

 熱中症事故の防止については、例年、各学校において御対応いただいていますが、別添のとおり、依然として学校の管理下における熱中症事故は発生しており、生徒が死亡する事案も生じています。
 熱中症は、活動前に適切な水分補給を行うとともに、必要に応じて水分や塩分の補給ができる環境を整え、活動中や終了後にも適宜補給を行うこと等の適切な措置を講ずれば十分防ぐことが可能です。また、熱中症の疑いのある症状が見られた場合には、早期に水分・塩分補給、体温の冷却、病院への搬送等適切な処置を行うことが必要です。
 学校の管理下における熱中症事故は、ほとんどが体育・スポーツ活動によるものですが、運動部活動以外の部活動や、教育課程内での取組においても発生しており、また、暑くなり始めや急に暑くなる日等の体がまだ暑さに慣れていない時期、それほど高くない気温(25〜30℃)でも湿度が高い場合等にも発生していることを踏まえ、教育課程内外を問わずこの時期から熱中症事故の防止のための適切な措置を講ずるようお願いします。
 また、政府においては、平成25年度から、熱中症搬送者数や死亡者数の急増する7月を「熱中症予防強化月間」と定め、国民や関係機関への周知等の効果を上げて、熱中症の発生を大幅に減らすよう熱中症予防の取組を推進することとしています。
 各教育委員会等におかれては、「学校における体育活動中の事故防止のための映像資料」(平成26年3月文部科学省)、「『体育活動における熱中症予防』調査研究報告書」(平成26年3月独立行政法人日本スポーツ振興センター)及び「熱中症環境保健マニュアル」(平成26年3月改訂環境省)等を参考として、関係者に対して熱中症事故防止に必要な事項の理解を徹底されるとともに、「熱中症予防強化月間」についても、各学校に周知し、その趣旨を踏まえて熱中症予防に取り組むようお願いします。
 なお、環境省のホームページ(熱中症予防情報サイト)では、熱中症の目安となる暑さ指数(WBGT:湿球黒球温度)、熱中症への対処方法に関する知見に加え、印刷して利用できる普及啓発資料等を提供していますので、適宜、御活用ください。(環境省熱中症予防情報サイト http://www.wbgt.env.go.jp/)

2 落雷事故の防止について

 これまでも、校舎外での学校行事実施中などの学校の管理下における落雷事故が発生している状況にあることから、以下の点に留意し、落雷事故防止のための適切な措置を講ずるようお願いします。
 また、平成25年3月25日事務連絡で配布した、学校防災のための参考資料「『生きる力』を育む防災教育の展開」(平成25年3月改訂)にも、雷等への初期対応や避難について示しておりますので、御参照の上、事故防止に御活用ください。

(1) 屋外での体育活動をはじめとする教育活動においては、指導者は、落雷の危険性を認識し、事前に天気予報を確認するとともに、天候の急変などの場合にはためらうことなく計画の変更・中止等の適切な措置を講ずること。

(2) 落雷に対する安全対策に関する科学的知見(日本大気電気学会編「雷から身を守るには−安全対策Q&A−改訂版」(平成13年5月1日発行))によれば、厚い黒雲が頭上に広がったら、雷雲の接近を意識する必要があること。雷鳴はかすかでも危険信号であり、雷鳴が聞こえるときは、落雷を受ける危険性があるため、すぐに安全な場所(鉄筋コンクリートの建物、自動車、バス、列車などの内部)に避難する必要があること。また、人体は同じ高さの金属像と同様に落雷を誘因するものであり、たとえ身体に付けた金属を外したり、ゴム長靴やレインコート等の絶縁物を身に着けていても、落雷を阻止する効果はないこと。

 なお、都道府県教育委員会学校安全主管課においては、域内の市区町村教育委員会及び所管の学校(大学を除く。)に対し、都道府県私立学校主管課においては、所轄の私立学校等に対し、構造改革特別区域法第12条第1項の認定を受けた地方公共団体の学校設置会社担当課においては、所轄の学校設置会社の設置する学校に対しても周知するようお取り計らい願います。

【参考資料】

・学校における体育活動中の事故防止のための映像資料(DVD)(平成26年3月 文部科学省)
・「体育活動における熱中症予防」調査研究報告書(平成26年3月 独立行政法人日本スポーツ振興センター)
・「熱中症を予防しよう−知って防ごう熱中症−」(パンフレット (平成26年3月 独立行政法人日本スポーツ振興センター)

・「熱中症環境保健マニュアル」(パンフレット)(平成26年3月改訂 環境省)
・学校防災のための参考資料「生きる力」を育む防災教育の展開(平成25年3月改訂 文部科学省)
・小学校教職員用研修資料(DVD)「子どもを事件・事故災害から守るためにできることは」(平成21年3月 文部科学省)

・中学校・高等学校教職員用研修資料(DVD)「生徒を事件・事故災害から守るためにできることは」 (平成22年3月 文部科学省)
・小学生用(低学年・高学年)防災教育教材(CD)「災害から命を守るために」 (平成20年3月 文部科学省)
・中学生用防災教育教材(DVD)「災害から命を守るために 〜防災教育教材(中学生用)〜」 (平成21年3月 文部科学省)
・高校生用防災教育教材(DVD)「災害から命を守るために 〜防災教育教材(高校生用)〜」 (平成22年3月 文部科学省)

・「雷から身を守るには−安全対策Q&A−改訂版」(平成13年5月 日本大気電気学会)


別添1、2 「学校管理下における熱中症の発生状況」等






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