● 学校教育法施行規則の一部を改正する省令等について(高校入試、単位認定、単位制高校、総合学科関係) 平成5年3月22日 文初高202


平五、三、二二 文初高二〇二 
各都道府県教育委員会、名都道府県知事、附属学校を置く各国立大学長あて 
文部省初等中等教育局長通達

    学校教育法施行規則の一部を改正する省令等について

 このたび、別添のとおり、「学校教育法施行規則の一部を改正する省令」(平成五年文部省令第三号)、「高等学校設置基準の一部を改正する省令」(平成五年文部省令第四号)、「単位制高等学校教育規程の一部を改正する省令」(平成五年文部省令第五号)及び「高等学校通信教育規程の一部を改正する省令」(平成五年文部省令第六号)が平成五年三月一〇日に公布されました。
 これらの省令改正は、総合学科の設置など各設置者及び各学校の創意工夫により高等学校教育の個性化・多様化を推進する趣旨のものであり、その概要等は下記のとおりですので、事務処理上遺漏のないようお願いします。
 なお、都道府県教育委員会にあってはその所管の学校及び管下の市町村教育委員会に対して、都道府県知事にあってはその所轄の学校法人及び私立学校に対して、国立大学長にあってはその管下の附属学校に対して、この趣旨の徹底を図るようお願いします。

          記

一 学校教育法施行規則の一部を改正する省令について
(1) 調査書を用いない高等学校入学者選抜について
 ア 高等学校の入学者の選抜においては、必ず調査書を選抜の資料としなければならないこととされているが、これを改め、特別の事情のあるときは、調査書を資料としない入学者選抜を実施することができることとしたこと。(ただし、学力検査を行わない場合は除く。)(第五九条第三項)
 イ 中学校の校長は、中学校卒業後、高等学校等の学校に進学しようとする生徒のある場合には、調査書その他必要な書類をその生徒の進学しようとする学校の校長あて送付しなければならないこととされているが、上記アの規定により高等学校において調査書を資料としない入学者選抜を実施する場合は、調査書の送付を要しないこととしたこと。(第五四条の三)
(2) 他の高等学校における学習成果の単位認定について
 ア 高等学校の校長は、生徒が他の高等学校で一部の科目の単位を修得したときは、その単位数を当該生徒の在学する高等学校の全課程の修了を認めるに必要な単位数のうちに加えることができることとしたこと。(第六三条の三第一項)
 イ 上記アの規定により生徒が他の高等学校において一部の科目の単位を修得する場合においては、当該他の高等学校の校長は、当該生徒について一部の科目の履修を許可することができることとしたこと。(第六三条の三第二項)。
 ウ 同一の高等学校に置かれている全日制の課程、定時制の課程及び通信制の課程相互の間の併修については、上記ア及びイの規定を準用することとしたこと。(第六三条の三第三項)。
(3) 専修学校における学習成果の単位認定について
 高等学校の校長は、生徒が専修学校の高等課程における学修その他文部大臣が別に定める学修で、当該生徒の在学する高等学校における科目の一部の履修に相当するものを行ったときは、当該学修を当該科目の一部の履修とみなし、当該科目の単位数の一部として認定することができることとしたこと。(第六三条の四)
 なお、この文部大臣が別に定める学修は、平成五年三月一〇日付け文部省告示第二四号により別添のとおり告示されたこと。
(4) 技能審査の成果の単位認定について
 高等学校の校長は、生徒が知識及び技能に関する審査で文部大臣が別に定めるものに合格したときは、当該校長の定めるところにより当該審査の内容に対応する高等学校の科目について当該生徒が修得した単位数に一定の単位数を加えることができることとしたこと。(第六三条の五)
 なお、この知識及び技能に関する審査で文部大臣が別に定めるものは、平成五年三月一〇日付け文部省告示第二五号により別添のとおり告示されたこと。
(5) 上記(2)の規定に基づき加えることのできる単位数、(3)の規定に基づき認定することのできる単位数及び(4)の規定に基づき加えることのできる単位数の合計数は二〇を超えないこととしたこと。(第六三条の六)
(6) 学年による教育課程の区分を設けない全日制の課程について
 ア 高等学校の定時制の課程及び通信制の課程においては、学年による教育課程の区分を設けないことができることとされているが、全日制の課程においても同様のことができることとしたこと。(第六四条の三第一項)
 なお、これに伴い、平成元年文部省告示第二六号が平
  成五年三月一〇日付け文部省告示第二六号により別添のとおり一部改正されたこと。
 イ 学年による教育課程の区分を設けない全日制の課程に係る入学等の特例その他必要な事項は、単位制高等学校教育規程(昭和六三年文部省令第六号)の定めるところによることとしたこと。(第六四条の三第二項)
(7) その他
 ア その他所要の規定の整備を行ったこと。(第七三条の一六第五項及び附則第二項)
 イ 上記(1)については、平成五年二月二二日付け文初高第二四三号文部事務次官通知「高等学校の入学者選抜について」の趣旨を十分踏まえること。
 ウ 上記(2)〜(6)については、文部省に設置された高等学校教育の改革の推進に関する会議第一次報告(平成四年六月二九日付け四初高第五二号初等中等教育局高等学校課長通知)の内容に十分留意すること。
(8) 施行期日
 この省令は、平成五年四月一日から施行すること。(附則第一項)

二 単位制高等学校教育規程の一部を改正する省令について
(1) 上記一の省令の施行に伴い、学年による教育課程の区分を設けない全日制の課程について、入学及び卒業の時期、編入学、転入学並びに過去に在学した高等学校において修得した単位に係る特例を定めるとともに、関係規定を整備したこと。
(2) 施行期日
 この省令は、平成五年四月一日から施行すること。(附則)

三 高等学校設置基準の一部を改正する省令について
(1) 総合学科の設置について
 ア 高等学校の学科として、既存の普通教育を主とする学科及び専門教育を主とする学科に加えて、新たに普通教育及び専門教育を選択履修を旨として総合的に施す学科を規定したこと。(第五条第三号)
 イ 上記アの規定による新たな学科は、総合学科としたこと。(第六条第三項)
(2) 高等学校に置く職員のうち、生徒の養護をつかさどる職員に関する規定を整備したこと。(第一二条及び第一四条第二項)
(3) 高等学校の校舎に備えなければならない施設のうち、社会科教室を地理歴史科・公民科教室に、医務室を保健室に改めたこと。(第一九条第一項第三号及び第八号並びに第三一条第一項第五号)
(4) その他
 上記(1)の総合学科については別途通知するものであること。
(5) 施行期日
 この省令は、平成六年四月一日から施行すること。ただし、総合学科及び地理歴史科・公民科教室に係る改正以外の改正規定は公布の日から施行すること。(附則)

四 高等学校通信教育規程の一部を改正する省令について
(1) 上記一及び三の省令の施行に伴う所要の規定の整備をしたこと。(第六条第一項第五号及び第九条第四項)
(2) 施行期日
 この省令は、平成五年四月一日から施行すること。ただし、第六条第一項第五号の改正規定は公布の日から施行すること。(附則)
 (別添略)





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