● 学校における働き方改革に配慮した学校プールの管理の在り方について(依頼) 令和6年7月10日 6文科初第885号
https://www.mext.go.jp/a_menu/shotou/hatarakikata/mext_00014.html
6文科初第885号 令和6年7月10日
各都道府県教育委員会教育長、各指定都市教育委員会教育長 宛
文部科学省初等中等教育局長、スポーツ庁次長
学校における働き方改革に配慮した学校プールの管理の在り方について(依頼)
日頃から、地方教育行政の発展に御尽力と御協力を賜り、誠にありがとうございます。
昨今学校プールの管理を担当することとされた教師等が給水の停止等をしなかったことで継続的に給水が行われ、結果として校長や当該教師等が水道料金を賠償する事例が発生するなど、学校プールの管理業務が担当する教師等にとって過度な負担につながっている事態も見受けられます。
学校設置者による必要な支援やチェック体制の構築等が十分に行われないまま、特定の教師等に学校プールの管理が任せられ、教師等が損害賠償の責めを負う恐れもある中で勤務する状況は望ましくありません。
こうした学校プールの管理業務に関する教師等の負担を軽減するための取組として、指定管理者制度を活用したり、民間業者へ委託したりすること等を通じて教師等の負担を軽減することが考えられます。各学校設置者におかれては、こうした取組について御検討いただくとともに、引き続き学校で学校プールの管理を行う場合でも、管理員の配置や自動で給水を止めるためのシステムの導入、複層的なチェック体制の構築、マニュアルの作成等を通じ、学校プールの管理を特定の教師等に任せきりにせず組織として適切に行うための環境整備を徹底いただくようお願いします。
また、学校プールではなく、地域の公営・民営プールを活用して、水泳指導を行うことも考えられます。
以上の点に関して、文部科学省においては、「学校体育施設の有効活用に関する手引き」(令和2年3月 スポーツ庁)及び「学校施設の集約化・共同利用に関する取組事例集」(令和2年3月 文部科学省大臣官房文教施設企画・防災部)において、指定管理者制度、PFI、民間委託を活用した学校プールの管理・運営や公営・民営プールの活用等に関する事例を紹介しております。また、学校施設環境改善交付金を活用し、学校プールを新改築する際に、自動で給水を止めるためのシステム等を含めて整備することも可能となっておりますので御参考にしてください。
これらの取組も含め、学校プールの維持管理に関する教師等の負担軽減を図り、今後、損害賠償請求を一律に行うのではなく、本件に係る損害賠償責任が特定の教師等に生じることのないよう、積極的な取組を御検討いただくようお願いします。
なお、文部科学省が従前より示している「学校・教師が担う業務にかかる3分類」(※)の考え方に照らせば、学校プールの管理については、原則「学校の業務だが、必ずしも教師が担う必要のない業務」であると考えられることを申し添えます。
各都道府県教育委員会におかれては所管の学校及び域内の指定都市を除く市町村教育委員会に対して、各指定都市教育委員会におかれては、所管の学校に対して、このことを十分に周知いただくようお願いします。
※「新しい時代の教育に向けた持続可能な学校指導・運営体制の構築のための学校における働き方改革に関する総合的な方策について(答申)」(平成 31 年1月 25 日中央教育審議会)において提言された、学校における働き方改革の推進のために、学校・教師が担う業務を「基本的には学校以外が担うべき業務」、「学校の業務だが、必ずしも教師が担う必要のない業務」、「教師の業務だが、負担軽減が可能な業務」の3つに整理したもの。
〇「新しい時代の教育に向けた持続可能な学校指導・運営体制の構築のための学校における働き方改革に関する総合的な方策について(答申)」(平成 31 年1月 25 日中央教育審議会)
https://www.mext.go.jp/b_menu/shingi/chukyo/chukyo3/079/sonota/1412985.htm
〇「学校体育施設の有効活用に関する手引き」(令和2年3月 スポーツ庁)
https://www.mext.go.jp/sports/b_menu/sports/mcatetop02/list/detail/1385575_00002.htm
〇「学校施設の集約化・共同利用に関する取組事例集」(令和2年3月 文部科学省大臣官房文教施設企画・防災部)
https://www.mext.go.jp/content/20221212-mxt_sisetuki-000026367_1.pdf
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