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TITLE:  教育改革に関する改正法令(2001年〜2004年)
AUTHOR: 羽山 健一
SOURCE: 大阪教法研ニュース 第219号(2005年4月)
WORDS:  全40字×1281行


教育改革に関する改正法令
(2001年〜2004年)


羽 山 健 一


  2001年1月に行われた中央省庁再編により文部科学省が発足したが、それとともに、内閣府に経済財政諮問会議が設置され、いわゆる構造改革が本格化しはじめた。この頃より日本の教育改革は、構造改革の強力な影響の下に実施されるようになった。ここでは、その2001年から現在に至るまでの間に改正された教育改革に関する法令等をまとめている。すべての改正項目を網羅することはできなかったので、その主な項目を選んで次の表に示した。改正内容の細部については、表中の参考欄に示した文部科学省の施行通達をご覧いただきたい。表の後には、それぞれの項目について、簡単な説明と関係法令の該当箇所等を参考資料として載せた。資料の中の下線はすべて筆者によるもので改正部分を表している。これにより教育改革の大まかな進行状況を鳥瞰できればと思う。


 I 主な改正項目

 【 教育制度関係 】
項   目関係法令等参  考
1教育委員会の活性化
 ・委員の構成
 ・相談体制の整備
 ・会議の公開
 ・校長意見の内申
地方教育行政の組織及び運営に関する法律2001.08.29 13文科初571
2コミュニティ・スクール(地域運営学校)地方教育行政の組織及び運営に関する法律2004.06.24 16文科初429
3学校選択制学校教育法施行令2003.03.31 14文科初1330
4高校学区制の撤廃地方教育行政の組織及び運営に関する法律2001.08.29 13文科初571
5大学への飛び入学学校教育法2001.07.11 13文科初466
2001.12.27 13文科高1396
6インターナショナル・スクールの制度整備学校教育法施行規則2003.09.19 15文科高391
7専門職大学院学校教育法2002.11.29改正
8私立学校審議会私立学校法2004.05.12改正
9義務教育費国庫負担制度義務教育費国庫負担法2003.04.01 14文科初1316
10教育特区
 ・株式会社による学校設置
 ・NPOによる学校設置
 ・幼稚園入園年齢
 ・市町村による教員の給与負担
構造改革特別区域法構造改革特別区域基本方針(2004.04.23一部変更)

 【 教育活動関係 】
項   目関係法令等参  考
11学校週五日制の完全実施学校教育法施行規則2002.03.04 13文科初1000
12学校の自己点検・評価小学校設置基準等2002.03.29 13文科初1157
13学級編制基準の弾力化
 ・ティーム・ティーチング
 ・習熟度別指導
 ・定数の非常勤講師への転換
公立義務教育諸学校の学級編制及び教職員定数の標準に関する法律2001.06.29 13文科初444
2003.04.01 14文科初1316
14出席停止の要件学校教育法2001.07.11 13文科初466
2001.11.06 13文科初725
15学習指導要領の最低基準性と発展的な学習学習指導要領、義務教育諸学校教科用図書検定基準等2003.12.26 15文科初923
2002.09.26 14初教科32
16指導要録の絶対評価への転換初等中等教育局長通知2001.04.27 13文科初193
17奉仕活動の法制化学校教育法、社会教育法2001.07.11 13文科初466
2001.07.11 13文科生279
18読書活動の推進子どもの読書活動の推進に関する法律2001.12.12 13文科ス369
19認定就学者制度の導入学校教育法施行令2002.04.24 14文科初148
2002.05.27 14文科初291

 【 教職員関係 】
項   目関係法令等参  考
20公立学校教員の給与制度等の見直し教育公務員特例法等2003.08.25 15文科初592
21「指導力不足教員」の転職地方教育行政の組織及び運営に関する法律2001.08.29 13文科初571
2210年経験者研修教育公務員特例法2002.08.08 14文科初575
23栄養教諭学校教育法等2004.06.30 16文科ス142
24教員免許制度上の弾力的措置
 ・免許状の失効
 ・他校種免許状による専科担任
 ・隣接校種免許状の取得
 ・特別免許状
教育職員免許法2002.06.28 14文科初430



 II 参考資料(関係法令等)


 教育委員会の組織運営の活性化

 教育委員会の委員の構成について、親の参加や年齢、性別などの多様化を図る観点から措置を講ずるとともに、教育委員会の会議の原則公開について必要な措置を講ずる。(地方教育行政の組織及び運営に関する法律の一部を改正する法律 平成13年法律第104号)
 補足:教育委員会制度については、1999年のいわゆる地方分権一括法により、教育委員の6人体制の許容、教育長を教育委員の中から任命する方式、文部大臣の教育長承認制の廃止、などが定められていた。(地方分権の推進を図るための関係法律の整備等に関する法律 平成11年法律第87号)(1999.08.11 文教地203)

・教育委員選任の改善
地方教育行政の組織及び運営に関する法律
第三条 教育委員会は、五人の委員をもつて組織する。ただし、条例で定めるところにより、都道府県若しくは地方自治法(昭和二十二年法律第六十七号)第二百五十二条の十九第一項の指定都市(以下「指定都市」という。)又は地方公共団体の組合のうち都道府県若しくは指定都市が加入するものの教育委員会にあつては六人の委員、町村又は地方公共団体の組合のうち町村のみが加入するもの(次条第三項及び第七条第二項から第四項までにおいて単に「町村」という。)の教育委員会にあつては三人の委員をもつて組織することができる。

(任命)
第四条 委員は、当該地方公共団体の長の被選挙権を有する者で、人格が高潔で、教育、学術及び文化(以下単に「教育」という。)に関し識見を有するもののうちから、地方公共団体の長が、議会の同意を得て、任命する。
2 次の各号のいずれかに該当する者は、委員となることができない。
一 破産者で復権を得ない者
二 禁錮以上の刑に処せられた者
3 委員の任命については、そのうち三人以上(前条ただし書の規定により委員の数を三人とする町村にあつては、二人以上)が同一の政党に所属することとなつてはならない。
4 地方公共団体の長は、第一項の規定による委員の任命に当たつては、委員の年齢、性別、職業等に著しい偏りが生じないように配慮するとともに、委員のうちに保護者(親権を行う者及び未成年後見人をいう。第四十七条の五第二項において同じ。)である者が含まれるように努めなければならない

・教育委員会会議の公開
地方教育行政の組織及び運営に関する法律
第十三条 教育委員会の会議は、委員長が招集する。
2 教育委員会は、委員長及び在任委員の過半数が出席しなければ、会議を開き、議決をすることができない。ただし、第五項の規定による除斥のため過半数に達しないとき、又は同一の事件につき再度招集しても、なお過半数に達しないときは、この限りでない。
3 教育委員会の会議の議事は、第六項ただし書の発議に係るものを除き、出席委員の過半数で決し、可否同数のときは、委員長の決するところによる。
4 前二項の規定による会議若しくは議事又は第六項ただし書の発議に係る議事の定足数については、委員長は、委員として計算するものとする。
5 教育委員会の委員は、自己、配偶者若しくは三親等以内の親族の一身上に関する事件又は自己若しくはこれらの者の従事する業務に直接の利害関係のある事件については、その議事に参与することができない。ただし、教育委員会の同意があるときは、会議に出席し、発言することができる。
6 教育委員会の会議は、公開する。ただし、人事に関する事件その他の事件について、委員長又は委員の発議により、出席委員の三分の二以上の多数で議決したときは、これを公開しないことができる
7 前項ただし書の委員長又は委員の発議は、討論を行わないでその可否を決しなければならない。

・相談体制の整備
地方教育行政の組織及び運営に関する法律
第十九条 都道府県に置かれる教育委員会(以下「都道府県委員会」という。)の事務局に、指導主事、事務職員、技術職員その他の所要の職員を置く。
2 市町村に置かれる教育委員会(以下「市町村委員会」という。)の事務局に、前項の規定に準じて所要の職員を置く。
3 指導主事は、上司の命を受け、学校(学校教育法 (昭和二十二年法律第二十六号)第一条 に規定する学校をいう。以下同じ。)における教育課程、学習指導その他学校教育に関する専門的事項の指導に関する事務に従事する。
4 指導主事は、教育に関し識見を有し、かつ、学校における教育課程、学習指導その他学校教育に関する専門的事項について教養と経験がある者でなければならない。指導主事は、大学以外の公立学校(地方公共団体が設置する学校をいう。以下同じ。)の教員(教育公務員特例法 (昭和二十四年法律第一号)第二条第二項 に規定する教員をいう。以下同じ。)をもつて充てることができる。
5 事務職員は、上司の命を受け、事務に従事する。
6 技術職員は、上司の命を受け、技術に従事する。
7 第一項及び第二項の職員は、教育長の推薦により、教育委員会が任命する。
8 教育委員会は、事務局の職員のうち所掌事務に係る教育行政に関する相談に関する事務を行う職員を指定し、これを公表するものとする
9 前各項に定めるもののほか、教育委員会の事務局に置かれる職員に関し必要な事項は、政令で定める。

・校長意見の内申
地方教育行政の組織及び運営に関する法律
第三十八条 都道府県委員会は、市町村委員会の内申をまつて、県費負担教職員の任免その他の進退を行うものとする。
2 市町村委員会は、教育長の助言により、前項の内申を行うものとする。
3 市町村委員会は、次条の規定による校長の意見の申出があつた県費負担教職員について第一項の内申を行うときは、当該校長の意見を付するものとする



 コミュニティ・スクール(地域運営学校)

 コミュニティ・スクールは、教職員人事、予算使途及び、教育課程の決定などの学校経営について、学校、保護者、地域の独自性を制度的に担保する一方で、地元代表や保護者代表を含む「地域学校協議会」が地域に対し説明責任を負うという、地域コミュニティに開かれた、責任のある経営体として地方公共団体によって設置される。(地方教育行政の組織及び運営に関する法律の一部を改正する法律 平成16年6月9日法律第91号)
  補足:総合規制改革会議の提唱するコミュニティ・スクールは、新規事業創出のための創造的人材の育成と、新タイプの公立学校をつくることによる学校間競争の促進をねらいとしていた。これに対して中教審の提案した学校運営協議会(地域運営学校)は、保護者、地域住民の参加に重点が移っていた。

地方教育行政の組織及び運営に関する法律
第四十七条の五 教育委員会は、教育委員会規則で定めるところにより、その所管に属する学校のうちその指定する学校(以下この条において「指定学校」という。)の運営に関して協議する機関として、当該指定学校ごとに、学校運営協議会を置くことができる。
2 学校運営協議会の委員は、当該指定学校の所在する地域の住民、当該指定学校に在籍する生徒、児童又は幼児の保護者その他教育委員会が必要と認める者について、教育委員会が任命する。
3 指定学校の校長は、当該指定学校の運営に関して、教育課程の編成その他教育委員会規則で定める事項について基本的な方針を作成し、当該指定学校の学校運営協議会の承認を得なければならない。
4 学校運営協議会は、当該指定学校の運営に関する事項(次項に規定する事項を除く。)について、教育委員会又は校長に対して、意見を述べることができる。
5 学校運営協議会は、当該指定学校の職員の採用その他の任用に関する事項について、当該職員の任命権者に対して意見を述べることができる。この場合において、当該職員が県費負担教職員(第五十五条第一項、第五十八条第一項又は第六十一条第一項の規定により市町村委員会がその任用に関する事務を行う職員を除く。第九項において同じ。)であるときは、市町村委員会を経由するものとする。
6 指定学校の職員の任命権者は、当該職員の任用に当たつては、前項の規定により述べられた意見を尊重するものとする。
7 教育委員会は、学校運営協議会の運営が著しく適正を欠くことにより、当該指定学校の運営に現に著しい支障が生じ、又は生ずるおそれがあると認められる場合においては、その指定を取り消さなければならない。
8 指定学校の指定及び指定の取消しの手続、指定の期間、学校運営協議会の委員の任免の手続及び任期、学校運営協議会の議事の手続その他学校運営協議会の運営に関し必要な事項については、教育委員会規則で定める。
9 市町村委員会は、その所管に属する学校(その職員のうちに県費負担教職員である者を含むものに限る。)について第一項の指定を行おうとするときは、あらかじめ、都道府県委員会に協議しなければならない。



 学校選択制

  保護者や児童生徒の希望に基づく就学校の選択を適切に促進する観点から、各市町村教育委員会の判断により学校選択制を導入できることを明確にし、さらに学校選択制を導入した市町村にあっては、あらかじめ選択できる学校の名称を保護者や児童生徒に示し、その中から就学する学校を選択するための手続等を明確にするような観点から、関係法令を見直す。
 学校選択制を導入していない市町村にあっても、指定された就学校の変更を保護者や児童生徒が希望する場合の要件や手続等について、各市町村において明確にするよう、関係法令を見直す。(学校教育法施行規則の一部を改正する省令 平成15年文部科学省令)

学校教育法施行令
第五条 市町村の教育委員会は、就学予定者(法第二十二条第一項 又は第三十九条第一項 の規定により、翌学年の初めから小学校、中学校、中等教育学校、盲学校、聾学校又は養護学校に就学させるべき者をいう。以下同じ。)で次に掲げる者について、その保護者に対し、翌学年の初めから二月前までに、小学校又は中学校の入学期日を通知しなければならない。
一 就学予定者のうち、盲者(強度の弱視者を含む。)、聾者(強度の難聴者を含む。)、知的障害者、肢体不自由者又は病弱者(身体虚弱者を含む。)で、その心身の故障が、第二十二条の三の表に規定する程度のもの(以下「盲者等」という。)以外の者
二 盲者等のうち、市町村の教育委員会が、その者の心身の故障の状態に照らして、当該市町村の設置する小学校又は中学校において適切な教育を受けることができる特別の事情があると認める者(以下「認定就学者」という。)
2 市町村の教育委員会は、当該市町村の設置する小学校又は中学校(法第五十一条の十 の規定により高等学校における教育と一貫した教育を施すもの(以下「併設型中学校」という。)を除く。以下この項、次条第七号、第六条の三、第六条の四、第七条、第八条、第十一条の二、第十二条第三項及び第十二条の二において同じ。)が二校以上ある場合においては、前項の通知において当該就学予定者の就学すべき小学校又は中学校を指定しなければならない。
3 前二項の規定は、第九条第一項の届出のあつた就学予定者については、適用しない。
第八条 市町村の教育委員会は、第五条第二項(第六条において準用する場合を含む。)の場合において、相当と認めるときは、保護者の申立により、その指定した小学校又は中学校を変更することができる。この場合においては、すみやかに、その保護者及び前条の通知をした小学校又は中学校の校長に対し、その旨を通知するとともに、新たに指定した小学校又は中学校の校長に対し、同条の通知をしなければならない

学校教育法施行規則(平成15年3月31日公布)
第三十二条 市町村の教育委員会は、学校教育法施行令第五条第二項 (同令第六条 において準用する場合を含む。)の規定により就学予定者の就学すべき小学校又は中学校を指定する場合には、あらかじめ、その保護者の意見を聴取することができる。この場合においては、意見の聴取の手続に関し必要な事項を定め、これを公表するものとする
第三十三条  市町村の教育委員会は、学校教育法施行令第八条 の規定により、その指定した小学校又は中学校を変更することができる場合の要件及び手続に関し必要な事項を定め、これを公表するものとする。



 高校学区制の撤廃

 公立高等学校の弾力化を進めるため、通学区域を設定することを規定した地方教育行政の組織及び運営に関する法律を見直し、通学区域の設定等を設置者である都道府県等の自主的な判断にゆだねる。(地方教育行政の組織及び運営に関する法律の一部を改正する法律 平成13年法律第104号)

地方教育行政の組織及び運営に関する法律 第50条 削除
旧第50条(高等学校の通学区域の指定)
都道府県委員会は、高等学校の教育の普及及びその機会均等を図るため、教育委員会規則で、当該都道府県内の区域に応じて就学希望者が就学すべき都道府県委員会又は市町村委員会の所管に属する高等学校を指定した通学区域を定める。ただし、一の通学区域内にある都道府県委員会又は市町村委員会の所管に属する高等学校に就学希望者が集中する等特別の事情がある場合においては、通学区域について必要な調整を行うことができる。
2 前項の場合において、市町村委員会の所管に属する高等学校に係る部分については、都道府県委員会は、あらかじめ当該市町村委員会の意見をきかなければならない。



 大学への飛び入学

 物理と数学に限定されていた、高校2年生修了後に大学に入学することのできる飛び入学の認められる範囲を拡大する。(学校教育法の一部を改正する法律 平成13年法律第105号)

学校教育法
第五十六条 大学に入学することのできる者は、高等学校若しくは中等教育学校を卒業した者若しくは通常の課程による十二年の学校教育を修了した者(通常の課程以外の課程によりこれに相当する学校教育を修了した者を含む。)又は文部科学大臣の定めるところにより、これと同等以上の学力があると認められた者とする。
2 前項の規定にかかわらず、次の各号に該当する大学は、文部科学大臣の定めるところにより、高等学校に文部科学大臣の定める年数以上在学した者(これに準ずる者として文部科学大臣が定める者を含む。)であつて、当該大学の定める分野において特に優れた資質を有すると認めるものを、当該大学に入学させることができる
一 当該分野に関する教育研究が行われている大学院が置かれていること。
二 当該分野における特に優れた資質を有する者の育成を図るのにふさわしい教育研究上の実績及び指導体制を有すること。

学校教育法施行規則
第六十九条の二  学校教育法第五十六条第二項 の規定により学生を入学させる大学は、特に優れた資質を有すると認めるに当たつては、入学しようとする者の在学する学校の校長の推薦を求める等により、同項の入学に関する制度が適切に運用されるよう工夫を行うものとする
第六十九条の三  学校教育法第五十六条第二項 の規定により学生を入学させる大学は、同項 の入学に関する制度の運用の状況について、同法第六十九条の三第一項 に規定する点検及び評価を行い、その結果を公表しなければならない。
第六十九条の四  学校教育法第五十六条第二項 に規定する文部科学大臣の定める年数は、二年とする

旧第六十九条
  学校教育法第五十六条の規定により、大学入学に関し、高等学校を卒業した者と同等以上の学力があると認められる者は、次の各号の一に該当する者とする。
 一 外国において、学校教育における十二年の課程を修了した者又はこれに準ずる者で文部科学大臣の指定したもの
 二 文部科学大臣が高等学校の課程と同等の課程を有するものとして認定した在外教育施設の当該課程を修了した者
 三 文部科学大臣の指定した者
 四 大学入学資格検定規程(昭和二十六年文部省令第十三号)により文部科学大臣の行う大学入学資格検定に合格した者
 五 高等学校に二年以上在学した者又はこれに準ずる者で文部科学大臣の指定したものであつて、文部科学大臣が別に定める要件を満たす大学において、数学又は物理学の分野における特に優れた資質を有し、かつ、高等学校を卒業した者と同等以上の学力があると認めた者
 六 その他大学において、相当の年齢に達し、高等学校を卒業した者と同等以上の学力があると認めた者



 インターナショナル・スクールの制度整備

 インターナショナル・スクールにおいて一定水準の教育を受けて卒業した生徒が希望する場合には、我が国の大学の入学については、大学入学資格検定を受検しなくとも、入学資格を認められるようにするとともに、高等学校の入学については、例えば中学校卒業程度認定試験の受験資格を拡大する等により、大学や高等学校への入学機会を拡大する。(学校教育法施行規則の一部を改正する省令 平成15年9月16日文部科学省令第41号)
 補足:いわゆる外国人学校のうち、卒業生全員に大学受験資格を認めるものは、(1) 欧米系インターナショナル・スクールで、英米両国の民間評価機関の認定を受けている、(2) 本国の正規の教育課程(12年)と同等の学校と位置づけられていることが日本側で公的に確認できる、ことを条件とする。文科省によると、2003年7月現在、高校段階がある12年課程の外国人学校は41校。うちインターナショナル・スクール16校が(1)の対象。韓国学校やインドネシア学校、中華学校など8校も(2)で認められる見通し。朝鮮学校12校は「公的な確認が困難」として、現時点では対象にならない。ただ、卒業生は大学の個別審査を受けることで、大検を経ない受験が可能になる。(朝日新聞2003年8月7日)

学校教育法施行規則
第六十九条 学校教育法第五十六条第一項 の規定により、大学入学に関し、高等学校を卒業した者と同等以上の学力があると認められる者は、次の各号の一に該当する者とする。
一 外国において学校教育における十二年の課程を修了した者又はこれに準ずる者で文部科学大臣の指定したもの
二 文部科学大臣が高等学校の課程と同等の課程を有するものとして認定した在外教育施設の当該課程を修了した者
三 文部科学大臣の指定した者
四 大学入学資格検定規程 (昭和二十六年文部省令第十三号)により文部科学大臣の行う大学入学資格検定に合格した者
五 学校教育法第五十六条第二項 の規定により大学に入学した者であつて、当該者をその後に入学させる大学において、大学における教育を受けるにふさわしい学力があると認めたもの
六 大学において、個別の入学資格審査により、高等学校を卒業した者と同等以上の学力があると認めた者で、十八歳に達したもの



 専門職大学院

 大学院の目的として、高度専門職業人の養成を明確に位置付けるとともに、大学院のうち、高度専門職業人の養成を目的とするものは、専門職大学院とする。(学校教育法の一部を改正する法律 平成14年11月29日法津第164号)

学校教育法
第六十五条 大学院は、学術の理論及び応用を教授研究し、その深奥をきわめ、又は高度の専門性が求められる職業を担うための深い学識及び卓越した能力を培い、文化の進展に寄与することを目的とする。
2 大学院のうち、学術の理論及び応用を教授研究し、高度の専門性が求められる職業を担うための深い学識及び卓越した能力を培うことを目的とするものは、専門職大学院とする。



 私立学校審議会

 私立学校審議会は、私立学校の自主性を確保する観点から、私立学校行政に関する所轄庁の権限行使に当たり、私学関係者の意見を反映するために設けられており、旧私立学校法第10条は、私立学校関係者以外の民間有識者等を私立学校審議会の構成員数の4分の1以上にしてはならない等と規定していた。しかし、この規定は、各都道府県の私立学校行政を過度に規制しかねない可能性もあることから、私立学校審議会の構成員比率及び委員候補者の推薦に関する規定を私立学校法から削除することを内容とする措置を講ずるとともに、私立学校審議会の構成員比率等の見直しの趣旨を通知等で関係者に十分に周知する。(私立学校法の一部を改正する法律 平成16年法律第42号)

私立学校法の一部を改正する法律(平成16年5月12日)法律案要綱
第一 私立学校審議会の構成の見直し
 私立学校審議会の委員は、教育に関し学識経験を有する者のうちから都道府県知事が任命することとするほか、委員の資格、構成割合、推薦手続等は、都道府県知事の判断に委ねること。(第十条及び第十一条関係)

第二 理事会の設置等学校法人の管理運営制度の改善
一 学校法人設立時の寄附行為の認可申請に当たっての当該寄附行為の記載事項として、新たに役員の定数、任期、選任及び解任の方法並びに理事会に関する規定を加えること。(第三十条関係)
二 学校法人に理事会を置き、理事会は、学校法人の業務を決し、理事の職務の執行を監督することとするほか、理事会の招集方法、議長、定足数及び議決要件について定めること。(第三十六条関係)
三 理事長は、学校法人を代表し、その業務を総理することとすること。(第三十七条第一項関係)
四 理事は、寄附行為の定めるところにより、学校法人を代表し、理事長を補佐して学校法人の業務を掌理すること等とするほか、民法第五十四条(代表権の制限)を準用しないこととすること。(第三十七条第二項及び第四十九条関係)
五 監事の職務として、新たに学校法人の業務又は財産の状況について、毎会計年度、監査報告書を作成し、当該会計年度終了後二月以内に理事会及び評議員会に提出することを加えるほか、理事会の設置に伴う所要の規定の整備を行うこと。(第三十七条第三項関係)
六 監事は、評議員会の同意を得て理事長が選任することとするほか、評議員と兼ねてはならないこととすること。(第三十八条第四項及び第三十九条関係)
七 理事又は監事には、それぞれその選任の際現に当該学校法人の役員又は職員でない者が含まれるようにしなければならないこと等とすること。(第三十八条第五項及び第六項関係)
八 事業計画については、理事長においてあらかじめ評議員会の意見を聞かなければならないこととすること。(第四十二条第一項関係)
九 理事長は、毎会計年度終了後二月以内に事業の実績を評議員会に報告し、その意見を求めなければならないこととすること。(第四十六条関係)

第三 財産目録等の閲覧制度の創設等
一 学校法人は、毎会計年度終了後二月以内に財産目録、貸借対照表、収支計算書及び事業報告書を作成しなければならないこととすること。(第四十七条第一項関係)
二 学校法人は、前記一の書類及び監査報告書(以下「財産目録等」という。)を各事務所に備えて置き、在学者その他の利害関係人から請求があった場合には、正当な理由がある場合を除いて、これを閲覧に供しなければならないこととすること。(第四十七条第二項関係)
三 学校法人の理事等は、財産目録等の備付けを怠り、又は財産目録等に記載すべき事項を記載せず、若しくは不実の記載をしたときは、二十万円以下の過料に処することとすること。(第六十六条関係)
(以下略)

旧私立学校法
第10条(委員)
私立学校審議会は、十人以上二十人以内において都道府県知事の定める員数の委員をもつて、組織する。
2 委員は、次の各号に掲げる者のうちから、都道府県知事が任命する。
一 当該都道府県の区域内にある私立の小学校、中学校若しくは高等学校の校長、私立幼稚園の園長、私立専修学校の校長、これらの学校若しくは専修学校の教員又はこれらの学校若しくは専修学校を設置する学校法人若しくは第六十四条第四項の法人の理事
二 学識経験のある者
3 都道府県知事は、前項第二号に規定する者のうちから任命される委員の数が同項第一号に規定する者のうちから任命される委員の数の三分の一以内になるように、それぞれの定数を定めなければならない
4 都道府県知事は、第二項第一号に規定する者のうちから任命される委員の定数のうちの一人を、同号の規定にかかわらず、当該都道府県の区域内にある私立の盲学校、聾学校、養護学校若しくは各種学校の校長若しくは教員又はこれらの学校若しくは各種学校を設置する学校法人若しくは第六十四条第四項の法人の理事のうちから任命することができる。
5 第二項第一号又は前項に規定する者のうちから任命される委員のうち、校長若しくは園長又は教員である理事以外の理事のうちから任命される委員の数は、第二項第一号に規定する者のうちから任命される委員の定数の半数以内とする。



 義務教育費国庫負担制度

 「国と地方に係る経済財政運営と構造改革に関する基本方針」を受け、国と地方の費用負担の在り方の見直しの観点から、義務教育費国庫負担金の負担対象経費を国として真に負担すべきものに限定。(義務教育費国庫負担法の一部改正 平成15年3月31日法津第12号、平成16年3月31日法律第16号)
 国及び地方公共団体を通じた財政改革のための国の補助金等の整理及び合理化等に伴い、平成17年度における暫定措置として公立の義務教育諸学校の教職員の給与等に要する経費の国庫負担額を減額するほか、経済的理由によって就学困難な児童及び生徒について学用品等を給与する場合における国の補助の対象を要保護者に限定する等文部科学省関係の補助金の整理及び合理化を図る必要がある。(義務教育費国庫負担法等の一部改正法案 第162回国会)
  補足: いわゆる「三位一体改革」とは、経済財政諮問会議において2002年7月に示された税財政改革案において、2009年までに、(1) 国庫補助負担金の削減、(2) 国から地方への税源委譲と税源配分の見直し、(3) 地方交付税の改革・削減を三位一体で進めるというもの。2004年6月に閣議決定された「経済財政運営と構造改革に関する基本方針2004」(いわゆる「骨太の方針2004」)においては、2006年までに3兆円規模の税源委譲を行うことになり、それに見合う国庫補助金の削減案を全国知事会がとりまとめ、それを受けて政府が具体的な補助金の削減を決めることになった。2004年度の義務教育費国庫負担金の額は約2.5兆円であるから、削減の対象として同負担金を充てようとする具体案が有力となっている。文科省は義務教育費国庫負担制度について、教育水準の維持向上のためにその根幹を堅持する必要があると考えながらも、国庫負担対象経費を国として真に負担すべきものに限定する必要があるとして、今回の法改正にいたった。国庫負担の対象外となったのは、共済費長期給付および公務災害補償に要する経費(平成15年)、退職手当および児童手当に要する経費(平成16年)。文科省は、教職員の給与に要する経費について、これが教育水準の維持に必要不可欠なものであることから。最後までこれを堅持しようとしている。

義務教育費国庫負担法
(この法律の目的)
第一条 この法律は、義務教育について、義務教育無償の原則に則り、国民のすべてに対しその妥当な規模と内容とを保障するため、国が必要な経費を負担することにより、教育の機会均等とその水準の維持向上とを図ることを目的とする。

(教職員の給与及び報酬等に要する経費の国庫負担)
第二条 国は、毎年度、各都道府県ごとに、公立の小学校、中学校、中等教育学校の前期課程並びに盲学校及び聾学校の小学部及び中学部(学校給食法 (昭和二十九年法律第百六十号)第五条の二 に規定する施設を含むものとし、以下「義務教育諸学校」という。)に要する経費のうち、次に掲げるものについて、その実支出額の二分の一を負担する。ただし、特別の事情があるときは、各都道府県ごとの国庫負担額の最高限度を政令で定めることができる。
一 市(特別区を含む。)町村立の義務教育諸学校に係る市町村立学校職員給与負担法 (昭和二十三年法律第百三十五号)第一条 に掲げる職員の給料その他の給与(退職手当、退職年金及び退職一時金並びに旅費を除く。)及び報酬等に要する経費(以下「教職員の給与及び報酬等に要する経費」という。)
二 都道府県立の中学校(学校教育法 (昭和二十二年法律第二十六号)第五十一条の十 の規定により高等学校における教育と一貫した教育を施すものに限る。)、中等教育学校、盲学校及び聾学校に係る教職員の給与及び報酬等に要する経費



10  構造改革特別区域法

 株式会社など国・地方公共団体や学校法人以外の民間主体による教育分野への参入については、会計制度などによる情報開示制度、第三者評価による質の担保及びセーフティネットの整備等を前提に、教育の公共性、安定性、継続性の確保に留意しつつ、構造改革特区における特例措置として実施を認める。(文部科学省関係構造改革特別区域法施行規則の一部改正 平成16年4月30日文部科学省令第33号)

・株式会社による学校設置
構造改革特別区域法
(学校教育法 の特例)
第十二条 地方公共団体が、その設定する構造改革特別区域において、地域の特性を生かした教育の実施の必要性、地域産業を担う人材の育成の必要性その他の特別の事情に対応するための教育又は研究を株式会社の設置する学校(学校教育法 (昭和二十二年法律第二十六号)第一条 に規定する学校をいう。以下この条及び別表第二号において同じ。)が行うことが適切かつ効果的であると認めて内閣総理大臣の認定を申請し、その認定を受けたときは、当該認定の日以後は、同法第二条第一項 中「及び私立学校法第三条 に規定する学校法人(以下学校法人と称する。)」とあるのは「、私立学校法第三条 に規定する学校法人(以下学校法人と称する。)及び構造改革特別区域法(平成十四年法律第百八十九号)第十二条第二項に規定する特別の事情に対応するための教育又は研究を行い、かつ、同項各号に掲げる要件のすべてに適合している株式会社(次項、第四条第一項第三号、第六十条の二及び第百二条第一項において学校設置会社という。)」と、同条第二項中「学校法人」とあるのは「学校法人又は学校設置会社」と、同法第四条第一項第三号中「都道府県知事」とあるのは「都道府県知事(学校設置会社の設置するものにあつては、構造改革特別区域法第十二条第一項の認定を受けた地方公共団体の長。第十条、第十四条、第三十四条(第四十条、第五十一条、第五十一条の九第一項、第七十六条及び第八十二条において準用する場合を含む。)及び第四十五条第三項(第五十一条の九第一項において準用する場合を含む。)において同じ。)」と、同法第六十条の二(同法第七十条の十において準用する場合を含む。)中「諮問しなければならない」とあるのは「諮問しなければならない。学校設置会社の設置する大学について第四条第一項の規定による認可を行う場合(設置の認可を行う場合を除く。)及び学校設置会社の設置する大学に対し第十三条の規定による命令を行う場合も、同様とする」と、同法第百二条第一項中「学校法人」とあるのは「学校法人又は学校設置会社」とする。
2 前項の規定により学校教育法第四条第一項 の認可を受けて学校を設置することができる株式会社(以下この条及び第十九条第一項第一号並びに別表第二号において「学校設置会社」という。)は、その構造改革特別区域に設置する学校において、地域の特性を生かした教育の実施の必要性、地域産業を担う人材の育成の必要性その他の特別の事情に対応するための教育又は研究を行うものとし、次に掲げる要件のすべてに適合していなければならない。
一 文部科学省令で定める基準に適合する施設及び設備又はこれらに要する資金並びに当該学校の経営に必要な財産を有すること。
二 当該学校の経営を担当する役員が学校を経営するために必要な知識又は経験を有すること。
三 当該学校設置会社の経営を担当する役員が社会的信望を有すること。

・NPOによる学校設置
構造改革特別区域法
第十三条 地方公共団体が、その設定する構造改革特別区域において、学校生活への適応が困難であるため相当の期間学校(学校教育法第一条 に規定する学校をいい、大学及び高等専門学校を除く。以下この条及び別表第三号において同じ。)を欠席していると認められる児童、生徒若しくは幼児又は発達の障害により学習上若しくは行動上著しい困難を伴うため教育上特別の指導が必要であると認められる児童、生徒若しくは幼児(次項において「不登校児童等」という。)を対象として、当該構造改革特別区域に所在する学校の設置者による教育によっては満たされない特別の需要に応ずるための教育を特定非営利活動法人(特定非営利活動促進法 (平成十年法律第七号)第二条第二項 の特定非営利活動法人をいう。次項において同じ。)の設置する学校が行うことにより、当該構造改革特別区域における学校教育の目的の達成に資するものと認めて内閣総理大臣の認定を申請し、その認定を受けたときは、当該認定の日以後は、学校教育法第二条第一項 中「設置することができる」とあるのは「設置することができる。ただし、構造改革特別区域法(平成十四年法律第百八十九号)第十三条第二項に規定する特別の需要に応ずるための教育を行い、かつ、同項各号に掲げる要件のすべてに適合している特定非営利活動促進法 (平成十年法律第七号)第二条第二項 の特定非営利活動法人(次項、第四条第一項第三号及び第百二条第一項において学校設置非営利法人という。)は、大学及び高等専門学校以外の学校を設置することができる」と、同条第二項中「学校法人」とあるのは「学校法人又は学校設置非営利法人」と、同法第四条第一項第三号 中「都道府県知事」とあるのは「都道府県知事(学校設置非営利法人の設置するものにあつては、構造改革特別区域法第十三条第一項の認定を受けた地方公共団体の長。第十条、第十四条、第三十四条(第四十条、第五十一条、第五十一条の九第一項、第七十六条及び第八十二条において準用する場合を含む。)及び第四十五条第三項(第五十一条の九第一項において準用する場合を含む。)において同じ。)」と、同法第百二条第一項中「学校法人」とあるのは「学校法人又は学校設置非営利法人」とする。
2 前項の規定により学校教育法第四条第一項 の認可を受けて学校を設置することができる特定非営利活動法人(以下この条及び第十九条第一項第二号並びに別表第三号において「学校設置非営利法人」という。)は、その構造改革特別区域に設置する学校において、不登校児童等を対象として、当該構造改革特別区域に所在する学校の設置者による教育によっては満たされない特別の需要に応ずるための教育を行うものとし、次に掲げる要件のすべてに適合していなければならない。
一 文部科学省令で定める基準に適合する施設及び設備又はこれらに要する資金並びに当該学校の経営に必要な財産を有すること。
二 当該学校の経営を担当する役員が学校を経営するために必要な知識又は経験を有すること。
三 当該学校設置非営利法人の経営を担当する役員が社会的信望を有すること。
四 不登校児童等を対象として行う特定非営利活動促進法第二条第一項 に規定する特定非営利活動の実績が相当程度あること。

・幼稚園入園年齢の引き下げ
構造改革特別区域法
第十四条 地方公共団体が、その設定する構造改革特別区域における経済的社会的条件の変化に伴い幼児の数が減少し又は幼児が他の幼児と共に活動する機会が減少したことその他の事情により当該構造改革特別区域内の幼稚園においては学校教育法第七十八条第二号 に掲げる目標を達成することが困難であると認められることから幼児の心身の発達を助長するために特に必要があると認めて内閣総理大臣の認定を申請し、その認定を受けたときは、当該認定の日以後は、幼児は、同法第八十条 の規定にかかわらず、満二歳に達した日の翌日以後における最初の学年の初めから当該構造改革特別区域内の幼稚園に入園することができる
2 第九条第一項の規定により前項の認定が取り消された場合においては、その取消しの日の前日に構造改革特別区域内の幼稚園に在籍する満三歳に達しない幼児は、学校教育法第八十条 の規定にかかわらず、満三歳に達するまで引き続き在籍することができる。

・市町村による教員の給与負担
構造改革特別区域法
第十七条 市町村に置かれる教育委員会が、当該市町村立の小学校等(小学校、中学校、中等教育学校の前期課程、盲学校、聾学校及び養護学校をいう。以下この項において同じ。)につき、当該市町村が設定する構造改革特別区域の設定の趣旨にかんがみ、当該構造改革特別区域内に所在する市町村立の小学校等において、当該構造改革特別区域における産業を担う人材の育成、国際理解の促進等のために周辺の地域に比して教育上特に配慮が必要な事情があるものと認めてその職員(市町村立学校職員給与負担法 (昭和二十三年法律第百三十五号)第一条 に規定する職員(校長及び公立義務教育諸学校の学級編制及び教職員定数の標準に関する法律 (昭和三十三年法律第百十六号)第十七条第二項 に規定する非常勤の講師を除く。)をいう。以下この項において同じ。)を任用しようとする場合において、当該市町村が内閣総理大臣の認定を申請し、その認定を受けたときは、当該認定の日以後の任用については、市町村立学校職員給与負担法第一条 の規定は、適用しない。この場合において、当該市町村に置かれる教育委員会は、当該職員を任用しようとするときは、あらかじめ、当該職員の氏名及び職種並びに任用の目的及び任期を付す場合にはその期間その他文部科学省令で定める事項を当該市町村を包括する都道府県に置かれる教育委員会に通知しなければならない。これらの事項を変更しようとするときも、同様とする。
2 前項の規定は、市(地方自治法第二百五十二条の十九第一項 の指定都市を除く。以下この項において同じ。)町村に置かれる教育委員会が当該市町村立の定時制高等学校(高等学校(中等教育学校の後期課程を含む。)で学校教育法第四条第一項 に規定する定時制の課程を置くものをいう。)の職員(市町村立学校職員給与負担法第二条 に規定する職員(校長及び公立高等学校の適正配置及び教職員定数の標準等に関する法律 (昭和三十六年法律第百八十八号)第二十三条第二項 に規定する非常勤の講師を除く。)をいう。)を任用しようとする場合について準用する。この場合において、前項中「市町村立学校職員給与負担法第一条 」とあるのは、「市町村立学校職員給与負担法第二条 」と読み替えるものとする。



11  学校週五日制の完全実施

 完全学校週五日制は、幼児、児童及び生徒の家庭や地域社会での生活時間の比重を高めて、主体的に使える時間を増やし、「ゆとり」の中で、学校・家庭・地域社会が相互に連携しつつ、子どもたちに社会体験や自然体験などの様々な活動を経験させ、自ら学び自ら考える力や豊かな人間性、たくましく生きるための健康や体力などの「生きる力」をはぐくむものである。(学校教育法施行規則の一部を改正する省令 平成11年3月29日)
  補足:1992年9月から月1回の週五日制がはじまり、1995年4月からは第2・第4土曜日を休業日とする月2回の週五日制が実施された。そして今回の改正により2002年4月から学校週五日制が完全実施されることになった。週五日制の実施によって減少する授業時間数に対応するため、学習内容を3割削減するなど学習指導要領の改訂が行われ、同じく2002年4月からの実施となった。この週五日制実施の前後から「学力低下」を危ぶむ声が出はじめ、実施後もその声は日増しに高まっていったため、文科省はわずか1年あまりで、この学習指導要領を一部改正せざるをえなくなる。

学校教育法施行規則
第四十七条 公立小学校における休業日は、次のとおりとする。ただし、第三号に掲げる日を除き、特別の必要がある場合は、この限りでない。
一 国民の祝日に関する法律(昭和二十三年法律第百七十八号)に規定する日
二 日曜日及び土曜日
三 学校教育法施行令第二十九条 の規定により教育委員会が定める日



12  学校の自己点検・評価

  多彩な教育理念に基づく私立の小・中学校の設置が促進されるよう、小・中学校の設置基準を「小学校設置基準」「中学校設置基準」のような形で明確に示す。
  すべての小中学校において教育目標を作成することとなるよう促すとともに、その実現を適切に進めているかどうかについて点検するような自己点検評価を制度化する。
 学校の概要(教員数、児童生徒数、校舎面積、教育目標、運営方針、教育計画等)や自己点検評価の結果などとともに、教員の教育方針等の情報発信を促進する。【小学校設置基準(平成14年文部科学省令第14号)、中学校設置基準(平成14年文部科学省令第15号)】

小学校設置基準
第一条 小学校は、学校教育法 (昭和二十二年法律第二十六号)その他の法令の規定によるほか、この省令の定めるところにより設置するものとする。
2 この省令で定める設置基準は、小学校を設置するのに必要な最低の基準とする
3 小学校の設置者は、小学校の編制、施設、設備等がこの省令で定める設置基準より低下した状態にならないようにすることはもとより、これらの水準の向上を図ることに努めなければならない。
(自己評価等)
第二条 小学校は、その教育水準の向上を図り、当該小学校の目的を実現するため、当該小学校の教育活動その他の学校運営の状況について自ら点検及び評価を行い、その結果を公表するよう努めるものとする
2 前項の点検及び評価を行うに当たっては、同項の趣旨に即し適切な項目を設定して行うものとする。
(情報の積極的な提供)
第三条 小学校は、当該小学校の教育活動その他の学校運営の状況について、保護者等に対して積極的に情報を提供するものとする



13  学級編制基準の弾力化

 各学校における学級編制や教職員配置を、教育委員会の判断により一層弾力的に行うことができるようにする。学習の習熟度に差がつきやすい教科(算数(数学)や理科、英語など)について、児童生徒の学習内容の理解や習熟の程度に応じティームティーチングの活用等によりグループ別学習を行うといったことを積極的に進める。(公立義務教育諸学校の学級編制及び教職員定数の標準に関する法律等の一部を改正する法律 平成13年法律第22号)

公立義務教育諸学校の学級編制及び教職員定数の標準に関する法律
(学級編制の標準)
第三条 公立の義務教育諸学校の学級は、同学年の児童又は生徒で編制するものとする。ただし、当該義務教育諸学校の児童又は生徒の数が著しく少いかその他特別の事情がある場合においては、政令で定めるところにより、数学年の児童又は生徒を一学級に編制することができる。
2 各都道府県ごとの、公立の小学校又は中学校(中等教育学校の前期課程を含む。)の一学級の児童又は生徒の数の基準は、次の表の上欄に掲げる学校の種類及び同表の中欄に掲げる学級編制の区分に応じ、同表の下欄に掲げる数を標準として、都道府県の教育委員会が定める。ただし、都道府県の教育委員会は、当該都道府県における児童又は生徒の実態を考慮して特に必要があると認める場合については、この項本文の規定により定める数を下回る数を、当該場合に係る一学級の児童又は生徒の数の基準として定めることができる

・ティーム・ティーチング、習熟度別指導
公立義務教育諸学校の学級編制及び教職員定数の標準に関する法律
第七条 教頭、教諭、助教諭及び講師(以下「教頭及び教諭等」という。)の数は、次に定めるところにより算定した数を合計した数とする。
一 次の表の上欄に掲げる学校の種類ごとに同表の中欄に掲げる学校規模ごとの学校の学級総数に当該学校規模に応ずる同表の下欄に掲げる数を乗じて得た数(一未満の端数を生じたときは、一に切り上げる。以下同じ。)の合計数
2 小学校若しくは中学校又は中等教育学校の前期課程において、児童又は生徒の心身の発達に配慮し個性に応じた教育を行うため、複数の教頭及び教諭等の協力による指導が行われる場合、少数の児童若しくは生徒により構成される集団を単位として指導が行われる場合又は教育課程(小学校の教育課程を除く。)の編成において多様な選択教科が開設される場合には、前項の規定により算定した数に政令で定める数を加えた数を教頭及び教諭等の数とする

・定数の非常勤講師への転換
公立義務教育諸学校の学級編制及び教職員定数の標準に関する法律
(教職員定数の短時間勤務の職を占める者等の数への換算)
第十七条 第六条の二から第九条まで又は第十条の二から第十四条までに定めるところにより算定した教職員の数は、政令で定めるところにより、公立の義務教育諸学校(共同調理場を含む。)に置く校長、教頭、教諭、養護教諭、助教諭、養護助教諭、講師、寄宿舎指導員、学校栄養職員又は事務職員で地方公務員法 (昭和二十五年法律第二百六十一号)第二十八条の五第一項 に規定する短時間勤務の職を占める者の数に換算することができる。
2 第七条又は第十一条に定めるところにより算定した教頭及び教諭等の数は、政令で定めるところにより、公立の義務教育諸学校に置く非常勤の講師(地方公務員法第二十八条の五第一項 に規定する短時間勤務の職を占める者及びその配置の目的等を考慮して政令で定める者を除く。)の数に換算することができる



14  出席停止の要件

 小・中学校における児童生徒の問題行動等への適切な対応のため、学校が問題を起こす児童生徒に対して行う出席停止制度について要件の明確化を図るための措置を講ずる。(学校教育法の一部を改正する法律 平成13年法律第105号)

学校教育法
第二十六条 市町村の教育委員会は、次に掲げる行為の一又は二以上を繰り返し行う等性行不良であつて他の児童の教育に妨げがあると認める児童があるときは、その保護者に対して、児童の出席停止を命ずることができる。
一 他の児童に傷害、心身の苦痛又は財産上の損失を与える行為
二 職員に傷害又は心身の苦痛を与える行為
三 施設又は設備を損壊する行為
四 授業その他の教育活動の実施を妨げる行為
2 市町村の教育委員会は、前項の規定により出席停止を命ずる場合には、あらかじめ保護者の意見を聴取するとともに、理由及び期間を記載した文書を交付しなければならない。
3 前項に規定するもののほか、出席停止の命令の手続に関し必要な事項は、教育委員会規則で定めるものとする。
4 市町村の教育委員会は、出席停止の命令に係る児童の出席停止の期間における学習に対する支援その他の教育上必要な措置を講ずるものとする。



15  学習指導要領の最低基準性、発展的な学習

 学習指導要領は教育課程編成上の最低基準としての性格を有しており、各学校における弾力的な取扱いを排除するものではないことについて、教育現場や広く社会一般に対して十分な理解を得るため、学習指導要領の一部改訂を行った。(2003.12.26 15文科初923)
  補足:学習指導要領は大綱的基準としての性格を有するとされてきたが、その中には「〜程度にとどめる」「深入りしない」などの表現があり、それらは「はどめ規定」と呼ばれていた。はどめ規定は指導内容の上限を限る機能をもつから、学習指導要領は上限基準としての性格も有することになる。2002年の週五日制の完全実施にともなう学力低下批判が起こると、文科省は指導要領に対する批判をかわすため、指導要領の最低基準性を明確にする改訂を行い、学習指導要領が発展的な学習内容の指導を排除していないことを強調した。

確かな学力の向上のための2002アピール「学びのすすめ」(文科省2002.01.17)
2 発展的な学習で、一人一人の個性等に応じて子どもの力をより伸ばす
【ねらい】 学習指導要領に示す各教科等の内容は、いずれの学校においても取り扱わなければならないという意味において、最低基準としての性格を有しています。特に、新しい学習指導要領においては、すべての児童生徒が共通に学ぶ内容を厳選するとともに、中・高等学校においては選択学習の幅を拡大しており、生徒の個性や能力、さらには将来の進路に応じた教育を行うことが一層可能となっています。したがって、各学校においては、児童生徒の理解の程度に違いがあることを踏まえ、学習指導要領の内容を十分理解している児童生徒に対しては、学習指導要領の内容のみにとどまらず、理解をより深めるなどの発展的な学習に取り組ませ、さらに力を伸ばしていくことが求められます
○ 学習指導要領の内容を十分理解した児童生徒には、教材や指導方法を工夫するなどして、積極的に発展的な学習に取り組ませる。

小学校学習指導要領(平成15年12月26日改定)
第1章 総則
第2 内容等の取扱いに関する共通的事項
1 第2章以下に示す各教科、道徳及び特別活動の内容に関する事項は、特に示す場合を除き、いずれの学校においても取り扱わなければならない。
2 学校において特に必要がある場合には、第2章以下に示していない内容を加えて指導することできる。また、第2章以下に示す内容の取扱いのうち内容の範囲や程度等を示す事項は、すべての児童に対して指導するものとする内容の範囲や程度等を示したものであり、学校において特に必要がある場合には、この事項にかかわらず指導することができる。ただし、これらの場合には、第2章以下に示す各教科、道徳、特別活動及び各学年の目標や内容の趣旨を逸脱したり、児童の負担過重となったりすることのないようにしなければならない。

第1章 総則
第5 指導計画の作成等に当たって配慮すべき事項
1 (略)
2 以上のほか、次の事項に配慮するものとする。
(1)〜(4) (略)
(5) 各教科等の指導に当たっては、児童が学習内容を確実に身に付けることができるよう、学校や児童の実態に応じ、個別指導やグループ別指導、繰り返し指導、学習内容の習熟の程度に応じた指導、児童の興味・関心等に応じた課題学習、補充的な学習や発展的な学習などの学習活動を取り入れた指導、教師の協力的な指導など指導方法や指導体制を工夫改善し、個に応じた指導の充実を図ること。

義務教育諸学校教科用図書検定基準(平成14年文部省告示第15号)
第2章 各教科共通の条件 1範囲及び程度
(1) 小学校学習指導要領(平成10年文部省告示第175号)又は中学校学習指導要領(平成10年文部省告示第176号)(以下「学習指導要領」という。)に示す教科及び学年、分野又は言語の「目標」(以下「学習指導要領に示す目標」という。)に従い、学習指導要領に示す学年、分野又は言語の「内容」(以下「学習指導要領に示す内容」という。)及び「内容の取扱い」(「指導計画の作成と各学年にわたる内容の取扱い」及び「指導計画の作成と内容の取扱い」を含む。以下「学習指導要領に示す内容の取扱い」という。)に示す事項を不足なく取り上げていること。
(2) 本文、問題、説明文、注、資料、作品、挿絵、写真、図など教科用図書の内容(以下「図書の内容」という。)には、学習指導要領に示す目標、学習指導要領に示す内容及び学習指導要領に示す内容の取扱いに照らして、不必要なものは取り上げていないこと。ただし、本文以外の図書の内容において、学習指導要領に示す内容や学習指導要領に示す内容の取扱いに示す事項との適切な関連の下、学習指導要領に示す目標や学習指導要領に示す内容の趣旨を逸脱せず、児童又は生徒の負担過重とならない範囲で、学習指導要領に示す内容及び学習指導要領に示す内容の取扱いに示す事項以外の事項(以下「学習指導要領に示していない内容」という。)を取り上げることができること。
(3) 図書の内容は、その学年の児童又は生徒の心身の発達段階に適応しており、その能力からみて程度が高過ぎるところ又は低過ぎるところはないこと。



16  指導要録の絶対評価への転換

文部科学省初等中等教育局長通知(2001.04.27 13文科初193)
  指導要録は、1年間の学習指導の過程や成果などを要約して記録するものであり、その記録を確かなものにするためには、そこに至るまでの継続的な評価の充実が重要です。このため、これからの評価においては、各学校において、観点別学習状況の評価を基本とした現行の評価方法を発展させ、学習指導要領に示す目標に照らしてその実現状況を見る評価が一層重視されるとともに、児童生徒一人一人のよい点や可能性、進歩の状況などを評価するため、個人内評価が工夫されるようお願いします。

別紙第1 小学校児童指導要録に記載する事項等
○ 指導に関する記録〔各教科の学習の記録〕
I 観点別学習状況
  小学校学習指導要領(平成10年文部省告示第175号)に示す各教科の目標に照らして、その実現状況を観点ごとに評価し、A、B、Cの記号により記入する。この場合、「十分満足できると判断されるもの」をA、「おおむね満足できると判断されるもの」をB、「努力を要すると判断されるもの」をCとする。
  また、特に必要があれば、観点を追加して記入する。
  各教科の評価の観点及びその趣旨並びにそれらを学年別に示したものは別添1−1のとおりである。各学校においては、評価が効果的に行われるようにするため、これらを参考として、評価規準の工夫・改善を図ることが望まれる。
II 評定
  第3学年以上の各教科の学習の状況について、小学校学習指導要領に示す各教科の目標に照らして、その実現状況を総括的に評価し、記入する
  各教科の評定は、3段階で表し、3段階の表示は、3、2、1とする。その表示は、小学校学習指導要領に示す目標に照らして、「十分満足できると判断されるもの」を3、「おおむね満足できると判断されるもの」を2、「努力を要すると判断されるもの」を1とする
  評定に当たっては、評定は各教科の学習の状況を総括的に評価するものであり、「I観点別学習状況」において掲げられた観点は、分析的な評価を行うものとして、各教科の評定を行う場合において基本的な要素となるものであることに十分留意することが望まれる。その際、観点別学習状況の評価を、どのように評定に総括するかの具体的な方法等については、各学校において工夫することが望まれる。



17  奉仕活動の法制化

 教育改革国民会議の報告における「人間性豊かな日本人を育成するため奉仕活動を全員が行うようにする」との提言を受けて、奉仕体験学習の推進について、学校教育法、社会教育法に規定を設けた。(学校教育法の一部を改正する法律 平成13年7月11日法律第105号)
  補足:1998年からは、ボランティア活動や就業体験、スポーツ・文化分野における活動、大学・社会教育施設等における学修については、各学校の判断により単位認定することが可能となっている(学校教育法施行規則63条の4)。

学校教育法
第十八条の二 小学校においては、前条各号に掲げる目標の達成に資するよう、教育指導を行うに当たり、児童の体験的な学習活動、特にボランティア活動など社会奉仕体験活動、自然体験活動その他の体験活動の充実に努めるものとする。この場合において、社会教育関係団体その他の関係団体及び関係機関との連携に十分配慮しなければならない。

社会教育法
(市町村の教育委員会の事務)
第五条 市(特別区を含む。以下同じ。)町村の教育委員会は、社会教育に関し、当該地方の必要に応じ、予算の範囲内において、次の事務を行う。
一 社会教育に必要な援助を行うこと。
二 社会教育委員の委嘱に関すること。
三 公民館の設置及び管理に関すること。
四 所管に属する図書館、博物館、青年の家その他社会教育に関する施設の設置及び管理に関すること。
五 所管に属する学校の行う社会教育のための講座の開設及びその奨励に関すること。
六 講座の開設及び討論会、講習会、講演会、展示会その他の集会の開催並びにこれらの奨励に関すること。
七 家庭教育に関する学習の機会を提供するための講座の開設及び集会の開催並びにこれらの奨励に関すること。
八 職業教育及び産業に関する科学技術指導のための集会の開催及びその奨励に関すること。
九 生活の科学化の指導のための集会の開催及びその奨励に関すること。
十 運動会、競技会その他体育指導のための集会の開催及びその奨励に関すること。
十一 音楽、演劇、美術その他芸術の発表会等の開催及びその奨励に関すること。
十二 青少年に対しボランティア活動など社会奉仕体験活動、自然体験活動その他の体験活動の機会を提供する事業の実施及びその奨励に関すること
十三 一般公衆に対する社会教育資料の刊行配布に関すること。
十四 視聴覚教育、体育及びレクリエーションに必要な設備、器材及び資料の提供に関すること。
十五 情報の交換及び調査研究に関すること。
十六 その他第三条第一項の任務を達成するために必要な事務



18  読書活動の推進

子どもの読書活動の推進に関する法律(平成13年12月12日法律第154号)
(目的)
第一条 この法律は、子どもの読書活動の推進に関し、基本理念を定め、並びに国及び地方公共団体の責務等を明らかにするとともに、子どもの読書活動の推進に関する必要な事項を定めることにより、子どもの読書活動の推進に関する施策を総合的かつ計画的に推進し、もって子どもの健やかな成長に資することを目的とする。
(基本理念)
第二条 子ども(おおむね十八歳以下の者をいう。以下同じ。)の読書活動は、子どもが、言葉を学び、感性を磨き、表現力を高め、創造力を豊かなものにし、人生をより深く生きる力を身に付けていく上で欠くことのできないものであることにかんがみ、すべての子どもがあらゆる機会とあらゆる場所において自主的に読書活動を行うことができるよう、積極的にそのための環境の整備が推進されなければならない。



19  認定就学者制度の導入

 医学・科学技術の進歩を踏まえ、盲・聾・養護学校に就学すべき基準について見直す。個々の障害の状態に応じた高性能の補助具や補助手段の活用、施設・設備の状況などにより学校生活に支障がなく、就学先で受ける教育がその児童生徒に適切であると判断される場合には、教育委員会の判断により普通学校への就学を認めることができるようにする。(学校教育法施行令の一部を改正する政令 平成14年政令第165号)

学校教育法施行令
第五条 市町村の教育委員会は、就学予定者(法第二十二条第一項 又は第三十九条第一項 の規定により、翌学年の初めから小学校、中学校、中等教育学校、盲学校、聾学校又は養護学校に就学させるべき者をいう。以下同じ。)で次に掲げる者について、その保護者に対し、翌学年の初めから二月前までに、小学校又は中学校の入学期日を通知しなければならない。
一 就学予定者のうち、盲者(強度の弱視者を含む。)、聾者(強度の難聴者を含む。)、知的障害者、肢体不自由者又は病弱者(身体虚弱者を含む。)で、その心身の故障が、第二十二条の三の表に規定する程度のもの(以下「盲者等」という。)以外の者
二 盲者等のうち、市町村の教育委員会が、その者の心身の故障の状態に照らして、当該市町村の設置する小学校又は中学校において適切な教育を受けることができる特別の事情があると認める者(以下「認定就学者」という。)
2 市町村の教育委員会は、当該市町村の設置する小学校又は中学校(法第五十一条の十 の規定により高等学校における教育と一貫した教育を施すもの(以下「併設型中学校」という。)を除く。以下この項、次条第七号、第六条の三、第六条の四、第七条、第八条、第十一条の二、第十二条第三項及び第十二条の二において同じ。)が二校以上ある場合においては、前項の通知において当該就学予定者の就学すべき小学校又は中学校を指定しなければならない。
3 前二項の規定は、第九条第一項の届出のあつた就学予定者については、適用しない。

・就学基準の見直し
学校教育法施行令
(盲者等の心身の故障の程度)
第二十二条の三
  盲学校、聾学校又は養護学校に就学させるべき盲者、聾者又は知的障害者、肢体不自由者若しくは病弱者の心身の故障の程度は、次の表に掲げるとおりとする。

区分心身の故障の程度
盲者両眼の視力がおおむね〇・三未満のもの又は視力以外の視機能障害が高度のもののうち、拡大鏡等の使用によつても通常の文字、図形等の視覚による認識が不可能又は著しく困難な程度のもの
聾者両耳の聴力レベルがおおむね六〇デシベル以上のもののうち、補聴器等の使用によつても通常の話声を解することが不可能又は著しく困難な程度のもの
知的障害者一 知的発達の遅滞があり、他人との意思疎通が困難で日常生活を営むのに頻繁に援助を必要とする程度のもの
二 知的発達の遅滞の程度が前号に掲げる程度に達しないもののうち、社会生活への適応が著しく困難なもの
肢体不自由者一 肢体不自由の状態が補装具の使用によつても歩行、筆記等日常生活における基本的な動作が不可能又は困難な程度のもの
二 肢体不自由の状態が前号に掲げる程度に達しないもののうち、常時の医学的観察指導を必要とする程度のもの
病弱者一 慢性の呼吸器疾患、腎臓疾患及び神経疾患、悪性新生物その他の疾患の状態が継続して医療又は生活規制を必要とする程度のもの
二 身体虚弱の状態が継続して生活規制を必要とする程度のもの

 備考
一 視力の測定は、万国式試視力表によるものとし、屈折異常があるものについては、矯正視力によつて測定する。
二 聴力の測定は、日本工業規格によるオージオメータによる。

・特別支援教育の推進
文部科学省組織令(平成13年1月6日)
(特別支援教育課の所掌事務)
第三十九条 特別支援教育課は、次に掲げる事務(第一号及び第三号から第六号までに掲げる事務にあっては、スポーツ・青少年局の所掌に属するものを除く。)をつかさどる。
一 盲学校、聾学校及び養護学校並びに特殊学級における教育その他の教育上特別の支援を必要とする児童、生徒及び幼児に対する教育(以下この条において「特別支援教育」という。)の振興に関する企画及び立案並びに援助及び助言に関すること。
二 前号に掲げる児童、生徒及び幼児に係る就学奨励並びに特別支援教育の用に供する設備の整備のための補助に関すること。
三 特別支援教育の基準(学級編制及び教職員定数に係るものを除く。)の設定に関すること。
四 盲学校、聾学校及び養護学校の高等部における通信教育に関すること。
五 地方公共団体の機関その他の関係機関に対し、特別支援教育に係る専門的、技術的な指導及び助言を行うこと。
六 教育関係職員その他の関係者に対し、特別支援教育に係る専門的、技術的な指導及び助言を行うこと。
七 盲学校の理療に関する学科及び理学療法に関する学科並びに聾学校の歯科技工に関する学科の認定に関すること。
八 独立行政法人国立特殊教育総合研究所の組織及び運営一般に関すること。

旧文部省組織令
(特殊教育課)
第32条 特殊教育課においては、次の事務をつかさどる。(以下略)



20  公立学校教員の給与制度等の見直し

 これまで国立学校の教員の給与を基準としていた公立学校の教員の給与について、各地方公共団体が地域ごとの実態を踏まえて給料や諸手当の額を主体的に定めることができるようにするとともに、条例で定めるところにより各地方公共団体が教員の職務と責任の特殊性に基づき,現行と同様の給与を支給することができるようにするため、関係規定を整備した。(国立大学法人等の施行に伴う関係法律の整備等に関する法律 平成15年7月16日法律第117号)
  補足:これまで公立学校教員の給与は、国立学校の教育公務員の給与水準に連動する仕組みになっていた(国立学校準拠制)。ところが国立学校には公務員が存在しなくなったので、準拠すべき給与水準も存在しなくなった。そこで、国立学校準拠規定を削除し、教員給与を各地方が条例で定めるとする規定の整備がはかられた。そのとき、給与の全国水準を維持するために給与標準法(仮称)を制定するという途は議論されないまま採用されなかった。今回の改正によって、教員給与の決定については地方の自由度が増大するが、その給与水準は低下することが予想される。改正後、各地方において、俸給表、教員特別手当、特殊勤務手当等の見直しが進められている。

国立大学法人法(平成15年7月16日法律第112号)
(目的)
第一条 この法律は、大学の教育研究に対する国民の要請にこたえるとともに、我が国の高等教育及び学術研究の水準の向上と均衡ある発展を図るため、国立大学を設置して教育研究を行う国立大学法人の組織及び運営並びに大学共同利用機関を設置して大学の共同利用に供する大学共同利用機関法人の組織及び運営について定めることを目的とする。

教育公務員特例法
(校長及び教員の給与)
第十三条 公立の小学校等の校長及び教員の給与は、これらの者の職務と責任の特殊性に基づき条例で定めるものとする
2 前項に規定する給与のうち地方自治法 (昭和二十二年法律第六十七号)第二百四条第二項 の規定により支給することができる義務教育等教員特別手当は、これらの者のうち次に掲げるものを対象とするものとし、その内容は、条例で定める。
一 公立の小学校、中学校、中等教育学校の前期課程又は盲学校、聾学校若しくは養護学校の小学部若しくは中学部に勤務する校長及び教員
二 前号に規定する校長及び教員との権衡上必要があると認められる公立の高等学校、中等教育学校の後期課程、盲学校、聾学校若しくは養護学校の高等部若しくは幼稚部又は幼稚園に勤務する校長及び教員

旧法
第25条の5 公立学校の教育公務員の給与の種類及びその額は、当分の間、国立学校の教育公務員の給与の種類及びその額を基準として定めるものとする
2 公立の養護学校の教職員の給与の種類及びその額は、当分の間、当該養護学校の存する都道府県内の公立の盲学校又は聾学校の教職員の給与の種類及びその額を基準として定めるものとする。



21  「指導力不足教員」の転職

 児童生徒に対する指導力が不足し、適格性が不十分な教員については、必要に応じ免職を含めた分限処分を的確に行うよう各都道府県教育委員会等を指導するとともに、教員以外の職へ円滑に異動させるための仕組みを取り入れる。(地方教育行政の組織及び運営に関する法律の一部を改正する法律 平成13年法律第104号)

地方教育行政の組織及び運営に関する法律
(県費負担教職員の免職及び都道府県の職への採用)
第四十七条の二 都道府県委員会は、地方公務員法第二十七条第二項 及び第二十八条第一項 の規定にかかわらず、その任命に係る市町村の県費負担教職員(教諭、養護教諭、助教諭及び養護助教諭(同法第二十八条の四第一項 又は第二十八条の五第一項 の規定により採用された者(以下この項において「再任用職員」という。)を除く。)並びに講師(再任用職員及び非常勤の講師を除く。)に限る。)で次の各号のいずれにも該当するもの(同法第二十八条第一項 各号又は第二項 各号のいずれかに該当する者を除く。)を免職し、引き続いて当該都道府県の常時勤務を要する職(指導主事並びに校長、園長及び教員の職を除く。)に採用することができる。
一 児童又は生徒に対する指導が不適切であること。
二 研修等必要な措置が講じられたとしてもなお児童又は生徒に対する指導を適切に行うことができないと認められること。
2 事実の確認の方法その他前項の県費負担教職員が同項各号に該当するかどうかを判断するための手続に関し必要な事項は、都道府県の教育委員会規則で定めるものとする。
3 都道府県委員会は、第一項の規定による採用に当たつては、公務の能率的な運営を確保する見地から、同項の県費負担教職員の適性、知識等について十分に考慮するものとする。
4 第四十条後段の規定は、第一項の場合について準用する。この場合において、同条後段中「当該他の市町村」とあるのは、「当該都道府県」と読み替えるものとする。



22  10年経験者研修

 平成14年度から全国の小・中学校で実施されている新しい学習指導要領等の下、基礎・基本を確実に身に付けさせ、自ら学び考える力などを育成し、確かな学力の向上を図るとともに、心の教育の充実を図るためには、実際に指導に当たる教諭等にこれまで以上の指導力が必要とされていることから、教育公務員特例法を改正して、教諭等としての在職期間が10年に達した者に対する個々の能力、適性等に応じた研修を制度化するものであること。(教育公務員特例法の一部を改正する法律 平成14年6月12日法律第63号)

教育公務員特例法
(十年経験者研修)
第二十四条 公立の小学校等の教諭等の任命権者は、当該教諭等に対して、その在職期間(公立学校以外の小学校等の教諭等としての在職期間を含む。)が十年(特別の事情がある場合には、十年を標準として任命権者が定める年数)に達した後相当の期間内に、個々の能力、適性等に応じて、教諭等としての資質の向上を図るために必要な事項に関する研修(以下「十年経験者研修」という。)を実施しなければならない
2 任命権者は、十年経験者研修を実施するに当たり、十年経験者研修を受ける者の能力、適性等について評価を行い、その結果に基づき、当該者ごとに十年経験者研修に関する計画書を作成しなければならない。
3 第一項に規定する在職期間の計算方法、十年経験者研修を実施する期間その他十年経験者研修の実施に関し必要な事項は、政令で定める。



23  栄養教諭

 子どもたちの望ましい食習慣の形成のため、新たに栄養教諭制度を創設し、栄養に関する専門性と教育に関する資質を併せ有する栄養教諭が、食に関する指導に当たることができるようにする(任意配置主義)。(学校教育法等の一部を改正する法律 平成16年5月21日法律第49号 施行:平成17年4月1日等)

学校教育法
第二十八条 小学校には、校長、教頭、教諭、養護教諭及び事務職員を置かなければならない。ただし、特別の事情のあるときは、教頭又は事務職員を置かないことができる。
2 小学校には、前項のほか、栄養教諭その他必要な職員を置くことができる
3 校長は、校務をつかさどり、所属職員を監督する。
4 教頭は、校長を助け、校務を整理し、及び必要に応じ児童の教育をつかさどる。
5 教頭は、校長に事故があるときはその職務を代理し、校長が欠けたときはその職務を行なう。この場合において教頭が二人以上あるときは、あらかじめ校長が定めた順序で、その職務を代理し、又は行なう。
6 教諭は、児童の教育をつかさどる。
7 養護教諭は、児童の養護をつかさどる。
8 栄養教諭は、児童の栄養の指導及び管理をつかさどる
9 事務職員は、事務に従事する。
10 助教諭は、教諭の職務を助ける。
11 講師は、教諭又は助教諭に準ずる職務に従事する。
12 養護助教諭は、養護教諭の職務を助ける。
13 特別の事情のあるときは、第一項の規定にかかわらず、教諭に代えて助教諭又は講師を、養護教諭に代えて養護助教諭を置くことができる。



24  教員免許制度上の弾力的措置

 幼稚園、小学校、中学校及び高等学校の各学校段階間の連携の促進並びに小学校における専科指導の充実等を図るため、教員免許制度上の弾力的措置を講じるとともに、学校教育への社会人の活用を促進するため所要の措置を講ずるものであること。また、教員に対する信頼を確保するため、教員免許状の失効及び取上げに係る措置を強化するものであること。(教育職員免許法の一部を改正する法律 平成14年5月31日法律第55号)

・免許状の失効
教育職員免許法
(失効)
第十条 免許状を有する者が、次の各号のいずれかに該当する場合には、その免許状はその効力を失う。
一 第五条第一項第三号、第四号又は第七号に該当するに至つたとき。
二 公立学校の教員であつて懲戒免職の処分を受けたとき
2  前項の規定により免許状が失効した者は、すみやかに、その免許状を免許管理者(当該免許状を有する者が教育職員である場合にあつてはその者の勤務する学校の所在する都道府県の教育委員会、当該者が教育職員以外の者である場合にあつてはその者の住所地の都道府県の教育委員会をいう。以下同じ。)に返納しなければならない
(取上げ)
第十一条  国立学校又は私立学校の教員が、前条第一項第二号に規定する者の場合における懲戒免職の事由に相当する事由により解雇されたと認められるときは、免許管理者は、その免許状を取り上げなければならない
2  免許状を有する者(教育職員以外の者に限る。)が、法令の規定に故意に違反し、又は教育職員たるにふさわしくない非行があつて、その情状が重いと認められるときは、免許管理者は、その免許状を取り上げることができる。
3  前二項の規定により免許状取上げの処分を行つたときは、免許管理者は、その旨を直ちにその者に通知しなければならない。この場合において、当該免許状は、その通知を受けた日に効力を失うものとする。
4  前条第二項の規定は、前項の規定により免許状が失効した者について準用する。

・他校種免許状による専科担任
教育職員免許法
第十六条の五 中学校又は高等学校の教諭の免許状を有する者は、第三条第一項から第三項までの規定にかかわらず、それぞれその免許状に係る教科に相当する教科その他教科に関する事項で文部科学省令で定めるものの教授又は実習を担任する小学校の教諭若しくは講師又は盲学校、聾学校若しくは養護学校の小学部の教諭若しくは講師となることができる。ただし、盲学校、聾学校又は養護学校の小学部の教諭又は講師となる場合は、それぞれの学校の教員の免許状を有する者でなければならない。
2 工芸、書道、看護、情報、農業、工業、商業、水産、福祉若しくは商船又は看護実習、情報実習、農業実習、工業実習、商業実習、水産実習、福祉実習若しくは商船実習の教科又は第十六条の四第一項に規定する文部科学省令で定める教科の領域の一部に係る事項について高等学校の教諭の免許状を有する者は、第三条の規定にかかわらず、それぞれその免許状に係る教科に相当する教科その他教科に関する事項で文部科学省令で定めるものの教授又は実習を担任する中学校若しくは中等教育学校の前期課程の教諭若しくは講師又は盲学校、聾学校若しくは養護学校の中学部の教諭若しくは講師となることができる。ただし、盲学校、聾学校又は養護学校の中学部の教諭又は講師となる場合は、それぞれの学校の教員の免許状を有する者でなければならない。

・隣接校種免許状の取得
教育職員免許法
(教育職員検定)
第六条 教育職員検定は、受検者の人物、学力、実務及び身体について、授与権者が行う。
2 学力及び実務の検定は、前条第二項及び第五項並びに第十八条の場合を除くほか、別表第三、第五、第六、第六の二、第七又は第八の定めるところによつて行わなければならない。
3 一以上の教科についての教諭の免許状を有する者に他の教科についての教諭の免許状を授与するため行う教育職員検定は、第一項の規定にかかわらず、受検者の人物、学力及び身体について行う。この場合における学力の検定は、前項の規定にかかわらず、別表第四の定めるところによつて行わなければならない。

別表第八 (第六条関係)

第一欄第二欄 第三欄第四欄
所要資格 有することを必要とする学校の免許状 第二欄に定める各免許状を取得した後、当該学校における教諭又は講師(これらに相当する中等教育学校の前期課程又は後期課程並びに盲学校、聾学校及び養護学校の各部の教諭又は講師を含む。)として良好な勤務成績で勤務した旨の実務証明責任者の証明を有することを必要とする最低在職年数 第二欄に定める免許状を取得した後、大学において修得することを要する単位数
受けようとする免許状の種類
小学校教諭二種免許状 幼稚園教諭普通免許状一三
中学校教諭普通免許状一二
中学校教諭二種免許状 小学校教諭普通免許状一四
高等学校教諭普通免許状
高等学校教諭一種免許状 中学校教諭普通免許状(二種免許状を除く。)一二
幼稚園教諭二種免許状 小学校教諭普通免許状
備考 中学校教諭免許状を有する者が高等学校教諭一種免許状の授与を受けようとする場合又は高等学校教諭免許状を有する者が中学校教諭二種免許状の授与を受けようとする場合の免許状に係る教科については、文部科学省令で定める。


・特別免許状

補足:特別免許状制度は、1988年に特別非常勤講師制度とともに創設されたが、授与件数が少なく十分に活用されていないことから、今回の改正でその授与要件を緩和し、有効期間を撤廃(終身有効)した。
教育職員免許法
(授与)
第五条 普通免許状は、別表第一、第二若しくは第二の二に定める基礎資格を有し、かつ、大学若しくは文部科学大臣の指定する養護教諭養成機関において別表第一、第二若しくは第二の二に定める単位を修得した者又は教育職員検定に合格した者に授与する。ただし、次の各号のいずれかに該当する者には、授与しない。
一 十八歳未満の者
二 高等学校を卒業しない者(通常の課程以外の課程におけるこれに相当するものを修了しない者を含む。)。ただし、文部科学大臣において高等学校を卒業した者と同等以上の資格を有すると認めた者を除く。
三 成年被後見人又は被保佐人
四 禁錮以上の刑に処せられた者
五 第十条第一項第二号に該当することにより免許状がその効力を失い、当該失効の日から三年を経過しない者
六 第十一条第一項又は第二項の規定により免許状取上げの処分を受け、当該処分の日から三年を経過しない者
七 日本国憲法 施行の日以後において、日本国憲法 又はその下に成立した政府を暴力で破壊することを主張する政党その他の団体を結成し、又はこれに加入した者
2 特別免許状は、教育職員検定に合格した者に授与する。ただし、前項各号の一に該当する者には、授与しない。
3 前項の教育職員検定は、次の各号のいずれにも該当する者について、教育職員に任命し、又は雇用しようとする者が、学校教育の効果的な実施に特に必要があると認める場合において行う推薦に基づいて行うものとする。
一 担当する教科に関する専門的な知識経験又は技能を有する者
二 社会的信望があり、かつ、教員の職務を行うのに必要な熱意と識見を持つている者
4 第六項で定める授与権者は、第二項の教育職員検定において合格の決定をしようとするときは、あらかじめ、学校教育に関し学識経験を有する者その他の文部科学省令で定める者の意見を聴かなければならない。
5 臨時免許状は、普通免許状を有する者を採用することができない場合に限り、第一項各号の一に該当しない者で教育職員検定に合格したものに授与する。ただし、高等学校助教諭の臨時免許状は、次の各号の一に該当する者以外の者には授与しない。
一 準学士の称号を有する者
二 文部科学大臣が前号に掲げる者と同等以上の資格を有すると認めた者
6 免許状は、都道府県の教育委員会(以下「授与権者」という。)が授与する。





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