● 学校教育法施行令第8条に基づく就学に関する事務の適正化等について(学校選択制) 平成19年3月30日 18文科初第1259号



18文科初第1259号 平成19年3月30日
各都道府県・政令指定都市教育委員会 宛
文部科学省初等中等教育局長(銭谷眞美)


    学校教育法施行令第8条に基づく就学に関する事務の適正化等について(通知)


 小学校又は中学校が2校以上ある市町村の教育委員会における就学予定者が就学すべき学校の指定等については、これまでも通知等で適切な取扱いをお願いしているところですが、昨年12月に、別添1のとおり閣議において、別添2の「規制改革・民間開放推進のための第3次答申」に示された「具体的施策」を最大限尊重し、所要の施策に速やかに取り組むことが決定されています。
 ついては、就学に関する事務について、下記事項に留意の上、適正に行われるようお願いします。
 また、各都道府県教育委員会においては、域内の市町村教育委員会に対して、このことを周知し、就学に関する事務の適正化が図られるよう改めて指導の徹底をお願いします。


                   記


1 就学校の変更に係る要件及び手続きの公表について(学校教育法施行規則第33条関係)
 市町村の教育委員会は、その指定した小学校又は中学校を変更することができる場合の要件及び手続きに関し必要な事項を定め、公表するものであること。
 上記事項について公表が行われていない市町村の教育委員会においては、速やかに必要な事項を定め、公表すること。

2 就学校指定通知における保護者の申立ができる旨の明示について(学校教育法施行規則第32条第2項関係)
 入学予定者に対して行われる就学指定通知(学校教育法施行令第5条第2項)において、その指定の変更についての保護者の申立ができる旨を示すこととされていること(学校教育法施行規則第32条第2項)。
 就学指定通知の中に上記事項が示されていない市町村の教育委員会においては、今後の当該通知において就学校の指定の変更についての保護者の申立ができる旨を示すこと。

3 学校教育法施行令第8条に規定する就学校の変更を相当と認める具体的な事由について
 学校教育法施行令第8条においては、市町村教育委員会において、「相当と認めるとき」は、就学校の指定の変更を行うことができることとされている。この「相当と認めるとき」の具体的な事由については、平成18年3月30日付け文部科学省初等中等教育局長通知(17文科初第1138号)や平成18年3月に作成し配付した「公立小学校・中学校における学校選択制等についての事例集」に以下の事項が盛り込まれているので、このことに留意すること。

 @ 上記通知や上記事例集において言及されている「いじめへの対応、通学の利便性などの地理的な理由、部活動等学校独自の活動等」については、文部科学省としては、単なる事例ではなく、どの市町村においても就学校の変更が認められてよい理由として示したものであること。
 A このことは、学校教育法施行令第8条で「市町村教育委員会は、」「相当と認めるときは、保護者の申立により、その指定した小学校又は中学校を変更することができる」と規定されており、就学校の変更に係る最終的な判断は市町村の教育委員会が行うものであることを踏まえたものであること。

4 学年途中における就学校の変更について
 学年途中において保護者が就学校の変更を求めた場合においても、市町村の教育委員会は、相当と認めるときは、就学校の変更を適切に行うこと。

5 「いじめへの対応」を理由とした就学校変更の申立について
 いじめへの対応について、市町村の教育委員会においては、新入学時であるか学年の途中であるかにかかわらず、当該保護者から自発的に変更の申立があるなど深刻ないじめの場合には、時機を逸することのなく十分配慮すること。
 また、学校や教育委員会において、いじめられる児童生徒に対して就学校の変更を強いるような運用がなされることのないよう留意すること。

6 就学に関する事務・制度の趣旨の保護者への徹底について
 市町村の教育委員会においては、上記3を踏まえ、就学校の変更を相当と認める具体的な事由の内容や考え方など、この制度の趣旨が保護者に対して確実に周知されるよう努めること。

【参照条文】
○学校教育法施行令(昭和28年政令第340号)
(就学すべき学校の指定)
第5条  (略)
2  市町村の教育委員会は、当該市町村の設置する小学校または中学校が2校以上ある場合においては、前項の通知(入学期日の通知)において当該就学予定者の就学すべき小学校又は中学校を指定しなければならない。

(就学すべき学校の変更)
第8条  市町村の教育委員会は、第5条第2項の場合において、相当と認めるときは、保護者の申立により、その指定した小学校又は中学校を変更することができる。この場合においては、すみやかに、その保護者及び前条の通知をした小学校又は中学校の校長に対し、その旨を通知するとともに、新たに指定した小学校又は中学校の校長に対し、同条の通知をしなければならない。

○学校教育法施行規則(昭和22年文部省令第11号)
第32条  (略)
2  市町村の教育委員会は、学校教育法施行令第5条第2項の規定による就学校の指定に係る通知において、その指定の変更についての同令第8条に規定する保護者の申立ができる旨を示すものとする。
第33条  市町村の教育委員会は、学校教育法施行令第8条の規定により、その指定した小学校又は中学校を変更することができる場合の要件及び手続に関し必要な事項を定め、これを公表するものとする。




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