● 大学等における修学の支援に関する法律の公布について(通知) 令和元年5月17日 元文科高第44号



元文科高第44号 令和元年5月17日
各国立大学法人の長 独立行政法人国立高等専門学校機構理事長 大学及び高等専門学校を設置する各地方公共団体の長 各公立大学法人理事長 各学校法人理事長 放送大学学園理事長 大学を設置する各学校設置会社の代表取締役 各都道府県知事 大学、高等専門学校及び専修学校を設置する 地方独立行政法人を設立する各地方公共団体の長殿 厚生労働省医政局長 厚生労働省労働基準局長 厚生労働省社会・援護局長 各都道府県教育委員会教育長 各指定都市教育委員会教育長 構造改革特別区域法第1 2 条第1 項の認定を受けた 各地方公共団体の長 独立行政法人日本学生支援機構理事長 日本私立学校振興・共済事業団理事長 宛
文部科学省総合教育政策局長(清水明)、文部科学省初等中等教育局長(永山賀久)文部科学省高等教育局長(伯井美徳)


    大学等における修学の支援に関する法律の公布について(通知)


 このたび、第198回国会において、「大学等における修学の支援に関する法律
(令和元年法律第8号)」(以下「法律」という。)が成立し、令和元年5月17
日に公布され、消費税率引上げの日(令和元年10月1日)の属する年の翌年の4
月1日までの間において政令で定める日(令和2年4月1日を予定)から施行さ
れることとなりました。
 本法律は、低所得者世帯の学生等であっても、社会で自立し、活躍することが
できる人材を育成する大学等に修学することができるよう、その修学に係る経済
的負担の軽減を図ることにより、我が国における急速な少子化の進展への対処に
寄与するため、真に支援が必要な低所得者世帯の学生等に対して、授業料及び入
学金(以下「授業料等」という。)の減免と給付型奨学金の支給をあわせて措置
することとしており、一定の要件の確認を受けた大学、短期大学、高等専門学校
及び専修学校専門課程に入学・在学している学生等が支援対象となります。本法
律の概要及び留意事項は下記のとおりですので、十分に御了知ください。
 また、各都道府県知事におかれては、所轄の関係学校に、各都道府県教育委員
会教育長におかれては、所管の関係学校及びその設置者並びに域内の市区町村教
育委員会に、各指定都市教育委員会教育長におかれては、所管の関係学校に、構
造改革特別区域法第12条第1項の認定を受けた各地方公共団体の長におかれて
は、所管する関係学校に対して、本件について周知されるようお願いします。
 なお、本通知は本法律の内容及び留意事項を周知するものですが、今後、今回
の法律の制定に伴う関係政省令の制定を行うとともに、制度実施に伴う事務の処
理のための指針・手引き等の策定を行うこととしていますので、これらを踏まえ
て、適切な事務処理をお願いします。本法律は関連資料と併せて文部科学省のホ
ームページに掲載しておりますので、御参照ください。


                   記


第1 法律の概要

(1)目的
 この法律は、真に支援が必要な低所得者世帯の者に対し、社会で自立し、
及び活躍することができる豊かな人間性を備えた創造的な人材を育成するた
めに必要な質の高い教育を実施する大学等における修学の支援を行い、その
修学に係る経済的負担を軽減することにより、子どもを安心して生み、育て
ることができる環境の整備を図り、もって我が国における急速な少子化の進
展への対処に寄与することを目的とすることとしたこと。(第1条関係)

(2)定義
@ この法律において「大学等」とは、大学(学部を置くことなく大学院を
置く大学を除く。以下同じ。)、高等専門学校及び専門課程を置く専修学
校をいうこととしたこと。(第2条第1項関係)
A この法律において「学生等」とは、大学の学部、短期大学の学科及び専
攻科(大学の学部に準ずるものとして文部科学省令で定める専攻科に限
る。)並びに高等専門学校の学科(第4学年及び第5学年に限る。)及び
専攻科(大学の学部に準ずるものとして文部科学省令で定める専攻科に限
る。)の学生並びに専修学校の専門課程の生徒をいうこととしたこと。
(第2条第2項関係)

(3)大学等における修学の支援
@ 大学等における修学の支援
 大学等における修学の支援は、文部科学大臣等の確認を受けた大学等
(以下「確認大学等」という。)に在学する学生等のうち、特に優れた者
であって経済的理由により極めて修学に困難があるものに対して行う学資
支給及び授業料等減免とすることとしたこと。(第3条関係)
A 学資支給
 学資支給は、学資支給金の支給とし、この法律に別段の定めがあるもの
を除き、独立行政法人日本学生支援機構法(平成15年法律第94号)の定め
るところによることとしたこと。(第4条及び第5条関係)
B 授業料等減免
(ア)授業料等減免
 授業料等減免は、この法律の規定による授業料等の減免とすることと
したこと。(第6条関係)
(イ)大学等の確認
 大学等の設置者は、授業料等減免を行おうとするときは、文部科学大
臣等に対し、当該大学等の教育の実施体制に関し、当該大学等が社会で
自立し、及び活躍することができる豊かな人間性を備えた創造的な人材
を育成するために必要なものとして文部科学省令で定める基準に適合す
るものであること等の要件(以下「確認要件」という。)を満たしてい
ることについて確認を求めることができることとしたこと。(第7条関
係)
(ウ)確認大学等の設置者による授業料等の減免
 確認大学等の設置者は、当該確認大学等に在学する学生等のうち、文
部科学省令で定める基準及び方法に従い、特に優れた者であって経済的
理由により極めて修学に困難があるものと認められるものを授業料等減
免対象者として認定し、当該授業料等減免対象者に対して授業料等の減
免を行うものとすることとしたこと。(第8条関係)
(エ)減免費用の支弁等
 大学等に係る授業料等減免に要する費用(以下「減免費用」とい
う。)は、国又は地方公共団体が支弁することとし、都道府県が支弁す
る減免費用の一部を国が負担することとしたこと。(第10条及び第11条
関係)
(オ)認定の取消し等
 確認大学等の設置者は、当該確認大学等に在学する授業料等減免対象
者が偽りその他不正の手段により授業料等減免を受けた等と認めるとき
は、当該授業料等減免対象者に係る認定を取り消すことができ、取り消
したときは、その旨を文部科学大臣等に届け出なければならないことと
したこと。
 また、当該確認大学等の設置者に対し減免費用を支弁する国等は、当
該届出があった場合において、当該認定を取り消された学生等に対する
授業料等減免に係る減免費用を既に支弁しているときは、国税徴収の例
により、当該確認大学等の設置者から当該減免費用に相当する金額を徴
収することができることとしたこと。(第12条関係)
(カ)確認の取消し等
 文部科学大臣等は、確認大学等が、確認要件を満たさなくなったとき
等の場合においては、当該確認大学等に係る確認を取り消すことができ
ることとしたこと。(第15条第1項関係)
 また、確認が取り消された場合又は確認大学等の設置者が当該確認大
学等に係る確認を辞退した場合において、その取消し又は辞退の際、当
該確認大学等に授業料等減免対象者が在学しているときは、その者に係
る授業料等減免については、当該確認を取り消された大学等又は辞退し
た大学等を確認大学等とみなして、この法律の規定を適用することとし
たこと。ただし、確認大学等の設置者が不正の手段により確認を受けて
いたとき又は減免費用の支弁に関し、確認大学等の設置者による不正が
あったときに該当して確認が取り消された場合等における当該大学等に
係る減免費用については、(エ)は適用しないこととしたこと。(第16
条関係)
(キ)日本私立学校振興・共済事業団を通じて行う減免費用の支弁
 国は、日本私立学校振興・共済事業団法の定めるところにより、
(エ)による減免費用の支弁のうち大学及び高等専門学校(いずれも私
立学校であるものに限る。)に係るものを日本私立学校振興・共済事業
団を通じて行うことができるものとしたこと。(第17条関係)

(4) 施行期日等
@ 施行期日
 この法律は、社会保障の安定財源の確保等を図る税制の抜本的な改革を
行うための消費税法の一部を改正する等の法律附則第1条第2号に掲げる
規定の施行の日の属する年の翌年の4月1日までの間において政令で定め
る日から施行することとしたこと。ただし、次のA等は、公布の日から施
行することとしたこと。(附則第1条関係)
A 施行前の準備
 この法律を施行するために必要な確認の手続その他の行為は、この法律
の施行前においても行うことができることとしたこと。(附則第2条関
係)
B 検討
 政府は、この法律の施行後4年を経過した場合において、この法律の施
行の状況を勘案し、この法律の規定について検討を加え、必要があると認
めるときは、その結果に応じて所要の見直しを行うこととしたこと。(附
則第3条関係)
C 政府の補助等に係る費用の財源
 学資支給に要する費用として政府が独立行政法人日本学生支援機構に補
助する費用及び国が支弁又は負担する減免費用の財源は、社会保障の安定
財源の確保等を図る税制の抜本的な改革を行うための消費税法の一部を改
正する等の法律(平成24年法律第68号)附則第1条第2号に掲げる規定の
施行により増加する消費税の収入を活用して、確保することとしたこと。
(附則第4条関係)
D その他
 独立行政法人日本学生支援機構法等について、所要の規定の整備を行っ
たこと。(附則第5条から第14条まで関係)


第2 留意事項

(1)本制度の周知
 地方公共団体、高等学校等及び本制度の対象となる大学等の設置者は、そ
の円滑な実施を図るため、文部科学省及び独立行政法人日本学生支援機構が
配布する広報資料等を適宜活用し、本来、対象となる者が制度の不知により
支援の対象から漏れるようなことがないよう、十分な周知を行うこと。
 特に、地方公共団体においては、社会的養護の必要な子供に十分な情報が
行き届くよう、教育部局と福祉部局とが連携して制度の確実な周知を図るこ
と。

(2)制度実施に伴う事務処理
 地方公共団体、高等学校等及び本制度の対象となる大学等の設置者におい
ては、確認要件の確認や対象学生等の認定等に関する事務について国及び独
立行政法人日本学生支援機構が示す指針・手引き等を踏まえ、適切に処理す
ること。

(3)大学等における授業料等
@ 大学等における授業料等について、質の向上を伴わない値上げなど、低所
得者世帯の学生等の教育費負担の軽減を図るという本法律の趣旨に反するよ
うな合理的な理由のない値上げを行うことは適切ではないこと。授業料等を
値上げせざるを得ない場合であっても、合理的な範囲での値上げであること
についての説明責任を尽くすとともに、本法律の対象となる低所得者世帯の
学生等の負担について配慮に努めること。
A 大学等の設置者においては、入学料等初年度納付金や授業料などの納付が
困難な学生等に対しては、納付時期の猶予等の弾力的な取扱いを図り、入学
時に生じる費用の支出が困難な学生等に対しては、独立行政法人日本学生支
援機構の入学時特別増額貸与奨学金の活用について周知を図るなど、きめ細
やかな配慮を行うこと。

(4)その他
@ 本制度は、地方公共団体及び大学等の設置者が独自に行う学生等への経済
的負担の軽減に係る事業の実施を妨げるものではないことに留意すること。
A 大学等の設置者においては、本制度が、学生等が社会で自立し、活躍する
ことを目指した低所得者世帯の学生等に対する修学の支援であることを踏ま
え、きめ細やかな学修支援を行うなどにより、対象となる学生等が本制度の
適用を受けて修学することができるよう努めること。


【参考】
○文部科学省ホームページ
http://www.mext.go.jp/a_menu/koutou/hutankeigen/index.htm
(トップ> 教育> 大学・大学院、専門教育> 高等教育段階の教育費負担軽減)を参照






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● 大学等における修学の支援に関する法律施行令等の公布について(通知) 令和元年6月28日 元文科高第196号


元文科高第196号 令和元年6月28日
各国立大学法人の長 独立行政法人国立高等専門学校機構理事長 大学及び高等専門学校を設置する各地方公共団体の長 各公立大学法人理事長 各学校法人理事長 放送大学学園理事長 大学を設置する各学校設置会社の代表取締役 各都道府県知事 大学、高等専門学校及び専修学校を設置する 地方独立行政法人を設立する各地方公共団体の長殿 厚生労働省医政局長 厚生労働省労働基準局長 厚生労働省社会・援護局長 各都道府県教育委員会教育長 各指定都市教育委員会教育長 構造改革特別区域法第1 2 条第1 項の認定を受けた 各地方公共団体の長 独立行政法人日本学生支援機構理事長 日本私立学校振興・共済事業団理事長 宛
文部科学省総合教育政策局長(清水明)、文部科学省初等中等教育局長事務代理文部科学審議官(芦立訓)、文部科学省高等教育局長(伯井美徳)


  大学等における修学の支援に関する法律施行令等の公布について(通知)


 このたび、大学等(大学(短期大学を含む。)、高等専門学校及び専門学校を
いう。)における修学の支援(学資支給金(給付型奨学金)の支給及び授業料等
減免)に関して、「大学等における修学の支援に関する法律施行令」(令和元年
政令第49号。以下「施行令」という。)及び「大学等における修学の支援に関す
る法律の施行に伴う関係政令の整備及び経過措置に関する政令」(令和元年政令
第50号。以下「整備政令」という。)並びに「大学等における修学の支援に関す
る法律施行規則」(令和元年文部科学省令6号。以下「施行規則」という。)及
び「独立行政法人日本学生支援機構に関する省令の一部を改正する省令」(令和
元年文部科学省令第7号。以下「一部改正省令」という。)が令和元年6月28日
に公布されました。
 本政省令の趣旨、概要及び留意事項は下記のとおりですので、十分に御了知く
ださい。
 また、各都道府県知事におかれては、所轄の関係学校に、各都道府県教育委員
会教育長におかれては、所管の関係学校及びその設置者並びに域内の市区町村教
育委員会に、各指定都市教育委員会教育長におかれては、所管の関係学校に、構
造改革特別区域法第12条第1項の認定を受けた各地方公共団体の長におかれて
は、所管する関係学校に対して、本件について周知されるようお願いします。
 なお、今後、家計急変時の支援対象者の認定に関すること及び進学後の学業成
績における斟酌すべきやむを得ない事情がある場合の特例等について規定するた
めの省令の改正を行うとともに、制度実施に伴う事務の処理のための指針・手引
き等の策定・更新を行うこととしていますので、これらを踏まえて、適切な事務
処理をお願いします。
 本政省令は関連資料と併せて文部科学省のホームページに掲載しておりますの
で、御参照ください。また、本通知に先立って「高等教育無償化の制度の具体化
に向けた方針について(通知)」(平成31年1月総合教育政策局長・高等教育局
長・初等中等教育局長通知)及び「大学等における修学の支援に関する法律の公
布について(通知)」(令和元年5月総合教育政策局長・高等教育局長・初等中
等教育局長通知)を示していることから、これらの通知で示した内容についても
十分に御了知ください(これらの通知は文部科学省ホームページにも掲載してい
ます)。


                   記


第1 政省令の趣旨

 大学等における修学の支援に関する法律(令和元年法律第8号)に基づ
く、大学等における修学の支援(学資支給金(給付型奨学金)の支給及び授
業料等減免)の制度化にあたり、関係法令の整備を行うものである。

第2 政省令の概要

T 政令の概要
(1)支援措置の額
@ 学校等の区分に応じた学資支給金(給付型奨学金)及び授業料減免(以
下「支援措置」という。)の額(以下「支援額」という。)を定めること
とするとともに、市町村住民税に係る課税総所得金額、課税退職所得金額
及び課税山林所得金額等の合計額から調整控除の額等を控除した額を基に
算出した基準額に応じて、支援額、支援額の3分の2の額又は支援額の3
分の1の額とすることとしたこと。(施行令第2条、整備政令第1条によ
る改正後の独立行政法人日本学生支援機構法施行令(以下「改正機構法施
行令」という。)第8条の2第1項から第4項まで関係)
A 職業訓練の実施等による特定求職者の就職の支援に関する法律第7条第
1項に規定する職業訓練受講給付金その他の法令に基づく大学等の学資に
係る給付等であって学資支給金(給付型奨学金)の額を調整する必要があ
るものとして文部科学省令で定めるものを受けた場合における学資支給金
(給付型奨学金)の額は、文部科学省令で定める額とすることとしたこ
と。(改正機構法施行令第8条の2第5項関係)

(2)支援措置の期間
 支援措置の期間は、原則として、支援対象者がその在学する大学等の正規
の修業年限を満了するために必要な期間の月数を限度とすることとするとと
もに、過去に支援を受けたことがある者のうち編入学をした者等について
は、最大で通算72月を限度とすることとしたこと。(施行令第3条関係、改
正機構法施行令第8条の3関係)

(3)学資支給金の支給等を受けた場合における第一種貸与金の額
 学資支給金の支給又は授業料等減免を受けた支援対象者に対する第一種貸
与金の額は、第一種貸与金の上限額から一定の方法により算定される支援額
を控除した額を上限として学生又は生徒が一定の範囲で選択する額とするこ
ととしたこと。(改正機構法施行令第1条の2関係)

(4)施行期日
 施行期日は、大学等における修学の支援に関する法律の施行の日(令和2
年4月1日予定)とすることとしたこと。(施行令附則関係、整備政令附則
第1項関係)

U 省令の概要
(1)支援措置の対象となる学生等の認定要件
 支援措置の対象となる学生等として認定を受けるための要件として、以下
の事項を規定することとしたこと。

@学生等及び生計維持者の収入額・資産額に関すること(施行規則第10条第
2項第3号、一部改正省令による改正後の独立行政法人日本学生支援機構
に関する省令(以下「改正機構省令」という。)第23条の2第2項第4号
関係)
・収入額:市町村民税の所得割の課税標準額等を基に算出される額で規定
する。
・資産額:生計維持者が、2人の場合2,000万円未満、1人の場合1,250万
円未満とする。
A学業成績・学修意欲に関すること(施行規則第10条第2項第1号及び第2
号、改正機構省令第23条の2第2項第1号から第3号まで関係)
・高等学校等在学時の成績だけで否定的な判断をせず、本人の学修意欲
や進学目的等を確認する。
・(ア)予約採用時の高等学校等での意欲等の確認、(イ)予約採用に
おける高等学校卒業程度認定試験合格者の対象者の範囲、(ウ)在学採
用時の対象者の範囲及び意欲等の確認の方法等について規定。
Bその他
・日本国籍を有する者、特別永住者、永住者、日本人の配偶者等、永住
者の配偶者等又は永住の意思が認められる定住者であること。(施行規
則第9条第3項、改正機構省令第20条第2項関係)
・高校卒業後2年以内に入学が認められた者(高卒認定試験が受験可能
となってから5年の間に合格者となり、2年以内に入学が認められた者
等を含む。)であること。(施行規則第10条第1項、改正機構省令第23
条の2第1項関係)

(2)大学等が確認を受けるための要件(機関要件)
 大学等が確認を受けるための要件として、以下の事項を規定することとし
たこと。

@ 実務経験のある教員による授業科目が標準単位数(4年制大学の場合、
124単位)の1割以上配置されていること。(施行規則第2条第1項第1号
関係)
A 法人の「理事」に産業界等の外部人材を複数任命していること。(施行
規則第2条第1項第2号関係)
B 厳格かつ適正な成績管理を実施・公表していること。(施行規則第2条
第1項第3号関係)
C 財務諸表等の情報・教育活動に係る情報を開示していること。(施行規
則第2条第1項第4号関係)
D 大学等の経営基盤・収容定員の充足率に関する基準に適合しているこ
と。(施行規則第3条関係)
※ 専門学校の収容定員の充足率に関する基準については、その実態を踏
まえて、経過措置を設定。(施行規則附則第3条第3項関係)

(3)他法令に基づく支援を受ける場合の学資支給金(給付型奨学金)の額の調
整(改正機構省令第41条関係)
@ 法令に基づく大学等の学資に係る給付等であって学資支給金(給付型奨
学金)の額を調整する必要がある給付等として、職業訓練の実施等による
特定求職者の就職の支援に関する法律による職業訓練受講給付金等を規定
することとしたこと。
A @に該当する給付等を受けた者に対する調整後の学資支給金(給付型奨
学金)の額を0円とすることとしたこと。

(4)支援措置の実施に必要な手続
 機関要件の確認、対象となる学生等の認定その他の支援措置の実施に必要
な手続として、以下の事項を規定することとしたこと。
@ 機関要件の確認手続に関すること。(施行規則第5条から第8条まで関
係)
※ 大学等からの確認申請書の様式についても規定。(施行規則様式第1
号及び様式第2号関係)
A 支援措置の対象となる学生等の認定手続に関すること。(施行規則第11
条、改正機構省令第23条の4関係)
B 支援対象者の毎年度の要件確認(適格認定)に関すること。(施行規則
第12条から第14条まで、改正機構省令第23条の5から第23条の7まで関
係)

(5)施行期日
 施行期日は、大学等における修学の支援に関する法律の施行の日(令和2
年4月1日予定)とすることとしたこと。(施行規則附則第1条、一部改正
省令附則第1項関係)
※ 一部改正省令及び施行規則に規定する学資支給金(給付型奨学金)の予
約採用及び機関要件の確認に係る準備行為に関する規定は、公布日に施行
する。(施行規則附則第1条ただし書及び第2条、一部改正省令附則第1
項ただし書及び第2項関係)

第3 留意事項

(1)本制度の周知
 地方公共団体、高等学校等及び本制度の対象となる大学等の設置者は、そ
の円滑な実施を図るため、文部科学省及び独立行政法人日本学生支援機構
(以下「機構」という。)が配布する広報資料等を適宜活用し、本来、対象
となる者が制度の不知により支援の対象から漏れるようなことがないよう、
十分な周知を行うこと。また、地方公共団体においては、社会的養護の必要
な子供に十分な情報が行き届くよう、教育部局と福祉部局とが連携を図るこ
と。
 本年6月上旬から、機構が募集案内を高等学校等に配布する等、令和2年
度入学者向けの学資支給金(給付型奨学金)の予約採用の手続を開始してい
ることから、地方公共団体及び高等学校等においては、高校3年生の生徒等
及びその保護者だけでなく、来年度以降予約採用の手続の対象となる高校2
年生までの生徒等及びその保護者に対しても、進路指導等に際して十分な周
知を行うこと。
 なお、上記の周知にあたっては、機構がホームページ上で公開している
「進学資金シミュレーター」を生徒等及びその保護者が活用することで、進
学後に学資支給金(給付型奨学金)の支給を受けられるか否か及び支給を受
けられる場合の支給額を試算することができることについても併せて周知す
ること。
 また、地方公共団体及び高等学校等においては、進学のための資金計画の
説明・助言等をする「スカラシップ・アドバイザー派遣事業」を機構が実施
していることから、必要に応じその活用を図ること。

(2)制度実施に伴う事務処理
 地方公共団体、高等学校等及び本制度の対象となる大学等の設置者におい
ては、確認要件の確認や対象学生等の認定等に関する事務について、国及び
機構が策定・更新する指針・手引き等を踏まえ、適切に処理すること。

(3)大学等の経営基盤・収容定員の充足率に関する要件について
 施行規則第3条第2号の適用に当たっては、決算前に一時的に人件費や教
育研究経費を削減することにより単年度のみ経常収支差額が零を下回ること
を回避する等、形式的には同号に該当しない場合であっても、実質的には同
号に該当する大学等と同様にその経営を継続的かつ安定的に行うことが困難
であることが明らかになった場合には、同号に該当するものとして取り扱
い、確認を取り消すこともあること。
 また、収容定員の引下げにより同号に該当しないこととなった大学等につ
いて、その後、引き下げた収容定員を超過して入学させている場合には、学
校運営が適切になされているか、報告を求めたり、調査を行ったりすること
があること。その結果、厳格な成績評価が実施されていないことなどが明ら
かになり、学生等が支援措置を受けられる大学等として機関要件に適合しな
くなったと認められる場合には確認を取り消すこともあること。


【参考】
1.文部科学省ホームページ
http://www.mext.go.jp/a_menu/koutou/hutankeigen/index.htm
(トップ> 教育> 大学・大学院、専門教育> 高等教育段階の教育費負担軽減)を参照
※ 本制度の関係資料を掲載。
・高校生向けホームページも開設している。http://www.mext.go.jp/kyufu/

2.独立行政法人日本学生支援機構ホームページ
https://www.jasso.go.jp/shogakukin/kyufu/index.html
(ホーム> 奨学金> 奨学金の制度(給付型))を参照
※ 高校生向けリーフレット、保護者向けリーフレット、進学資金シミュ
レーター(大学等への進学を考えている生徒や保護者が、進学の資金計
画を立てる際に活用できるシミュレーションツール)、スカラシップ・
アドバイザー派遣事業の案内など、学資支給金(給付型奨学金)の関係
資料を掲載。
・進学資金シミュレーター:https://shogakukin-simulator.jasso.go.jp/
・スカラシップ・アドバイザー派遣申込み:
https://www.jasso.go.jp/shogakukin/adviser/guidance/index.html







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